犬のしつけがQ&Aで分かる!

シェルティ犬のしつけ

質問内容シェルティ犬のしつけでお世話になっております。こちらの犬のしつけ本には、本当に感謝しています。というのも、愛犬が穏やかになったような気がするからです。

愛犬は
・シェルティ犬オス2歳14キロ
・シェルティ犬メス1歳9カ月8キロ(避妊手術済み) です。

同居家族は夫と私の夫婦2人(50代)で、日中は二人とも仕事でおりません。犬たちはケージで留守番しており、クレートに入って寝ているようです。帰宅したら、出してやり、寝るときはケージに入れています。

私たちが家にいるときは基本的に家の中で放し飼いです。でないと、近所迷惑なくらい騒ぎます。(事実、ご近所には「うるさくて具合が悪くなる」と言われ、気を使っています)。

因みに、子供たちは独立して同居しておりません。先代のシェルティ犬が非常におとなしく、無駄吠えがなかったため、主人が「子犬だから...」と甘やかしたのが、原因だと思います。そのため、犬にとり、ボスは主人ではなく私のようです。

本日はこのオスのシェルティ犬についてご相談させていただきたく、メール致しました。

散歩中、他の人や子供たち、他の犬には大変、フレンドリーで、外で吠えたり、かみついたりは一切ありません。「おだやかな犬」と感心されるほど、近所に人と話をしていても待っています。テラスに私と出ているときに車が通っても宅急便・来客が来ても、吠えずに見ています。

ところが、家の中では宅急便や来訪者、家の前を通過した車両に反応し、パニック状態。吠えまくり、「いけない」と制止しても言うことを聞かず、唸って咬みついてきます。

冷静に「いけない」と声をかけるのですが、犬がパニックで走り回り、全く聞こえていない様子です。マズルコントロールしようとしても唸り声をあげ、咬みついてくるため、どうにもなりません。玄関に出て行こうとした際、私や主人、来ていた娘も何回か、ふくらはぎを咬まれました。

いろいろな犬のしつけDVD・無駄吠え防止首輪も試しましたが、全く効き目なし。警察犬トレーナーにも相談しましたが、2歳では難しいと言われてしまいました。

そのトレーナーに「知り合いは声帯を取っているから静かだ」とまで言われ...。私は、声帯をとるなど飼い主の勝手な都合での対処はしたくありません。そんな時、堀川さんの犬のしつけ本に出会いました。

ところで、一緒に飼っているメスは元気な子ですが、フレンドリーで吠えることも少なく、咬むことは一切ありません。オスはもともと顔を舐めるという行動はしない犬ですが、メスはぺろぺろ舐めてくれます。

堀川さんの犬のしつけ方を学んでから毎日、散歩で頑張り、仰向け固めも取り組んでいます。おかげさまで、依然、引っ張り癖があったのですが、今はほとんどなくなりました。

ですが、宅急便の反応は相変わらずパニック状態で吠えまくります。とても、マズルコントロールや仰向け固めができるような状況ではありません。

そこで、お伺いしたいのは、こういうときも「リーダーウォーク」と本に書かれていましたね。この場合は、どのように対処したら良いか、アドバイスを頂けると幸いです。

お忙しいところ、恐れ入りますが、どうか宜しくお願い致します。長文になり、大変申し訳ございませんでした。


返答内容今回のシェルティ君は、シンプルにテリトリーを守る反応になっています。単純に社会化が全くできていない犬や怖がりな犬は、散歩中でも吠えます。

しかしシェルティ君は家の中だけ、という条件です。この原因は二つで、放し飼いと主従関係の崩れです。

過去に犬を飼ったことがある方が陥ってしまう問題はここなんです。最初に飼った犬が良い子だった場合、それが犬のしつけの基準値になってしまい、次の犬で苦労することになるのです。もちろん今回のシェルティ君が悪い子なのではありません。ごく普通の犬の反応です。

先代シェルティちゃんとの思い出は大切にしまっていただいて、しかし犬への良いイメージは捨ててください。今回のシェルティ君は悪い子ではなく普通の子です。

今回はお二人で過去を振り返り、意識改革をされないといけません。犬が騒ぐので自由にさせる・・この時点で負けてしまったのです。まず、放し飼いを止めます。家中テリトリーなら、犬は当然守る本能が働きます。

そして、本当に頼れるリーダーがいない・・と犬が感じれば、さらに守ろうとする反応やストレスも大きくなります。

また、ケージ内に居させようとすると騒ぐ・・ということですので、根気よく教えていかなければいけませんが、結局はここでも、関係作りが出来ていないと、どんな教え方をしても叱っても褒めても、その効果がまったく違ってくるということです。

2年間の関係はそう簡単に変えられるものではありませんから、今回はご覚悟を決められて、あせらず急がずジックリ取り組みましょう。

今後の流れですが、まずはチヤホヤかまう普段の何気ない態度やしぐさから見直します(本書の通りに)。子供さんが独立されると、寂しさのあまりついつい犬に感情移入してしまいますが、ここで自分に打ち勝たないと何も変われません。お互いの将来のために今は踏ん張りどころです。

そしてまず帰宅時(お出かけ時も同じですが)、一切かまわず目も合わせないことです。かまうということは、その前後とのギャップが大きくなるということです。このギャップがストレスになります。人間もそうですが、良い事も悪い事もギャップがストレスになります。

そして、構わないと吠えるということなので、まずは吠えたら「ダメ!」と厳しく伝え、犬の口を手で閉じます。このまま静かにできたら「シ~!」の音を関連付けながら犬の肩をポンポンして褒めて口を解放します。ですが興奮して暴れたら、ここでリーダーウォークをしましょう。いつでもすぐできるように、リードと心の準備をしておきます。(現行犯でないと意味がないです)。

そして手法の上塗りにならないように気を付けてください。あお向けもリーダーウォークも主導型ボール遊びも、主導性や態度を示して関係作りをするための手法ですので、しっかり意識を持って毅然と続けることです。

犬はちゃんと相手の態度を感じる動物ですので、毎日毎日続けることです。

リーダーウォークをして落ち着きが出てきたら、ケージに犬を戻します。そしてまた吠えたら再度リーダーウォークです。

それを繰り返して、ケージにしばらく入れても吠えない時がきたら、「シ~!良い子」の音を関連付けしながら褒めて、ケージから出してボール遊びでもしてください。

そういう繰り返しで主従関係も深まっていきますし、犬も「ケージ内で良い子にしていれば出して褒めてもらえる・・遊んでもらえる」、ということを学習していきます。

ただし、今回は2年間好きにやってきましたから、犬も面白くなければ反発してくる可能性もあります。すぐ結果が出ないからと感情的にならず、淡々と毎日続けることです。

それと余談ですが、これだけで直るわけではないですが、病気のリスク回避も含めて去勢もご検討してください。(吠え対策としての期待は、し過ぎないでください)。

では、今回は以上です。

頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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