犬のしつけがQ&Aで分かる!

朝早くから吠える犬のしつけ

質問内容先日、愛犬のしつけいに四苦八苦しているとき、たまたま、貴殿のサイトに出会いました。

愛犬は、ゴールデンレトリーバーの男の子です。今は、7か月で体重27キロです。生後2か月の時にペットショップで一目ぼれし、我が家にきました。

なるべく、可愛がりすぎないよう、いろいろな本を読みながら、試行錯誤してきました。

でも、今は、朝は5時前から大きな声で吠えますし、散歩では、他の人に触ってもらうのが大好きですが、物足りなりなかったり、いろいろにおいを嗅ぐので止めさせたり、行きたいところに行かせないと、座り込み、噛んできます。

今の状態は、全く飼い主と家族がリーダーシップがとれていないのですね。何回も読んで、頭に入れていきます。

ただ、早速、リーダーウォークをしたのですが、気に入らないと座り込み、噛みついてきます。普段から、あお向け固めのような格好で寝ています。

すぐに結果が出るとは思わないのですが、やはり、朝は静かにして(かなり近所迷惑です)、少なくとも、噛まないでほしいのです。

この、すぐにでもやめてほしいことはどうしたらいいでしょうか?

同居しているのは夫60代(今は全く、犬のことに関して係っていません。嫌いなのではなく、私が飼う条件で、迷惑はかけないと言いましたので)
長女30代(家に居ますので、接する時間は多いです。夕方の散歩は一緒に行きます)
次女20代(日中はいないのですが、朝6時ころの散歩は一緒に行きます)

過去の接し方と一日の流れ

1、スキンシップはゲージを出たとき、撫でてあげたり、耳掃除や、ブラッシングしたり、シャンプーをしたりします。

2、遊びは、いくつかのおもちゃをあたえたり(一人遊び)、ボールは投げたのを持ってくるが返さない。家具を噛んだり、スリッパを噛みます。

3、犬のしつけは、ご飯のとき、お座り、お手、お替り、待てをします。褒めるときはそれらのことができたとき、「ハウス」と言って、入ったら褒めます。叱るのは、噛むときで、どうしても大きな声で「だめ」と言います。

4、おやつは、ハウスに入ったり、散歩でちゃんと歩けたりしたときに、時には口封じ(朝早く鳴く時)にあげたりもします。

撫でるのは、次女が仕事から帰ってきたときとかに撫でます。声掛けは、夫が帰ってきたとき、「○○、ただいま」と言っています。
5、散歩は、朝6時頃、私と次女とふたりで、2,30分位、娘がリードを持ち、私が先に歩き、犬がそのあとに来ます。

6、一日のタイムスケジュールは
朝、5時ころ遠吠えはじめ、大きな声で吠える
6時 散歩30分
帰ってからゲージの中で寝る
8時 食事 ドライフード200グラム食べる
昼間 ほとんどゲージの中にいて、その間、2回くらい庭に出て遊ぶ。(おしっこをする)
午後4時 散歩30分
帰ったらゲージの中で過ごす。
7時30分 食事 ドライフード200グラム
食事が終わってから、時々、リンゴひとかけくらい食べる。
その後、また、庭でおしっこをする。
それからは、ゲージの中にいて、起きていたりするがそのままにしておくと、朝まで寝ている。

ゲージは始めから大きくなることを見越して、横102㎝・縦80㎝で、屋根はなく、水はケージにつけています。トイレマットは、散歩するようになって、ここ1か月以上マットの上でしないので、どかしてあります。

朝、早くから起きるのは、夫が5時前に起きていることも原因かと思うのですが、以前は起きていても、夫は散歩も、食事もあげないので、犬も静かにしていたのですが、7か月になったあたりから、段々自我が芽生えたように思います。

犬は家の中で飼っています。食事をするダイニングとリビングの間に居て、家族の顔が見えます。クレートハウスはありません。ゲージの中で寝ていますので、少し手狭になり、トイレマットはゲージの外にあります。

犬の吠え方ですが、外の気配に反応するというより、家族を呼ぶように毎日吠えます。吠え方は、始めは、遠吠えのような、「ワオーーン」とか、甘えるような「キューーン」とかの感じで、段々に大きな声になり、「ワンワンワン」とマシンガンのようです。

1か月くらい前は、私が6時頃起きてから、鳴いていたのですが最近は起きてくるように要求するみたいに、5時前から鳴き出します。

うるさくなくのは、朝が多いです。昼間とか夜とかに鳴いても、なるべく無視できるし、ある程度鳴いたら、鳴き止みます。

さすがに朝早くは、声も響くので、結局起きてきて、外に出したり、食べもので口封じです。そのあと散歩に行きます。

よろしくお願いします。

 

