犬のしつけがQ&Aで分かる!

トイプードル犬のトイレのしつけ

質問内容
トイプードルのトイレのしつけで困っています。
ペットショップから我が家に来て約2カ月になりますが、我が家に来た時にはすでに生後8カ月半くらいでした。ペットショップでは狭いケージの中に入れられていて、底が網状になっており、糞などは下に落ちるようになっていました。

そんな状態だったので、トイレのしつけは時間がかかるかなと覚悟していたのですが、以外に翌日にはほぼトイレでするようになり、それから一週間ほどは失敗なしにしていて、さすがプードルは賢いと感心していたのですが、その後からトイレを出たあたりにするようになり、だんだん寝床にもするようになってしまいました。

そこで、寝床の範囲を狭くして、トイレとの境にサークルと同じ入口のついたフェンスをつけました。それからは一度も失敗なくトイレでしていたにですが、また一週間ほどで寝床におしっこをするようになり、今までトイレでしかしなかった、ウンチまで寝床でするようになりました。

「おしっこして」と言うときちんとトイレでするので、わかっているはずなのですが、何か問題があるのだと思います。
いくつか心当たりはあるのですが、よくわかりません。

・トイレでした時に必要以上に褒めた(いい子だねと声をかける、抱っこする、すぐにサークルから出すなど)
・かまいすぎた。
・失敗した時に大きな声を出してしまった。怒った態度を見せてしまった。
・失敗しないようにと常に見ていた。
・ウンチをトイレでしていたのに食べようとしたので、ダメと言ってしまった。

などです。
最近はウンチは見ていない時にすることが多いので、すると怒られると思っているのかもしれません。おしっこは気をひく為、わざとしているようにも思えます。
 
一般の犬のしつけの本は最初のしつけについては同じことが書いてあるのですが、最初は出来たのに出来なくなってしまった例については書いてありません。

出来るだけかまわないようにしたり、目を合わせないようにしたりしてみていますが、それが逆効果かもしれないので、犬のしつけの仕方に迷いがあり徹底出来ません。

たぶん人間側になんらかの問題があると思いますので、アドバイスお願いします。
 
犬種:トイプードル
年齢:10か月
性別:♀
家族:
夫(46歳)帰宅後4,5時間
義母(74歳)別棟なので一日1回~2回見に来る。足音がすると騒ぎます。
私(43歳)仕事の日は朝1時間、帰宅後(5時頃)5時間くらい。キッチンは別の部屋なので、その間は一緒にはいません。
先住犬(ウエスティ 10歳♀)

スキンシップのタイミング:言うことを聞いた時になでる。

遊び:夕方と夜(時間はバラバラです)ボールなどで遊ぶ。(一回15分程度)

しつけ、ほめ方、叱り方:
食事はおすわり、待てをしてからあげる。出来るだけおしっこをした後にサークルから出す。いけないものを噛んだりしたら、「こらっ」「だめ」などと言う。(おしっこやウンチを踏みそうになって言ってしまったこともあります)。ひっくり返しておさえる。

おやつ:夜、お手やおかわりなどをさせて手からあげています
抱っこ:遊んでいて疲れて寄って来たとき、散歩で危ないところなど。
ナデナデ:指示にしたがった時、そばに来た時など。
声かけ:呼び寄せる時、指示を出す前など。
散歩:家に来たのが真夏だったこともあり、なかなか散歩の練習が出来ず、10日ほど前から夕方20分ほど先住犬と一緒に行っています。

一日のタイムスケジュール:
7:30朝ご飯
8:20私が出勤するので17:00頃まで留守番(サークルの中)
17:00帰宅後、少ししてから散歩とボール遊び(帰宅する時は出来るだけすぐにかまわないようにしていますが、おしっこやウンチをしていると片付けます。
19:00夕ご飯
21:00ボールなどで遊ぶ。(15分程度)
23:30就寝
休日はあいている時間にサークルから出すこともあります。
食事の時間、散歩の時間などは30分~1時間くらいずれることもあります。

ハウス環境:部屋の隅にサークルをおいています。
サークルは縦90センチくらい、横150センチくらいで中はケージ、真ん中にトイレ、寝床スペースがあり寝床はトイレより少し広いです。寝床からケージまでは手前の隙間で移動出来ます。

トイレと寝床(遊びスペース)は入口と同じように出入りの出来る柵をしています。寝床にはトレーを置き、タオルを置いています。初めはトイレを一番奥に置いていましたが、だんだん手前でするようになったので、寝床の近くに移動しました。

その後、失敗はなくなりましたが、最近は寝床でするようになりました。トイレできちんとしている時もあるし理解はしているはずですが、何か理由があってわざと違うところにしているように思えます。

前は誰もいない時はきちんとトイレでしていましたが、最近は昼間も寝床でします。
以上、今の状況です。

アドバイスよろしくお願いします。


返答内容犬のトイレのしつけですが、原因はいくつか可能性があると思いますし、複合的な場合もあります。気になったことをいくつかお話していきますので、一つ一つ潰しながら、落ち着いて解決していきましょう。

可能性①【まず物理的なことからです】

↓私の読解力が間違っていたら申し訳ございません。

>サークルは縦90センチくらい、横150センチくらいで中はケージ、真ん中にトイレ、寝床スペースがあり寝床はトイレより少し広いです。寝床からケージまでは手前の隙間で移動出来ます・・

