犬のしつけがQ&Aで分かる!

トイレの失敗後に追いかけっこになる子犬のしつけ

質問内容
子犬のしつけで、トイレの失敗後に追いかけっこになる件です。

遊んでいる時に、リビングやラグの上でトイレをすることが多く、その場合はまず子犬をゲージに戻し、冷静に粗相の処理をし、その後しばらくゲージ内の犬は無視をするという方法を取ってきた。

子犬が我が家に来てから今日で19日になるが、ここ2週間ほどは粗相をした後、ゲージに戻そうとすると走って逃げ回るようになった。

我が家のハウス周り環境は写真の通りとなっているが、ダイニングテーブル下で追いかけっこになるので、なかなか捕まらなくなった。

いったん追うのを諦めて、粗相の始末を先にし始めると、私の手が届きそうで届かないギリギリの位置を確保しながら挑発するように、ぴょんぴょんジャンプして唸ったり、近寄っては逃げたりする(遊んでいるように見える)。

トイレの粗相をしないためには家の中でもリードをつけるのがよいのだろうか?

リードをつけることに抵抗がある理由は、まだ子犬のため子供らしい動きや遊びを制限してしまうのではないか? 3か月くらいまでは、今のやり方でやったほうがよいのではないか?と思うため。

粗相をされて追いかけっこになるとがっかりするが、本書を購入する1週間ほど前からちょこちょことHPを覗いていたので、 「まだ知能が低いからしょうがない」「大変なのはしつけができるようになるまで」と思うようにしてきた。

・愛犬の犬種、年齢、性別
ミックス(Mダックス×チワワ) 2か月2週間 メス

・家族全員の年齢、性別、一日の愛犬との同居時間
主人(35歳)・・・7時~8時(8時に出勤)21時~23時
私(妻・33歳)・・・7時~22時 子なし専業主婦のため、ほぼ一日中在宅

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
時間がある時にゲージから出して撫でる。ゲージにいつも視線を送り犬を見る、声をかける。

②過去はどういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
犬が寝ていない時にゲージから出し、ぬいぐるみやタオルを噛ませる・引っ張りっこをする。サランラップの芯で息を吹きかける(これをすると腹を見せて寝転がるので)。トイレットペーパーの芯を投げて追いかけさせる。

③過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
トイレがゲージ内のトイレで出来たら「いい子だねーすごいね」などと声かけしてご褒美のおやつを与える。「マテ」「フセ」「お座り」が出来たら撫でてご褒美のおやつを与える。甘噛みは「痛い」と言って無視する。衣類のボタンやジッパーを引っ張るときは「ヤダ」「ダメ」と強くいう。

④過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
オヤツ・・ご褒美として使っていた。抱っこ・・・ゲージ外でトイレを失敗した時、ゲージに戻すために抱っこをする。ナデナデ、声掛け・・・無意味にしてきた。
 
⑤過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
まだワクチンが終わっていないので、していない。
 
⑥過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
7時     起床
7時40分  夫がエサを与える
15時    妻(私)がエサを与える
20時    妻がエサを与える
11時~22時 妻(私)の時間が空いているときにゲージから出して遊ぶ。トイレ失敗したらゲージに戻し、しばらく無視する。(すぐにゲージ外でトイレをしてしまうため、遊ぶ時間は1回に5分~15分程度、これが1日に10~15回程度。)
※人間の食事は、犬のエサの前にすませるようにする。

私は主人より早く1週間ほどまえからHPのQ&Aを参考にしていたので、それからは意味のない声掛けやナデナデはやめるようにしていました。ただ、撫でることも子犬には必要かな・・と思ったり、この時期子犬にフケがでたりするので子犬が腹ばいになってリラックスしている時は触るようにしています。

甘噛みは今はほとんどなく(興奮している時はまだたまにある)、私はご褒美おやつなしでお座り・チョウダイができますが、主人が出すコマンドにはほとんど反応しません(主人は子犬を肩や頭など自分の体に乗せて遊ぶのでそれが原因?と思っています)。

子犬はペットショップで買った時から、人好きな様子がうかがえ、お腹をすぐ見せる、撫でられるのが好きという子ですが仰向けするようになってから、「いい子」で体をポンポンしようとすると後ろ足で立ち上がって私の手に構える様子があります。

「いい子」でポンポンしても無抵抗でしっぽを振り、喜んでいたように見えたのですが・・・この子は私と遊んでいて楽しいのかな?怖いだけなんじゃないかな? と悲しい気持ちになってご相談させていただきました。


返答内容>お腹をすぐ見せる・・

↑これは、もう子犬が心を許しているわけですので、その上に更に仰向け固めを強要されなくても良いです。そういう時は、褒めながら指示音とジェスチャーの関連付けをしっかりしましょう。

