犬のしつけがQ&Aで分かる!

散歩で吠える犬のしつけ・小型犬のノーリードも危険

Q.ご質問:
愛犬:2歳 めす ミニチュアダックス
家族:主人、私、息子(10歳)、娘(6歳)猫(2歳)
飼ってすぐ、1ヶ月間のパピーパーティーに参加。7ヶ月ころからドアホンの音に吠えるようになったので、一度しつけの先生に8回ほどお世話になりました。

その先生はどちらかというと誉めてしつけるタイプだったので、なかなか成果がでず、私もあきらめてしまいました。

しばらく間があいてしまい、今度は大きなわんちゃんにすごく吠えるようになり、今年の4月から違うトレーナーさんに5回ほどお世話になりました。その先生はしかり方を教えてくれました。

どちらの先生にも、ダックスはその日はとてもいい子で練習にならない日もありました。とにかく怖がりのくせに大きなわんちゃんに威嚇していくのです。ガウっと言われたらきゅーんと逃げるくせに、(大抵大きなわんちゃんはのんびり構えていてあまり吠えてこないので余計にいい気になっています)。相手が地面におなかをこすりつけていたり、おなかを出しているときはなおさら吠えます。

もうひとつはちいさな子供が走り回っていると追いかけてズボンのすそを引っ張ります。強く噛むわけではないけれど、「この犬噛むからいやだー」と言われてしまいました。

うちの近くは河原があるので、わんちゃんには運動ができてとてもいいのですが、小さい子供もいるし、フリスビーを練習しているわんちゃんやノーリードのわんちゃんがたくさんいます。

吠えずに近づいてクンクン嗅いでいたなあと思ったら突然吠え出したり、一度叱ってその日は吠えなくなっても、次の日またそのわんちゃんに吠える。私はロングリードですが、まわりがノーリードで自由に遊ばせているのを見ると、正直うらやましくなったりもします。もちろんどこでも本当はノーリードがいけないことはわかっていますが。

二人目の先生は、おうちのなかでのピンポン吠えはビターアップルを使いました。外での散歩はチョークカラーを使っています。でも堀川さんの言うとおり、犬のしつけグッズはそのときは苦そうでも慣れてしまっている気がします。苦さよりも吠えるほうが勝っているような。

チョークカラーもトレーナーさんがクイっとひっぱると従いますが、私の引き方が悪いのか、あまりショックが伝わっていない気がしています。

最終的には飼い主との関係なのはわかっているので、ほかのわんちゃんに慣らすことよりも私とのトレーニングが大事だと思い、二人の時間を多く取ろうとしてはいますが、たとえばボールを投げて持ってくるという遊びもあまり好きではなく、ほかのわんちゃんがボール投げをしていると、その走っているわんちゃんを追いかけているのがすごく楽しそうです。

もちろん吠えなければ遊ばせてあげたいですが、追いかけながらほえたり、追いかけながら他に目がいくとそっちに走っていってしまうので、興奮したときの静止ができていません。

2回のトレーナーさんのおかげで、集中しているときは、おすわり、伏せ、まて、はできます。でもどんなに興奮していてもできるかと言われたらできていません。

吠えずに戻ってきたときは、フードをあげています。一日3回のごはんの2回目を昼間のトレーニングに使っています。

もっと私がうまくできたらと毎日悩んでいます。こんなに一生懸命やっているのにどうして伝わらないんだろう。おりこうになったらもっといろんなところに連れて行ってあげれるのに。ドッグランも吠えるようになってからは、まわりに申し訳なくて行っていません。

堀川さんのお話では、声をかけたりするのは甘やかしになっているとありましたが、リーダーウォークと仰向け以外に、たとえばどんなときに誉めてあげたらいいのでしょうか?

普段は誉めることは全然必要ないのですか?ピンポンで吠えなかったとき、ボールを持ってきたとき、書いてあったようにぽんぽんと叩くように誉めてあげればいいんでしょうか?

あとコングの遊び道具ですが、穴が両方にあいていますが、そこに紐を通すのですか?どんな風に結ぶのかがあまり詳しく書かれていなかったので。あとタコ糸とかでいいんですか?

遊び方ですが、左右に転がしたりするだけで、たとえばくわえて噛み噛みし始めたら、取り上げてまた転がすのですか?飽きてきたときにはすぐやめたほうがいいのですか?

ながながと書いてしまって申し訳ありません。
今日早速朝の散歩でリーダーウォークをしてみました。もともと私と二人のときは先を歩くことはあまりなかったのですが、反対方向に歩き出すのは驚いた様子でした。

あとはほかのわんちゃんに吠えたときは仰向けはできますが、玄関に人がきたとき、その人を待たせてしばらく仰向けにすることはできないので、どんなふうに叱ればいいでしょう?


