犬のしつけがQ&Aで分かる!

留守番が長い犬の二頭飼いでトイレと吠えのしつけ

質問内容
・問題の内容:ケージ内のトイレでオシッコやウンチをするのですが、時々、ベッド(犬は寝床にオシッコをしないと聞いているのですが汚します)やケージ内のあちこちにオシッコをそそうします。

また、後から来た犬は食糞もし、食糞防止剤もつかったのですが、効きません)将来的に、私たちがいるときは、リビングで放し飼いができ、旅行も一緒にいければと思っていますが、トイレのしつけが不完全でできません。実家に外泊するときは、ペットショップに数日預けたりしています。

・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別、(飼い始めてからの年月日数や犬を飼うことになった動機なども):ロングコートチワワの2匹で、9ヶ月と10ヶ月、両犬ともオス、飼い始めてからの年数は、10ヶ月の犬(先住犬)が7ヶ月、9ヶ月の犬も7ヶ月経ちました。新居を構え、犬が好きで以前からの念願で飼いました。また、子どもが一人っ子なので、弟分にでもなれればと思ったからです。
 
・ご家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間:私(母)と娘の2人家族、私が仕事をしているので、10時間前後不在なので、帰宅してから就寝までの4時間と、起床してから仕事にでかけるまでの3時間前後はリビングで一緒です。

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

先住犬は、家に来た当初(3ヶ月)、消化不良で獣医にかかり、治るまで散歩にだせず、仕事の昼休みの間に家に戻り、ご飯を上げた後、ゲージから出して、15分ほど遊ばせ、再びゲージにもどし、仕事に向かってました。

4ヶ月目から、お腹がおちついたので、朝5時30分から6時に、ブラッシングと散歩、夜8時に夕飯、8時30頃(人間の食事と後片付けが終わった後)、ゲージの外に出して、遊ばせていました(15~20分)。

10時~10時30分には娘と一緒に就寝なので、リビングに設置してあるゲージの中で、犬たちも就寝です。朝5時頃に、私がゲージ内の清掃をし、その前後に、犬たちが排泄(オシッコとウンチ)し、朝7:30~8時頃にご飯を上げ、その後、また、犬が排泄(ウンチ)します。後からやってきた犬は、3ヶ月になる前から抱っこで散歩、その後、地面におろして散歩を始めました。

一日のリズムは先住犬と一緒です。年下の犬が早くも4ヶ月で足上げオシッコをし始め、先住犬は、6ヶ月をすぎてから足上げオシッコを始めました。多頭飼いをして、初めのころは、よかったのですが、足上げオシッコを始めた頃から、両犬ともマーキングがひどくなり、ゲージの外に、あちこちオシッコをしまくり、ゲージの外で遊んだ時も、方々でオシッコをするようになり、困って、マナーベルトをしてリビングで遊ばせたりもしてました。

ただ、仕事が忙しくなると、ほとんどケージからだすことがなくなりました。時間のよゆうがある時は、マーキングされるのが嫌なので、ゲージからはだしますが、娘と私で抱っこしてリビングで過ごすことがほとんどです。また、○○さんのDVDのしつけで、マズルコントロールやホールドスチールがいいとあったので、それも一時期やっていました。後から来た犬は結構強気で、最初はかなり抵抗していました。最近は、仰向けにされてもおとなしくしばらくいられるようになりました。

②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?③過去はオヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?

トイレは、朝起きたとき、ご飯の後、私が帰宅後など、後は、犬の排泄の前触れ(ジャンプをしたり、くるくる回る)時に、シーシーと声をかけるとオシッコやウンチをしてくれることが大分おおくなり、その後に、ほめたり、ウンチの後はおやつを上げたりしてました。ただ、トイレ以外の場所で足上げオシッコを目撃したときに、いけないと大きな声でしかったり、ゲージを軽くけって音を立てて脅かしたり、頸を掴んだりしました。

