犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで同居のおばあちゃんが甘やかしてしまう

質問内容
・問題の内容:
甘やかさないつもりで、犬のしつけはしてきたつもりでしたが、かわいいが故に知らず知らずのうちに甘やかし、主従関係が変わってきつつあるのか、愛犬にとって抱っこされるタイミングではない時(飼い主のひざの上で気持ちよく寝ている時、涙やけがあるので毎日それを拭いているのですが、それをしようと抱っこをする時、お客さんが来たのでゲージに入れようと抱っこをする時)など、噛むしぐさをし(唸る、歯を見せる)実際何回か噛まれた。

1ヶ月程前からです。(でもこれは私に対しては1ヶ月前と言うことなんですが)

・愛犬の犬種、年齢、性別、他にも愛犬の有無:
トイプードル、8ヶ月、女の子、無

・ご家族全員の年齢、性別、一日の愛犬との同居時間:
90才のおばあちゃん。毎日ずっと家にいるので朝から寝る時まで一緒です。孫(私)は仕事から帰ってきた夕方からと週末です。

過去の接し方、一日の流れは以下です。
 
①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?

まずは90才のおばあちゃんがおじいちゃんを亡くし、家でひとり退屈で何もする事がなく毎日が寂しいと言い、家族でどうしたものか考えた上、ずっとおばあちゃんが飼いたいと言っていた犬を、一人暮らしだった孫の私が同居し一緒に世話をする事で愛犬を迎えました。

毎日何もする事がない90才にもなるおばあちゃんだし、甘やかす事は目に見えていたので、私がちゃんと犬をしつけないと・・と思いやってきていたつもりなのですが、ここにきて問題が出てきたので、堀川さんにご相談です。
 
なので、スキンシップですが、おばあちゃんはとにかく、犬を子供の様に考えており、せまい所に長い時間入れておくのはかわいそう、人の姿が見えなくて鳴いたら出ていって撫でる、といった行動をしています。

迎えた当初(4ヶ月前で愛犬3ヶ月)の時は、おばあちゃんにも厳しくオシッコができるまではゲージから出したらいけない!と言っていたので、最初数週間はそうだったんですが、だんだんと私が仕事に行っている間はゲージから出し、自由にさせてと言った感じになり、今や寝る時にクレートで寝さす以外は、昼間はずっとおばあちゃんのひざの上に乗り、一緒にお昼寝したりテレビをみています。

もちろん、本の中に書かれている、意味もなく褒める、撫でる、声がけと言う事もしています。また、おばあちゃんは、かなり早い段階からなめられており、おばあちゃんが抱っこをすると噛む動作をしていました。

なので、おばあちゃんはそれが恐く、おばあちゃんはずっと抱っこだけはしていません。
 
犬と私とのスキンシップですが、私が帰ってきたらとにかく玄関で大喜びをするので、私もそれがうれしくてとにかくただいま~と言って愛犬が少し落ち着くまで撫でていました。

あとはとにかく好奇心旺盛で人が大好きなので、私が帰ったらとにかく私の周りをうろつきジャンプしたりするので、それがかわいくて私も意味もなく撫でたり抱っこしたりしていました。

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?

基本的にはすごくやんちゃで動きが早い為、おばあちゃんとは遊びません。たぶん、おばあちゃんは遊んでるつもりはなくても、洗濯物を畳む時、引っ張られてなかなか畳めないといっているので、愛犬にしたら、その時におばあちゃんと遊んでるつもりなのかもしれませんが。

私は、自分が遊んであげようと思う時とか愛犬が遊び道具を咥えて持ってきた時とかに、投げて走って取りにいく遊びをしています。でも、犬が口に一度咥えると離さないので投げる事ができず、片手におやつをもって「頂戴」といって取ろうと思うのですがそれでも離さないので、お腹のあたりを片手で持ち宙に浮いた状態だと離す事がわかってから、そうやっていたりしました。それで離したら投げて・・の繰り返しです。
 
③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

基本的には最初はしつけ全般、おやつで釣ってさせてきました。でも、それで基本的には排泄、おすわり、ふせ、待て、ひざ上で寝ていても降りて欲しいとき降りてなど全部今はできています。

もちろん、興奮してる時や散歩中など、できない時もありますが。

今はすべてできたからと言っておやつをあげるわけじゃなく、できた時、近くにおやつがあればあげるし、なければ、いい子~って言ってあご、頭を撫でたりしています。

しかる時は大きな声で「駄目!」と言って人差し指を立てるしぐさをしています。

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?

