犬のしつけがQ&Aで分かる!

キャバリア犬のしつけ飼い方


m1.png6ヶ月になるキャバリアのしつけ相談です。

<問題の内容>

我が家に来て約1カ月、私にべったりで膝の上にのって寝ようとしたり、私が姿を消すと、クンクン鳴いたり後追いをするので、このまま甘やかすとお留守番ができなくなってしまうのでは?と不安を感じ、昨日あたりから、必要に声をかけない、目をあわせないようにしています。

私がテーブルの椅子に座ると、一緒に上がって膝の上で寝たがり、これまで来客時に2回ほど私が抱き上げて隣で寝させたことがありました。しかし、これは間違いだと気付き、椅子に上がりたがっても無視したり、No!と叱ると、すぐにしなくなりました。

私が相手をしなくなると、リビングのカーペットで寝ていますが、そのようなときもケージに戻して寝させた方がよいでしょうか?

トイレはほぼ大丈夫で、したくなったらケージ内のトイレに自分で入ってしてくれます。

悪さをしたとき、No!と言って叱ったら、うぅ~と唸りながら自分のしっぽを追いまわします。これまでも同じような叱り方をしていたのですが、昨日からそのような行動をするようになりました。犬が自分のしっぽを追いかけるのはストレスの現れと本で読んだことがあり、とても心配です。

私が急に構ってあげなくなったから、反抗的?になっているのでしょうか?今朝は叱ってもいないのに、度々しっぽを追いかけていました。5か月までペットショップにいたためか、社会性は育っているいるように思います。お散歩中も、他の犬にとびかかったり吠えたりすることもありません。

リーダーウォークは意識していますがまだまだできていません・・・これまで私に反抗的な態度をみせたことがなかったけれど、今日は私の顔色を見て?何か伺っているように見えました。甘えてもきません。私も反省すべき点がたくさんあると思います。アドバイスをお願い致します。

朝起きたとき、外出から戻った時など、ケージから出してあげると、嬉しそうに自分からお腹を見せます。ただ、これは私と主人にのみで、娘には自分からお腹をみせようとはしません。

主人にはお腹を見せてじっと仰向けになっているのですが、私のときは仰向けになりながら私の手を甘がみしてきます。それは、主人の方が上、私は主人よりも下と認識しているからでしょうか?(主人は早朝か深夜しか在宅しておらず、犬との触れ合いもこのときのみです。)

そういう時、どのように対処すればよいか、教えてください。

私がお買い物や用事で留守にする以外はほとんど一緒にいます。留守にするとしても、3時間以内には戻ります。

<一日の流れ >

午前6:00 起床、おしっこをしたのを確認してからケージを開ける
8:00 週に2回程度、娘の登校にあわせてお散歩に出る。(20分程度)
8:00~8:30の間に朝のフードをケージ内で与える。フードを食べた後、ケージを開けて欲しがって、ケージの壁をかきかきするが、無視をして掃除、洗濯、その後、スーパーなどへ。帰宅後はすぐにケージを開けず、落ち着いたころに、お座り、待てをさせてから開ける。その後、しばらくロープなどのおもちゃで遊ぶ。

午後15:00 娘が帰宅。
16:00 週に2回程度、この時間に2回目の散歩に出ます。
18:00 夜のフードをケージ内で与える。その間に私と娘は入浴、食事をとる。
20:00 落ち着いていたらケージから出して私と娘と一緒に遊ぶ。
21:00 娘の就寝時刻にあわせてケージに入れる。(出してほしいと抵抗するが無視)
22:30 主人の帰宅。ケージから出し、主人が就寝するまでリビングで過ごす。(食卓に上ったりはしないが、ずっと欲しそうにそわそわしている。その間はソファーで主人の隣に座っているか、私の膝の上にいます。)
23:00 主人の就寝の時刻に合わせて再びケージへ入れる。部屋を真っ暗にして朝まで就寝。

