犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけでこれから子犬を飼う場合の注意点、子供たちとの接し方、遊び方など

質問内容
この度、柴犬の雄を飼うことになりました。(家に来るのはもう少し先です。)

私夫婦は子供の時に犬を外飼いしていたのですが、大半の世話は両親がしていたため、犬の飼い方やしつけ方に戸惑っています。

どの犬も家族以外の訪問者にはかなり吠えていました。

ネットで調べた結果、しばらく(半年ぐらい)は室内で飼う予定で用意をはじめています。

家の家族構成は、私夫婦40代、子供3人(小学6年・男、小学3年・男、6歳・女)です。

また、初めのうちは祖父母60代にも協力してもらう予定です。

室内で飼うため、子供たちは甘やかしてしまうと予想されますが、子犬でも抱っこであるとかはあまりしないほうがよいのでしょうか?

また、よい遊び方にはどんなものがあるのでしょうか?


返答内容
子犬が来る前に、メールをいただいて良かったです。

遊び方うんぬんのお話の前に、重要なことがありますので、まずそちらからお話いたします。


■子犬は2カ月くらいは親兄弟と過ごさせてください。

例えば、ブリーダーからの直販購入や、友人知人からの譲渡である場合は、お願いしてみてください。

渡す側のほうは、商売にしてもそうでなくても、早く渡したいものです。そうしないと、世話の手間も維持費もたくさんかかってしまうからです。

ですが、親兄弟とある程度一緒に過ごして、初期の社会化を学んだり、情緒を安定させてあげないといけません。

子犬は1カ月弱くらいから、チョロチョロしはじめ、親兄弟を噛んだりしてきます。

そこで親犬は子犬を叱ってしつけをしたり、兄弟ゲンカの中でも学びながら、初期の社会化をはたしていきます。

ブリーダーは1カ月くらいで引き離してしまうケースが多いですが、それでは子犬の情緒も不安定で、噛み癖が強かったりと、将来に悪影響を及ぼします。

動物愛護法でも、早い時期での引き離しを規制するようになってきました。(早すぎると違法になります)

2カ月間は、親兄弟と過ごさせるようにお願いされてみてください。(それでもしつけは大変なのですが(笑)


■さて続いて、今度は子犬が来てからのお話になりますが、子犬が来た直後が非常に重要になります。

まず、子犬が家に来た最初の1週間は、ケージから出さないことです。ジロジロ見つめたり、ベタベタ触ることもしてはいけません。

子犬は親兄弟と引き離され、新しい環境下で、とても強い不安・緊張・興奮ストレスを抱えています。

そこでケージから出したり、チヤホヤされることで、そのストレスをあおってしまうのです。

それで免疫力が落ちて、感染症を発症してしまうことが多いです。

健康のために、安静にさせないといけません。

もう一つの理由は、犬は相手との最初の接触で関係の基準値を作ってしまうということです。

チヤホヤが当り前になり、それが実行できない時にストレスを抱え、要求吠えや噛み付きが激しくなり、それが続くと主従関係が崩れていきます。

それらの問題を最小限に抑えるために、最初の一週間はケージから出さずに、触らずに、安静にさせることです。

ただその中でも、体調管理は要注意です。

横目でチラ見したり、鏡に映して、子犬の体調を良く観察されてください。

せき、鼻水、クシャミ、下痢、嘔吐、ふらつき、がないか確認します。

また、オシッコやウンチの場面を見かけたら、「チチチチチ・・・」の指示音を関連付けておきます。

1週間経ったら、動物病院に連れていき、『子犬の検診』をしてもらってください。子犬は何かしらの感染症を持ってくるものですので、検便・駆虫などします。


さて環境ですが、いずれは外飼いにされるようですが、出来ればそのまま室内飼いを続けることが望ましいです。

犬の外飼いは、心身ともにストレスが大きいですので、寿命は圧倒的に短くなります。

また、外は興奮刺激・ストレスが強いですので、番犬吠えのしつけも難易度が上がります。

外飼いにするにしても、5カ月くらいまでは室内ですので、どうせならそのまま飼い続けることは出来るはずです。

それと、今回は外飼いに移行するタイミングが難しいです。

8月中旬生まれですので、生後5か月付近で外に出そうとすると、真冬になってしまい危険です。(まだ体力が弱い)

