犬のしつけがQ&Aで分かる!

食事についての犬のしつけ・飼い主さんが犬の寿命を縮めている

m1.png犬の食事のしつけ相談です。もうすぐ3歳になるミニチュアダックスを飼っています(オス)。
夏頃にこちらに引越ししてからご飯を食べなくなりほとほと困っています。以前はかりかりフードも喜んで食べていましたが、今は見向きもしません。

食べさせようと餌を変えてみましたが缶詰の餌を混ぜても見向きもしない事も多いです。心当たりはこちらに引っ越してから夫が人間のご飯をあげる事です。以前は一人暮らしで結婚したので犬も連れてきました。結婚する以前も人間の食べ物をあげてはいましたが、かりかりフードはちゃんと食べていました。

ストロバイト(結石症)があるので、専用のご飯を食べないといけないのでとても困っています。どうしたらよいでしょうか?

人間のご飯時にはしつこく吠えて人間の食べ物を欲しがり、根負けしてつい与えてしまいます。あまりに餌を食べないので、死んでしまうのではないかと思い、つい与えてしまいます・・


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今日は少し厳しいお話を申し上げなければいけませんが、どうかガマンしてお聞きください。
 
まずこれは犬の問題ではなく、飼い主さんお二人の問題です。ご自分の行為が、犬の寿命を縮めているという事実を正面から受け止めてください。それは結石症だけの問題ではなく、主従関係の崩れが犬のストレスを増し、健康全体にも影響している事実を知っていただきたいのです。
 
本書でお話したように、主従関係を誤認した犬は非常に大きなストレスを抱えます。今回のような要求吠えや、いずれ噛み付きも出るかもしれません。そして直接的な問題行動だけでなく、犬のしつけ不足が大きなストレスになっているのです。
 
犬のしつけが浸透してくると、犬は面白くないので一時的には更に吠えたり噛んだりします。そうすると飼い主さんは「かわいそう・ストレスになってる」と思い、犬のしつけを止めてしまうのです。でも、それがさらに主従関係の崩れと、大きな犬のストレスになっているのです。その現実を受け止めて、本当に犬が可愛いのなら毅然としつけを続けなければいけないのです。
 
それが本来の犬の幸せであり、健康でもあるのです。一時的なことに一喜一憂せず、その後の将来を考えて行動しましょう。
 
まず結石症専用フードのみをケージ内で与えて、無視して去ってください。トッピングもいけません。手で直接与えてもいけません。心配して覗き込まないことです。食べなければ30分で下げてください。人間の食事中はケージに居させ、完全無視してください。ご近所迷惑にならない範囲で完全無視です。目を合わせたり声もかけてはいけません。
 
もし吠え声がご近所迷惑になりそうなレベルになったら、「ダメ」とハッキリ伝え口を軽く手で閉じます。悪い型が止まり良い型が出来たので褒めます。ナデナデではなく、毅然と名前を呼んで「○○良い子」・・同時に頭か体を軽くポンポンポンとたたいて褒めます。それ以上の褒め方は、犬の本能の視点には「従属的」に映ります。
 
そうやって、専用フードを食べなければ無視して下げます。まず、初日は朝晩それをやってみて、食べても食べなくても、専用フード以外、絶対に人間の食べ物は当然ながら犬用のオヤツや缶詰なども一切食べさせてはいけません。水は常時飲めるようにしてください。一日何も食べなくても犬は全然平気です。(子犬、老犬、衰弱時は除く)。
 
そして、次の朝、専用フードを与えてください。10分経って食べなければ無視して下げます。1時間後にまた専用フードを与えてください。10分経って食べなければ無視して下げます。それを夜まで繰り返します。
 
もし食べれば犬の根負けですから、それで一件落着ですが、もし夜までやって食べなければさすがに低血糖になってしまうので、専用フードに犬の好きなトッピング(鳥のササミ、チーズ、缶詰など)を入れて良く潰し混ぜて与えてください。(お湯を少し入れてフードをふやかしておくと良いです)。そこで食べたならば、次の日からそのトッピングをじょじょに減らして潰す量(ふやかす量)も少なくしていってください。何日もかけてじょじょにです。そして一日一回にすると、犬はチャンスを逃さないようにしっかり食べるようになります。
 
問題はそれでも食べない場合ですが、3日目の朝、先ほどのトッピング混ぜをもう一度あげてみて、食べればそれでOKですが食べなければ、缶詰+鳥ササミかチーズを主体にしてそこに専用フードを少しだけ混ぜて与えます。さすがにそれは食べるんですよね?
 
そうしたら、あとは先ほどのように徐々に何日もかけてドライフードの割合を増やしていきます。一日一食にします。最終的に専用フードだけ残さず食べるようになったら二回に分けてもいいですし、私のように一日一回でも良いです。ただし、黄色い胃液を頻繁に吐く(たまに吐くのは犬は普通です)ようなら一日二回が良いですし、老犬になったらもちろん回数を増やします。
 
そして絶対に人間の食事を手渡しなどであげないことを約束してください。人間は軽いつもりで・・あるいは食べないので心配で・・と与えてしまいますが、犬はその度に自分の優位性を感じ、主従関係が逆転していくだけです。
 
犬のしつけは全てつながっています。食事だけではありません。吠えだけでもありません。24時間、365日すべての接し方や何気ない態度やしぐさまで全て関わっているのです。犬はそれを見て感じて総合判断しています。この人の言う事を聞くべきか・・聞かなくていいのか・・あるいは自分のわがままを聞くのか・・
 
今回は、普段の接し方をお知らせいただけませんでしたが、もし次回ご相談いただく際はHPでご案内していますデータをお知らせください。
 
まず普段の態度全体から見直してください。断片的な犬のしつけのノウハウやテクニックだけ学んでも、根本は解決しません。また別の問題行動が必ず出てきます。
 
犬との関係作りを重視してください。態度、あお向け、リーダーウォーク、ヒモ付ボール遊び・・家で時間がちょっとでもあったら頻繁にやってください。外の散歩も寒くても毎日やってください(荒れた日は無理にいいです)。主従関係の構築、狩猟本能のはけ口、社会化・・全てその中に要素がつまっています。やったほうが良い・・のではなく、必要なやるべきことです。犬のしつけは長い長い根競べです。根負けした時点で終わりです。オヤツ・ナデナデ・抱っこ・声かけ・見つめる・・それをやった時点で根負けです。
 
スキンシップやコミュニケーションをとりたいと思われたら、オテでもスワレでも何でも良いですから必ず「指示→従う→褒める」、という要素を入れることです。それを犬との接点のルールにしましょう。そうすれば犬との主従関係は保てますし、あお向け、リーダーウォーク、ヒモ付ボール遊びならより深まっていきます。
 
ご主人にも必ずHP・本書・メールの内容を見せてください。ご自分のしている行為が、犬の寿命を縮めていることを認識していただきたいですし、関係作りを学んでいただきたいです。ドライフードをまったく食べないのに、体重がそれほど変わらないのなら、ご主人が相当食べ物を与えているということです。それと家族で一貫しないと、犬もルールを理解できません。
 
まだまだ犬との生活は長く長く続くわけですから、今のうちにしっかり見直して、しつけして良い関係を少しずつ積み上げていってください。では、頑張ってください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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