犬のしつけがQ&Aで分かる!

アメリカンコッカースパニエル犬のしつけ飼い方事例

m1.pngアメリカン・コッカースパニエルを飼っています。
犬のしつけアドバイスをお願いいたします
 
【問題の内容】

・ケージから出すと、はしゃいで、じゃれているのでしょうが、あま噛みします。
こういう場合は、どうすればよいのでしょうか?
噛む事が癖にならないですか?

・まだ、我が家に来て3日ほどですが、ケージの中ではトイレは失敗しないのですが、ケージからだすと、どこでもかまわず失敗してしまいます。

おしっこをしそうな格好をしたときにシートまで連れて行くのですが、間に合いません。シートの上でしていない時でも、「チチチチ」と言って、音と関連つけたほうが良いのでしょうか?


・ケージの中に居るとき、時々ですが、鳴きます(吠えているような時とクゥ~ン、クゥ~ンという、寂しそうな感じのときとあります)その時の対処はどのようにしたら良いのでしょうか。

・あおむけ固めやリーダーウォークは、生後2ヶ月の子犬でもしたほうがいいのですか?
・エサの前の「マテ」が、全く出来ません・・ エサを目の前にすると、特に落ち着きがないです。

・愛犬の犬種、年齢、性別、他にも愛犬の有無
アメリカン・コッカースパニエル  生後2ヶ月 男の子  他の愛犬は無し

・家族全員の年齢、性別、一日の愛犬との同居時間
主人(32歳) 妻(38歳) 10時間~12時間

・過去の接し方と、一日の流れ
犬が我が家に来たばかりですので、堀川さんの本を読んで、なるべく、気をつけて接しています。

「一日の流れ」
私たちが朝食した後、愛犬にエサ(ケージの中で)をやり、少し遊んだ後、私たちは仕事に出ます。主人は昼に一度戻るので、エサをやって、主人も食事をしてまた仕事に出かけます。

夕方、私が帰宅し、夕食の準備をして、主人の帰りが早い時は私たちが先に食事し、その後、エサをあげて少し遊んでやります。主人の帰りが遅い時は、先にエサをやります。時間があるときには、二人で、少し遊んでやって、寝る前にもう一度エサをやっています。

①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
エサをやった後、一緒に遊んでやる

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
エサをやった後、まだ道具なしで、走り回っている愛犬を呼んでみたり、トイレの練習?をしている

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
あま噛みしたら、口を閉じさせて「ダメ!」と、叱る。おしっこがシートの上でできた時、よしよしして、褒める(でも、ほとんど、失敗します)

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
まだおやつの年ではないので、あげていません。
だっこは、遊んでいる時にします。
遊んでいる時以外に、なでなでや、声かけは、なるべくしないようにしています。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
まだ、散歩はしていません。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
基本的に、エサの後に遊んでやる感じです。それ以外のときはケージに入れています。
 
まだ、とっても小さいですが、この時期から犬のしつけはしたほうがいいのですよね?
トイレのしつけ、一番最初に何をどうすればよいのか、分かりません。
 
よろしくお願いいたします。


m2.pngまず、生後2か月の犬には何も期待しないでください(笑い)。知能も経験も何もない小さな猛獣です。

ただし、基本的な接し方や犬に対する態度は、成犬と同じです。実際に親犬達は、生後1か月を過ぎると、もうかまい過ぎることはありません。それどころか、子犬たちが騒がしくしたり噛んでくると、噛み返したり、あお向けをして叱ります。

また、兄弟ゲンカの中で相手を噛んだり反対に噛まれたりしながら、節度も学んでいきます。本来そうやって初期の社会化を果たす時期に、親兄弟と引き離されるわけですので、今度はそれを私達人間の家族がやって教えてあげないといけないわけです。

だからとても根気が要ります。結果はなかなか出ないが、やり続けなければいけない・・今はそういう時期です。

ただし、生後2か月では知能は相当低く、体もまだしっかりしていないので、本格的なリーダーウォークはまだ早いです。ただ、急に初めるのもいけませんので、まずは首輪とリードに慣れる、付けたまま人間と一緒に歩いてみる・・そういうところから徐々に慣れさせていく、犬のしつけの「導入期間」ととらえてください。

あお向けも、成犬でもそうですが急に抑えつけて長時間できるわけもありませんので、子犬ならボール遊びの中で一瞬コロンとひっくり返して褒めてすぐ解放・・少し遊んでまたコロン・褒める・解放・・・ということを繰り返しながら、徐々に徐々に静止時間を長くあお向け状態でマテができるようにしていけば良いです。

今は「人間の指示が何を意味しているのか?」ということ自体が、まったく分かっていませんので、ひたすら型を作ってあげ体現させ、そこに音とジェスチャーを交えて、「何を意味しているか」を教えてあげる必要があります。

スワレならその座っている状態の型を作り、「スワレ」の音とジェスチャーを見せる・・・褒める・・・ひたすら繰り返します。

まずはスワレ・マテが基本です。そこから応用が効きますので、まずはそれを覚えさせましょう。アレコレ何でも同時に始めると犬は覚えきれません。簡単なことから確実に覚えさせて、できたら次を教えます。