A.お答え:
ダックスちゃんは少し怖がりなのと、幼少期の経験不足があります。吠える犬は勇敢なのではなく怖がりなんです。しかし、2歳だからもう遅いということではなく、犬は生涯環境に適応し学べる動物です。知能も、もっと高くなっていきます。

ですので↓
>ほかのわんちゃんに慣らすことよりも私とのトレーニングが大事・・
↑これは両方必要です。

まず経験を積ませることと、その場で教える意識です。吠えるからと言って、散歩中他の犬を避けないでむしろ犬のいる場に連れて行きましょう。ただし、いきなり急接近させたり放してはいけません。

最初は少し距離を保って十分慣れさせ、段階的に距離を詰めていきましょう。ドッグランも同じですが、急に近づけないで、最初は遠くから他の犬達を見せるだけにして、吠えたら口閉じで教えます。吠えなくなったら少し距離を縮めてまた慣れる・・ということを繰り返して、徐々に慣れさせます。

散歩中は、前方に犬が見えたらまず飼い主さんもしゃがんであげて、首輪をガッチリつかんでスワレ・マテの型をとらせキープしてください。犬とすれ違うまでの間、ずっとマテの指示を出し、吠えなかったら肩をポンポンして褒めます。褒め方は「○○良い子!」とハッキリ伝えます。大げさに高揚したり、猫なで声でナデナデは従属的なのでNGです。

もし吠えたら、「ダメ!」とハッキリ伝え犬の口を手で閉じます。同時に「シ~!」という音の関連付けをしながらポンポン褒めて口を解放します。口を解放するとまた吠えますので、再度「ダメ!」と・・・この繰り返しです。

そういう経験をたくさん積ませてあげれば、慣れて「怖くない・・吠えなくて良い」と理解しますし、「良い子にできたら褒めてもらえる」ということも覚えます。「シ~!」の音を関連付けておけば、いずれ吠えた時に「シ~!」の指示ですぐ止めるようになります。

家での来客時にも同じことをしてください。配達などのちょっとした来客でもあったら、犬にリードを付けて会わせます。吠えたら口閉じで叱って褒めて教えます。慣れさせます。

そして、同じ教え方・叱る・褒めるをしても、関係次第でその効果がまったく違ってきます。だから普段の関係作りが大切なのです。さらに、手法の上塗りではなく、犬と接する際の意識態度しぐさが全て関わってくるということです。

また外での注意点を他にもいくつかお話します。まず子供さん単独で犬の散歩に行くことはないでしょうか。あったならしばらく中止です。まだ子供さんは犬のしつけを良く理解していないですし、犬も経験不足なので関係が崩れやすく危険もあります。

ご家族全員で犬のしつけを学んで、リーダーウォークを練習し、子供さんにやらせてみて合格なら単独で行かせてください。

他には、大型犬がいる場所では絶対にノーリードにしないでください。こちらの犬が100%良い子だったとしても、他人の犬からの危害など、外敵要因は制御できません。例えば、犬のしつけがされていない独占欲が強い大型犬ですと、ボール遊び中に他の犬がボールに近づくと本気で怒って襲ってきます。

小型犬が大型犬に噛みつかれると、背骨が折れたり内臓が破裂したり大変危険です。命を落とします。犬のノーリードは、ドッグランなど安全な施設で、かつ犬の大きさも区別されている場所だけにしましょう。

それから、チョークカラーなどの物の効果を使うのは止めましょう。オヤツも同じです。どれだけ本当の関係が作れているのか、見えなくなってしまいます。表面上なんとなく整ってしまうことがあるので、それ以上考えたり努力しなくなってしまうのです。それが一番怖いのです。

ですので、「普段良い子なのに急に豹変して噛みつく」ということが起こるのです。本当の関係ができていなくて、表面上整えているだけだからです。

普通のボール遊びですと、あまり興味を示さない犬は意外といます。ヒモ付で動かしてあげたり、コングの変則的な動きなら犬の本能を刺激します。

コングのヒモの付け方ですが、何でも良いですが、例として添付ファイルに図解しておきました。ご参考ください。(もしファイルが開けなければサーバー上にアップしますので言ってください)。ヒモは太目が良いです。細いとからまりやすく、犬の歯茎に食い込みやすくなります。

そしてロングリードをお持ちなので、無理にコングにヒモを付けなくても犬をリードで制御しても良いです。

>取り上げてまた転がすのですか?・・

↑そうです。犬のご機嫌に合せる意識があると、態度や接し方全体が従属的になってしまい関係が崩れます。いつでもどこでも犬との接し方は「主導」なのです。

ボールを投げる前に必ずスワレ・マテの指示を出し、できたら褒めて投げる・・できなければ型で教えて褒めて投げる・・投げたらヒモを引いて回収しながらコイの練習・・それを繰り返すから物事を覚え、関係も積み上がっていくのです。

犬のしつけは全てつながっています。手法の上塗りだけでは、絶対に犬のしつけは成功しませんので、それは忘れないでください。犬のしつけは飼い主さんの意識改革が大前提なのです。「自分が犬のリーダー・・常に主導する」という意識がどれだけあるか・・意識は必ず態度やしぐさに自然に表れます。犬はそれをちゃんと感じ取っていきます。

ホームページ・本書・メールの内容は、犬のしつけを実践しながら時々読み返すようにすると、新しい気付きもあり理解も深まります。必ず読み返してください。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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