<愛犬のハウス周りの構成、環境など>
3階建ての2階リビングにケージを置いています。寝るとき以外はたいていここで過ごします。このケージは屋根があって閉まります。


m2.pngメールを拝見する限り、キャバリアちゃん素性はとっても良い子ですね。飼い主さんも基本的な犬のしつけは悪くなかったので、今の状態は全然普通で、まったく悲観されることはありません。

ただ、以前の接し方の中でちょっと気になったところがあるのと、これから反抗期に入ってきて成犬としての権勢本能なども色濃く出てくるので、この機会に学んでいきましょう。
 
まず、犬のしつけが進んでくると反抗的に映る場面はたくさん出てきます。犬にとってみれば、今まで膝の上に自由に乗ったりできたのに、急にダメと言われて叱られたら混乱するし怒ります。それは当然ですので気にせずやり続けてください。
 
自分のシッポを追ってクルクル回るのは、その瞬間のストレスです。犬はよくやります。生活全体のストレスではないのでご心配は無いです。先ほども申し上げたように、今まで叱られなかったことを急に叱られ、出来なくなったらその瞬間はストレスになり面白くないわけです。

だから唸ることもします。よく子供が自分の思い通りにいかないと足をバタバタさせたり手を振り回してダダをこねますね(笑い)同じ事です。犬にも人間の子にも、哺乳類を育てる過程では必ず通る道です。今まで好きにさせてきたのなら、なおさらです。
 
ただし、例えば膝の上に乗ったのを叱るだけでは一歩足りません。本書で何度も「型と音で教える」というお話をしていますが何でも同じです。感情的に叱っておしまい・・ではなく、まず「ダメ」とハッキリ伝え、首輪をつかみ膝から降ろします。

そこで、膝から降りた状態は良い事なので褒めてあげます。良い状態の型がとれているときは褒める・・これを忘れないでください。そうしないと犬には嫌悪感が残るだけで、しかも物事の良し悪しが理解できないのです。
 
褒め方は大げさにしないでください。「○○、良い子」とハッキリ伝え、体か頭をポンポンポンと軽くたたいてあげます。それで十分です。それ以上やったりナデナデ抱っこ・・それは犬にとって従属的な態度として映ってしまうからです。

吠えでも噛みつきでも何でも、教えは型と音(ジェスチャーも出来れば)で根気良くやり続けます。
 
そして同じ教えをしても、主従関係ができていないと犬は言う事を聞こうともしません。聞くべき存在だと認めていないからです。ですので大前提は、主従関係・・普段の何気ない態度や接し方が全ての基本になります。犬はとぼけた顔していても敏感に感じ取っているのです。
 
>必要に声をかけない、目をあわせないようにしています・・・
 
↑これで良いです。これを基本的な態度にしてください。ただし先ほども申し上げた通り、物事は教えないと犬も分かりませんので型と音で教えます。またスキンシップも大切ですから、あお向けをしたり、家の中でもリーダーウォークして良いのです。ボール遊びもしてください。

それからチョット触りたい、チョット声をかけたい・・という時があると思います。そういう時は意味無くかまうのではなく、例えばスワレ・マテの指示を出して、できたら褒める。これも立派なスキンシップでありコミュニケーションなわけです。

ですので犬と接する時は「指示を出す→犬が行動→褒める」この三点セットを意識してください。それを犬と接する時のルールにすると主従関係が深まり、信頼関係になっていきます。
 
>私が相手をしなくなると、リビングのカーペットで寝ていますが、そのようなときもケージに戻して寝させた方がよいでしょうか?・・
 
↑これはこのままで良いです。何か腹いせに物を壊したりオシッコするわけではないので。犬を見ていられる時間帯はケージから出していただいて結構です。
 
>5か月までペットショップにいたためか、社会性は育っているいるように・・
 
↑これはショップとブリーダーの環境によって千差万別です。犬の素性も関係します。社交性を考えて育てているショップ・ブリーダーは少ないですが、今回のキャバリアちゃんは素性も良くて良かったです。

