犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけでケージ・クレートハウスの環境とトイレの教え方

質問内容
我が家では今までペット不可の社宅に住んでいましたが、主人が犬を、私が猫を小さいころから飼っていたこともあり、どうしても動物との生活を楽しみたい、子供たちにも体験させたいと一戸建てを購入し、先月引っ越し、今月3日にペットショップから4か月の黒柴のメスを迎えました。現在5か月になったばかりです。

家族構成は主人33歳、私33歳、長男8歳、次男5歳です。

本書を読む前は、しつけ本として藤井さんの書籍とファントレーニングのトイレトレーニングの本を本屋さんで購入して、一応かまいすぎないようにしてきたつもりです。

1日の流れとしては、朝6時半に人間が起きますが、犬は無視か軽く挨拶。
朝は忙しいので構わず、犬はクレート内でおとなしくしています。

8時すぎ散歩、外でウンチとおしっこを1回ずつ。15分くらい。帰ってきてごはん、室内フリーにします。(散歩とごはんが前後することも)9時から家事のためクレートへ。

昼頃にクレートから出してトイレサークルに閉じ込めて「おしっこ、おしっこ」と言ってするまでそのまま。すぐすることもあり、すればフリーに、しなければクレートに戻します。おしっこに成功したらおやつ(フード2~3粒)をあげます。
でもその後興奮して甘噛みがひどかったり、走り回って収まらなくなるとクレートへ。

子供がいなければ、しばらく遊んだあとはだいたいおとなしくしているので長くフリーにできます。でも、フリーにするのは私が一瞬たりとも目を離さないで見ていられる時に限っているので、忙しかったり出かけたり疲れているときはクレートに入れています。

3時頃にまたトイレサークルに入れておしっこをさせ、フリーに。でも子供たちがいると興奮してソファに上ったりして、「だめ!」というと走り回り手が付けられなくなるので、またクレートへ・・・。

5時頃、散歩に行きうんちとおしっこをして、早ければ10分、主人がいれば(2日に1度ほど)1時間くらい公園などで他の犬たちと触れ合ってきます。

散歩の前後か人間のごはんの前後(かなりバラバラ)にごはん。
9時頃と10時頃におしっこをさせてクレートで就寝。オヤスミのあいさつはしません。

ただ、まだ迎えて3週間弱なので、最初からこのとおりではなく、朝の散歩に行けない日もあったり朝晩のおしっこの回数がもっと多かったり、です。

遊びはクレートから出すとおもちゃを投げてくれと持ってくるので、投げて持ってきて褒める、です。

ペットショップ暮らしが長かったせいかクレートには抵抗なく、初めから出せの要求鳴きはほとんどなく、クーンクーン鳴いても無視するのですぐやみます。吠えることもほとんどありません。

散歩では他の犬が大好きで、遊ぼう遊ぼうと友好的です。
段差は降りられず、2車線道路は怖がって嫌がるので抱っこ(一応仰向けで)


ダメなことは「だめ!」と言うとだいたいやめます(カーテンをかむなど)。やめないと興奮して逃げまわるので、抱き上げてクレートに入れますが、甘噛みされます。

トイレサークルにもクレートにも自分から入っておしっこをしたり、寝たりすることはなく、とにかくフリーになりたい!といったかんじで、おしっこの失敗は40%くらい。目を離していなくてもサッとしてしまうので間に合いません。くんくん匂いかぎはいつもしているし・・・。

うんちは散歩でしてしまうのですが、昨日の台風で朝晩の散歩に行けなかったら、フリーにしているときに間に合わずじゅうたんの上で1度、1度はうんち態勢にはいったのでトイレにあわてて入れたのですが、速攻で食糞されてしまい、初めてだったのでかなりショックでした。

まだ犬に信頼とか愛情とか持たれてないなと感じます。こちらも馬鹿にされないようにと気を張っていて、気持ちに余裕がありません。

堀川さんのサイトを知ってから、今日からですが、室内リードをちょっとやってみました。抵抗します。以前は、おすわりはオヤツでやっていましたが、人差し指のジェスチャーに変えたら、私の目を見るようになりました!

仰向け固めはかなり抵抗が激しいです。噛まれます。が、感触は悪くないのでこのまま頑張りたいと思います。

悩みは、クレートに閉じ込めている時間が長すぎるんじゃないかということです。が、フリーにするとトイレトレーニングができていないので失敗ばかりです。

いままで参考にした本には、トイレとハウスは別にするとあったので、トイレサークルにクレートは入りません。クレートが入るサイズのサークルとなると、部屋いっぱいになってしまいます・・・。

今はクレートにもトイレにも暴れはしなくても無理やり入れて扉を閉めてる状態で、自分からは入らないのでこれでいいのか?と思います。

このままではいつまでも自分でトイレで排泄することを覚えないんじゃないか?
トイレもクレートも自分で入るようになりますか?

