犬のしつけがQ&Aで分かる!

家族と環境が変わり吠える犬のしつけ

質問内容
一週間前から10歳になるmixの中型犬を飼っています。私の実家で室内で飼っていた犬です。私が結婚して家を出てからはすっかり甘やかされ、しつけというしつけを殆どされていないようでした。

それでも母が可愛い可愛いと寄り添うように生活をしていました。しかし母が体調を崩し入院。その間に同居していた兄嫁に虐待されてしまいました(寝ているところを蹴る。本人の機嫌が悪いとで物で殴る・・・かと思えば抱っこして離さないなど)。

母がそのまま他界し、春になるのを待って私が最近一戸建てを購入した事から犬を引き取る事になりました。しかし私の子供が二人とも小さいのと喘息を持っていることから室内飼いができません。なので玄関脇のカーポートの下にサークルと犬小屋を設置して飼うことにしました。

案の定、犬はいきなりの環境の変化に叫び狂い休む事なく吠え続けました。住宅街の為当然苦情がき、私も引っ越してきたばかりの地に申し訳なさで震えが始まりノイローゼ状態になってしまいました。

そしてすぐ無駄吠え防止首輪を購入してしまいました。しかしペットショップの店員さんにすぐ慣れてしまうと聞きまた震えが・・・。近くの獣医に駆け込み情けないのですが声帯除去の相談をしてしまいました・・・。もちろん獣医さんには断られましたが私の余りの様子に安定剤を出してもらいました。ウィンタミンという薬です。朝に2錠飲ませると少し落ち着いて小屋に入っています。

来客や通行人にはたまに吠え、私の出入りでキャンキャン泣き、餌や散歩の後などはキャンキャンの後遠吠えをします。骨ガムを与えていますがサークルを噛むなど破壊行動もしています。近くにいる時に吠えた時は「ダメ」口をおさえて「シー」をしますが、室外なので後追い吠えをしつけ出来ずにいます。吠えている時は家から出ないようにしています。

夜になると吠えてしまうかも・・・という心配と震えから夜だけ無駄吠え防止首輪を着けています。悲しそうな顔をします・・・。私が家に入ると声を殺すような遠吠えを10分くらいします。

リーダーウォーク、仰向けはなんとか出来ています。形を抑えてのお座りですが「スワレ」「マテ」も少し出来てきました。朝晩に30分ずつ散歩。子どもが昼寝の間にリーダーウォークや仰向けをします。ボール遊びはまったくしてくれません。

噛んだりもせず、近くにも寄ってきますが、何処となくおびえています。あんな首輪つけさせられて信用は出来ないですよね・・・。

高さ92センチのサークルをよじ登るのでサークル内でまだ繋留してます。この間は犬小屋によじ登りサークルから出ようとしていました。ギリのび~が出来る高さなのですがレンガなどで底上げして高くしても大丈夫でしょうか?大丈夫なら繋留をやめたいと思っています。

餌の食べも悪く殆ど食べません。実家にいる時は置きっぱなしのダラダラ食いでした。すぐに回収したりしてみましたがそれでも食べません。

私がすぐそばにリードを持って立っていれば食べることもあります。落ち着くまで実家にいた時と同じように置きっぱなしにしたほうがいいのでしょうか?

日中は毅然とした態度で犬に接しています(夜のノイローゼ症状がなければいいのですが)。

長文ですみません。本当はまだまだあるのですが・・・。結果を急ぎすぎていますね・・・。どうかアドバイスお願いいたします。


返答内容今回は、私のほうから色んなご提案をいたしますので、ご家族でよく検討していただいて、最適なケースをお選びください。

厳しいお話もいたしますが、先入観を持たずに聞いてください。

まず、無理をしないことも大事です。今回はいろんな辛い出来事が重なってしまいましたので、奥様ご自身でも気付いていない疲労の蓄積があります。これは非常に怖くて「うつ」になる可能性があります。

お母様の他界、新しい土地での暮らし、子供さんの持病、私の知らないたくさんの事、そこに先の見えない犬のしつけが重なってしまいました。ご主人には分からない部分もありますので、奥様の疲労の蓄積が非常に心配です。うつは疲労の重なりで突然やってきますので、気をつけないといけません。

つまり、犬のしつけは無理せず、里親さんを探して託したほうが、お互いのためになる・・という考え方が一つあります。これは犬を捨てたのではなく、逃げたわけでもないのです。お互いにとって良い状況になりますので、何も後ろめたいことはありません。

今の時代は、有志のボランティアさんもいますし、インターネットで探しコンタクトできる時代ですので活用しても良いです。検索で「犬 引き取り 岩手」や「犬 引取り 無料」などで色々検索して、そこに相談してみてください。

