犬のしつけがQ&Aで分かる!

サークル内で吠えるポメラニアン犬のしつけ

Q.ご質問:ブリーダーさんより生後3か月のポメラニアンの女の子を迎えました。健気さと可愛さでついつい甘くなってしまいます。私たち夫婦は共働きで、昼間は私も仕事をしていますので、ひとりでサークルで留守番(10時間くらいでしょうか)をさせていますが、連れて帰った翌日は仕事を休み、一日様子をみていました。今思うと、それがいけなかったのではないかと反省しています。

サークルから出してとキャンキャン泣くたびに応じて抱いてしまいました。抱いてしまえばおとなしくなるのです。ブリーダーさんのところではパピー教室を卒業したそうで、人間に対しての警戒心はないようです。

一週間たってもウンチが緩めでしたので、獣医さんに連れていきましたが、おとなしく膝の上で待てるし、診察も全く恐がりません。本当にいい子にしていました(笑)。獣医さんに止められて今は歩いていませんが、抱いて近所を歩いていた時も本当におとなしいのです。

三度目のワクチンが8月10日、散歩デビューはそれから二週間後とのことでした。備えて一番小さな首輪を買ったのですが、何しろ小さい子なのでするっと抜けてしまいます(抜ける前に口の前で掴まえて早速齧っていました)。

まだ親兄弟と遊びたい盛りなのにひとりで留守番をさせているのですから、仕方がないのかもしれませんが、私が帰宅するとそれこそ大騒ぎになります。甲高い声で「早くサークルから出せ~」と吠えまくります。

帰宅時声をかけたりせず、吠えていてもひたすら無視、サークル内の掃除をしたりして落ち着くのを待ってから、(サークル内ですと、なかなか口を押えるタイミングが難しいのです)サークルから出すようにしているのですが、これでよいのでしょうか?

一度あまりにも煩かったので丸めた新聞紙でバンと床を叩きましたが、静かになったのは一瞬だけ、その後更に激しく吠えまくっていました。興奮させただけだったのかもしれません。因みに夜はサークルに入れて電気を消せば吠えることはなくなりました。

トイレはサークルの中ではちゃんと出来ます。帰宅してサークルから出すと、廊下に置いてあるトイレでオシッコもウンコも出来ます。時々とんでもないところでやってしまうこともありましが、なかなか感がいい子のようです。

ただ、一日狭いサークルの中にいるので、ウンコを踏んで塗れていることがあります。これは仕方がないのですよね?緩めのウンコがサークル内に飛び散った経験から、男の子用の三方を壁で囲まれたトイレを使用していますが、そこで眠ったりしているようです。

今は何でもガジガジ齧るのですが、そのトイレの壁が被害を受けています。でも本日、しつけマニュアルに書いてありましたように、コング(パピー用)に紐をつけて遊ばせたら、大喜びでそれを齧っていましたから少しは改善されるかもしれません。

私の足の親指も狙われましたが、手の指を噛もうとした時に指をぐっと口の奥に入れてダメと教えましたら、やらなくなりました。仰向けは昨日から「ごろん」と言いながらやっていますが、抵抗はしません。あちこち触りまくっています(何処を触ってもOKみたいです 笑)

ポメラニアンが好きで今度の子は四代目です。ただ子犬は本当に久し振りなので戸惑うことばかりです。三つ子の魂ではありませんが、今後のことを考えると責任重大、なんて気負うばかりで、どう犬をしつけて良いのかわからないのが実情です。

いろいろな方がいろいろな犬のしつけ法を書かれていて、どれがよいのか全くわからない状態の中で、やっと堀川様のHPにめぐり会うことができました。オヤツで釣ったり、しつけグッズを使うのはどうなのだろう?と私も思っていましたから、即注文させていただきました。

サークルに飛び散ったウンコの掃除をしていると悲しくなったり怒りがこみあげてきたり(苦笑)。でも子供がいない私には誰かの世話をするということが大切なことなのだと思い直して、こういうことも楽しんじゃおうと気持ちを切り替えようと思います。

