犬のしつけがQ&Aで分かる!

チワワ犬のしつけ多頭飼い・噛み付きとトイレの問題

Q.ご質問:現在、実家で二頭のチワワを飼っています。

私は時々帰った時に接する程度なのですが、主にトイレが上手く出来ず、リビングのトイレシートが減らせない、また違った場所でもしてしまうようで両親が困っているので今回このように相談させて頂きました。

今回の教えをもとに両親にも犬のしつけの仕方を伝えたいと思います。

オス生後;約6ヶ月。
性格;臆病で一頭でいる時や外に出た時などは静か。
問題行動:トイレが覚えられない。トイレシートの上で行なうが違う場所でもしてしまうことあり。二頭で戯れていて本気になりストップが聞かなくなると、人間が止めようと触っても怒って噛み付く。ゲージから出ているときは呼んでも来ない。捕まえようとすると逃げる。ゲージから出ようとジャンプしたり、ゲージを噛んだりする。

メス生後;約6ヶ月(オスよりも一周ほど早生まれ)兄弟ではない。
性格;物怖じしない。外にもどんどん出たがる。
問題行動;トイレが覚えられない。
父親がまず、メスのチワワを溺愛しており、メスのチワワは二回の父の部屋にゲージで過ごしている。ゲージの中にはトイレとハウス(以前にボロボロにしてしまったので現在は何もなしの環境。)

オスのチワワはリビングにゲージ(トイレとこちらもハウスはなし)で過ごしている。

家族構成
父56歳、母51歳、妹19歳が主な実家に生活している環境。私(28歳)は東京で1人暮らし、2ヶ月か1ヶ月に一回実家に帰る。姉(30)は同じ市内に一人暮らし。たまに実家に帰ってくる程度。両親、妹も働いているため、朝、父親が起床すると餌をあげ、二階のベランダ(広いスペース)に連れて行き30分から1時間、2匹を離してボール遊びをしてその後、ゲージに二頭を戻す。

母が17時半頃帰宅すると2匹をゲージから出してリビングで遊ばせる、その間、母は夕飯の支度をする。父親が18時頃に帰宅すると犬たちに餌をあげる。夕飯を食べている間もリビングでフリーにうろうろしている。

夕飯を食べ終えると父がメスのチワワを連れて二階の自分の部屋へ、オスのチワワは帰宅した妹や母と過ごす。寝てしまうのでそのままゲージに戻し、母や妹も就寝するといった感じが日常かと思います。いつも見ているわけではないので分かる範囲でこのような感じです。

日中留守番をさせている事がおおいので、帰ってきたらや出勤前にスキンシップをとることが多い。あまり叱るのは良くないと以前買った本に書いてあったので、あまり怒らないようにはしている。トイレシートの上でおしっこができた時は褒めるようにしている。ボール遊びをしていてボールを持ってくるとほめる。

父親が良くオヤツをあげている。人の膝の上やお腹の上に乗ってゴロンとしたり寝たりするので、そういう時になでる。散歩はあまり行っていない。妹が休日の時は一頭ずつ連れて行っている。20から30分ずつ。

よろしくお願いします。


A.お答え:まず、今回の出発点はご家族の意識改革です。今までと同じ意識・同じ接し方をしていて、そこにいくつかの犬のしつけ手法だけ上塗りしても絶対に成功しません。

生後6か月過ぎて、成長期の後半に入ってきました。歯の生え変わりや、ホルモンバランスの変化が大きく、いわゆる反抗期の症状が出てきます。そして犬本来の権勢本能などが表面化してきますので、今までの接し方が間違っていたならば、それがそのまま結果として出てきます。

犬の要求に合わせたり、チヤホヤし過ぎて犬に誤解や不安を与えているのです。犬のため・・と思うこともマイナスになっていることが実は多いのです。

これからますます犬本来の本能が出てきます。知能も高くなってくる時期なので、気持ちを入れ替えて犬のしつけに臨んでください。では、具体的に見ていきましょう。

>2匹を離してボール遊び・・

↑ボール遊びはとっても良い事です。ただし、どんな場面でも必ず「主導」することです。ボールを投げる前にスワレ・マテをさせ、出来たら褒めて投げる・・出来なかったら型を作って教えて褒めて投げる・・投げたらヒモを引いて回収すると同時にコイ・ダセを教える・・