上記でも書いた通り、おやつはしつけの道具として何かができた時にあげてきました。抱っこ、ナデナデ、声かけなどは、かなり頻繁にイミもなくやっていたと思います。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
 
犬の散歩は私だけが行きます。しかも、頻繁にではなく、週に2回位で、時間にすると15分くらいです。平日、仕事帰ってきて1回、週末昼間1回くらいです。

最初、リードウォークをしつけていた時、最初からうまくいくわけもなく、私の前後をウロチョロ、リードをカミカミしていたんですが、そんな感じで歩いていたので、散歩中2回、愛犬の足を踏んでしまいました。

それから、前に出てウロチョロすると踏まれると習ったのか、今は私の後ろを歩いています。ただ、主従関係ができてそうなってるわけではないと思うので、後ろの右左をウロチョロして歩いています。

でも外で排泄するとも思っていないし、とりあえず私について行こうと思っているのか自分で止まる事はほぼないです。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

基本的にはずっーと午前中、昼間はおばあちゃんと一緒です。おばあちゃんのひざの上にのって、退屈してきたら一人で走りまわったり、床の上に散乱しているおもちゃを使い一人で遊んでいる様です。(おばあちゃんがその早い動作についてこれないので一人で遊ばないとっていうのはわかっている様です)

おばあちゃんが朝ごはんや昼ごはんを食べるのに、キッチンに行き姿が見えなくなると犬は鳴くそうです。で、私が帰宅してからは、私の部屋とおばあちゃんの部屋を行ったり来たりしながら過ごし夜、寝る時はクレートに入れ寝ます。
 
基本的には、おすわり、待て、フセ、降りてなどの事はちゃんと聞きます。でも、ここ1ヶ月、犬は自分が好まない時の抱っこの時、反抗してきます。

基本おばあちゃんも同時進行でしつけ?ていかないといけないのは重々承知の上です。それでは、長々と書いてしまいましたが、よろしくお願いします。


返答内容トイプードルちゃんは、ちょうど反抗期のど真ん中ですね。ホルモンバランスの変化が大きく、成犬としての権勢本能が強く出てきます。知能も高くなるので相手を見抜く感覚も鋭くなります。

しかし、トイプードルちゃんの素性が良かったので、今はこれで済んでいます。もう少し素性に問題がある子ですと、激しく噛みついて唸り手におえなくなってしまいます。

これは脅かしではなく、実際にそうなってどうしようもなく保健所へ・・里親が見つからず殺処分・・こういうケースが非常に多くなってきています。

そして今後そうなる可能性もあります。まだまだ成犬の本能は強くなっていきますので、しっかり意識改革しないといけません。このお話はぜひ、おばあちゃんにも伝えてください。

今回は少し難しいです。おばあちゃんの年齢では、なかなか相手の話も聞いてくれないでしょうし、動きが加わる遊びやしつけも難しくなります。

しかし、やっぱりこのままでは危険ですので、先ほどの話をしっかり受け止めてもらってください。また、ホームページ・本書・メールの内容も確実に解説してあげてください。

まずは、できることから始めていきましょう。犬の甘やかしは危険・・ということが理解できただけでも接し方は変わっていきます。態度やしぐさにも表れてきますので、そうなれば一番良いです。意識改革が全てです。

