犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけでアイコンタクト・トイレの粗相・オシッコ舐め

m1.png以前、子犬の夜鳴きやトイレの躾についてご相談させていただきました。生後4か月のチワワとヨーキーのミックス犬です。
堀川さんのアドバイスのおかげで、その後、夜鳴きはすっかり無くなり、今では私も主人も朝までゆっくり寝られるようになりました。

要求吠えをする事もまだまだありますが、そんな時も「シーッ!」と何度か言えばおさまります。家の2階の端から1階の端の距離でも人間だったら聞こえるはずも無いような音であるにもかかわらず、静かに何度か「シーッ!」といえばおとなしくなるので、犬の聴覚ってすごいな、としみじみ感じます。
 
子供に対しての甘噛みもだいぶ良くなりました。一番下の息子にマウンティングする行為も無くなりました(その代わり自分のベットにマウンティングしていますが・・苦笑)。

でもまだ興奮して座っている顔に飛びついたり(噛みませんが)、膝に飛び乗ろうとしたりすることは頻繁です。その都度「ノー!」と言っていますが、なかなか自分が抑えられないようです。
 
犬が我家に来て一カ月半になりましたが、堀川さんの犬のしつけアドバイスのおかげで当時に比べ、本当に改善されたと感謝しております。ありがとうございました。
 
そんな中ではありますがやはりまだまだ小さな問題は尽きず、今回また新たにアドバイスをいただけたらと思い、ご連絡させてもらっている次第です。
 
問題というのは、
 
・あまり目を見ない・・・お座りやマテなどある程度分かるようになってきた兆しは見えますが、その際気になるのがあまり命令を出す人の目を見ないことです。これは怖いから言うことを聞いているのでしょうか?

体罰などは一切していませんが、ダメなことをしている場合に「ノー!」と言うのと同時に手をたたいてパチンと音を出して止めさせることはあります。

もちろん遠くから「来い!」というと嬉しそうに顔を見ながら来ますが、「お座り」や「マテ」「ゴロン」のときは目をあまり見ません。リーダーウォークをしているときは特に周りに注意が行っているせいか、ほとんど顔すら見ません・・。
 
 
・後ろ足でやたら体を掻く・・・お座りなどの命令を聞く際、ちゃんとお座りはするもののその後ですぐに体を掻きます。これはストレスなのでしょか?特に子供の命令を聞く際に顕著に現われる気がします。この場合掻く行為は慣れていけば治るのでしょうか?それとも掻こうとした時に足を軽く押さえてやめさせた方がいいのでしょうか?
 
・仰向けを嫌がるようになってきた・・・我家に迎えた当時はお気に入りのベッドの上で勝手にお腹を見せていたのですが、段々とそういうこともなくなり、「ゴロン」といいながら裏返しにしてもほんの少しはそのままで居ますがすぐに起き上がろうと暴れます。←子供がやるときは顕著です。

ただ、私がひざを立てて座ってその上に仰向けさせて体全体を撫でてあげるとトローンとした目でしばらくそのままで居ます。そのときに私の目を見るように顔を私の方に向けながらアイコンタクトを出来るだけ長く保つようにしますが、あまりジーっと長く見つめられるのは嫌なようです。

膝などに乗せるのはあまりよくないということですがこのように仰向けと組み合わせた場合でもやはりやめた方がいいでしょうか?
 
・足を上げておしっこをする・・・最近(いつもではないのですが)、どうも柵の下におしっこが溜まっているな・・と思っていたら、足を上げておしっこをしているのを今日主人が目撃しました。子供たち曰く以前に何度か見かけたことがあるようです。私は一度も目撃してません・・。

獣医さんから、「5ヶ月に入ったら去勢しましょう」といわれています。去勢をしたら足をあげる事はなくなるのでしょうか?それともこれも今のうちから躾で直す必要があるのでしょうか?現行犯で足を下げてあげるとか・・

・「ハウス」を嫌がる ・・・普段部屋の中ではリードをつけて遊んであげるのですが、ある程度遊んだ後で「さぁそろそろハウスに入れるか?」と私達家族間で言うだけでなんとなく意図を察知するのか、とたんに「来い」や名前を呼んでも知らん振りが始まります。

命令が分かっているのにハウスが嫌だから無視しているようにも見えますが、一方で、やっぱりどんな命令も本当に分かっているわけではなく、ただなくなんとなくやっていると偶然褒められる、くらいにしか覚わっていないのかな・・とか思ってしまいます。

もし後者だとしたらこのまま同じやり方でいいのか不安になってしまうこともあります。いづれは命令どおり自発的に入ってくれるようになるのでしょうか?
 
