犬のしつけがQ&Aで分かる!

ゲージに入れると吠えるしトイレも失敗しないので犬は部屋で放し飼いでも良いか?

質問内容
始めまして。まだ書籍等購入もしていませんのにメールで失礼致します。今、躾に迷いがございまして相談させてください。

今年○月新築のペット可マンションに引っ越しを致しまして、それを機にペットショップから犬を飼うことになりました。生後6ヵ月でキツネ顔の柴犬(小型の為約4㎏しかありません)。

犬を購入前にマンション管理規約をよく確認をしてなかった事を反省していますが、その内容とは・・・、
「ペットを飼育するにあたって近隣住民から苦情等が寄せられた場合はその住民の意向に同意する」という書面にサインをするものでした。

幸い全く吠えない柴犬で助かっていました。・・・が、しつけ等でよく「ゲージに入れる」とありましたので、一度ゲージに入れたところ初めてワンと怒った声で大きく吠えました。犬を自宅に迎え入れて現在11日目になります。

自宅に居ると主人や私の動きが気になるらしく、ずーっとチョロチョロ付いてくるので(その際スリッパやズボンの裾を噛むことがあります)思うように台所作業が出来ず、しつけを考えて今日までに3回ゲージに入れたところ全て吠えました。

近頃、甘噛みもするようになりました。(家具は噛みません)又、寝つきが悪いようで深夜 (1:00-4:00) 暴れるようになりました。

住民からの苦情が心配でゲージには入れられません。寝る時は自分からクレートに入って寝ています。

通常、私と主人は共働きの為、平日7:30-18:00頃まで仕事で留守しています。柴犬は4畳の部屋を解放して閉じ込めてあります。帰宅すると、部屋は綺麗なままでウンコもオシッコもトイレシートにしています。

ゲージに入れずに、いろんな躾は可能でしょうか?
その対処法等がDVDに含まれていれば購入を考えたいと思っています。(お気を悪くされたら申し訳ございません)


返答内容
>ゲージに入れずに、いろんな躾は可能でしょうか?・・

↑これは、「ゲージに入れるからいろんな躾が出来る」という意味ではありません。

「犬の好きなように放し飼いでチヤホヤ接する・・という飼い主さんの意識」が問題なのです。そういう接し方を続けると、ほとんどの犬は主従関係を誤解して問題行動が出てきます。

また、実際に放し飼いのデメリットもあります。

犬にとってはテリトリーが広くなりますので、それを守るための神経も使います。それがストレスです。部屋に他人や動物の気配が近付けば、境界線がより外敵に近いですから、警戒で吠えやすくなります。

ケージだけでなく、クレート型ハウスもあれば、巣穴感覚でより落ち着けます。


ただし、今回のケースもそのまま当てはまるわけではありません。

今回の柴犬ちゃんは生後6か月で来ましたね。何か事情があったはずです。ペットショップで売れ残った、看板犬だった、前の飼い主から返品された、などの事情があったでしょう。

長い習慣がありましたので、ここから激変するのも適応しにくいです。(今と同じように放し飼いだったなら)

それと、もしトイレのしつけが全然ダメだったり家具や部屋をかじるような場合は、早めに適応させるべく色々やっていかなければいけませんが、今回は運が良いことに破壊癖もトイレの失敗もなく出来ていますので(ショップもしくは前の飼い主さんが定着させた?)、なおさら無理に変えることはありません。


しかし、問題はここからです。

柴犬ちゃんが反抗期に入ったことと、最初は環境が変わったので慎重に大人しくして様子見をしている場合があります。

また、もともと前に飼われていた環境も放し飼いだったわけではないかもしれません。

犬は最初の接触を基準値にしますので、家に来た時に放し飼いにしたことで、それが基準値になってしまった可能性もあります。そして、最初の接触でチヤホヤされたのではないでしょうか。

だからケージに入れられた時には吠え、出た時は飼い主さんについて歩いて噛みつく・・・という反応を見せるのです。

犬の中では、「自分のほうが上」「かまってもらって当たり前」とすでに認識したか、そうなるべく試したり自己顕示しているのです。


もっと幼い時点では、単なる遊びで噛むこともありますし、ベタベタ甘えて保護者のそばに居ようとする本能がありますが、生後5・6か月からは、成犬としての本能が強く出てきます。

権勢本能・自我・独立心・支配欲・相手を見抜く視点が鋭くなってきます。

今までは親(世話をしてくれる相手)の言うことを聞く特性が強かった時期ですが、今はリーダーに従う特性が強くなっています。これは知的群生哺乳類がみんな通るべき道です。

それをまず意識しなければいけません。その意識があると、常にそれが自然な態度・しぐさ・接し方として表現されます。それを犬が毎日感じ続けることで、犬は相手を認めるようになっていくのです。

表面的な手法の上塗りだけでは、必ず関係が崩れていきます。


まとめですが、まずはこのままの環境で過ごしてみてください。吠えが一番気になるとのことですので、それを最優先にします。

しかし、お話したように放し飼いによってテリトリー意識が強くなったり、さらに犬が主従関係を誤解し、頼れるリーダー不在で自分が群れを守るために吠えるようになる可能性があります。

その時点で、ゲージの練習を始めても良いでしょう。

個人的には今すぐ主従関係作りと並行して練習していくことをおすすめいたします。(ただし、結果を急がないで少しずつ練習時間を増やしていかなければいけません)


さて、本サービスにDVDはございません。犬のしつけは表面上のテクニックは重要ではないからです。それよりも飼い主さんの意識改革が重要です。

反対に言いますと、動画で表面上のテクニックを見せるだけになってしまうと、それだけやって本質を学ばない方が多いのです。

犬は相手の精神性を鋭く見抜きます。表面上のテクニックだけでは、犬は簡単に見抜きますし、逆に矛盾を感じて反発を招くだけになります。

本書は文章と画像と図解での解説になります。また本書は、関係作りと教え方の基本解説になります。そして、具体的なテクニックやしつけの事例はQ&Aサイトに載せてあります。

留守番やクレートトレーニングのカテゴリもありますので、それに関わる解説記事もたくさん載せてあります。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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