犬のしつけがQ&Aで分かる!

「どう犬を変えるか・どうやったら犬に分かってもらえるか」は間違い

質問内容
こんにちは。今回は、通わせている『犬のしつけ教室』についてご相談したいことがあります。(10か月過ぎのヨークシャーテリア・オス)

この『犬のしつけ教室』は、大型犬や中型犬を含め、色々な犬と遊ぶことができる時間があるという点が社会化に良いのではないかと思い、7日~10日に1回のペースで午前10時~午後5時まで通わせています。

「おやつを使わないトレーニング」という方針も気に入って決めました。

トレーナーの方は担当がきちんと決まっていて、とても一生懸命トレーニングをしてくれています。毎回「困っていることはないか」と聞かれるので、「外でのお散歩が上手に出来ない」と伝えていたところ、昨日、実際に教室の外にお散歩に連れて行って説明をして下さいました。

トレーナーさんの言うことは本当に良く聞いて、ぴったりと横を歩いたり、トレーナーさんが止まると止まったり出来ていたので本当に驚きました。私にもリードを渡してくれ、一緒に歩いてみたのですが、やはり信じられないくらい上手にお散歩が出来ました。

トレーナーさんが教えてくれたトレーニング方法は、リードは常にゆるめに持ち、犬が前に出ようとするタイミングで、「マテ」と言いながら、リードを鞭のような感じでしならせて「パシッ」と叩き(割と強めに、叩くというより合図を送るということだそうです)、「おいで」と呼んでそばに来たら褒める(褒め方はおおげさな感じで良いとのこと)、ということを繰り返すのだそうです。

そうすると、人間のそばに来たら良いことがあるということを覚え、次第にそばについて歩くようになると言われました。

確かに、トレーナーさんといる時の犬は見違えるほど良い子なので、効果はあるのだろうと思うのですが、堀川さんから教えて頂いたリーダーウォークの方法と違うので少し戸惑っています。・・・歩いている最中は目を見たり、声をかけたりしないで、犬が引っ張ろうとしたら即座に反対方向に歩くという方法でこれまでやってきて、家の中では上手に歩けるようになってきているので、私としては方法を変えたくないのですが、どうしたものでしょうか。

トレーナーさんに預けている間は、トレーナーさんのやり方でやってもらって良いのでしょうか。おやつも体罰もないトレーニングなので、これはこれで良いのでしょうか?

犬のしつけ教室はあと2回で終了なのですが、引続き続けるべきかどうか迷っています。

あと、「スワレ、マテ」が上手に出来た時に褒めようとして、犬の顔の前に手を出すと、噛もうとしてくるのですが、褒めるだけにしておいて方が良いのでしょうか?
それとも都度口を手で押さえて「シッ」と言って叱る方が良いのでしょうか?
そうすると褒めるタイミングがなくなってしまうのでどうしたのものかと悩んでいます。


返答内容
私のお話をお守りいただけなくて、とても残念です。

「犬の訓練所・しつけ教室はおすすめしません」
「情報のつまみ食いは危険です」

と、いろんなところでお話しております。

○月以降も何度かご相談もいただきましたが、しつけ教室のお話はいただけませんでした。

そのトレーナーさんの教え方で成果が出て良かったと思われれば、その方以外からの情報は遮断しないといけません。また、そのトレーナーさんのやり方で疑問に思うことがあれば、そのトレーナーさんに聞かれるべきで、他の人に聞いても意味がありません。

そして私にそれを聞かれても答えは一つで、「訓練所も犬のしつけ教室もおすすめしません」ということになります。

何度も何度も申し上げますが、犬のしつけは全てがつながっているのです。手法のつまみ食いをすると、犬には単なる矛盾であり、理解できずパニックや反発・ストレスになるだけなのです。

「この人のやり方で一貫しよう。絶対に続ける。」というご覚悟や精神力がなく、表面上の手法だけをアレコレやってみても、犬は簡単に見抜きます。

だから、褒めようと手を出しただけで噛まれるような関係になってしまうのです。犬に見抜かれてしまっているのです。

やるべきこと、犬との接し方のルールは、本書とQ&Aサイトでお話しております。

それをご自分で守って一貫できるかどうかです。自信を持ってやり続けるかどうかです。


そのご覚悟と信念が無い時点で、
「褒めるだけにしておいた方が良いのでしょうか?」
ということを考えたりアレコレしても、まったく意味は無いのです。

犬には伝わらないのです。

10か月過ぎで褒めようとする手を噛むということは、完全に犬に見下されて主従関係が崩れている状況なわけですので、今の時点なら、毅然な態度でリーダーウォークをして主従関係を示してあげないといけないのです。

私達一般の飼い主は、犬の競技会や品評会に出るために犬を飼っているわけではありません。表面上の調教法などは、本当はどうでもいい事なのです。

犬が人間家族との関係を認識し、人間が主導性を持って犬がそれに従って、穏やかに楽しく暮らすことが目的なはずです。


今日お話した意味がご理解できないということでしたら、もう私からお話することは何もありません。

どういうやり方でいくか。いつかどこかで、ご自分で決めないといけません。決めたら絶対に変えてはいけません。必要な部分は修正しながら、一貫して続けないといけません・・・

