犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで7歳になった噛む柴犬を直せるか

Q.ご質問:
はじめまして。
堀川さんのHPを拝見してメールさせていただきました。

7歳(今年で8歳)のオスの柴犬を飼っています。犬は外の小屋で飼っています。
家族構成は両親と私の3人です。他には動物は飼っていません。
ご飯は朝、夕の2食です。散歩はここ1年弱、夕方の1回しか行っていません。

噛む(本気で)、散歩中に他の犬に威嚇・吠える、散歩でリードを強く引っ張る、小屋にいる時物音や散歩中の犬・人に吠える、で困っています。

うちの犬は確か4、5か月くらいの頃、私の手を本気で噛んできました。私が夕ご飯をあげたときでした。よく覚えていないのですが、あげたときに体をなでたか何かして噛まれました。その時は、まだ歯もしっかり生えていたわけではなかったので、血がだらだら出るというほどの痛さ、酷さではありませんでした。

その後も私は3回ほど数年間に一度という形で噛まれました。母も前に何回か噛まれました。父も最近噛まれ、結構深く噛まれたらしく治療中です。

私が噛まれた理由は、食事中に余計なことをしたから・・暑いからと思ってアイスノンのようなものを体にいきなりあててしまって驚いたから・・犬が小屋以外の場所にいた時、鎖が石に引っかかっていてそれを取ってあげようとしたときに、多分驚いたから・・ということが考えられます。

母も食事中、2週間ほど前に父も小屋から別の場所に移動させようとした時に噛まれました。

まだうちの犬が5か月や6カ月の頃、私と母は、犬が食事中に噛まれました。そのことをかかりつけの獣医さんに言いました。獣医さんいわく、生まれて間もない頃一緒に兄弟と食べた時、取り合いになったから噛まれたのではないですかと言っていました。

そして獣医さんの指導してくれたことを実践しました。それは、革の手袋をはめ、手を他の兄弟と一緒に食べているんだよ、と思わせるために餌鉢のすぐ近くで兄弟犬が一緒に食べているように手をパクパクさせる、というようなものでした。しかし、逆効果で手袋の上から噛まれました。

もう1つ実践してみたものがありました。親戚の知り合いで犬の訓練士?をしている方がいてその人が指導してくださったのは、食事中の時、手袋をしてウーとうなったら犬をたたく、殴る、というようなものでした。

これは家族全員、平等に順位をつけさせるために、私も辛かったですが、犬の将来を考えるとやらなければという形でやることになりました。結果はもちろんだめでした。むしろ悪い方向に行ってしまいました。ご飯のたび、取られると思って余計にがっつく、威嚇、こちらのようすをうかがうようになってしまいました。

散歩中に他の犬に威嚇するという事に関しては、小さい時に他の犬と遊ばなさせすぎたということが考えられます。リードを引っ張るのは排せつが済んでしまえば引っ張らなくなります。夕方1回にしてから引っ張るようになったというわけではありません。

小屋にいる時吠えるという事に関しては、昼夜問わずです。昼間はまだ近所の方々も多めに見てくださっているかと思いますが、夜はさすがに...という感じだと思います。夜吠える時は何もいないのにある方向を向いて吠えている時があります。

うちの犬は性格が臆病なんだと思います。それに人間より小さな体で生きて、いつも怖い思いをしていると思います。うちの犬は外で過ごしているので夜は何も見えなくて怖いんだと思います。動物は人間みたいにしゃべれないから行動で示すしかないんだな、と思います。だから噛むという行動になってしまったんだと思います。

そして家族の順位も多分犬が1位になってしまっている気がします。(リードを引っ張るから)。夜吠えるのも、吠えだしたらほとんど止まりません。いつも母がなだめに行き、「大丈夫だよ」「吠えなくていいからね」と声をかけています。

冬はジャンパーを枕元に置き、起こされるたび何枚も着込んでになだめに行っていました。母は夜起こされてなだめに行くのがもうつらい、と言っていました。

父は元から犬が好きじゃなかったのですが、飼い始めてから少しずつ打ち解けていっているように感じられました。しかし、最近噛まれたことによってまた振り出しに戻り、犬のことが嫌、嫌いになってしまっているように見えます。今現在、家族全員、犬のことが怖いです。