↑これは、「柵(サークル)があってその中にクレート型ハウス(ケージ)とトイレと寝床(遊び場)がある」ということでよろしいでしょうか。

もしそうだとすると、犬はクレート型ハウスを本当の寝床と解釈していて、遊び場にマーキング(メスもします)している可能性があります。遊びや運動は、サークルから出してメリハリをつけてさせれば良いので、あえてサークル内にスペースは作らなくて良いです。

常に自分の自由にできるスペースがあれば、やっぱり犬はマーキングしたくなります。まずは柵で仕切って、余分なスペースを作らないことも一つのやるべきことです。

他には、トイレが小さい・ズレル・しなる、というのも犬は嫌がります。広くてガッシリ、ずれない、しならないトイレを使いましょう。

可能性②【犬にも何が正しくて何が悪いのか分からず混乱している】

その原因が、大げさに褒めたり、大声で怒ったことです。まずホームページでも本書でも述べましたが、犬のしつけでトイレだけは唯一叱ってはいけません。

犬の知能では、場所の失敗も理解できませんし、怒られたことと結びつけ反省することもできません。自分がしたことはオシッコ・ウンチだけですので、その行為が怒られたと勘違いして、人間の見ていない時に隠れてするように(隠すように)なります。(食糞は取られたくないのでなおさら)。

まず叱ることはせず、マテの指示で止めてみます。止めなければ割り切って(叱らないで)、音の関連付けに切り替えます。ですので「失敗しないようにと常に見ていた」というのは必要です。ジロジロ目を合せないで、横目でチラチラ監視してください。

成功している場面では、犬に見えるようにトイレを指差しながら「チチチチ」の音を関連付けして褒めてください。大げさや猫なで声でナデナデはNGです。犬をサークルから出すのも良くありません。

犬の肩をポンポンしながら音を関連付けして褒めます。

失敗している途中の場面を見かけたら、急いで犬を持ち上げてトイレの上に乗せて、終わるまで指差しと音の関連付けをしながら褒めてください。

また、失敗している場面を現行犯で見れなかったら、もう叱らないで無視してかたずけてください。

犬のトイレのしつけは、失敗する機会を減らし成功体験+褒めるセットを多く作ることです。

そして、犬のしつけ全てに共通することですが、同じ教え方・叱る・褒める、をしても犬との関係次第でその効果が全く違ってくるということです。

可能性③【犬にとって成功しても嬉しい要素がない】

犬も人間も同じですが、行動や物事を覚える基準は、良い事が起こればまたしたくなるし、嫌な事が起こればもうしたくなくなる・・というシンプルなことです。(正の強化・負の強化)

飼い主さんに褒められて嬉しい・・叱られて気まずい・・そういう関係作りを忘れてしまいがちです。また、時間と根気がかかるために、つい手法のみで解決しようとしてしまいます。他には、正の強化にオヤツ・・負の強化にしつけグッズや体罰威嚇、という手っ取り早い方法を選んでしまいがちです。


では、その他に気付いた点です。

>抱っこする・・

↑犬同士では、体を合せるときに上位の犬が下位の犬の体の上に自分のアゴや前足を乗せてきます。マウンティングが良い例です。つまり体位が関係性を表しますので、抱っこは誤解する犬がいます。その時の態度も従属的だからです。

オヤツをあげる態度も同じく従属的です。オヤツで教えると、犬との関係がある程度出来ている・・と勘違いしてしまうのが一番怖いことです。本当の関係が見えなくなってしまうのです。また、栄養のバランスも崩れます。

>ナデナデ・・

↑これも従属的です。下位の犬が上位やリーダーに挨拶する時の舐める行為に類似するからです。前述したように、褒める時は「○○良い子!」や音の関連付けをしながら、犬の肩をポンポンして褒めてください。

>いけないものを噛んだりしたら、「こらっ」「だめ」などと言う・・

↑叱って終わりにしないことです。叱ることは褒めることへの過程と考えましょう。この場合なら、「ダセ」の音を関連付けながら、実際に犬の口から手で取り出しながらポンポンして褒めます。

悪い型を止め、良い型を作って教えてあげて褒める・・物事の教えは全てそうしてください。

>(おしっこやウンチを踏みそうになって言ってしまったこともあります)・・

↑この状況で叱っても犬の知能には理解できません。もし教えるとしたら、実際に犬のウンチを置いて、そこに犬の足を手で持って寸前まで近づけて、「ダメ!」と言いながら引き、そこで褒める・・という繰り返しで、やっぱり体現で教えないと分かりません。

それと、興奮しない関係作りや来客等への社会化も必要です。

>夕方20分ほど散歩・・

↑社会化ができた老犬なら良いのですが、まだ成長期や社会化ができていない若犬は、運動も含めて最低30分以上は外で過ごしましょう。休日はゆっくり多めに。外の世界の適度な刺激は、ストレス解消にもなります。(食糞はストレスも影響します。)

主導型のボール遊びをたくさんしましょう。投げる前にスワレ・マテをさせ出来たら褒めて投げる、出来なければ型で教えて褒めて投げる・・投げたらヒモで回収しながらコイの練習です。

そういう接し方なら楽しくスキンシップもできますし、主導することによって主従関係も深まります。

普段の何気ない接し方も同じで、意味なく声掛けナデナデ抱っこにオヤツ・・ではなく、オテでもスワレでも何でも良いので、「指示→従う→褒める」というパターンを意識することです。


すぐに結果を求めず、長期目線でジックリ取り組みましょう。関係作りと直接の教えを並行しましょう。

では、頑張って続けてください(^-^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針