かと言って、急に激変するのも、おばあちゃんにも犬にもストレスになりますから、少しずつ変えるようにしましょう。

まず、意味の無い声掛けジロジロ見つめてナデナデ抱っこにオヤツ・・これらを止めましょう。

下位の犬は、上位やリーダーにすり寄ってナメナメ挨拶します。ジロジロ見つめて声掛けナデナデ・・というのは、この態度そのものです。これでは犬も誤解して当然です。

それから膝上抱っこも同じです。犬同士では体を合せる時に、上位やリーダーが自分の前足やアゴを、下位の犬の体の上に乗せてきます。

犬の飛びつきやマウンティングもそうですが、体位が関係を表しているのです。だから誤解されます。

団らんで体を接する時は、床に下ろして体をくっ付けて寄り添わせれば良いです。ナデナデしないで、ポンポンで褒めます。

グルーミング時は、あお向けにさせたりスワレ・マテの指示で涙やけの手入れをしてください。
また、プラスチックケースや段ボール箱で安く作業台を作っても良いです。犬は高くて狭い場所が苦手なので、ジッとして待ちます。

オヤツも止めてください。関係作りが出来れば、型と音とジェスチャーの関連付けで体現でシンプルに教えれば、ちゃんと覚えます。

オヤツはまず栄養バランスが崩れています。また、知能が高くなる時期なので好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなって困ることになります。

そして食べ物で釣って行動させていると、表面上言う事を聞くので犬との関係作りが出来ている・・と勘違いしやすいのです。これがもっとも怖いことなのです。

だから、「普段は良い子なのに急に噛みつく」ということが起こります。

オヤツが無いと言うことを聞かないのは、関係作りが出来ていなくて関連付けも十分ではないからです。これは大切なバロメーターなのです。

そして、接することが悪いのではないのです。いつでもどこでも「主導」で接してほしいのです。

チョットした挨拶でも、意味なく声掛けナデナデではなく、オテでもスワレでも何でも良いので何か指示を出し→犬が行動する→褒める・・というパターンにしてほしいのです。

指示で出来なければ、型で教えて褒めてください。

ボール遊びでも投げる前にスワレ・マテ、出来たら転がす、出来なければ型で教える・・転がしたら回収しながらコイ・ダセの練習。というふうに「主導」を徹底することです。

ヒモ付コングなら、おばあちゃんにも遊べるんじゃないでしょうか。

そして遊びながら、その中で仰向けをする・・リードを付けてボール遊びしてリーダーウォークを時々してみる・・ということから始めてください。

犬に噛まれるのが怖ければ、ホームセンターで作業用の革手袋を買ってください。500円くらいで買えます。

甘噛みでも許さず、一貫して口閉じで叱って褒めて教えてください。咥えたものを離さない時も必ず出させます。手袋していれば怖くないはずです。

怖さを持ったまましていると、犬に必ず伝播してさらに興奮しますので、リラックスできる準備は重要です。

それから散歩が少なすぎます。社会性のある動物ですので、外の世界に触れる心地よい刺激もストレス解消になっています。

人や犬や他の動物・人間の文明に慣れていないと、興奮癖やストレスに弱い犬になってしまいます。無理に会わせなくても良いので、たくさん見せることです。

犬の散歩は大切な社会化の場ですので、毎日30分以上は外で過ごしてください。おばあちゃんも出来る範囲で結構ですので、犬と散歩できればベストです。おばあちゃんの健康にも良いはずです。

手でリードを持つだけでは心配なので、腰に一周縛って、残った部分を手でコントロールすると良いです。

これなら体が小さく力が弱い方でも大丈夫です。(無理はしなくて良いです)。

また、クレートトレーニングもしないといけません。いつまでもおばあちゃんとそばに居れる環境ではなくなることもあるはずです。その時に急に孤独になると、ストレスが激しくなって危険です。

まずは、冒頭のお話も含め、犬の特性・接し方をおばあちゃんによく解説してあげてください。大きく関係が崩れて、大ケガをしてからでは遅いので、
ぜひ頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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