ショップで時間をみては子犬同士で遊ばせたり、店員が散歩などしてくれると社会化は良い状態になります。逆に悪いショップ・ブリーダーは、早くに犬の家族から引き離しショーケースに閉じ込める・・そういう環境で育った子犬はしつけに大変苦労します。

ですので、今回のキャバリアちゃんとの良い出会いは感謝しましょう。
 
>(主人は早朝か深夜しか在宅しておらず、犬との触れ合いもこのときのみです。)そういう時、どのように対処すればよいか、教えてください。

↑基本はこれで良いんです。かまい過ぎない、甘やかしをしないから犬にとってご主人が一目おかれる存在になるわけです。そしてあお向けでスキンシップと主従関係の確認をしているので、良い関係が保てるわけです。

ご家族全員がその基本を意識しましょう。急には出来ませんので、少しずつ毎日意識すれば良いです。そうしていると、いつの間にか良い接し方が当たり前のように、自然に出来るようになります。
 
ただし、もちろんそれだけではスキンシップも運動も不足になりますし、物事も覚えられません。
 
今までお話したように、感情で叱って終わり・・ではなく、良い型を取らせ褒める。何度もしつこく繰り返し。
 
ボール遊びなどを飼い主が主導して楽しむ。ボールを投げる前にスワレ・マテをさせ飼い主にしっかり注目させる・・できたら褒めてボールを投げる。そうすれば飼い主のリーダーシップが発揮され、犬も褒められ、自由運動できて楽しい・・良い運動になります。
 
そしてリーダーウォークもチャレンジしてください。リーダーウォーク=散歩ではありませんので、家の中でも時間を見つけてはやりましょう。またゴハンを用意してそれを見せてからやると、より主従関係が明確になります。食事前にはリーダーウォークやマテ・スワレ、あお向けなどをたくさんやると良いです。そこにお嬢さんも参加させましょう。
 
あお向けは、ご両親がやって、そこにお嬢さんの手を添えさせるようにすると良いです。「マテ」と言って強い気持ちで犬の目を見るように教えてください。

今はまだお嬢さん単独で外の散歩には行かせないようにしてください。お互い未熟なので主従関係が崩れたり事故など心配です。小学校高学年くらいまではご両親と同伴にしてください。
 
以上、やるべきことはたくさんありますが、とにかく無理しない、あせらないことです。犬の覚えるペースの限界もあります。激変すると犬も飼い主さんも負担が大きいです。大きな気持ちで毎日少しずつ・・
 
とにかく続けることが大切です。急にやりすぎて疲れてやめちゃった・・そんな事にならないように少しずつペースを上げていきましょう。
 
 
【その他】
 
>ケージは屋根があって閉まります・・
 
↑お掃除など特別な時以外は屋根を閉めておいてください。その方が犬は落ち着きます。でもお写真を拝見すると、壁になっている板が、天井になるんでしょうか? できれば今あるベッドの代わりに小さめの四方天井が壁になったハウスがあれば一番良いですが、無理に結構です。

今の写真の状態に、一枚板を買ってきて天井に置くだけでも良いです。そうすれば四方天井が壁になりますね。
 
>主人の方が上、私は主人よりも下と認識しているからでしょうか?
 
↑家族の中での細かい順位は、意識していない犬も多いです。ただし相手の存在が、自分が言う事を聞くべき存在か? という度合いは相手によって違って見ています。それは今まで申し上げてきた、普段の何気ない態度や接し方をずっと見てきた・・感じてきた結果だという事です。
 
では、今回はこんなところです。またいつでも何回でも気になったことがあったらメールください。それでは頑張って続けてください(^-^)


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質問内容キャバリア犬を飼っているのですが、里親で引き取って一からお座りお手など教えたいのですが、1歳のキャバリア犬でも出来ますか?

ちなみに私は、小学6年生なんで簡単にできる方法とかありませんか?


