犬のしつけがQ&Aで分かる!

要求吠えと警戒吠えする犬のしつけ

m1.png犬のしつけサポートお願いします。
我が家は去年の1月に、生後4ヶ月のミニチュアダックスとチワワのミックスと思われる犬を知人から貰いました。
この犬は生まれて直ぐに前飼われていた家に貰われ、4ヶ月までその家で育ちました。
1才と3才の子供のいる家です。
 
私がこの犬を貰いにその家に行った日、ものすごい勢いで吠えられました。
まさかそんな犬とは思っていなかったので、正直貰うことを躊躇しました。
でも、もう決まっていたことなので、連れてきました。
 
すると、家に着いたとたん、しっぽは垂れ、ものすごく怯えているのがわかりました。
そして、家族(夫、子供2人(17才、20才の男)、姑)が帰ってくると、順番にすごい勢いで吠えまくりました。家族に吠えなくなるまで、1週間近くかかりました。
 
動きは活発なのに臆病で、家に来た時は散歩もできませんでした。
家の中では、私の後を追っかけ、トイレの中にもついて来ないと不安で、1人待つことができませんでした。まるで、ストーカーです。前の家でもそうだったようです。
 
家族以外の人には絶対吠えないことがありません。
ものすごい勢いで吠えます。要求吠えもします。
 
私は犬が来れば癒されるかと思いきや、落ち着く時間ももてずストレスだらけです。
隣人から「うるさい」と言われ、とにかく人・犬に吠えることが1番の悩みです。
お隣は犬は嫌いなようです。
家に友達など呼べなくなりました。お客さんがある時はもうくたくたです。
 
普段、私は仕事で昼間はいないのですが、姑は家にいることが多いです。
基本、姑は子供にも犬にもとても甘いです。
私が仕事に行く時はゲージに入れ、出かけるのですが、最初は鳴いて、鳴いて大変でした。
今は仕事に行く時は諦め、鳴くことはなくなりましたが休みの日に出かける時は、ゲージに入れるときゃんきゃん鳴きます。
出かけて帰ってくると、うれしくてうれしくて興奮し、飛びつき、口をぺろぺろなめてきます。
家に私がいる時にゲージに入れると、おとなしく入っていることは出来ず、「出せ、出せ」ときゃんきゃん鳴きます。
 
また、いまだに家の至る所で、おしっこもします。
おやつや、食べてはいけない物を取ろうとすると怒ります。
あくびもよくし、ストレスだらけの犬だと思います。
 
このマニュアルを読んで、リーダーシップがとれていなかったことが一因だったのはよくわかりました。(仰向けにはよくなるんですが・・・)運動神経もよく、動きが活発で、おちょくれば調子にのるタイプなので、我が家にきてから家族のおもちゃ状態になっていたと思います。
 
今は家に来て1年以上たち、年齢も1歳5ヶ月!
1歳5ヶ月になった犬を鳴かないようにするのは可能でしょうか?
何回も断念してきた私ですが、このまま10年以上一緒に暮らすかと思うととてもこのままでは、お互いストレスの十数年です。
 
家の中は自由に歩く生活に慣れてしまいましたが、今からでもゲージでの生活に出来るでしょうか?
きゃんきゃん鳴いても放っておけばいいのでしょうか?
余計にストレスでしょうか?
対応にとても悩みます。
 
何より鳴かないようにすることは可能でしょうか?
 
アドバイスよろしくお願い致します。


m2.png過去の生い立ちは色々あったと思います。生まれてすぐ親犬や兄弟犬から離されると、情緒が不安定になったり初歩的な社会化が上手くいかなかったりします。でも、それはもう過ぎたことですので前だけ向いて進みましょう。

犬も人間も哺乳類です。環境に適応する動物です。何歳になっても、悪い環境下では問題を起こしますし、良い環境になればまたそれに順応します。

犬のしつけは何歳になってもできますし、反対に言えば何歳になっても犬の生涯してあげなければいけないのです。

「こういう犬なんだ」・・と悲観したり先入観を持ってしまうと、「やっぱりダメだ」・・とあきらめる意識が生じてしまうので、絶対に先入観を持ってはいけません。やればやっただけそれに比例して結果は出ますので、あきらめず結果が出るまでやり続けましょう。

無駄吠えは家族のストレスになりますし、犬嫌いのご近所にとってはなおさらです。今回は本気で取り組みましょう。私も最後まで精一杯アドバイスいたします。

では具体的なお話です。お話したいことはたくさんありますので、順に見ていきましょう。

今回の「吠え」については色んな要素があります。原因は一つではないのですが、やるべきことの大きな柱は2つ・・

1、人や犬に慣れる社会化とその環境下での教え(警戒吠え)
2、主従関係の構築(要求吠え)

まず、臆病な子に見えますが、犬は基本皆そうです。警戒心を持ち、機敏で活発でなければ危険から回避し生きていけません。でも育っていく中で、いろんな経験をし、「怖くない」ということを知っていくから、怖がらず落ち着けるようになります。