あまりにもマーキングがひどいので、両犬を去勢(8ヶ月と7ヶ月の頃に)したところ、マーキングはピタッと止まったので、ゲージの周囲にはみ出しオシッコを受けるためのスノコ上のトイレとゲージ内に2つ於いていたトイレを、一番はなれたところに置いたトイレだけ残し、全て取り除いたら、また、あちこちにオシッコをし始めてちょっと困っています。

ご飯の前には、お座りのジェスチャーと声で座らせ、待て、をさせてからご飯を上げています。ウンチのあとのおやつは、お座りと待てをさせた後、あげています。また、他のDVDで権威を愛情をうまく使うとよいということで、犬のリードを短く固定してお座りの体制や伏せ、仰向けの体制をさせた後、しっかり体幹をよーしよしと10分前後撫でたりしてました(でもこれはかなり根気がいって、仕事のある身ではなかなか毎日とはいきません)。

④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?

散歩し始めのころは、朝に一頭ずつ15分くらい。大分散歩も慣れてきた頃から、娘と一緒に、2匹とも散歩にでかけていました。ただ、冬場は寒かったり、雪でできないことがありましたが、土日の休みで温かい晴れた日に、30分~1時間ほど、最近季節が暖かくなってきたので、週末以外に、帰宅が早い時に、30分程度散歩につれていっています。

仕事と家族構成上、散歩は一日に1回が限度です。先住犬は、当初ひっぱりぐせがひどく、そのたびにUターンしたり、リードをしゃっくったりして、なかなかなおりませんでしたが、ようやく最近リーダーウオークらしくできるようになってきました。あと犬は最初の散歩のときにしゃっくったら、そのとき以来、上手にひっぱらずに散歩することができています。

また、先住犬は、チャイムや、散歩時など人が近づいたり、他の犬が近づくとかなり吠え、しーっとジェスチャーと声で吠えるのを止めさせようとすると、クウウーンと鳴きはしますが、なかなか治らず、ひどいときは、追いかけていこうとうするので、抱っこすると暴れてもがいています。後犬は、早くに散歩に出して社会化したせいかまったく吠えません。

⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、放し飼い・つなぎ飼い環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします) 

一般的なゲージ(90×60cm)の中に大きめのトイレ(3方にやや高めの囲いのあるもの)を設置し、その続きに継ぎ足しで囲いをつけて長さが2メートル近く(約畳1枚分)のゲージをつくりました。

トイレの反対側にクレーを2つを置き、その隣にベッドとその上に袋状の毛布を2個置いてあります(この毛布の中に入って就寝することが多いです)そして、クレート近くに設置式の水のボトルを置いていつでも飲めるようにしてあります。

