犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬がケージの中でオシッコしてくれない場合のしつけ方と環境

質問内容
堀川様、初めまして。ミニチュアシュナウザーを迎い入れるに辺り、しつけについて色々調べていて、堀川様のページにたどり着きました。

エサでしつける方法については、かねてから「そうじゃない」感を持っていて、堀川様の考えに共感しています。実家ではかつては犬を飼って居ましたが、私がしつけをしたわけではないので、一から勉強です。

これから、よろしくお願いいたします。

・問題の内容:トイレトレーニングについて。

ケージの中でもトイレを覚えて欲しいのですが、添付写真の青いヨガマット(フローリングでは滑るよくなので敷きました。人間の都合では床を傷をつけたくない。)でトイレをしたいようです。

トイレに行きたくても外に出るまで我慢している気がします。トイレに行きたいとキュンキュン鳴くように思えるからです(遊びたいのかも知れませんが、ちょっと違うと感じてます)。

餌の後にすぐにトイレのタイミングが多いので、最初はヨガマットの上で、リードに繋いでマテをして、食べてる間に餌をケージ内に移動して、食べ終わったら皿を取り出してケージ内でトイレを待つようにしてますが、中々上手くいかないです。

写真のようにベッド以外のスペースはトイレにしたいと考えているのですが、犬からしたらトイレにしようとしている場所は、食事をするところなのでここではしたくないと考えたりするのでしょうか?

トイレトレーニングについてアドバイスを頂けたらと思います。

また、餌の前のマテについて。餌を目にすると野獣と化します。

リードで物理的に食べられない状態ですが、どこまで厳しくマテをするべきでしょうか?

現状、まだマテを理解していないようです。それですから、野獣の間の一瞬おとなしくなった時に、それをマテができたと見なして、ヨシの合図で許してます。

マテを理解するまでの間の餌のやり方についてもアドバイスを頂きたいです。

・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別:ミニチュアシュナウザー、生後3ヶ月半(迎い入れてから5日)、オス

・家族は私と妻ともに40代、小学生の娘

・過去の接し方と、一日の流れ 

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?

・主にオモチャを手で持って、追わせてたり、投げたりしてますね。

膝の上に仰向けで抱っこして、体の点検を兼ねたスキンシップをしています。仰向けでも膝に載せるのは良くないでしょうか?

②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

・甘ガミや噛んで欲しくないものを噛んだときは「イケナイ」。「スワレ」や「ハナセ」が出来たときは「イイコ」と言ってなてでます。仰向け固めもしていましたが、前述の通り膝の上で行ってました。

③過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?

・オヤツはあげてません。抱っこも仰向け膝の上以外は行ってません。ナデナデは仰向け膝の上の時にはしてました。

④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?

・狂犬病の予防接種が終わっていないので、家の周りを10分程度が一回のみです。抱っこではなく、歩かせませした。

⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

・夜には毛布をかけて暗くして寝かせます。夜鳴きはまだ有りません。

妻が6時頃に起床して毛布を上げます。餌は3回。人間の食事の後なので、同じような時間になってます。一日に数回ケージから出してオモチャで遊びます。その際にスワレやハナセ、マテ等を混ぜます。

⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします)

・添付写真をご覧下さい。

クレートは普段は使用していません。ベッドが潰れてしまっていますが、通常はもう少し小さいのでケージの半分以上はトイレスペースです。スノコ式のケージなので、トイレマットは置かずに、スノコの下にトイレシートを置いてます。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

まず今回は、環境を少し修正しましょう。

その子の反応からして、ブリーダーもしくはショップではケージの外で排泄させていたはずです。

特に今回は、生後3カ月半ということで、だいぶ長くその環境に適応してきましたので、似たような状況にしてあげると良いです。

まずお写真を拝見しますと、トイレスペースの違いがハッキリしていないようにお見受けいたしましたのと、せっかくクレートもありますので、本書でおすすめしたように、クレートとケージを合体させてください。

クレート(中にベッド)は寝床、ケージ内にトイレトレーを置きます。

メッシュカバー付きでガッシリした、大きめのトイレトレーが良いです。シートだけサラッと置いて滑りやすかったりすると、犬はそういう足場を嫌います。

クレートとトイレの間(中間点)に少しフリースペースができるでしょう。

そして、そのフリースペースとトイレとの間(通路)を、半分くらい柵で区切ると良いです。

そうすると、より区別がつきやすいです。

「ケージから出て排泄したい」という、その子の感覚(過去の習慣)に合いやすいです。

柵は、単品でホームセンターや100円ショップで買って、針金やヒモで結べば良いです。

まずはその環境作りです。


ただし、それでトイレのしつけが完結するわけではありません。

まだ知能も低いですし、家に来たばかりですし、言うことを聞きたくなる関係や褒められて嬉しい関係がありませんので、関係作りと並行してトイレのしつけをコツコツ続けていく必要があります。

