犬のしつけがQ&Aで分かる!

飼い主を噛むコーギー犬のしつけ

質問内容
飼い主を噛むコーギー犬のしつけの相談です。

5歳3ヶ月オスのコーギー1匹(11kg弱)
(無駄吠え・拾い食い・飛びつき等 たくさん問題行動がある)

家族(4人) 私58歳(女 1日中 )主人63歳(男 朝夜と休日)息子(男 34歳夜と休日)母86歳(女 一日中)

・生後2ヶ月からかい始める。抱っこしたり、なでたりをしょっちゅうして甘やかしすぎた。

・ボールを転がしたり、音の出るおもちゃを持たせたりするくらいで後は散歩。

・昼間は庭に出していてシッコは自由にしてしまう。ウンチは子犬の頃は庭にすると食べたりするので「ダメ」と叱りすぐ片付けていたがあまり効果なかった。大体散歩中にすることが多い。

夕方から朝まで室内に入れている(雨降りは地面の水がはけるまで家に入れている。入れてやらないと濡れるところでいつまでもじっと待つ)

そのつど「シッコでたね。よかったね。」と頭をなでたりしていたので部屋の中では自分からサークルに入り新聞の上にできるようになった。すぐ片付けないとないて知らせるので排泄に関しては良い。

散歩中の拾い食い。農道が多いので草や落ちている他の犬のウンチを食べるたりがどうしてもなおらない。「ダセ」と言うと噛みついてくる。とにかく食いしん坊だが、お座りとお手は上手に出来る。

・朝30分から40分長い時は1時間くらい出来ていたが最近嫌がり伏せをして(命じた時は伏せ出来ないのに・・)何分も動かない状態10分以上になるとこちらが根負けしてしまう。

また自分の行きたい方向しか歩かない事がしばしば。驚くほどの力持ちで大の大人が引きずられる。気が向けば私の行きたい方向に素直に行くこともある。夕方は20分から30分が多い。雷強風が大嫌いなので音がしない限りは毎日小雨なら散歩に出る。とにかくウンチはさせてもって帰る。

・6時過ぎ散歩→7時前食事朝1回のみ(子犬の時朝夕2回)→8時少し遊ぶボール投げ。ディスク投げ4~5回おやつ与えるビスケットなど少しその後ブラッシング等→倉庫に犬小屋と古いローソファーをおいたところで寝る。

3時過ぎまでおとなしいが、途中知らない人が来るとうるさく吠え続ける。4時前後に散歩。帰ってから風呂場で足など洗ってから部屋に入れる。突然怒って噛むことがあるのでサークルからあまり出さない。

またサークルに入るとオヤツがもらえると知り、出していてもすぐ入ってしまう様になった。→9じごろから寝る

とにかく、犬のしつけが出来ずとうとう家族皆何度も噛みつかれ、私以外は救急病院にいって手当て縫う怪我までした者もおり限界の状況です。それでも皆かわいいがり処分は出来ません・・・


返答内容お察しと思いますが、やはり現状は主従関係が逆転してしまっています。犬は犬の本能でシンプルに生きています。長い甘やかしの連続で、コーギー君は自分の優位性を感じ、好き放題する・・チヤホヤされるのが当たり前という認識で生活しています。

犬のしつけのスタートは意識改革です。どんなに優れた手法でも、意識を直さないで手法だけ上塗りすることは、効果がないだけでなく悪循環になってしまいます。

恐らくこのままいくと手におえなくなって、本当に一緒に暮らせなくなってしまいます。もうご覚悟を決めてやり直すしかありません。

また、5年の長い習慣や関係がありますので、犬のしつけが本格的に始まれば、コーギー君も面白くないので反発してくるでしょう。でも根負けしないで、淡々とやり続けるご覚悟が必要です。

技術的に難しいことは何もありません。態度やしぐさを変えて、続けるだけでも十分犬は感じ取って変化していきます。でも、甘やかしを止めれない方は、それを変えるのが難しいです。難しい理由は、飼い主さんが犬に甘えてしまっているからです。

癒しを求めるお気持ちは十分理解できます。しかし、それが犬に誤解を与えている現実は変わりません。そしてやがて手におえなくなり保健所へ・・里親が見つからなければ殺処分・・というケースが後を絶たないのです。

それをご家族全員が理解されるかどうかです(必ず皆さんにお話してください)。将来を考えられるかどうかです。意識改革をしていただくために、こういう辛いお話もさせていただいております。

まず環境を整えましょう。犬の居場所は固定してください。サークルが室内にあるということなので、そこにハウス、トイレ、水ボトルという4点セットを準備して、普段はそこに居させてください。

庭に放し飼い・・などもしてはいけません。運動・遊び・散歩はメリハリを付けて、飼い主さんが主導してすれば良い事です。

居場所はアチコチ変わると犬が落ち着きません。テリトリーが広くなり守るべき範囲=ストレスが大きくなります。どちらか気に入ったほうに行きたい時は要求吠えもするでしょう。

手法としては、もちろんリーダーウォーク、あお向け、主導型コング遊びもしていただきたいですが、お気付きの通り、何気ない接し方の間違いが多くありましたので、まずはそこから本書の通り意識して変えていってください。変えないで手法だけ上塗りするのは危険です。

猫なで声でナデナデ・・大げさに褒める・・これらは、犬の本能の視点からは従属的に映ります。下位の犬は、上位やリーダーにすり寄ってナメナメ挨拶します。それと同じことをしてしまっています。

褒める時も毅然と、指示音やジェスチャーの関連付けをしながら良い型を取らせポンポンポンで褒めます。

オヤツはいけません。栄養のバランスが崩れていますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなります。

そして、犬のしつけグッズもそうですが、物の効果で表面上コントロールしてしまうと、犬との関係があたかも出来ているかのような錯覚に陥ってしまうのです。これが最も怖いことなのです。

ひざに乗せる抱っこなどもいけません。犬同士では体を合せる時に、上位やリーダーが下位の体の上に自分の体を乗せてきます。飛びつきやマウンティングも同じ意味がありますが、つまり体位が関係を表しているのです。

そういった、何気ない態度しぐさ接し方全体をまずは見直して徹底してください。そして、手法を少しずつ導入していってください。

今回は、急に仰向けだけするのは難しいと思いますので、主導型のコング遊びから始めて、その中で一瞬ひっくり返して褒めてすぐ解放・・また遊び・・一瞬ひっくり返す・・ということを繰り返しながら、徐々に慣れさせていけば良いです。

それから、ゴハン前・遊び前・散歩前など少しでも時間があれば、家でもたくさんリーダーウォークをしてください。

吠えについても、「ダメ」と厳しく伝え、口閉じし、その良い型に「シ~」の指示音を関連付けながらポンポン褒める・・解放・・また吠えたら口閉じで教える・・ということの繰り返しです。

そして、叱ること・褒めることも、犬との関係次第で効果が全然違ってくることは言うまでもありません。また、人間への慣れ(社会化)も大事ですので、散歩コースも出来るだけ住宅街の方を選んでください。

犬のしつけも遊びも、噛まれるのが怖ければ、ホームセンターで作業用の革手袋を買ってください。500円くらいで買えます。

恐怖感を持ったまま犬と接していると、必ず伝播して見下されたり犬の興奮をあおってしまって、悪循環になります。落ち着いて出来る準備も大事です。

5年間の長い習慣がありますので、あせって激変しないことです。少しずつ変えていくことと、続けることです。毅然さと主導性を見せ続けるから、犬が少しずつ相手を認めるようになっていきます。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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