犬のしつけがQ&Aで分かる!

病気を境に散歩で拾い食いがひどくなった犬のしつけ

質問内容
堀川様ご無沙汰しております。犬の散歩のしつけことでご相談です。

前回メールをさせていただいてから犬も年齢的に落ち着いてきたのか、興奮も減ってきてだいぶまともに散歩できるようになっていました。

しかし、最近また臭い嗅ぎと拾い食いばかりで今までの3割くらいしか歩かず止まってばかりです。原因は私の甘やかしだとわかっているんですが...。

実は○月頃炎症性腸疾患という病気になってしまい、しんどかったようであまり歩きませんでした。歩かない分臭い嗅ぎが増えたのですが、下痢がひどかったので下痢をする場所を探してるのかと思い、好きにさせていました。(トイレは外でしかしません。)

炎症性腸疾患と診断されるまで1ヶ月以上かかり、適切な治療がされない間元気がなく痩せていく姿を見てるとかわいそうでかわいそうで、つい撫でたりしてしまいました。今は薬で症状が抑えられていて元気です。

ただ甘やかしたツケが回ってきたようで、完全に主従関係が逆転していると思います。散歩に行くこと自体は嫌がってませんが、家を出てすぐオシッコとウンチを済ませるともう歩きません。

臭い嗅ぎと拾い食いが始まります。ほとんど止まってるようなスピードで臭い嗅ぎをして、ずっともぐもぐぺろぺろしていて頭が上がることがありません。拾い食いと言っても大きな物には興味を示さず、砂や泥、道の端にある苔、葉っぱ、小さい枝を食べます。

食べそうになったらリードを引き上げるのですが、何も落ちてない道はないのでずっとリード引き上げてる状態です。歩く方向を変えてもリードが張った瞬間止まって動きません。同じところで15分くらい止まっていたこともあります。

止まった時はマテをさせて動きたくなってきた時にコイをさせる...後ろ向きに歩く...という方法は全く効きません。ずっと臭いを嗅いでるだけです。

今までたくさんアドバイスをしていただいて、良い調子になっていたのにこんな状態になってしまって、本当に情けないですが、アドバイスよろしくお願いします。


返答内容
今回は気にされることはありません。「経験して良い学びを得た」ということです。

これからもこういうことは時々あります。そして、老犬期に入ると、こういうことがとても多くなります。

老化もそうですし、病気やちょっとした体調不良で元気がない時があるわけですが、人間がそれを気遣って犬への接し方が変わるのはごく自然なことです。大切な家族ですから当たり前の感情です。

ですが、犬の知能には「自分が病気だから、年を取ったから優しくしてくれているんだ」などとは理解できないのです。犬は何歳になっても、どんな状況であっても、犬の本能で冷淡に反応するだけです。

人間からのチヤホヤや甘やかしは、従属的な態度として感じ取りますし、自分にとって都合の良いことはすぐに学習して悪習となります。

犬の健康・体調はしっかり観察して、きとんとコントロールしてあげなければいけませんが、ジロジロ見つめてナデナデしても、犬の健康にプラスになることはほとんどありません。むしろ、興奮ストレスやイライラを与えたり、その習慣が行われなかった時に強いストレスを感じるような犬になってしまいます。

だからといって、急に難しすぎる要求をしても犬も適応できません。

例えば今回であれば、急に外の世界でたくさん歩いても難しいのです。臭い・音・動きなどなど、外の世界は強い興奮刺激や誘惑が多すぎるのです。

こういう時は、まずは家の中から練習することです。

犬をケージから出す時は、常にリードを付けて飼い主さんが持って過ごすようにして、その体勢で団らんしたり主導型のコング遊びをします。

そしてその中で、時々一緒に歩いてみる・・・また遊び・・・リーダーウォーク・・・また遊び・・・

というふうに、優しいレベルから段階を作ってあげることです。

そして次の段階では、家の中で拾い食い防止の練習です。

野菜の切れっぱしでも、湿気たお菓子でも何でも良いので、お部屋や廊下の床に点々と置いておきます。

そこを通って練習します。食べ物がある地点に行き、犬が床に顔を近づけた瞬間に「シ!」の注意音と同時にリードをガツンと引き上げて注意します。顔を近づけようとするたびにガツンと注意します。

そして、顔を下げなくなったら軽く褒めて、次の地点に行きます。そこでも同じように教えて・・・。これを繰り返します。

まずは外よりも刺激が少ない家の中から練習です。そして、その前に、遊びを通じてリーダーウォークからです。


一方、外での活動ですが、たくさん距離は歩かなくて良いです。

なるべくキレイで安全な近所だけにして、外の世界への慣れだけ失わないように時間だけキープしてください。飼い主さんは座ってノンビリして、その周囲を犬にウロウロさせれば良いです。時間だけ長めに過ごして、外の世界への順応性だけ失わないように保つことです。

室内の練習が進んで、外でも変化が見られてきたら、徐々に遠出すれば良いです。

まだまだ落ち着いた成犬ではない時期ですし、経験不足なのです。段階を作りながら教えてあげることと、成長による理解と慣れも待ってあげないといけません。それと、経験し尽くせば飽きも出てきます。

それでは、また頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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