また、春まで待つとしたら、もう生後10カ月近くになりますので、今度は遅すぎてもう外飼いに適応しにくくなります。要求吠えが激しくなります。

それでも、「どうしても室内飼いは無理」ということでしたら、移行の注意点もありますので、Q&Aサイトの検索で『外飼い 移行』で検索されてください。いくつか解説記事が出てきますので、熟読されて正しい流れを実践されてください。


■さて、家に来て1週間経ってからの接し方になります。

少しずつ出して、遊び兼しつけを取り入れていきましょう。

初日は5分×1回、次の日は10分×2回・・・というふうに、少しずつ増やしていきます。

遊び方としては、コング遊びをしながら、その中で、スワレ・マテ・オテなど、簡単な基本形を教えていきます。

スワレの型をこちらから作ってあげて、そこで「スワレ」の指示音を出しながら、ジェスチャーを見せながら、ポンポンして褒めます。

そのまま型をキープしながら、マテの指示音ジェスチャーでポンポン褒めます。

褒めたらコングを転がしてあげます。

子犬が少しカミカミしたら、手で取り出しながら手の平に乗せて見せながら、ダセの音で褒めてあげます。

他には、子犬の前足を手に取って、そこでオテの音でポンポン褒めます。

たったそれだけのシンプルなことですが、子犬には十分な遊びになりますし、知能が低いのですので、せいぜいそのくらいしか理解できません。

生後3カ月くらいになったら、首輪とリードが着けれますので、そこからはリードを使ってコイを教えたり、散歩の練習をします。

4カ月過ぎたら、リーダーウォークの切り返しを取り入れます。(それまではまだ骨格が弱いのでNG)

といったところが、大まかな流れになります。


>子犬でも抱っこであるとかはあまりしないほうがよいのでしょうか?・・

↑はい、良くありません。

犬も人間も、体位で関係性を示す場合があります。相手の上に乗って抑え込んだり、というのは、支配の形(自分の優位性を示そうとする)になります。

動物が交尾のような態勢をとって腰をフリフリすること(マウンティングと言う)がありますが、性的な意味ではなく、遊びや挨拶やストレスの発散行動だったり、支配欲の表現だったりします。

犬の場合は、交尾以外でしたら、支配欲の表現の場合が多いです。

ですので、オス同士でも、メス同士でも、メスがオスに対して行う場合もありますし、犬が飼い主さんに対して行う場合もあります。

ということで、犬を人間が抱っこしたり、ひざの上に乗せてナデナデする行為が、犬に誤解を与え、主従関係が崩れることがよくあります。

それと、犬を抱っこしている時に、犬が暴れたり、誤って犬を落としてしまった場合に、骨折してしまうことがあります。ここは猫と違うところですので、要注意です。

かと言って、スキンシップは大切です。ですが、抱っこしたり、猫なで声でナデナデしなくても良いスキンシップはできます。

遊びながら何か指示を出してあげる、型で教えてあげる、そしてそれをポンポンして褒めてあげたり、座った横にピッタリ寄り添わせて、まったり団らんもできるわけです。

主従関係を誤解させないスキンシップ、主導性と毅然さを示せる遊び方・接し方にしていただきたいのです。

もう上の子は理解できるでしょうし、真ん中の子と下の子も、親御さんやお兄ちゃんのやり方をマネするようになりますから、良い手本を見せてあげるようにしましょう。


冬くらいになれば、もうお散歩も始めていると思いますが、まだ子供さんだけの単独では、犬を外に連れ出すのは禁止してください。

まだ判断力が弱いので、危ないです。

お兄ちゃんが中学に入ってからにしましょう。

それまでは、親御さんが必ず犬を制御しながら、子供さんを連れてお散歩に行きましょう。そこで良い手本も見せておかないといけません。


では今日は以上ですが、必ずQ&Aサイトを熟読されてください。

特に、『子犬解説ページ』と、検索で『子犬 最初の一週間』でピックアップしてお読みください。

そして、その他の記事を、子犬関係を中心に読み込んでいきます。

『外飼いへの移行方法』も記事があります。

それでは、これからQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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