・トイレの粗相・・・うちの犬はリードをつけながら遊んでいる最中、基本的にいつも床の臭いをかいでいるので、おしっこやウンチを今にもするのではないかとハラハラしながら見張り、何度かチチチといいながら誘導を試みたりもします。ところが、一瞬の隙を見ておしっこやウンチをしてしまいます。

いつでもトイレには行ける様にケージの扉は開放したままでいるしリードも最長でも3mほどなのでトイレに戻るまで我慢できなかったということもなさそうなんですが・・・。そんな一瞬をついた行動なのでこちらもちょっと腹が立ち、「もう今日の遊びは終わりね!」とリードを引いてハウスに入れます。

こんなことが頻繁なので、家族団欒のときもそれほど長く一緒にいてあげることは出来ません(15分くらいを一日2回程度)。ケージの中では、多少外してしまうこともありますが、ほとんどトレイの上でやっています。このように粗相をしたときなどに遊びを中断させてハウスに戻したりすることが「ハウス嫌い」の原因になっているのでしょうか?

 
・おしっこを舐める・・・おしっこをした後に臭いを嗅いだかと思えば時々舐めるときがあります。見ているときは現行犯であわてて「ノー!」といいますが、お留守番中など見ていないときは舐めているんだろうなぁ・・と思っています。

なぜこういう行為をしてしまうのでしょうか?これも現行犯で出来るだけ注意していけば直るのでしょうか?それとも年齢が上がればそのうち勝手にしなくなるのでしょうか?
 
 
質問は以上です。
 
夜も寝られないほど心が折れているわけではありませんが、今後の躾の方向性を自分なりに確信するためにもどうかアドバイスをお願いいたします。


m2.png犬のしつけ方・接し方は良い方向に転換してきましたね。良かったです。態度をしっかり示し伝え、関係作りをすると同時に型と音でシンプルに教えていく・・・ちゃんと続ければ犬は素直に適応してくれます。今後出てくる問題についても、同じようにやっていけば良いだけです。

この結果は必ず自信にしてください。その自信も犬は感じますし、より落ち着いて今後対処していけます。犬が良くなってきて、褒めれば、お互い信頼関係も増していきます。

ただ、これからまだまだまだまだ大変ですよ(笑い)。生後5か月、6か月くらいは一番変化する時期で、成犬としての権勢本能など色濃く出てきます。歯の生え変わりやホルモンバランスの変化で、イライラや反抗期的な症状も出ます。

> なかなか自分が抑えられないようです。

↑今はまだまだ学んでいる時期・・関係作りをしている時期ですので、当然です。淡々と教え続けてください。まったくあせる必要はありません。関係は良くなってきているので、基本的な態度・接し方は間違っていないということです。

>「ノー!」と言うのと同時に手をたたいてパチンと・・

↑これはいけません。犬は威嚇と、とらえます。身の安全に関わることへの防衛本能は、動物は鋭いです。
毅然と「ダメ!」や「ノー!」(厳しい表情)で伝え、悪い型を止めて→良い型をとらせて褒めて教える。感情的に怒らず、そこまでやり通してください。

まだまだ知能も低く経験も乏しいですので、気になるもの怖いものがたくさんあります。アイコンタクトはまだまだ犬の経験と関係作りが必要です。

ただし、これも型と音とジェスチャーで教えられます。ご自分の目を指差し、「ミテ」の指示と同時にもう片手で犬の下あごを掴んで、自分の方に顔を向けさせます。一瞬でも目が合ったら逃さず褒めます。

特に、ボール遊びなどで非常に魅力的な物が目の前にある場合に、あえてそれに打ち勝てるように、ボールを見せないで、自分の方に顔を向けさせます。目が合うまでボールを投げなければ良いのです。

目が合ったら褒めて投げます。それを繰り返すと、飼い主に注目するようになり、目を見て待って次の指示を犬が気にするようになっていきます。普段の挨拶で、オテやスワレが完璧になってきたら、スワレ・「ミテ」を教える(させて褒める)のも良いです。

もちろん、主従関係がしっかり出来てくると、特に教えなくても注目するようになります。(普段犬を常に主導しているかどうかになります)。

> ちゃんとお座りはするもののその後ですぐに体を掻きます・・

↑はい、これは瞬間的なストレスです。今まで自分が優位性を感じてきた相手から、指示されたりコントロールされれば当然面白くありません。でも犬のしつけが浸透してきたのでガマンできるようになり、それを掻く行動でストレス発散しています。あくびをしたり、自分のシッポを追いかけたりもします。

でも当然、それを気にして止めてしまったら犬のしつけになりません。必ず通る道ですので、毅然とやり通さなければいけません。関係作りが出来ていくとストレス行動もなくなっていきます。