クレートではひっくりかえって寝ているし、子供たちが騒いでも爆睡してたりするので、リラックスはしてると思います。あと、よくしっぽや脚を噛んでいます。歯の生え変わりで歯がかゆいのか、皮膚がかゆいのか、それともストレスか・・・。

トイレ以外は比較的育てやすい子だと思います。が、とにかくトイレがうまくいかないことにはこちらも辛いです。朝9時から3時頃まではトイレもしなかったり、間隔が長いので、留守でもクレートで問題なさそうですが・・・。それ以上留守にすることはありません。

とりあえず初回の相談なので状況の報告が長くなりましたが、よろしくお願いします。


返答内容全体的には、犬をかまい過ぎないよう躾され頑張ってこられましたので、ちゃんと上手くいっていますよ(^-^)

生後8か月過ぎるまでは、知能がかなり低いので求め過ぎないことです。この月齢にしたら全然上手くいっていますし、関係も悪くないです。

ただし、今の時期の接し方が犬と人間との関係の基準値になりますし、犬の順応性が一番高い時期ですので、結果は出ない・・でもやり続けなければいけない・・という大事な時期になります。

そして、ちょうど歯の生え変わりが始まったり、ホルモンの変化が激しくなりイライラ反抗期の症状が出てくる時期です。また成犬としての本能が出てくる・・知能も高くなってくる・・ということで、今まで以上に毅然と振る舞って、犬に主導性を示していかないと、関係が崩れやすい時期でもあります。

全体的には上手く対応されていますが、所々修正していただきたい点もありますので、一点ずつ見ていきましょう。

>朝6時半に人間が起きますが、犬は無視か軽く挨拶・・

↑そうしてください。外出・帰宅時もそうしてください。まず、すり寄って挨拶するのは「下位の犬がする態度」です。そして、留守番の前後にベタベタ挨拶してしまうと、留守番時とのギャップが大きくなります。これがストレスなんです。

かまってもらうので、良い事のように思われがちですが、犬も人間も、悪い事も良い事もギャップがストレスになります。

別れと再会の前後は最低5分は目も合わせず、かまわないでください。

かと言って、日常のスキンシップもいけない・・ということではなく、主導の要素が入っていれば良いのでたくさんしてください。

例えば、ちょっとかまいたい・・ということもあるでしょう。そういう時は、意味なく声掛けナデナデ抱っこではなく、オテでもスワレでもコイでも何でも良いので、「指示→犬が行動→褒める」という主導を必ずパターンにしてください。

指示で出来なかったら型を作って教えて褒めれば良いです。

そういう接し方にすれば、楽しくスキンシップも出来ますし、物事も覚えるし、主従関係も深まっていきます。いつでもどこでも「主導」です。

>「おしっこ、おしっこ」と言って・・

↑指示音はなるべく「短い音」にしてください。それと他の指示とかぶらないことです。例えば「お手、お座り、おしっこ」・・みんな頭文字が「お」ですよね。

犬は言葉を理解するわけではなく、音として認識します。ですので家の犬は「スワレ」の「ス」や「マテ」の「マ」や「ゴロン」の「ゴ」で反応して、もう動き始めるんですね。

ですので、オシッコなら「チチチチ」や「シッコ」の方が良いです。頭文字が他の指示と同じにならない「短い音」にします。

>おしっこに成功したらおやつ(フード2~3粒)をあげます・・

↑オヤツは止めましょう。おそらく藤井聡さんの、犬のしつけ本にあったでしょうか・・

まずオヤツを食べることで、犬が摂取する栄養全体のバランスが崩れています。そしてオヤツで釣ってしまうと、表面上行動してくれるので、「言う事を聞いた」と勘違いしてしまい、犬と家族の関係がどれだけ出来ているのかが見えなくなってしまうのです。これが一番怖いのです。

犬はオヤツがなくてもちゃんと覚えてくれます。悪い型を止め・良い型を作ってあげて褒める・・音とジェスチャーの関連付けをしながらシンプルに体現させる・・それで十分覚えてくれます。

覚えようとしないのは、関係が出来ていないからです。普段の何気ない接し方・態度しぐさ全てを、犬は見て感じています。その積み重ねで、犬は相手を認めるようになります。

そういう関係があれば、犬はその人から「褒められただけで嬉しいご褒美」になるのです。

ケージ内のトイレでちゃんと出来た時は、オシッコ・ウンチしている間ずっと、トイレを指差しながら(それを見せながら)「チチチチ」などの指示音を関連付けながら、犬の肩をポンポンして褒めます。オシッコが終わるまでずっと続けます。

そして、トイレは数回失敗すると癖になって常態化してしまうので、まずは失敗する要素を作らないことです。見れない間はケージ内に居させてください。出したら横目でしっかり監視(ジロジロ見つめない)しますが、出した際は常にリードを付けると良いです。

