犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬が夜鳴きする場合のしつけ方

質問内容
子犬を迎えた時は、1週間はゲージ、サークルから出してはいけないとのことですが、ネットで調べていると、サモエドは、夜泣きがひどいという記事がありました。

クンクンという鼻をならす泣き方なら、無視をするということですが、一晩中泣かれるとこちらも寝不足になってしまいます。

そういう状況でも、無視し続けなければならないのでしょうか?

また、ワンワン吠えた場合でも、1週間は何もしつけはしないほうがいいのでしょうか?


返答内容
サモエドに限らず、子犬はみんな鳴きたがります。昼も夜も関係なく鳴きたいです。

まだ幼いですし、犬はもともと群生が強い動物ですので、成犬になっても孤独を嫌います。

犬種の傾向として、あまりショップ経由で大量に売られることがないものですから、ブリーダー直下で引き取られることが多くなり、その分、孤独に適応しにくい傾向があります。

ショップ購入の場合は、中継業者も入りますし、ショップでも孤独を経験しますので、飼い主さんの所に来た時点では慣れているケースが多いのです。

ブリーダーさんでも理解ある方がまれにいらっしゃいますが、飼い主さんに譲渡する2週間くらい前から、一頭でケージ(サークル)で過ごさせて、孤独に慣れさせる練習をしてくれる方もまれにいらっしゃいます。

そうではないブリーダーがほとんどですが、特に人間とベッタリで家族的にブリーディングされている所で育った犬は、サークルにも留守番にも適応できない子がいます。

犬種の差よりも、育った環境の違いのほうが影響が大きいです。


さて、しつけ方になりますが、Q&Aにもたくさん載せてありますが、せっかくメールをいただきましたのでおさらい的にまとめておきます。(※必ずQ&Aも熟読されてください。クレートハウス・ゲージ・留守番のしつけのカテゴリがあります)

まず、基本はやはり最初の一週間は出さないことです。

新しい環境に来て強い興奮ストレスを抱えていますので、ベタベタ接するとそのストレスをあおってしまいます。それで体調を崩しやすいので、安静にさせないといけません。

そして、最初の接触が基準値になりますので、部屋でウロウロしたりチヤホヤ・ベタベタが当たり前になり、それが実行できない時にストレスが大きくなってしまいます。

留守番や一人で寝ることができなくなったり、ペットホテルや動物病院に預けることも出来なくなってしまいます。

かと言って、親兄弟とベタベタしていた環境からいきなりの孤独は、ギャップが大きすぎて耐えられません。

そこで、少しずつ適応できるように練習してあげましょう。

まず、サークルからは出さないようにしますが、なるべく誰かが姿を見せるように、同じ部屋で過ごしてあげてください。

姿が見えるだけでも犬は安心します。

しかし、ジロジロ見つめたり声掛けしたり触ったりしないことです。

ゴハン・トイレ・飲み水の世話だけしてあげます。それと、排泄の場面だけ「チチチチ・・」などの指示音を関連付けておきましょう。

また、体調はしっかり観察し、下痢・嘔吐・咳・くしゃみ・鼻水・ふらつきがないかはチェックします。

横目でチラ見するか、鏡に映して観察しましょう。


さて夜ですが、同じお部屋で寝てあげてください。

お布団を持ってきて、一番最初は犬のサークルに頭(まくら)側をピッタリくっ付けて、犬とご自分の顔がすぐそばにある態勢で寝ます。

もちろん、ジロジロ見たり声掛けはしません。

次の日は、お布団の位置を10センチ離しましょう。そしてまた次の日もさらに10センチ離します。

そうやって毎日少しずつ離していき、最後はお部屋の隅まで離して寝てください。

それに犬が耐えられるようでしたら、次の日は、時々別のお部屋に行ってみてください。

それでも鳴かない場合は、犬が眠ったころを見計らって、別のお部屋で朝まで寝てください。もし夜鳴きがまた始まったら、知らんぷりしてまた犬の居る部屋に戻って寝ます。

そんなふうに、その犬が耐えられるレベルを探りながら、段階を作りながら徐々に難易度を上げながら適応させていくと良いです。


さて、夜鳴き以外でもいろんな状況でクンクン鳴きをした場合ですが、ご近所迷惑にならない範囲で無視してください。

それが段々エスカレートしたりワンワン吠えに変わるようでしたら、『布掛け目隠し』をしましょう。

サークルに天井を設置し、その上から全体を覆うように、毛布などの厚手の布を掛けて、暗く目隠しします。

犬には巣穴感覚になり、落ち着ける犬が多いです。

静かにできたら少し開けて様子見→また静かにできたらもう少し開けて様子見・・・というふうに、徐々に慣れさせていきます。

布掛けでも吠えが止まない場合は、「シ!・・シ!」の注意音と同時に、口閉じ・仰向け・リーダーウォークを行いますが、注意点として、甘くしてしまうと「吠えればかまってもらえる」と誤解しやすいのと、まだ4カ月未満の場合は骨格がしっかりしていないのでリーダーウォークはできません。


ということで、しばらくは子犬が環境に慣れてくれるまで根気がいります。

あまり厳しすぎると子犬が適応できませんし、甘やかしではドンドン要求がエスカレートして主従関係が崩れ、その後ずっと苦しみます。取り返すのも大変です。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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