支離滅裂な長文になってしまいましたが、これからよろしくお願いいたします。


A.お答え:ご返信ありがとうございます。ホームページ・本書・メールは必ず時々読み返してください。

> こういうことも楽しんじゃおうと気持ちを切り替えよう・・

↑これは大変素晴らしい意識です。そのお気持ちでずっと続けてください。私の犬のしつけが成功し始めたのは、「犬に何も求めなくなってから」です。

上手くいかない時期は、自分の理想(幻想)が高すぎて、犬の現実を理解してあげられなかったのです。私は今でも犬には何も求めません。知能の低い犬という動物の特性を受け入れるようにしています。

そして、犬が今できることよりもほんの少し難しいことを教える・・ほんの少し向上させる・・それができたらまたほんの少し難しく・・ただひたすらこの繰り返しです。

しかし、それは「犬に合せる・・犬のご機嫌を伺う」ということとは、まったく別です。私は犬の要求には一切反応しません。

犬の3か月は、もう赤ちゃんではありません。初日にお仕事を休んで様子を見られたのは正解ですが、犬の要求に応じた抱っこがいけませんでした。犬はもう最初の数日の印象で、相手が自分にとってどういう存在か感じ始めていきます。

犬の中で基準値が出来上がってしまうんですね。

でもブリーダーさんの所に3か月まで居たのは良かったです。犬は生後1か月から3か月の間に初期の社会化を果たします。兄弟ゲンカで、はしゃいで騒いだり、親犬を噛んだりしますから、親犬に何度も何度も叱られます。兄弟にも噛まれます。そういう経験を何度もして、甘噛みなどしてはいけない初歩的なことを学んでいきます。

ポメちゃんの甘噛みを叱ってすぐ直ったのは、ある程度理解していたからです。これが生後2か月前に引き離されると、噛み癖も強く情緒が不安定な子犬が多いです。

抱っこで大人しくなるのは、安心もありますが、高い不安定な場所が犬は苦手だからジッとする・・という面が大きいです。

もう抱っこは止めましょう。犬の要求に応える従属的な態度が、関係に誤解を与えます。それと、犬同士では体を合わせる時に、必ず上位の犬が下位の体の上に自分の前足やアゴを乗せてきます。これは、体位が関係を表しているのです。マウンティングなんかも同じ理由です。

ですので、抱っこやヒザの上に乗せる行為は誤解する犬がいます。

接する時はいつでもどこでも、必ず「主導」にしてください。犬の要求には一切合わせません。触りたい、声をかけたい・・と思われたら、意味なく声掛けナデナデ抱っこではなく、オテでもスワレでも何でも良いので、何か指示を出し出来たら褒める・・出来なかったら型で教えて褒める・・という癖をつけてください。

ボール遊びでも投げる前にスワレ・マテ、できたら褒めて投げる・・出来なかったら型を作って教えて褒めて投げる・・

ゴハン前もゴハン中もスワレ・マテ、できたら褒めて食べさせる・・いつでもどこでも何でも「主導」です。これなら楽しくスキンシップも取れるし、主従関係も深まっていきます。

吠えは現行犯で、一貫して捕まえて叱って下さい。「ダメ!」と同時に厳しい視線を送り、犬の口を手で閉じます。そしてそこで「シ~!」の音の関連付けをしてください。(威嚇的に追いかけない)。

犬に近づいたり、解放した時に吠えなければ「シ~!」の関連付けと同時に「○○良い子!」とハッキリ伝え、肩をポンポンして褒めてください。大げさや猫なで声でナデナデはNGです。

静かにした状態(良い型)と「シ~!」の音が関連付けされると、いずれは吠えた時に離れたところからでも「シ~!」の指示で止めるようになります。

そして、どんな教え方も叱っても褒めても、関係次第でその吸収力が全然違ってきます。だから関係作りが大切なのです。そしてそれは手法の上塗りではなく、物の効果でもなく、毎日積み上げた主導や態度による、お互いの「意識」からの本当の関係作りでなければいけないのです。

とは言っても、生後数か月はあまりにも知能も経験も何もない小さな猛獣状態ですので、しばらく結果が出にくい時期が続きます。6か月過ぎると反抗期もあってまた大変です。この1年が勝負ですが、苦労した分良い思い出になりますし、関係も深まります。

一切期待しないで、淡々とやり続けることです。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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