それと本書の子犬編にも書きましたが、子犬には遊びの中で慣れさせることから始めてください。

主導型のコング遊びの中で、一瞬ひっくり返して褒めてすぐ解放・・また遊び・・一瞬ひっくり返す・・また遊び・・。この繰り返しの中で、少しずつ仰向けの時間を長く出来るようにしていくことと、ゴロンの指示音・ジェスチャーとの関連付けをしっかりすることです。

それと、トイレに失敗に限らず、物事の教えは「悪い型を止めて・良い型を作り・そこに指示音ジェスチャーを関連付けながら・褒める」

これが根本になりますので、やっぱり失敗させないようにリードを付けて持つことは大事です。失敗が定着すると修正するのが非常に難しくなります。

また、リードを付けて飼い主さんが持って過ごすことで、子犬の行動全体が主導でき、リーダーウォークの導入や、お散歩デビューの準備になります。

ただし、知能も経験も何もない子犬に、いきなり首輪とリードを付けてコントロールするのは無理です。まずは首輪とリードを数日間かけながら見せ臭いを嗅がせ、遊ばせ、慣れてきたら子犬に付ける・・。そして付けてもすぐコントロールしないで、また数日かけて遊びながら最初はプラプラ引きずってでも良いので、慣れさせます。

そしてリードを付けたコング遊びの中で、時々リードを持ってみる・・それに慣れてきたら一緒に少し歩いてみる・・また遊び・・。というふうに慣らしていってください。

犬のしつけの中で、トイレのしつけだけは唯一叱ってはいけません。興奮して追いかけたりもしてはいけません。粗相した後にアレコレしても意味がありませんし、犬はトイレの失敗を叱られても「何が悪いのか」理解できないのです。

犬にとってはただ「オシッコ」しただけなので、「場所の失敗」という概念が理解できず、オシッコの行為そのものと結びつけてしまうので、余計に逃げたり隠れて粗相するようになってしまいます。

とにかく失敗を定着させないことと、本書の条件を作って促し、トイレでさせ、指示音とトイレの指差しで褒め、関連付けで定着させることです。

【その他】

引っ張りっこ遊びはオススメできません。対面しての力比べになりますので、対抗心が強くなるのと、興奮癖や人の服を噛んで引っ張る癖が付きやすくなります。甘噛みにも影響しています。

ですので↓こうなります。
>衣類のボタンやジッパーを引っ張る・・

遊びは主導型のコング遊びにしましょう。コングを転がす前にスワレ・マテをしっかり教えて定着させましょう。スワレ・マテは色んな場面で応用できますので重要です。転がしたあと、コイ・ダセの練習もしましょう。

コング遊びは、捕食動物にとっては、とても良い本能のはけ口になり、主導性も示せますので取り入れてください。

意味の無い声掛け・ジロジロ見つめ・オヤツにナデナデ抱っこ・・これらは止めましょう。

野生の犬の群れでは、リーダーのカップルに子犬が産まれると、周りの成犬達は特別扱いをします。チヤホヤ世話をしたり、ベタベタ挨拶をします。これらの「従属的」な接し方をされ続けていく中で、その子犬は自分の立場を段々認識し、そういう振る舞いをしていくようになります。

人間の子供も同じですが、生まれながらにリーダー気質・ワガママ気質があるのではなく、そういう接し方をされていく中で、環境の中で認識していくのです。(もちろん生まれながらの気質・個性の違いなどは多少あります)

ですので、知能の低い子犬のしつけは、アレコレ難しい動作は出来なくても、関係の認識だけは家に来た瞬間から誤解させないように接してあげないといけないのです。

>主人が出すコマンドにはほとんど反応しません・・

↑犬が相手を見て反応する動物だからです。もちろん遊ぶことはとても重要なのですが、普段の接し方が甘かったり犬の要求に応じて遊んだりしていれば、犬にとってはただの「都合の良い遊び相手」にしか見られません。遊びも主導性・毅然さを忘れてはいけません。

ですので、ご家族皆さんで接し方(主導性・毅然さ)を統一してください。また、世話の役割分担やパターン化をしないで、ランダムに誰でも同じことが出来るようにしてください。

>しっぽを振り、喜んでいたように見えた・・

↑犬のシッポ振りは誤解されないようにしてください。犬がシッポを振るのは嬉しい時とは限りません。嬉しくても振りますが、「怒っている・イライラ・要求・期待など」でも振ります。つまり「興奮」の要素なのです。

ですので、「犬がシッポを振って嬉しそうだったので手を出したら噛まれた」ということがよくあります。犬は本当にリラックスして嬉しい時は、シッポは振らずゆったり寄り添ってきます。

では、今回は以上です。まずは、主導型のコング遊びを通して、その中で物事の教えや関係作りを段階を作りながらやっていくと良いです。

とにかく知能が低い猛獣状態はしばらく続きますので、期待しない事です。しかし、社会化の重要な時期なので毅然と淡々と続けないといけない・・という一番難しい時期なのです。生後1歳過ぎまでは、「三歩進んで二歩下がる」の繰り返しで成長していきますので、大きな気持ちで続けてください。

では、頑張りましょう(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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