飼い主さんからのお返事.png
堀川さん、ご回答有難うございます。いつもご丁寧かつ迅速にご対応頂けること、本当に感謝しております。ただ一点、御理解頂きたいのは、堀川さんの言葉を無視したり、守るつもりがないということは決してないということです。しつけに迷ったときは、堀川さんから譲って頂いたテキストや、ホームページを何度も読み、質問と回答をまとめて読み返し、実践しようと努力しています。

犬のしつけ教室の件につきましては、ホームページの中で、「しつけをするためではなく、他の犬との交流という意味であれば行っても良いのでは」という意味合いのコメントがありましたので、その目的で通わせることにしました。

それならば良いと思ってしまったのです。そして、家からも遠いのですが、「おやつをつかわないしつけ」をするという所を選び、毎週毎週車で送迎しています。質問で散歩のしつけについてお聴きした際にも「先日、「おやつを使わないしつけ」をするというしつけ教室に行ってみました。目的は、他の犬との交流目的だったのですが・・・」と伝えておりますが、特に止めた方が良いというような回答はなかったので、これならばよいのだと理解してしまったのです。

もし、堀川さんがそのような意味合いで書いた記憶はないとおっしゃるのであれば、それは私が誤解をして理解してしまったので大変申し訳ないのですが、実際にお会いするわけでもなく、こちらが一方的にホームページの文面を読んで理解したり、メールでのやり取りになるのですから、ある程度の誤解が生じるのは仕方のないことではないでしょうか?

一人で犬をしつけて行くというのは、思った以上に孤独でしんどいです。それは堀川さんも十分お判りのことと思います。家族の協力を得なければならないことは重々承知していますが、朝早くから夜中まで仕事をして疲れている夫を見ると言い出せない部分もあります。

日々迷い、どうして良いのか途方に暮れて、こんな事を聞いて恥ずかしいと思いながらも、すがる思いでメールを送っているのに、突き放されたような言葉を浴びせられるのがどれほど辛いかおわかり頂きたいです。

何もかも判っている堀川さんから見れば、何でこんなことも出来ないのかと苛立たれることもあるのでしょうが、何にも出来ないから迷ってメールしているのです。どこまでが良くてどこまでがいけないのかすら混乱してしまうこともあるのです。

今後も、堀川さんから教えて頂いた方法を実践していくつもりですが、これ以上心が折れるのは避けたいです。


返答内容
もちろん、○○様はじめ、他の悩んでおられる飼い主皆様のお気持ちは、十分に承知しております。

私はサラリーマン時代の激務の中で、一人で犬のしつけをしてきました。

大残業して、家に仕事を持ち帰って朝まで仕事して、また出勤・・そんな地獄の中でも、誰にも自分の仕事と犬のしつけを頼れませんでした。

人間はこういう話で心が動き、共感や同情もしてもらえるのですが、犬にはそれを理解できる知能はありません。それどころか、その弱点を見抜き、自分が主導権を握ろうとします。

どんなに苦しく辛い環境に相手が居ても、犬は冷淡に自分に都合の良いようにしか反応できないのです。

これは自然淘汰の中で生き残ってきた本能なのです。犬の知能の限界なのです。

この現実は絶対に変わらないのです。

それまでの私は、「どう犬を変えるか」「どうやったら分かってもらえるか」しか考えていなかったのです。でも犬の知能の限界を知って、本能を知ってやっと「今まで分かってあげられなくて悪かったな。自分が変わろう・・」と思えるようになり、少しずつ変わっていったのです。

人間社会でも同じです。「自分が変わらないで相手は変えられない」のです。

まず、自分が変わらないといけません。

人間相手なら、まだ相手は知能の高い人間の大人ですので、やり方によっては変わってくれます。

しかし相手は犬です。人間社会の事情は理解できません。でも、自然淘汰を生き残ってきた本能で鋭く相手を見抜きます。

「しつけグッズやオヤツを使わないしつけ」だから良いのではなく、それをガマンして自分が成長するから犬の反応も変わるのです。


私は、過去4000件以上のご相談を受けてまいりました。サラリーマン時代は中小企業ですが会社の本部で教育担当も数年間いたしました。

お教えする対象の方を支え、優しく元気付けると同時に、やっぱり成長も促さないといけません。結果を出していただくのが私の使命だからです。単なるカウンセラーやセラピストではありません。それで一時しのぎになったとしても、やっぱり壁を乗り越える実力を付けないと、必ずまたどこかでつまずいてしまうのです。その時にさらに傷が深くなってしまうのです。

心が折れないように、そのバランスを考えて考えて、バランス感覚を学んできたつもりですが、お話が優しすぎたりキツすぎたりすることが今でもあります。

私も常にその経験も踏まえて成長しているつもりですが、今回はキツすぎてしまったようです。お許しください。

ただし、今日お話しした現実はやっぱりあります。

これは変わらないのです。変えられないのです。

変えられるのは、やっぱり自分だけなんです。

昔からのことわざにあります。

「天は自らを助ける者を助ける」

また少し頑張っていただいて、もし気が向いたらまたいつでもメールいただきたいと思います。

私はどんな人も見捨てません。

でも言わなければいけない時は、申し上げないといけません。成長を促すのが私の使命だからです。

では、また頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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