という主導型の遊びにしましょう。

そして外の散歩が少ないです。1時間ボール遊びをされていたなら、「30分ボール遊び・30分散歩」にされると良いです。

散歩を嫌がるのは、幼少期の社会化不足(経験不足)です。犬は本来は社交的な動物ですので、外の世界に触れることで心地よい刺激がストレス解消にもなるのです。

また、そのまま社会化不足で成犬になると、今後は来客や他の犬に激しくストレスを感じ吠えかかるようになります。犬の心身の健康面、しつけの面で非常に重要なことです。散歩は1日30分以上を目安にし、休日はもっとたくさん外で過ごしてください。

距離はたくさん歩かなくても良いのです。どこかに座って行きかう人や犬を見るだけでも全然違います。

吠えたら口閉じで教えましょう。家で噛みついた時も同じ教え方をします。現行犯で「ダメ!」と厳しい視線を送りながら犬の口を閉じます。そして「シ~!」の音を関連付けながら褒めてください。

噛み付きの場合でも、将来の吠え対策として「シ~!」を関連付けて褒めると良いです。犬が理解すれば、吠えた時に「シ~」の指示で止めるようになります。

褒め方ですが、オヤツに抱っこナデナデはいけません。まず態度が、犬の本能には従属的に映ります。そして行為そのものも犬に誤解を与えます。

下位の犬は、上位やリーダーに挨拶する時、すり寄ってナメナメします。人間から受けるナデナデと類似するので、犬が誤解しやすいのです。褒める時は、大げさに高揚しないで毅然と「○○良い子!」とハッキリ伝えて、肩をポンポンすると良いです。

そして膝やお腹の上に乗せる行為も同じです。犬同士でマッタリする時は、上位の犬は下位の犬の体の上に自分の足やアゴを乗せてきます。

マウンティングもそうですが、体位が関係を表しているのです。ですので、人間の体の上に犬の体が乗る・・という体勢が犬に誤解を与える場合があります。

「叱る」・・と「怒る」・・は違います。怒るというのは感情的に相手を責めることです。叱る・・は物事の良し悪しを「教える」ことです。

感情的に怒ると、犬は知能が低いので威嚇や攻撃と判断する場合があるのと、例えば「興奮するとアドレナリンが出る」なんて言われるように感情がホルモンの変化、つまり臭いの変化として犬に伝わり余計に興奮させてしまうからです。

そうではなく、ダメなことはダメ・・と一貫して周りの人間が教えないと、犬には何が良くて何が悪いのかサッパリ分からないまま学習していくことになります。つまりやりたい放題・・自分の方が優位だ・・そう犬が感じていき、関係ができてしまうのです。

トイレですが、まずケージから出す際はリードを付ける癖にしましょう。暴走も防げますし、噛んだらすぐリーダーウォークにも移行できます。

トイレは失敗の経験を何度かしてしまうと、常態化しやすいのです。そして直しにくいので、まずは失敗しやすい状況を作らないことです。また、しっかり見ていられない時はケージ内に居させるべきです。

それから、いつでもどこでもオシッコしている時に「チチチチ」などの音の関連付けをしておくことです。しばらくは成功を求めないで、音の関連付けと失敗を防ぐことに注力してください。

しばらく音の関連付けをしたら、条件下で練習します。条件は起床後・食事後・緊張興奮時です。全部そろえばより良いですし、ケージから出して緊張興奮するだけでもオシッコしやすくなります。

ですので、ケージから出して犬だけで遊ばせると、目を離したすきにアチコチでオシッコするようになってしまいます。ケージから出した直後がチャンスですので、少し遊ばせたり興奮させたらいったんケージに入れます。

そこで関連付けしておいた音出しをして、促してください。トイレを指差して場所の関連付けもしてください。上手くできたら、また音の関連付けと場所の関連付けをしながら肩をポンポンして褒めます。

なかなかしないようなら、またいったんケージから出して少し遊んで再度ケージ内・・ということを繰り返します。

出勤前と帰宅後に犬をかまうことが多いでしょうか。最低10分は目も合わせずかまわないようにしてください。犬からしてみれば、留守番時とのギャップが大きくなるので、その分ストレスになっているのです。人間もそうですが、良い事も悪い事もギャップの大きさがストレスになるのです。

変化を大きくしないために、そうしてください。そして、すり寄って挨拶する行為は下位のする従属的なことです。

どんな教え方をしても、叱っても褒めても、その効果は関係次第でまったく違っています。普段の何気ない態度接し方から全て関わっているのです。
それを意識していただき、頑張って続けてください(^-^)

追伸:ご家族全員に、HP・本書・メールの内容をご覧になっていただいてください。断片的にとらえると良くありませんので、必ずそうされてください。ご家族全員の意識改革・一貫性・統一性、それがないと成功はしませんのでご注意です。


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
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