返答内容

今回の犬の吠えは、やはり「要求吠え」になります。

理由は一つではなく、「オシッコしたい・散歩行きたい・ゴハン食べたい・かまってほしい」これらがいろいろ複合しています。

やるべき事はいくつかありますが、大前提は主従関係です。それが崩れ始めてきたので犬が要求するようになってきました。

犬はちょうど7・8か月から知能が高くなり始めます。しかし、関係作りもまだ完成しませんし経験が乏しいので、ズル賢さだけが目立ってしまうのです。

自我も独立心も権勢本能も出てきますので、不安定で大変な時期なんです。

ですが、知能が高くなっていきますので、正しい教えと良い経験を積めば、それだけ慣れますし理解していきます。

1歳くらいまでは、もう少し不安定で大変な時期が続きますが、「それが当たり前の時期なんだ」と理解してあげて、淡々と続けながら犬の成長を待ってあげないといけません。

さて、関係作りの前に、まず環境のお話からです。

朝トイレの要求吠えをしなくて済むように、ケージ内にトイレを置くことと、しつけ(教え)をしていかないといけません。

しかし、現在のケージの大きさでは、トイレと寝床を全部確保するのは無理です。

本書の写真のように、ケージの柵を一面外してそこにクレートハウスを合体させると良いです。そうすればケージ内にトイレを置けますし、余ったスペースは移動用になります。

寝床はクレートハウスを追加した分の新たなスペースです。

そして、環境が整ったらトイレのしつけです。

まずは、排泄の行為と指示音を関連付けさせないといけません。いずれは朝の散歩は止めるようにしましょう。(人間側が行きたいのならもちろん行ってもOKです)

ですが、トイレでする習慣が付いていないので急に止めるのはまだ無理です。

しばらくは朝散歩に行きますが、外で排泄している時に必ず「チチチチ」などの指示音と場所を指差すジェスチャーを関連付けて褒めてほしいのです。

それを1週間以上はやってみましょう。

続けたら、定着を見てみます。

まず、いつも通りに散歩に出かける「フリ」をしましょう。そして、お庭でも良いですが外をちょっとだけ歩いてすぐにまたケージ内に戻します。

そこで、トイレを指差しながら指示音を出してみてください。オシッコすれば成功ですし、指示を出し続けてもしないようなら、またお庭で少しだけ歩いてまたケージに入れます。

そこでまたトイレを指差しながら指示音を出してみてください。この繰り返しです。

ケージ内のトイレで出来たら、しっかりまた関連付けで褒めてください。

それからゴハンですが、朝は止めて、お昼と夜にしましょう。

朝に犬が要求したくなるような要素を、とにかく省きましょう。

そうやりながら、生活習慣を少しずつ変えていっていただきたいのですが、吠える場合は、無視だけしないようにしましょう。

無視だけですと、犬は吠えることが許されていると勘違いしますので、現行犯でしっかり注意したり主従関係をしっかり示して要求させないようにしないといけません。

クンクン鳴きは無視して良いのですが、吠えたらすぐ無言で厳しくその場でリーダーウォークをしてください。

トイレの定着ができたら、もうオシッコはガマンしなくて良いわけですので、要求は許してはいけません。

口閉じもやってみましょう。噛まれるのをビクビクしていると、犬の興奮をあおってしまいますので、安心して落ち着いて出来るように作業用の革手袋を買っておくと良いです。ホームセンターで500円くらいで買えます。ケガも防止できますし、冬の散歩の必需品でもあります。

そして普段の関係次第で、何を叱っても褒めても教えても、結果が全然違ってきます。

普段の何気ない接し方しぐさ態度が全て関係作りに関わっているのです。それを絶対に忘れてはいけません。

意味の無い声掛けナデナデ抱っこにオヤツ・・これらは止めましょう。

何気ない接触も、スワレでもフセでも何でも良いので何か犬に指示を出し行動させ褒める・・指示で出来なければ型で教えて褒める・・そういうふうに、いつでもどこでも主導性と毅然さを一貫しなければいけません。家族間で差があっても犬は理解できません。

遊びも、コング遊びなど主導型にしてください。コングにヒモを付けるか、犬にリードを付けて持つか・・どちらかにすれば主導できます。

オヤツは止めましょう。人間の食べ物も与えてはいけません。栄養のバランスが崩れていますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなります。

そして、オヤツで釣ってコントロールさせてしまうと、犬との関係作りがどれだけ出来ているのかが見えなくなってしまうのです。これが一番怖いことなんです。

知能が高くなり始めた時期ですので、今が勝負です。犬は色んなことを試したり、相手を見抜く視点が鋭くなってきます。

主導性・毅然さ・一貫性を、絶対に忘れてはいけません。

リーダウォークは、散歩でももちろんですが、家の中やお庭でもたっぷり行ってください。

ゴールデンの男の子ですので、これからまだまだ体重も増えて力も強くなってきます。特に外では、腕だけでリードを持つと外れて危険ですので、自分の腰に一周縛ってから余った部分を手で持つと良いです。楽だし安全です。

その他、
犬が動かない場合は↓このページを参考にしてください。
http://osiete-wanwan.com/80/post_1169.html

犬の噛み付きは、手袋をして「シ!」の注意音と同時に犬の口の中に手を押し込む方法も良いですが、他には、わざと手を見せ犬が噛もうとしたら「シ!」の注意音でリードをチョンと一瞬引き上げる・・という教え方も良いです。

口閉じよりは距離が保てますので、防備をしてやれば怖くなく出来るはずです。

あるいは、噛もうとしたら「シ!・・シ!・・シ!」の注意音で、そのまま厳しくリーダーウォークに移行しても良いです。

そして、お話したように手法の上塗りだけでは犬のしつけは絶対に成功しませんので、普段の何気ない接し方から見直すように、ご家族全員で意識改革しましょう。このメールやQ&Aサイトも共有してください。

まだ1歳くらいまでは不安定ですので、結果はすぐ求めないで淡々と続けることだけ意識してください・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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