> 「ゴロン」といいながら裏返しにしてもほんの少しはそのままで居ますがすぐに起き上がろうと暴れます・・

↑感情的に抑えつけないように気をつけましょう。最初は遊びの流れの中で、コロン→すぐ解放→コロン→すぐ解放で、頻繁にひっくり返して徐々に慣れさせていけば良いです。

犬にとっては、あお向けは非常に無防備で絶対服従の姿勢ですから、嫌がるのは普通です。きっかけは膝の上でさせるのも良いですが、ずっとそのままにしないで、時間をかけて、徐々に体勢を床面に近づけるようにしていき、最後には床面で自分からするようになるまで、毎日少しずつ意識しながら変えるご努力はされてください。

体位は関係を表します。犬同士でも、上位は下位の体の上に自分の体を乗せようとします。それを受け入れることは、相手の優位性を認めたということになり、犬が関係を誤認しやすいのです。

> 足を上げておしっこ・・

↑ちょうど成犬の本能も出てくる時期ですので、オスはしますね。また、自分の足が濡れるのが嫌でそうする場合もあります。もちろん足を下げてさせる型で教えることは可能ですが、留守番が長い場合は、難しくなりますね。いかに監視出来る時に、型で教え込むか・・のご努力次第になります。

また、物理的な対応策としては、トイレ周りのケージの内壁に「透明」なアクリル板を縛り付けて、周囲が汚れないようにすることです。ポールタイプのトイレや、半分が縦に立ち上がったトイレもありますが、それを使うと癖は変わらず逆に助長されることになります。

去勢はおすすめします。犬の性質的なメリットもありますが、ガンなどの病気のリスクが減ることの方を、私は重視しています。

> 遊びを止めようとすると、とたんに「来い」や名前を呼んでも知らん振り・・

↑これはまだまだ関係作りの途中ですから、仕方ないのです。今は気にせず関係作りと、指示したら例外を作らず型をちゃんと取らせて教えることです。犬に無視されたら、そのままにするのではなく、例外は許さずハウスに入れます。しかし、それをさせた時に絶対にしっかり褒めてあげることです。

また、時にはいったんハウスに入れて、その後すぐまた出してボール遊びを再開する・・これを繰り返すと、「ボール遊びが中断してハウスに入ってもまた遊べる」、という事を理解するからです。何事の教えも、嫌な感じで終わるパターンを繰り返さないことです。

それから、「遊びが終わってハウスに入ってゴハン」・・という流れにすると、犬は嫌な印象を持ちません。

犬にとっては、当然遊びが終わるのは嫌(察知して分かっています)ですので、抵抗します。自分にとってのメリット・デメリットで犬はシンプルに判断して行動しているだけですので。

それと当然、普段の関係作りが効いてきますので、毎日毎日続けてください。

> いづれは命令どおり自発的に入ってくれるようになるのでしょうか?

↑ですのでコレはもちろんです(^-^)普段の関係作りと、ハウスに入れられて終わり・・という嫌な印象を植え付けないことです。

> 粗相をしたときなどに遊びを中断させてハウスに戻したりする・・

↑HPでも本書でも述べていますが、トイレの失敗は唯一叱ってはいけない犬のしつけなのです。犬にとっては、自分のしている行為はオシッコしているだけです。場所の良し悪しや罰との関連付けが犬の知能では理解できないのです。

失敗した場面を見つけても叱らず、音の関連付けに注力すべきです。そして、オシッコしやすい条件を作ってあげて、そこでさせて褒める努力をどれだけできるか・・になります。

条件は起床後・食事後・ケージから出た時などの興奮と緊張です。(3つそろえば最強)。

ですので、遊びなどでいったんケージから出し、少し遊ばせたらいったんケージ内に入れて、ひたすら声かけ(関連付けしてきた音出し)をして待つと良いです。どうしてもしなければ、いったん出して、ウロウロさせてからまたケージに入れて声掛けします。

条件がそろっていればいつかしますので、根気よく待って、出来たらその間音を良い続けるのと褒め続けてください。

それを何度も繰り返せばちゃんと覚えてくれて、遊び中オシッコしたくなれば自分からケージに入ってオシッコするようになります。その時もちゃんと褒めてください。

ですので、犬が前回何時間前にオシッコしたか覚えておいて、しばらくしていないなら条件でしやすいので、ケージから出して少し遊んで興奮させて、すぐケージに戻して声掛けすると良いです。

結局は、普段音の関連付けをどれだけやっているか・・がポイントです。また他のしつけと同様、褒めるにしても叱るにしても関係次第でその効果が全然違ってきます。

オシッコ舐めはストレスなど複数の要因が混合している場合がありますが、トイレのしつけで叱ってしまうと、犬がオシッコやウンチを隠そうとする意味あいが大きいです。そういうこともあるので、犬のしつけでトイレの失敗だけは叱ってはいけません。犬の知能では理解できないのです。(舐めたり食糞するそのものの現行犯は叱ってください)。

では、今回は以上です。
まだまだこれからですから、あせらず楽しみながら頑張って続けましょう(^-^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針