実際に、家に来て最初は家族に吠えてその後慣れたわけです。つまり社会化は、簡単に言えば「慣れ」なわけです。慣れる機会を多く作ってあげることをまずやりましょう。

犬が吠えると、外の散歩に連れ出すのがおっくうになったり、人を避けたくなるものですが、それでは余計に臆病で吠える犬になってしまうので、むしろ多くの人や犬に会わせて慣れさせて、吠えたらそこで型と音とジェスチャーで教える・・それをどれだけやり続けたかに結果は比例します。

まず人や犬が多く通る場所・散歩コース・ドッグランなどに積極的に連れ出します。そこで吠えますので、現行犯で教えます。飼い主さんもしゃがんであげて、犬にスワレ・マテの型を作ります。

「ダメ」と毅然と伝え、吠える犬の口を軽く手で閉じます。これで悪い型は止まり、良い型ができたので褒めます。手を放すとまた吠えると思いますので、再び「ダメ」と毅然と伝え・・・ひたすらこの繰り返しです。

怖くないということを知るために多く経験させる・・吠えてはいけないことを体現でシンプルに教える・・そして、同じ教え方をしても関係作りがシッカリしていないと、その吸収力がまったく違ってきます。

主従関係が出来ていない人からは、犬は褒められても嬉しくもないし、聞く耳すら持ちません。

ですので、あお向け、リーダーウォーク、主導型のボール遊びで関係を積み上げてほしいのです。そして大前提は、普段の何気ない態度や接し方になります。

オヤツ・抱っこ・ナデナデ・意味の無い声掛けなど、これらは犬に従属していることになります。人間はそう思っていなくても、犬の本能の視点からは、そう見えてしまうのです。

おおいに接して良いです。ただ意味なく接するのではなく、必ず「指示→従う→褒める」というパターンを厳守し、オテでもスワレでも何でも良いので、そのパターンを徹底します。それなら楽しくスキンシップも取れますし、その度に主従関係が深まります。

そして、それがリーダーウォーク、あお向け、ボール遊びならば、なお良いということになります。狩猟本能のはけ口も作ってあげないといけません。

主従関係がしっかりできれば、要求吠えは自然になくなる場合も多々あります。


では、続いてクレートトレーニング(ケージで待つ)の教え方です。といっても難しいテクニックは必要なく、できることから徐々に伸ばすだけです。

最初はケージに入れ、まず吠えるまで無視します。吠えたら現行犯で「ダメ」と同時に・・先ほどの「他人への吠え」でお話したことと同じことをします。

そして次に、犬がケージに居て静かにしている場面を見つけて、こちらから寄っていき褒めます。「シー」と言いながら「良い子!」で褒めます。頭や肩をポンポンたたいて褒めます。

そして今度は先ほどの空白時間よりも少し長く(例えば10秒・・次は20秒)間をおいて、また褒めに行きます。それを繰り返すと、「良い子にしてると褒めてもらえる」・・ということを段々理解していきます。

その中で、待てずに吠えてしまったら「ダメ!」と厳しい視線を送り無視して、犬の所へは行かないようにします。そして数秒数えて、犬が静かになったところで「シー」の声掛けをしながら寄っていき、体をポンポンして褒めます。

これによって、「吠えるとかまってもらえない」、「静かにしていればかまってもらえる」と理解していきます。

次の段階では、別の部屋へ行ってみましょう。最初は、一瞬別の部屋に行った後、すぐ戻って褒めます。それを繰り返して、徐々に犬の居る部屋からいなくなる時間を伸ばしていきます。

これによって、「姿が見えなくなっても良い子にしていればまた来てくれる」・・と犬はちゃんと理解していきます。そしてこれも、やはり大前提が主従関係になるのは言うまでもありません。

そして、犬のしつけが浸透するまでは、ケージから出す際はリードを付ける癖をつけられると良いです。そうすればトイレへの誘導もしっかりできますし、吠えたりしたら、すぐにリーダーウォークにも移行できます。

それから食事前にしっかり、スワレ・マテ・リーダーウォークをしましょう。たっぷり時間をかけてください。食事前に入念にやることで、主従関係を理解しやすくなります。また食事を中断させることもしてください。スワレ・マテの指示を出し、聞かなければフードのお皿を回収します。

スワレ・マテができたら、再びお皿をケージに入れ、マテがそのままできたら「ヨシ」の指示で食べさせます。これは食べ物で釣っているのではなく、「リーダーに従うから食料が確保できる」・・という群れの法則を教えるのです。

犬が本能で理解しやすいしつけ方法ですので、甘やかさずに徹底してください。

では、今回は以上といたします。

急に強いリーダーウォークや態度を急変させると、犬もパニックになるので、まずは主導型のボール遊びから始めると良いです。遊びを通じて「指示→従う→褒める」の要素を繰り返し混ぜていくことで、少しずつ関係を強化していけば良いです。

犬にも家族にも自分にも、急にハードルを高くすると続けられなくなりますので、まずは簡単にできることから・・遊びを通じて・・そんなところから徐々に強化していきましょう。

またいつでもメールください。では、あせらず頑張って続けてください(^-^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針