さて、甘噛みですが絶対に放置したり受け入れてはいけません。それが常態化すると、いずれ主従関係が逆転し本気噛みに発展します。これも型で教えます。噛んだら「ダメ!」と毅然と伝え、同時に犬の口を手で閉じます。これで悪い型が止まり良い型ができたので、「良い子!」で褒めます。

すぐ解放します。解放するとまた噛んできますので、再度「ダメ!」と毅然と伝え・・・この繰り返しです。そしてそれを何度かやったら、わざと手を見せてください。そこで噛まなければしっかり褒めて何度も反復してください。

少し自我が強い犬ですと、面白くない事があるとしつこく噛んでくる場合がありますので、すぐにあお向けで口閉じをして叱る教える褒める・・をしてください。

成犬に対しても子犬に対しても、もう赤ちゃんではありませんので、態度は毅然と同じにします。

トイレですが、まだ覚えきっていませんので失敗します。尿管も犬はもともと緩いですが子犬はさらにです。失敗はしますのが、絶対に叱らないでください。犬のしつけでトイレだけは叱ってはいけません。

犬はただオシッコ・ウンチしただけですので、叱られても何が悪いのか意味が理解できないのです。「場所の失敗」という概念がなく、また罰と「場所の失敗」を結び付ける知能もないのです。

とにかく今はどこでしても音の関連付けをしておくことです。それと失敗も常態化しないように、ケージから出すときはリードを付けるようにして監視を怠らないことです。

人間もそうですが、利尿脱糞作用が高まる条件は、起床時・食事後・興奮緊張時です。ですので、起床後やゴハンを食べさせた後、ケージから出しただけでも興奮しますし、ボール遊びなど少しすると、オシッコしたくなってきますで、少しケージから出したらいったん戻し、トイレを指さしながら覚えさせた「チチチチ」を連呼すると反射でするようになります。しっかり褒めてあげれば覚えます。

もしケージに入れて声掛けしてもオシッコしなければ、また少し出して遊んで、また入れてやってみてください。まずは音の関連付けを根気よくやっておかないといけません。

それから首輪とリードを室内でも付ける理由は、トイレだけでなく、お散歩デビューまでに慣れておかなければいけない・・ということもあります。

経験も知能もない子犬にとっては外の世界は、とても興奮する要素が多すぎるのです。初めてのことだらけなんです。犬によってはパニックになって散歩嫌いになってしまいます。

ですので、そうならないように首輪とリードに慣れておく、人と歩くことに慣れておく。そして最後のワクチン接種前でも、玄関先などで外の世界を見せておいてください。天気の良い日はイスに座って本でも読んで、ゆっくり長く外の世界に触れさせてください。もちろんワクチン前は、他人や犬に絶対に触れさせないでください。電柱や草むらの臭いを嗅がせるなども危険です。

そうやって、なるべく初めてのことが重ならないようにしていくとストレスなく適応していけます。とは言ってもやはり知らないことだらけですので、子犬や若犬の間はソワソワ・クンクン嗅ぎしますので、あまりムキに止めさせず、ツケの教えやリーダーウォークを通して徐々に修正していってください。

次に「クンクン鳴き」ですが、呼ばれて反応してかまうのは絶対にいけません。いずれ常態化し、すさまじい「ワンワン吠え」に変わっていきます。主従関係も逆転します。

かといって一日中かまわないのでは、スキンシップも取れないし関係作りもできません。ですのでスワレ・マテをさせ出来たら褒める・・できなければ型を作って褒めて教える・・何気ない接し方も常にそういった「主導」を加えてください。オテでもコイでも何でも良いので、指示→従う→褒める・・です。あるいは教える・・。

それが、あお向け・リーダーウォーク・主導型ボール遊びなら、なお良いです。

クンクン鳴きがひどいなら「シ~!」という指示を送り、静かにしたらケージに行って褒めます。(指示で止めない場合は口閉じの型で教えて褒める)。

次に、いったん少しケージから離れて、数秒後「シ~!」と言いながらケージまで行って褒めます。

次はまた距離を先ほどよりも離れたところで同じく「シ~!」・・・これを繰り返して徐々に遠く・・空白時間を長く・・・とやっていくと、「離れてもまた来てくれる」「静かに良い子にしているとかまってもらえる」ということを学習していきます。

エサの前のマテですが、冒頭でもお話したように今は人間の指示が何を意味しているのか分かっていない状態ですので、とにかく型を作り音とジェスチャーの関連付けです。

そして褒めて「ヨシ」の指示で食べさせる・・・

また食べている途中も、犬の体を動かし止めてマテをさせます。何度も何度も毎日毎日体現させて、やっと理解していきます。まだ感情や興奮が上手くコントロールできない幼さもありますので、ムキにならず淡々と教えてください。

また食事を管理されると犬は主従関係を理解しやすいので、ゴハン前やゴハン中のマテはもちろん、ゴハン前にあお向けやリーダーウォークを入念にやると良いです。(エサで釣るという感覚はいけません)。

いくつかお話してきましたが、2か月の知能はあまりにも低いです。求め過ぎず急にアレコレやらないことです。ただし、態度はしっかり感じ取りますので、リーダーらしい毅然さは示し続けてください。必ず犬は感じ取っていきます。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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