次に、「犬は手放さず時間がかかってもやり通す・・」とご決断された場合です。

まず時間はかかることはハッキリ申し上げておきます。犬にとって引っ越しは、非常にストレスが大きく環境に慣れるまで少し時間がかかるのは普通です。「大人しい犬だったのに引っ越ししてから急に吠えるようになった・・」というケースは多いです。

そして、家族も変わる・・飼われ方も変わる・・あまりにも変化が多すぎてパニックになっていますので、時間はかかります。これはまずご覚悟ください。

さて、では具体的なお話をしていきますが、まずは犬の環境の物理的な面です。外飼いから室内に変えるのはまだ良いのですが(それでも吠える場合が多いですが)、室内飼いから外飼いへ変える・・しかも直接の繋ぎ飼い・・これは犬にはすさまじいストレスです。

精神的な面だけでなく、夏冬の気温の変化や音・臭いの変化が大きいので相当な苦痛を伴います。

犬は家に入れることをご検討ください。子供さんが喘息持ちということですが、喘息の要因としては犬の抜け毛はあまり心配ないです。悪いのは、煙・黄砂・化学スモッグなどの目に見えない成分への反応が喘息の原因ですので、犬の毛のような目に見える要素は基本的には影響ありません。それならば、人間が着ている衣服や布団・ソファー・絨毯などから出るハウスダストの方がよほど悪いです。

もちろん、医師の診断で犬アレルギー等あってNGなら仕方ありません。

ただし、医師からの注意がないのであれば、ご検討ください。毎日ブラッシングして掃除機もかけ、空気清浄機があれば、犬が原因で喘息が悪化することはないはずです。アパート等なら別ですが、今回一戸建てを購入・・ということでしたので、なおそう思います。ご夫婦の寝室など、どこかに子供さんと頻繁に接触しない部屋が確保できるのではないでしょうか。

これはアメリカの統計ですが、ペットを飼っている家の子供は病気やアレルギーの割合が非常に少ない・・という科学的な証明がされています。大人もそうですが、ペットに触れるとホルモンバランスなどが整のったり、喜びやリラックスで免疫力が高まったりするそうです。

次に、どうしても外飼いしか方法がない・・という場合ですが、直接の繋ぎ飼いだけは止めましょう。犬からしてみると「敵は侵入できる・・でも自分は逃げられない」という状況が分かっていますので、非常に強いストレスになります。

ケージからの脱走防止は、ケージの柵の上全面に木の板をくくり付けるのが一番です。全体がガッシリしますし、犬も屋根に守られる感覚で安心できます。

では最後に、しつけになります。まず犬が環境に慣れる時間も必要だということは理解してあげてください。もう一度、ご近所を回られて事前にお詫びしておく方が、気が楽になります。

「飼い主だった親が亡くなり、しかたなく飼うことになったので、犬のしつけができるまでの少しの間、お許しください。」と、もう最初から正直にお話しておけば、かえってご近所も同情して理解を示してくれます。そのほうが気が楽になります。

さて、今回は根気よくリーダーウォーク(方法の詳しくは本書にて)をしましょう。まず散歩から帰ったら、そのままケージに入れないで、2・3分ケージの周りでやってください。「シ!・・シ!・・」と強い指示を出しながら完全無視で淡々とやります。

そして、リードを付けたまま犬をケージに入れ、ケージの外でそのリードを持ち、わきで知らんぷりして居てください。犬は吠え始めると思いますので、吠えた瞬間「シ!」の強い指示音と同時にリードを上にチョンと引いて注意を促して下さい。

犬が「ワン」で「シ!」+チョン引き・・また吠えた瞬間「シ!」+チョン引き・・ひたすらこれを繰り返してください。

理解するまで、環境に慣れるまで、主従関係が出来まで多少の時間はかかりますので、もうそれはご覚悟いただいて、感情的にならずに毅然と淡々とやり続けるしかありません。リーダーウォークだけでなく、他にも手法がありますし、何気ない態度しぐさ全て関わってきます。

しつけグッズなどの「物の効果」に頼ってはいけません。その効果そのものは、犬は慣れますので段々効かなくなってきます。また訓練士に依頼するのも止めましょう。

訓練士さんと関係作りをしてもしかたないですし、家に戻ってきて家族が同じようにできなければ余計にそのギャップが問題になります。困ってまた訓練士へ・・多額の費用・・という悪循環になります。

しばらくは獣医さんから安定剤を出してもらい、整った環境の中で関係作りとしつけを続けていってください。

ドッグフードですが、食べなければすぐに下げて、次の時間まで食べ物は与えないでください。丸一日食べなくても成犬なら平気です。次の日にはしっかり食べます。余計な声掛けや手で直接食べさせたり、トッピングなどしないようにしてください。

とにかく一番は環境のストレスです。いろんな問題の主原因になっていますので、犬を飼うとお決めになられたのであれば、改善をしてください・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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