お感じになられたように、食後は排泄しやすいですが、他にも、起床後や遊び始め、ケージから出た瞬間などの興奮刺激で利尿脱糞作用も高まります。

ケージから出す→直ぐにトイレへ誘導して音でうながし→また出して少しウロウロ→またトイレへ誘導して音でうながし・・・

をマメに繰り返して、失敗癖をつけない・成功の習慣をつけていきます。

今はまだ覚えてもいませんし、定着もしていません。どこで排泄しても絶対に叱らないで、排泄の場面だけ見逃さずに、指示音の関連付けに注力されてください。


>餌を目にすると野獣と化します・・どこまで厳しくマテをするべきでしょうか?・・

↑まず、家に来たタイミングとしては、まだやってはいけないのです。

Q&Aサイトでたくさん解説していますが、子犬が来た最初の一週間から10日間は、ケージから出したり触ってはいけません。

親兄弟と引き離されたり環境の変化で、犬はとても強い緊張・興奮ストレスを抱えていたり、パニックになっています。

体調を崩しやすいので安静にさせなければいけないのと、悪い基準値が定着しないように、そっとしておかないといけませんでした。

ただし今回は、生後3カ月半ということで、少し家に来るのが遅かったですので、食欲も体力もわりとあります。発散・運動もある程度必要ですので、今回は少し難しかったです。

ですが、その興奮ストレスがまだあって落ち着かないのと、月齢的にも知能が低すぎて、まだまだ小さな猛獣状態です。

スワレ・マテですが、今はできる・できないのレベルではなく、覚えてもいませんし定着もできない時期です。

今はとにかく、型を作ってあげて指示音ジェスチャーで褒めて、「何の意味なのか」をコツコツ教えてあげる時期です。

まだまだしばらくは、「求める時期ではなく、与える時期・教える時期」という意識を強く持ってください。

結果は一切期待されないで、やるべきことをコツコツ教えながら、子犬の成長を待ってあげる時期です。

マテで言えば、まずはしばらく2秒だけで良いです。

もう3カ月半ですので、首輪は付けっぱなしで良いです。

首輪を片手でつかんで上後方に少し引き上げながら、もう片手でお尻を上から押して、スワレの型を作ってあげます。

そこですかさずスワレの指示音ジェスチャーで肩付近をポンポンして褒め、すぐにマテの指示音ジェスチャーで褒め、2秒で開放して「ヨシ」で食べさせます。

少なくとも、もう1週間くらいは2秒くらいで『教えること』を重点に置いてください。

そこから、今日は3秒・・・明日は4秒・・・というふうに、徐々にレベルを上げていきます。

生後4カ月で10秒でも待てれば十分ですので、それ以上はやらせないことです。

あまりにも難易度を上げすぎたり、ゼロから急に100点を求めるようなことをすると、犬はパニックになったり人間不信になるだけです。

まずは簡単なレベルから教えて褒めて、十分定着したら少しだけレベルアップ・・・という進め方にされてください。

成犬の知能に近づくのは、1歳くらいですので、そういう背景も理解してあげないといけません。

まだまだしばらくは、『小さな猛獣状態』が普通です。


>仰向けでも膝に載せるのは良くないでしょうか?・・

↑人間の体の上に犬を乗せないほうが良いです。

あぐらをかいて、股の中に入れて、犬は床の上に寝かせてください。

ソファにも乗せないほうが良いです。乗り降りで、関節炎・形成不全・椎間板ヘルニアなどのリスクも上がりますし、人間との主従関係を誤解する犬もいます。


>甘ガミや噛んで欲しくないものを噛んだときは「イケナイ」・・

↑声だけ言っても犬には意味が分かりませんので、『悪い事を止める型』を作ってあげないといけません。

月齢的には、もうリードを活用できますので、例えば、犬が噛んだ瞬間に「シ!」の注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意します。

現行犯でないと意味がありませんので、瞬間的に注意できるように、リードを着けて持っておくと良いです。

その体勢で団らんしたり遊んだりします。

そうすることで犬の行動全体を主導できますし(主導性を示せますし)、噛み付きを防御・注意できますし、トイレへの誘導もしやすいですし、お散歩デビューへの練習にもなります。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)

飼い主さんからのお返事.png
堀川様お返事有難うございます。

クレート連結方式で、昨日はトイレの失敗は有りませんでした。

このまま様子を見ます。ありがとうございました。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

昨日はトイレの失敗がなかったとのことで良かったですが、まだ定着したわけではありませんので、今後も犬が興奮している時や寝ぼけたりした時は失敗します。

根気よくコツコツと、教えや指示音の関連付け、『教えを聞きたくなる関係・褒められて嬉しい関係作り』が重要になります。

これから別の問題行動も出てきますので、他のしつけについても、根本の関係作りが有るか無いかで結果が全く違ってきます。

一喜一憂されないで、成犬になるまでは期待しないで続けることです。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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