犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけでアイコンタクトのさせ方

質問内容
こんにちは。我が家のワンちゃんはおやつにも、おもちゃにもあまり興味がなく、どうやって犬のしつけをしたら良いのか困っているときに堀川さんのHPを拝見しました。

・問題の内容
ワンちゃんはまだ我が家に来て3週間ほどです。主従関係を築くためアイコンタクトから始めようとやってみるのですが、全く見ません。こちらが目を合わせようとすると、目を逸らすか、つぶってしまいます。

アイコンタクトができないためか、お座りですら、全く覚えません。まずこれが出来る様にしたいのですが、アドバイスをお願いします。

・愛犬の犬種、年齢、性別
トイプードル、8ヶ月、メス

・ご家族全員の年齢、性別、一日の愛犬との同居時間
夫(31)、妻(35)
共働きのため平日は朝8時外出。夜帰ってきたら、ケージのドアを開けて自由にさせています。

私たちの夕飯後、餌を与えています。私たちがソファーで寛いでいると必ず膝の上に乗ってきて寝ています。しつけやブラッシングのお手入れのときに体を触ってあげます。休みの日は、構ってあげれる時はケージから出してあげますが、そうでない時は、基本ケージの中で過ごさせています。

・過去の接し方と、一日の流れ ※①~⑥を必ずお知らせください
【ポイント】(※本書を読む前の、以前の状況を正直にお知らせください)
①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
平日は、夜しつけの時と、お手入れの時、ケージから出すと必ずそばによってくるので、膝の上か横に来て寝てる時になでなでしていました。

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
ほとんど寝ていて、遊びません。おもちゃにも興味がないようです(ボールを投げても全く興味なし)。

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
最初は、おやつでアイコンタクトの練習をやってみましたが興味がなく、空腹であろう時にも試してみましたが、おやつにしか目がいかず、覚える気配は全くありません。

最近は、おやつを止めて、堀川さんの仰向け方法でまず目を合わせる様に頑張っていますが、上記で説明したとおり、目を逸らすか、つぶってしまい全く目を合わせません。(因みに仰向けは嫌がらず直ぐにリラックスしてくれます。)

トイレが上手に出来たときは、「よく出来ました。」と言って大げさなくらいにナデナデしていましたが、最近は、「よく出来ました。」と言ってぽんぽんと背中を叩いています。叱るときは、「ダメ」と言うだけです。

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
おやつは、朝出かける時と私たちが寝る時に大人しくさせるため与えています。膝の上に載ってくるとナデナデしてあげてますが、声かけは特にしていないです。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
まだ外に出ることを怖がり、抱っこして2・3回外に行きました。最近は外に慣らすために家のバルコニーに出させています。

始めは怖がって震えていたため、全く動かなかったのが、最近はバルコニーを駆け回れるようにはなってきました。ただ、リードに繋がれて歩くことが出来ません。今リーダーウォークを練習中ですが、これまたなかなか動かず苦労しています。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
上記「一日の愛犬との同居時間」に記載したとおりです。尚、寝る時間は私たちが夜1時くらいに寝るので、そのとき部屋を暗くして私たちは部屋を出て行きます。

・愛犬のハウス周りの構成、環境など
リビングにケージを置いています。直ぐそばにソファーがあるので、ソファーに座っている私たちをケージの中からじっと見ています。

以上が、これまでと現在の状況です。今回の質問はアイコンタクトの仕方ですが、本当はもっともっと問題が山のようにあります。(部屋に一人になるとケージの中で暴れることや、食糞、トイレ、散歩・・・)

まずはアイコンタクトが出来るようになりたいです。宜しくお願いいたします。


返答内容今回は、まず意識改革から始められてください。お子様がいらっしゃらないご夫婦・・犬は可愛いトイプードル・・「日中長い留守番をさせていて可愛そう」という感覚・・これらいろんな要素が重なって、溺愛に近くなりがちです。

もちろん私たちは、犬との楽しい生活を夢見て、それを満喫しようとしますが、現実はそれを許してくれません。犬は犬の本能の視点で、私達人間家族をクールに見て感じているだけです。

やがて自分の優位性を感じていき、関係が崩れ問題が大きくなっていきます。

そこに気付いて、自分を律しなければいけないのです。自己否定をするようで辛いですが、でもやらないと変わることは出来ないので、過去の接し方を整理して頑張って修正していきましょう(^-^)

ただ、生後8か月で飼われたということは、今まで別のご家庭にいたか、ショップで過ごしてきたのでしょうか。

犬との関係が大きく崩れたり、教えが甘いと、噛みつきや要求吠えが大変になるのですが、それはなさそうですので、状況としてはとても良いです。もしくは今回のトイプーちゃんの素性が良かったです。

さて、まず大事なことですが、「アイコンタクトの手法」・・「○○の手法」・・というように、手法を重視してはいけません。

問題が色々ある・・ということは、個別の教える手法の問題よりも、根本の「関係作り」に問題があるからです。

今までは、いくつか犬が誤解してしまうような接し方がありました。そして、それは表面上直せば良いのではなく、ご家族の根本的な意識が重要なのです。どれだけ毅然さと主導性を一貫できるか・・それが根本です。

