犬のしつけがQ&Aで分かる!

糖尿病の人が犬に噛まれるのは大変危険

質問内容
こんにちは。パソコンで躾の仕方を探しているうちに、こちらのサイトを見つけて、メールで相談させてもらいました。

私の家では4歳になるプードルを飼っています。私の家族は共働きで兄も大学、姉も社会人になり最近家を出て行きました。私もまだ高校生で、塾などに行っているのであまり家にいません。

基本はおばあちゃんが愛犬の世話をしているのですがここ数年で体が弱り、車椅子で生活しています。最初に世話をすると約束で飼ったのですが皆自分のことに精一杯で、ほぼおばあちゃんが全てしています。

最近、よく人を噛むようになり、近日では母の手を噛み、ここ2.3日は朝から連日おばあちゃんの手や足を噛んでしまいました。おばあちゃんは糖尿病で、沢山の病気を持っています。本当に危ないと、笑い事に出来なくなりました。

今までの躾が悪かったのもありますが、最近急に噛むようになりました。
何もしていないのに、餌を準備しただけで噛むなどです。
ストレスが溜まっているのかと、最近は散歩を私が出来る限りしていますが、翌日の朝には噛むので意味ないのかと思ってしまいます...。

今から躾をして、例え私の言う事を聞くようになっても、おばあちゃんの言う事を聞かないようでは意味がありません。おばあちゃんは体が動かすのも大変なので、私達と同じようには出来ません。
おばあちゃんも怖がってしまって、見ているのも辛いです。

本当に自分勝手な飼い主で、愛犬に申し訳ないのですが、おばあちゃんの病気のこともあり、このままでは保健所に出す。と、言っています。

私もあまり時間に余裕がないのですが、どうすれば良いでしょうか...。
訓練場も考えたのですが、お金もあまりありませんし、プロの言う事だけを聞くのではと思います。

私達の都合で愛犬を殺してしまうのはどうしても避けたいです。
どうかお返事よろしくお願いします。長文失礼しました。


返答内容
今回は二つに一つです。

一日1時間で良いですので、皆さん(おばちゃん以外)で交代で時間を作って、散歩・遊び・関係作りをしてください。

一日1時間を作れて、ご家族皆さんが「正しくやる」と心に決めたら、ちゃんと結果は出ます。

その時間と「やる気」が無いようでしたら、里親になってくれる人を見つけて託したほうが良いです。プードルでしたら人気犬種ですので、マッチングサイトで探せば貰い手は見つかります。

保健所には出さないでください。


さて、今回のプードルちゃんですが、素性は良い子なのです。本当に生まれつき問題のある犬というのは、もう生後間もないころからハッキリしますので、基本的にはそういう犬は流通しません。

問題があるのは、環境であり、飼い主さんの接し方しつけ方なのです。

特に今回は、「最近になって・・」ということですので、なおさらです。

最近家族が離散していますね。それが犬を情緒不安定にさせた可能性もありますし、主従関係がある程度あった人が家を出て、犬にとってリーダー不在になったことが原因かもしれません。

あるいは、家族が離散した寂しさから、犬への接し方が皆さん変わってしまったかもしれません。特に、ご両親からしたら寂しいでしょう。そのぶん犬をチヤホヤかまったり、接し方が従属的になった可能性もあります。

いずれにしても、「最近になって・・」ということは、最近変化したことが原因だということです。


まずは、環境(犬の居場所・過ごさせ方)を整え、散歩・遊びの時間を確保し、犬との接し方全体を「家族全員で」見直さないといけません。

犬のしつけ教室や訓練所は意味がほとんどありませんので、出さないでください。

犬は接する人を一人一人見て感じて反応しています。訓練所で良い子になって、訓練士と関係作りをしても、家族が変わらないままでは、また関係は崩れていくだけです。お金と時間の無駄ですので止めましょう。


それと、犬のしつけ自体は、おばあちゃんには無理です。車椅子でご病気の方であり、またお年もめされていますので、精神的にも難しいです。

エサやり・水やり・トイレの片づけは、日中だけやっていただければありがたいですが、防備をしてもらってください。

ご高齢で代謝が悪くなっているのと、糖尿病の方には外傷は厳禁です。糖尿病で毛細血管が詰まってくるのと、免疫細胞も少ないので、感染症や壊疽しやすくなります。とても危険です。

ホームセンターで作業用の革手袋を買ってください。500円くらいです。足はスリッパを履き、長袖長ズボンで防備します。

その防備をして、エサやり・水やり・トイレの片づけをしてもらってください。もちろん、なるべくおばあちゃんにはさせずに、他のご家族の方がするのが望ましいです。

犬の噛み癖が直るまでは、出来ることなら犬とおばあちゃんは接触しないほうが良いです。

犬は普段は、ケージ・ハウス・トイレ・水ボトルの4点セット(詳しくは教材で)の中に居させれば良いですし、ゴハンも朝晩の2回だけで良いです。朝か夜に散歩・遊び(しつけ)してください。

もう4歳ですので、興奮していなければトイレも頻繁ではないはずです。

おばあちゃん以外の方だけでも、犬の世話は十分できます。


そして、接し方しつけ方の見直しです。今回は、どういう接し方をされてきたかお知らせはありませんでしたが、おそらく本書とQ&Aサイトをご覧になられれば、「間違っていたな~」と思われるはずです。

ご家族全員の意識改革が必要です。

それがないまま、あるいは誰かお一人でもルールを守れないようでしたら、犬は変わらないかひどくなる一方です。

これから犬との根競べになりますので、あせらず急がず、気持ちを強く持って「絶対に良くなるんだ」と信じて続けることです。

結果はそれに比例します。その精神性も、犬はクールに見抜きます。


それと、このメールも教材もホームページも全て、ご家族全員に見ていただいてください。

ご家族全員で一貫されないと、犬には理解できないのです。ギャップと矛盾に苦しみ、よけいにパニックになったり反発します・・・


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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