暴走もトイレの失敗も防げますし、行動を主導できます。噛んだり吠えたりしたら、その瞬間現行犯でリーダーウォークにも移行できます。

見れない間はケージに居させる・・これに罪悪感を持ってはいけません。むしろ犬は、お気に入りのハウスなど環境が整えばそこに居るのが落ち着くのです。好きなのです。

犬はハウスが嫌なのではなく、退屈しのぎや遊びを欲するのです。今は成長期ですし、まだ幼いので落ち着きもないですから、そこは成長を待って見守ることも大切です。

クレートハウスは無理にケージ(サークル)内に入れる必要はありません。ケージの柵の一面を外して、クレートハウスの入口面と合体させて針金やヒモで結べば良いだけです。

あとはケージにトイレと水ボトルがあれば、それで良いです。

黒柴ちゃん5か月ですから、もう少し体は大きくなります。ですので、子犬用のケージをそのままトイレ用にして(トイレも大きい物にする)、ケージの柵を一面外し、そこにクレート型ハウスをくっ付ければ良いのです。

あるいは、すでに成犬用の大きめのケージを買ったのであれば、ベッドを置いてる部分(ケージの半分くらい)の柵と天井にに木の板をくっ付ければ、ハウスと同じになります。

狭いスペースでも、工夫次第でいくらでも良い環境は作れます。

それと、クレートトレーニングは、楽しい事と関連付ければ良いです。ハウスの中でゴハンを食べさせ「ハウス」の音と指差しで場所を関連付ける・・ボール遊びをしながら時々ハウスの中に投げ入れて取りに行かせ、そこでも指差しと音出しの関連付け、ハウスの中にご自分の手を入れて誘って遊んであげる・・そこでも指差しと音出しの関連付け・・。

というふうに、楽しい事と関連付けて慣れさせていけば良いです。ハウスが好きになって、指示でちゃんと入るようになります。そしてさらに、ハウスに入ったら終わり・・ではなく、いったんまた出して褒める・・などすれば、「ハウス=閉じ込められる」という感覚も定着しないので大丈夫です。

>おもちゃを投げて犬が持ってきて褒める・・

↑投げる前もしっかりスワレ・マテをさせ出来たら褒めて投げる・・出来なければ型を作って教えて褒めて投げる・・ということもしてください。全て主導です。犬に要求されるがまま、遊びに応じてはいけません。

>ダメなことは「だめ!」と言うとだいたいやめます(カーテンをかむなど)・・

↑物事の教えは何でもそうですが、叱って終わりにしないで必ず良い型を作ってあげて音やジェスチャーを関連付けながら褒める・・ここまでをセットにしてください。

「だめ!」で止めた瞬間に犬の口を軽く手で閉じて、そこで「シ~!」の音を言いながらポンポン褒めましょう。「シ~!」にするのは将来の吠え癖も考慮してです。「口を閉じで良い子に待つ」=「シ~!」を結び付けるわけです。

そして、口をすぐ解放して、またカーテンや自分の手(甘噛みの場合)を見せてください。また噛むと思います。そうしたら再度「だめ!」・・・良い型と音で褒める・・・ひたすらこの繰り返しです。

手や物を見せても噛まない瞬間がきたら、「○○良い子!」でしっかり褒めて何度も反復してください。オヤツをあげたり、猫なで声でナデナデ大げさに褒めるのは従属的に映るのでいけません。

>仰向け固めはかなり抵抗が激しいです・・

↑ムキになって体罰的にならないようにご注意です。そういう時は無理せず、リーダーウォークに切り替える・・そして、ボール遊びなどの流れの中に自然に取り入れると良いです。ボール遊び・・なんとなく一瞬ひっくり返して褒めてすぐ解放・・またボール遊び・・一瞬ひっくり返す・・ということを繰り返しながら、徐々に手を添えてみたり、あお向け時間を長くしていけば良いです。

すぐに結果を求めると、あせって悪循環になります。私の動画はあくまで完成形ですので、将来的な目標というくらいの参考にして下さい。

>よくしっぽや脚を噛んでいます・・

↑これは短期的なストレスです。目の前で子供たちが遊んでいて参加したい・・部屋にオモチャが転がっているけどケージ内だから取りに行けない・・など自分の要求が満たされない時にそうします。人間の子供も自分の爪を噛んだりしますね。同じことです。

しかし、これは反応してはいけません。人間が優先ですし、家族のルールは守らせないといけません。今は成長期ですし物事を覚えている段階ですから、これで良いのです。

ただし、いつも一か所だけ噛んでいる場合は、皮膚炎やアレルギーなどの可能性もあるので良く部位を観察して、炎症などあれば獣医さんに診てもらってください。

歯の生え変わりでムズかゆい時は、ケージでもトイレでも家具でも、周りの物は全て噛みます。ストレス解消なども含め、骨型皮ガムをケージ内に常備すると良いです。

では、今回は以上です。頑張って続けてください(^-^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針