返答内容そうですか、キャバリアちゃんは里子で来たんですね(^-^)来たばかりの時が一番大事です。犬は新しい家族の中で、自分がどういう立場なのか試そうとしたり観察しています。

甘やかさずに、しっかり関係作りをしていきましょう。

さて、オテやスワレの教え方ですね。犬に動作を教えるのは、簡単で良いんです。というよりも、犬の知能は低いですから簡単に教えてあげないと、理解できないのです。

オテなら、犬の前足を自分の手でつかんで、その動きの中に「オテ・オテ・・」という音の合図を言いながら、犬の肩をポンポンして褒めます。

スワレなら、「スワレ・スワレ・・」と言いながら、犬の首輪をつかんで、おしりを押して座らせて褒める・・それだけです。簡単で良いんです。

形を作ってあげて、そこに音とジェスチャーを関連付けて褒めて、覚えやすくしてあげる。それだけです。

しかし、一番大事なことは、「犬が言う事を聞きたくなるような飼い主さんになる」ということです。

たとえば、あなたも「自分の部屋の掃除をしなさい」とか、「早く宿題すませて家のお手伝いしなさい」・・と言われる時に、自分の嫌いな人から言われるのと、好きな人から言われるのでは、やる気が全然違いますよね。

犬はオヤツでさそって何かをさせると、表面上はそれに釣られて行動はします。でも良い関係になったわけではありません。

例えば、あなたが嫌いな人から「おいしいお菓子あげるからコレ手伝って」と言われたら、とりあえず早くすませてお菓子だけもらってすぐサヨナラしたいですよね。

でも、あなたが大好きな友達から「手伝って」と言われたら、お菓子なんかもらえなくても喜んで手伝いますよね。

犬も同じで、相手との関係をちゃんと持とうとする動物です。

ただ、少し犬と人間の感覚の違いは、犬は平等とか対等ということが理解できません。例えば、人間のお友達同士では、二人で仲良く話し合って遊びの内容を決めたり、一つのオモチャを二人で上手く遊ぶことができますが、犬にはそこまでの知能がないので、「どちらかが相手を引っ張って、どちらかが相手に従う」という「主従関係」が自然です。

だから、犬に意味なく話しかけたり、抱っこ・ナデナデしたり、オヤツをあげたりしないで、いつも「自分がリーダーなんだ」という気持ちを持ち続けて、犬の行動を引っ張ってあげないといけません。言う事を聞かないことも多いでしょう。それでもイライラしたりせず、さきほどお話したように根気よく形を作って教えてあげないといけません。

散歩でも犬のペースに絶対合わせないで、わざと自分のペースにして、急に止まったり曲がったり、小走りしたり・・と、犬を導いてあげるのです。これをリーダーウォークと言いますが、家の中でもたくさんやってください。

それ以外にも、色々な犬のしつけ方法や遊びによっても関係作りができますから、私の本で学ばれるのも良いでしょう。

お金がかかりますので、まずお父さん・お母さんに相談してくださいね。できれば、お父さん・お母さんが最初に犬にやってみて、それをあなたが見ながら勉強していくのが一番良いです。犬のしつけは家族全員で同じようにできないと、犬も出来ない人をバカにするようになります。

犬のしつけは最初が一番大事です。甘やかされる環境に慣れてしまったり、関係が悪くなってからでは直すのがそれだけ大変になります。

では、しっかり関係作りをして、良い子に育ててください。
がんばって続けてくださいね(^-^)

追伸:

「お父様・お母様へ」

このメールをご覧になっているでしょうか。犬のしつけはすぐに結果が出ませんので、ご両親がまずしっかりご理解され、実践し、それを子供さんに見せながら学ばせてください。たかが犬と思われて、子供さん任せにすると大変なことになります。

キャバリアはわりと穏やかで頭の良い犬種ですが、犬は犬です。関係作りに失敗すると吠え・噛み付きで手におえなくなります。将来のためにしっかり取り組まれてくださいますよう、お願い申し上げます。


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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