意識がある飼い主さんの態度しぐさ接し方は、一貫してそれが自然に表現できているのです。それを犬に見せ続けるから、犬は相手を認めるようになっていきます。

実はもうその時点で、何も教えなくても犬は飼い主さんに注目(アイコンタクト)し、次の指示を待とうとします。

犬が認めているから、その人から褒められれば嬉しいし、叱られれば気まずいし、教えを聞きたいと思うわけです。

今8か月ですね。急に知能が高くなり、ズル賢く、成犬としての権勢本能も強く出てくる時期です。吸収力が高い社会化期がもうすぐ終わってしまいますから、本気で取り組んでください。(あせって急変はいけません)。

さて、過去の接し方を見ていきましょう。

>必ず膝の上に乗ってきて寝ています・・
>膝の上か横に来て寝てる時になでなでしていました・・

↑膝上抱っこに声掛けナデナデは止めましょう。

犬同士では体を合せる時に、上位やリーダーが下位の体の上に自分の体を乗せます。マウンティングや飛びつきもそうですが、体位が関係を表すのです。だから、膝上抱っこを誤解する犬がいます。

また、下位の犬は、上位やリーダーにすり寄ってナメナメ挨拶します。ですので、人間の声掛けナデナデが誤解されやすいのです。

褒める時も同じです。大げさも従属的ですし、犬の興奮をあおってしまいます。褒める時も毅然と、良い型と指示音やジェスチャーを関連付けて、ポンポンポンで褒めてください。

>よく出来ました・・

↑犬は言葉ではなく「音」としてとらえますので、なるべく短くしてください。名前を呼んで「○○良い子」や「○○ヨシ!」というシンプルなものにしましょう。指示音も同じことです。

オヤツは止めましょう。ドライフード以外のものを犬に食べさせないでください。栄養のバランスも崩れていますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなります。

そして、オヤツもしつけグッズもそうですが、一時的に表面上コントロール出来てしまうと、あたかも犬との関係作りが上手くいっているかのような錯覚に陥ってしまいます。これが最も怖いことです。

まず、今の時点でやるべき事は、普段の何気ない接し方を見直し、ご夫婦で一貫してください。かと言って、接してはいけないのではなく、「主導」で接してください。

まずは、オテやスワレなど一番簡単なことから覚えさせ、犬と接する時は常に何か指示を出し行動させ褒める・・指示で出来なければ型で教えて褒める・・というパターンにしてください。

意味なく声掛けナデナデや、ヒザに抱っこは止めます。犬がヒザに乗ってきたら、スワレの指示音を連呼しながら、犬を床に降ろし、首輪をガッチリつかんでスワレの型を作ってください。そこでジェスチャーと指示音を関連付けながらポンポンで褒めます。

結果をすぐ求めないで、毅然と淡々と何度も何度もやり続けます。

接し方を変えていくと、犬の反応も少しずつ変わっていきます。ふと見ると、犬がこちらを注目する時があるので、そこで「ミテ」の指示音とご自分の目を指差すジェスチャーを関連付けて褒めます。

犬が顔をそらしたら、ミテの指示音を連呼しながらご自分の目を指差し、犬の下顎をつかんで顔をこちらに向けさせ、目を合せるようにしてください。その中で一瞬でも目が合ったら、すかさず指示音とともに褒めます。

それでアイコンタクトも覚えるようになります。ただし、お話したように手法の上塗りでは効果はありませんので、接し方しぐさ態度全体を見直してください。

それから、暇さえあれば、家の中でリーダーウォークをたくさんしてください。犬が動かないで止まったら、それを逆に利用してマテを教えれば良いですし、ふせて動かなくなったらフセを教えれば良いです。

そしてマテをさせていると、段々と犬は動きたくなってしょうがなくなるので、少しじらしたら、今度はコイやツケの指示音を出しながらリードを軽くたぐり寄せて、自分のわきに付かせて褒めてください。

それと、生後8か月で散歩しないのはいけません。まともに歩けなくても、せめて外で30分は過ごしてください。社会化に必要ですし、外の世界の刺激が犬のストレス解消にもなりますし、狩猟の疑似行動として本能のはけ口になります。

人や犬がそれなりに通る場所を見つけて、そこで座ったりウロウロしながら、行きかう人や犬や車などを見せるだけでも全然違ってきます。抱っこの移動はいけません。先ほどお話したマテ→コイの作戦で頑張ってほしいですが、それでも動かない時は、要らなくなったバッグやリュックサックなどに犬を入れて移動してください。

しかし、いつまでも抱っこしていると、いつまでも慣れることができません。少しずつで良いので毅然と対応してください。

それから遊びですが、主導型のコング遊びにチャレンジしてみてください。犬は関係作りが出来ていない人とは、遊ばないことがよくあります。

接し方を見直し、犬の反応が少し変化してきたら遊びに誘ってみてください。とは言っても、猫なで声で話しかけるのではなく、ご夫婦で楽しそうに遊んでいる所を見せると良いです。

それと、普通のオモチャやボールはあまり興味を示さない犬もよくいますので、動きが不規則で跳ねるコングが良いです。

狩猟本能にスイッチが入って必ず遊ぶようになりますので、関係作りを見直すことと、遊びに参加したくなる状況を作ることです。

では、しばらく本書と以上の内容で続けてください。頑張りましょう(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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