だらだら書いてしまいましたが、よろしくお願いいたします。


返答内容
今回は、難しい条件が二つ重なっていますので、それは理解してあげて頑張って続けていきましょう。

1つは、やっぱり留守番が長いことです。二頭飼いで退屈はしませんので、留守番そのものに問題があるわけではなく、トイレをまめにキレイにできないことです。

2つ目はオス犬同士のために権勢本能も影響しているということです。

去勢はしていただいたので良かったですが、オス犬同士では権勢本能が刺激される面があるのと、多頭飼いで情緒が安定する一方で興奮癖もエスカレートする場面もあります。

それによってアチコチ排泄したくなります。

留守番が長く、マメにトイレをキレイにできないため、一回排泄した場所にまた乗りたくないので、ケージの外に向かって足を上げて遠くに飛ばしたくなります。


まず物理的な環境のお話からです。

お写真がなかったので正確には把握できませんでしたが、文面からうかがう限り、だいぶ広いように思いました。

クレートがあるということで、ベッドと毛布はクレート内に入れて、ケージのトレー上には置かないほうが良いです。

ケージの中には、できれば壁付トイレを2つと、大きめのメッシュカバー付トイレ(普通の平タイプ)が1つあると良いです。

留守番が短ければマメにキレイに出来ますので一つでも良いのですが、今回は多頭飼いで留守番が長いですので、それくらいはあったほうが良いです。

トイレのどこかにキレイな場所が常に残っているようにしてあげないといけません。

ケージ内のフリースペースは、二頭が同時に寝そべれるくらいの場所が一つあればそれで十分です。運動場は要りませんので、余計なスペースはつぶしましょう。

クレート内に毛布なりベッドなりがあって、犬がそこが自分の寝床だと認識できれば、そこに排泄することはないです。

あまり暑すぎる環境ですと、ベッドや毛布を引きずり出してそこにオシッコしてしまいます。犬が出すようでしたら、環境が暑いということですので、ベッドは要りません。

室内飼いで日本の本州以南ならば、真冬だけ毛布が一枚あれば、それで十分です。


そして、今度は直接の教えですが、犬のしつけでトイレは特にですが、絶対に叱ってはいけません。

犬はただ排泄しただけですので、叱られても意味が理解できず、排泄の行為そのものと結びつけてしまうのです。それで余計に隠れてアチコチするようになってしまいます。

まずはどこでしてしまっても絶対に叱らないで、そのまま排泄させてください。その時にチチチチなどの指示音(効果音)を関連付けておきます。

まずはこれをたくさんしないといけません。それが出来ていない段階で指示だけ出しても、犬にはさっぱり意味が理解できません。

数日続けて関連付けができてきたら、興奮刺激を与えて、目の前で排泄できるように練習していきましょう。

犬にリードを付けてケージから出し、20~30秒くらい遊んで興奮刺激を与えます。そうしたらいったんケージ内にリードで誘導します。

そしてトイレを指差しながら指示音で促しをしてください。

上手く出来たらもちろん指示音ジェスチャーでポンポンして褒めます。

促してもしない様子ならば、またケージから出して少し遊んでまたケージへ・・・を繰り返して、練習の機会を作ってください。ウンチも同じで、事前にさせて回収しながら褒めることで犬も嬉しさを覚えますし、良い癖・習慣がついていきます。

食糞シロップは、ほとんどの犬には効きませんので止めましょう。

それと、少しフードの量を増やしてみても良いですし、与える時間を変えてみても良いです。

いずれにしても、トイレのしつけは絶対に叱ったりしないで、成功できる条件を作ってあげて褒める・・この回数を多くして習慣化するようにしましょう。

そして、その結果を左右するのが主従関係なのです。

犬が褒められて嬉しい関係がないと、何を教えても褒めても効果がありません。犬のしつけは、何を教えるにしても関係作りが大前提なのです。


そして、プロトレーナーが使う短期的な調教法では、それは作れないのです。

アメとムチのような調教法というのは、ビジネス効率のための手法であって、マインドセットがしっかりしていない一般の飼い主さんには使いこなせないのです。

それと、ナデナデは犬の本能には従属的に映るのです。弱さやスキがないトレーナーが使う分には効果があっても、一般の飼い主さんがやるとただ単に従属的な態度に見えてしまいます。

犬の世界では、下位は上位にすり寄ってナメナメ挨拶してきます。つまり、人間からの猫なで声でナデナデという行為や態度は、従属的な下位の態度そのものなのです。

褒める時もリーダーらしく、堂々と静かにポンポンポンで褒めてあげてください。犬の名前も呼びつつ、指示音ジェスチャーを関連付けながら、犬の肩付近をポンポンポンしてください。

何気ない接触も団らんも遊びも、いつでもどこでも毅然さと主導性を保つことです。それを忘れないことです。毎日の意識で身に付いていきます。

すると自然に態度に表れて、犬はそれを感じ取っていきます。一貫することで認めるようになり、「一緒に遊びたい・褒められて嬉しい」という関係になっていきます。

もちろん、すぐには完成しませんし、まだ犬も幼いですので、知能の発達と経験の積み上げで、犬の成長も待ってあげないといけません。

何気ない接し方や遊び方はQ&Aサイトを熟読されてください。


そして、お嬢様と統一・一貫できないと犬は理解できません。お嬢様の方が早く帰った時は、トイレをマメにキレイにしてもらうことと、チヤホヤの接し方をさせないことです。


まずは、お二人で本書・Q&Aサイトを熟読していただいて、犬の特性を良くご理解いただくこと、ご自分の意識設定を高めること。そこから始めてください・・・


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針