犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで本当の犬への正しいアプローチの仕方を学びたい

質問内容
はじめまして。HPを拝見しました。ビションフリーゼ4か月のメスを飼っています。しつけの面で困り果て、方法を模索しております。

堀川さんのHPで信頼関係を築くことが大切とあります。自分自身もこれが一番大事、初歩的なことだと思っているのですがどうしても犬が私と距離を置くのです。

一番の悩みが噛み癖と要求吠えです。先日生まれて初めてトリミングに連れて行きました。迎えに行った時にトリマーさんから初めに出た言葉が
「今悩みありますよね。。。」
「今までトリミングした中でこんなに大変だった子はいません!」
二人係で二人とも思い切り噛まれて傷を負ってしまいました。

先週パピースクールに連れて行った時にも、トレーナーさんが話している最中、この子だけ要求吠えしていました。遊びの時間になってからは他の犬に鼻をつけて挨拶したので「普通はおしりからいくんですけれど。。。」と言われてしまいました。

他の犬との遊びの時間では、しばらく遠くからふせの状態で周りを観察し、遠慮しがちに誘って遊んでいました。

噛み癖は45日でブリーダーさんから譲り受けた時からかなりあり手や足を噛みます。止めさせるために噛んでもいいおもちゃを与えるように言われ実践していますが、人の手や足は相変わらず噛み続けています。

「噛んだり、要求吠えの時には無視して相手にしない!」努力しているのに一向に改善されず、体が大きくなって力強くなってきたので益々エスカレートしています。

犬は飼い主のアプローチ次第だと思うので、アプローチの仕方が間違っているのですね。今回犬と生活するのは初めてではありません。結婚前は実家で常に犬猫がいて、ほとんどこのような問題を感じたことはありませんでした。その時には両親がおり、主に彼らがしつけていたので、私自身の問題なのではと思っています。

トリマーさんに「今本気で直さないと将来辛いことになります!すぐにトレーナーさんをつけて訓練したほうが良いです。」と言われました。

プロの方に方法を教えてもらうことは良いかもしれないのですが、色々なやり方があり、どの方法が一番良い方法なのかわかりません。おそらく犬も相当ストレスがあり、問題行動に走っているのだと思うとかわいそうでなりません。私たちも毎日の戦いで疲れ果て、他人を傷つけてしまったことにショックを受け精神的ダメージを受けてしまいました。

飼い主の甘さをお笑いになるかもしれません。しかし、今本当に犬へのアプローチの仕方を学び、改善し、これから先10年、、、良い関係で楽しい生活を送りたいのです。このような状態ですが、堀川さんが築き上げてきた貴重な体験を実践することができるでしょうか。


返答内容
今回のお話を伺う限り、ご心配は要りません。

例えば、歯をむき出して鼻にシワを寄せて威嚇してくるような場合は、生まれつき素性に問題があったり、ブリーダーが体罰をしたりという可能性がありますが、現状はそうではなく、ただ単に本能のおもむくまま動く物に反応し追いかけて噛んでいるだけです。

一言で言えば、まだ「教育不足・経験不足」というだけのことです。


本来は、まだこの月齢の子犬というのは、単なる小さな猛獣状態なのです。噛まない犬の方が珍しいです。

それと、少し噛み癖が強い子の場合は、育った背景が影響しています。例えば、親犬が育児放棄をしたり兄弟が少なかった場合です。

生まれた子犬は、生後しばらくして目が開いて歩き始めると、とにかく動く物めがけて飛びついて噛みます。

親犬はそれを叱ってしつけたり、兄弟ゲンカの中で相手に怒られたり噛み返されたりしながら、物事の良し悪しや節度を学んでいきます。今回の子は、それが十分できない環境に育った可能性が高いです。

でもそれならば、親代わりでありリーダーとなる飼い主さんがこれから教えてあげれば良いだけのことです。


この時点でハッキリ申し上げておきますが、子犬期は結果を一切期待してはいけません。知能も経験も何もない猛獣状態ですので、問題があって当たり前なのです。子犬期はそれを教えたり、主従関係を誤解させないための期間なのです。

人間の赤ちゃんに対して、「泣きわめくし、トイレもご飯も一人で出来ない・・」と言って悲観するようなものです。でもそれは当たり前の時期なのです。

それを理解し、これからどう関係作りをしながら育てていくか・・・ということなのです。



さてこれからですが、まずは犬にリードを付けてそれを飼い主さんが持って過ごす癖を付けましょう。

ケージから出した時にフリーにしないで、常に犬にリードを付けて持っておきます。そうやって団らんしたり主導型コング遊びをします。

その中で、人の手足に噛んできたら(噛もうとしたら)、注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意します。何度も何度も反復で繰り返します。

あるいは、作業用の革手袋をホームセンターで買ってきて(500円くらいです)、それを装着して、注意音で仰向けをしたり、犬の口の中に噛まれた指を押し込んだりして注意します。(教え方は色々あるので、反応を見ながらその子に合うやり方を選別していく)

また、リードを付けて持って過ごすことで、自然と主導性を示すことになりますので、主従関係作りに良いのです。そして、お散歩デビューの練習にもなりますし、トイレへの誘導もしやすくなります。


さて、「トレーナーさんをつけて訓練したほうが良い・・」というお話でしたが、あまり意味はありませんので、おすすめはしません。

犬は相手一人一人を見て感じて、それに対して自分がどう対応するべきかを、本能の感覚で判断しています。子犬でも、社会性群生動物としての本能をちゃんと持っています。(人間の子供と同じで、感覚が鋭いのです。)

トレーナーがその犬と関係作りをしてもしょうがありません。犬が家に戻って、ご家族がきちんと接することができなければ、何も変わりませんし、トレーナーとのギャップを感じて余計にバカにされます。時間とお金のムダになりますので、おすすめはしません。

犬と暮らすのはご家族です。そのご家族が勉強して、毎日コツコツ続けて犬との関係を積み上げていかなければ、何の意味もありません。


そして、普段の何気ない接し方が大前提になります。普段チヤホヤしたり従属的な接し方をしている中で、先ほどのような手法を展開しても、犬は見抜きますし、矛盾になるので犬は理解できずイライラ反発するだけになります。

特に、これからもうすぐ反抗期に入りますので、相手を見抜く視点はどんどん鋭くなってきます。

飼い主さんの何気ない態度しぐさは、その人の意識や精神性が自然と出ているものなのです。だから、犬のしつけの根本の根本は、飼い主さんの意識改革なのです。

本書とQ&Aサイトを毎日読み込みながら、実践を重ねることで、その意識が自然と備わっていきます。犬はそれを見抜きます。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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