犬のしつけがQ&Aで分かる!

イタリアングレーハウンド犬のしつけ甘噛み

質問内容
犬のしつけ相談内容:甘噛み、人間慣れしていない様子

犬種:イタリアングレーハウンド
家族:父37歳 母39歳 長女11歳 次女9歳
3か月になるイタグレの仔犬を迎え入れました。

①    どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
母である私は、仕事があり、朝はサークルから仔犬(シエル君)を出さず、食事とトイレの世話だけをして出かけます。仕事から帰ったら、トイレをきれいにしてから部屋にだし、スキンシップを取ります。膝にあおむけにして乗せてみたり、なでなでを試みます。

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
サークルでおとなしくいい子にしているときに出して体をさわったり、もしくはあまりかまわず、部屋で過ごすことを慣れさせようとしたりします。

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
まだ散歩に行けないので、しつけというか、あおむけにすることからはじめようとしますが、噛まれてしまいできません。後ろから抱っこして上を向けた状態で、太もも付近においてやるので精一杯ですが、それでも噛みついてきます。

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
おやつは与えていません。抱っこは異常に嫌がります。外の抱っこの散歩のときはブルブルと震え、それでも私に甘えている様子もなく抱っこを嫌がります。声は必要以上にはかけないようにしてきました。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
2日前から、抱っこで外を10分ほど散歩して、いろんな人に撫でてもらいます。その時だけは誰も噛みません。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
起床―食事(カリカリドッグフード)-お留守番―私の帰宅後スキンシップー散歩―サークルの中―食事―就寝

相談は、甘噛みがひどくなるいっぽうで、痛くてスキンシップを取るのが大変です。子供たちにも、あまりかまわず意味もなく名前を呼んだりしないように仔犬を迎える前から教えていましたが、下の子は噛まれるのが怖くて逃げるのでさらにエスカレートします。いまは、サークルから出すときは必ずリードをつけています。

この時期に叱るより、まずはスキンシップが必要で、信頼関係を築くのが大事かと叱らず、噛まれたら、私の太ももの上であおむけにしたりしています。あおむけ固めは、激しくれて抑えきれないばかりか、噛まれてしまいます。

なでなでしたくてもできませんし、体をさわることも嫌がるので困ります。リードをつけても自分からは歩きますが、私たちがリードを持つと、歩こうとしません。そしてリードの金具をずっと噛んでいます。

サークルの中では本当におとなしく、無駄にも吠えませんし、夜泣きもありません。長い目でしつけを考えていますので、今の私たちにもできそうなスキンシップの方法や、甘噛みの対処法ありませんか?

①無視をする
②噛んできた手を引かず逆に押してみる
③噛んだら膝の上のあおむけ

などは試してみましたが効果はなくさらにエスカレートしています。

人間に慣れていないのでしょうか?
どうかアドバイスをお願いいたします。


返答内容イタグレ君は親犬からのしつけを十分受けられなかったり、兄弟ゲンカで学ぶ機会が少なかったようです。甘噛みはどんな犬にもあるのですが、親犬からしつけで叱られたり、兄弟を噛んで怒られたりしながら段々学んで消えていくものです。

育った環境でそれを学ぶ機会が少なかったならば、今度は人間家族が教えてあげるしかありません。一貫して口閉じで叱っていただきたいですが、叱って終わりではなく、必ず指示音を関連付けて褒めて終わってください。

まず準備ですが、イタグレともなると噛む力も強いですから、怖がらないで出来るように作業用の皮手袋を買うと良いです。ホームセンターで600円くらいで売っています。

ビクビクしながら接していると、犬も見下しますし興奮や緊張が伝播して悪循環になります。まずは落ち着いてできる準備をします。

犬が噛んだら「ダメ!」と厳しく伝えながら、犬の口を軽く閉じます。そして口を閉じながら「シ~!」などの音を関連付けながら褒めて解放します。褒め方は猫なで声でナデナデではなく、犬の肩をポンポンすると良いです。

(シ~にする理由は将来の吠え癖対策も考慮)。

解放して、またすぐ手を見せてください。噛んできますので再度「ダメ!」と厳しく伝えながら・・・音と褒め・・解放・・この繰り返しで、犬が根負けするまで続けます。

続けると犬が噛まなくなる瞬間がきますので、しっかり褒めて何度も反復してください。そういうやり取りを根気よく毎日続けます。本来は親犬がそうやって淡々と根気よく教え続けるのです。

無視だけしていても、犬は相手が受け入れていると思ってしまって関係がさらに悪化します。必ず一貫して教えます。

仰向けで暴れが激しい時、リーダーウォークで動かない時は無理しなくて良いです。今の時期は特に知能が低く集中力もないですから、ボール(コング)遊びなど楽しい時間の中に少しずつ織り交ぜていくと良いです。

今されているように、ケージから出すときはリードを付けましょう。持つと犬が動かなくなるようであれば、持たないでリードを引きずったまま遊ばせればいいです。慣れてきたかな、と思ったら時々持ってみてください。

遊びながら、リードを握っている時間を少しずつ長くしながら段々リーダーウォークに近づけていけば良いです。

仰向けも同じです。ボール遊びの中で一瞬ひっくり返して褒めてすぐ解放・・またボール遊び・・また一瞬ひっくり返す・・ということを繰り返しながら少しずつ慣れさせてください。

>噛んできた手を引かず逆に押してみる・・

↑これは有効です。口閉じをする前に「ダメ!」で押し返せば良いです。そのあとすぐ口閉じと音の関連付けで褒めることです。

>噛んだら膝の上のあおむけ・・

↑仰向けそのものは良いのですが、膝上抱っこはNGです。犬同士では体を合せる時に、必ず上位の犬が下位の体の上に自分の前足やアゴを乗せてきます。マウンティングもそうですが、体位が関係性を表しているのです。膝に乗せると、誤解する犬がいます。

>抱っこは異常に嫌がります・・

犬は本来嫌がります。犬は高くて不安定な場所が怖いんです。大人しい子は怖いので、ジッとする・・元気な子は暴れて抱っこを回避する・・ということです。

膝上抱っこも含めて、従属的な態度に映ることがあるので止めていただきたいのですが、診察やシャンプー台に乗せる時は必要ですね。

これも先ほどのように、ボール遊びの流れの中で少しお腹に手を回してみる・・また遊び・・慣れてきたらちょっと犬を持ち上げてみてすぐ放す・・また遊び・・持ち上げる・・ということを繰り返しながら、少しずつ持ち上げる時間を長くしていけば良いです。

予防接種前の散歩は、歩き回らなくて良いです。目的は社会化で、まずは外の世界を見せて慣れさせることですので、玄関先だけで良いんです。行きかう人や動物・車や自転車などを見せるだけでも良いんです。

それと抱っこよりも自分の足で地に立つことが大事です。歩かなくて良いので、玄関先でリードを付けてノンビリ外を見させてください。犬も段々慣れて来て、好奇心の方が勝っていきますので、ワクチン接種が終わったら少しずつ行動範囲を広げていけば良いです。

もちろん接種前は、草むらや動物の糞尿には近づけないことです。

ナデナデは止めましょう。下位の犬が上位やリーダーに挨拶するナメナメと類似しますので、従属的に映ります。褒める時も毅然とポンポンして褒めると良いです。

それとなんとなく接するのではなく、オテでもスワレでも何でも良いので「指示→犬が行動→褒める」というパターンを意識しましょう。指示で出来なかったら型を作って褒めて教えれば良いです。

そういう接し方なら、楽しくスキンシップも出来ますし、動作も覚えますし、主従関係も深まっていきます。いつでもどこでも何をするにも「主導」です。

ボール遊びもただ遊ぶのではなく、主導型です。投げる前にスワレ・マテ、出来たら褒めて投げる・・出来なかったら型で教えて褒めて投げる・・投げたらコイ・ダセの練習・・犬任せにしない、犬の要求に合せない・・いつでも主導です。

今はとにかく、まだ知能が低い時期で、育った環境も影響していますから、あせらないで結果を求め過ぎないで、淡々とやるべきことを続け成長を待つ・・今はそういう時期です。

では、頑張って続けましょう(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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