母は特に他人を噛んでしまったらどうしよう...などとても心配しています。これからもう10年近く生きるけど私はもう無理だ...と言っています。そして保健所に出したいというような発言をしています。しかし私はこの世に生まれてきてくれた命をそんな簡単に奪いたくありません。人間が命を奪う権利なんかないのに。

私には命を預かったからには飼い主としてしっかりと責任を果たさなければ、と思っています。しゃべれない動物の声にできるだけ耳を傾けてあげて、寄り添ってあげたいんです。これから長い長い道のりになるかもしれないし、強い精神が私や家族に求められると思います。

ですが堀川さんがアドバイスをくださるなら一生懸命がんばっていきたいと思います。母と父の辛さを取り除いてあげたいんです。とにかく堀川さんだけが頼りなんです。

長文、乱文失礼いたしました。よろしくお願いいたします。


A.お答え:
犬のしつけは何歳になっても可能ですし、反対に言えば何歳になっても正しくしつけを続けてあげないといけないのです。社会化に柔軟な時期はだいぶ前に終わりましたが、犬も哺乳類ですから生涯に渡って学び続ける動物です。

知能も高くなっていますし、経験を積み教えを受け、関係作りで必ず変わっていけます。ただし、今までの関係や習慣がありますので、犬の反発もあるでしょうし、時間はかかるかもしれません。

それと今までと同じような環境と接し方を続けて、そこに犬のしつけ手法だけ断片的に上塗りしても絶対に成功しませんので、ご家族全員が素直に過去を反省され、強いお気持ちで続けないといけません。続ければちゃんと結果は比例しますよ(^-^)

では今回いただいた内容で、問題点がいくつかありますのでご指摘いたします。

まず、物理的な環境も関わっています。犬を直接鎖での繋ぎ飼いは止めましょう。犬にとってみたら「外敵は簡単に入ってこれる・・でも自分は逃げられない」という状況が分かっていますので、非常にストレスです。臆病で攻撃的になります。

本格的な高級犬用サークルを買う必要はないです。少し大きめのホームセンターに行って探せば、素材はたくさんあります。園芸用のおしゃれな木の柵でも良いですし、金属製の柵もいっぱい種類があります。

ブロック片と木の棒を組み合わせて支柱にし、そこに4面の囲いになるように、針金で柵を組み合わせていけば良いです。4面が一体になれば倒れません。日曜大工が苦手でも針金で結ぶだけだったらできるはずです。

柵があれば犬も「外敵は侵入できない・・最悪自分は逃げられる」という安心が得られます。柵の中に小屋を入れてあげましょう。夏場は小屋の上にさらに大きめのスダレを付けてあげれば、より小屋の中が快適になります。スダレを小屋の屋根を覆い、柵まで伸ばしてあげれば日陰で風通しが良い場所もできます。

暑いからと言って特別な接し方をしたり、冷たい水や氷を与えたりはしないでください。かえってバテますので、柵に給水ボトルを付けておけばいつでもキレイな水が適量で飲めます。犬は暑さに対応しながら、自分で水分の摂取量を調整しますので、犬の適応力に任せた方が健康的にも良いです。

それからやはり主従関係を見直さなければいけません。とはいっても、威嚇をしたり体罰は厳禁です。それでは関係作りはできません。

犬は体罰や威嚇を理解できません。犬の防衛本能でシンプルに反撃してくるだけです。強い体罰をする人の前では、なんとなく大人しくなりますが、それは関係作りができたわけではなく、嫌悪刺激から回避しているだけですし、攻撃のチャンスを伺い、あるいは別の人間を攻撃するようになります。

そして体罰で怒っても、犬は自分がした間違った行為と受けた体罰を結び付ける知能がないのです。ですので感情的に大声で怒る・・体罰・・威嚇は逆効果で関係を悪化させるだけです。

反対になだめるような教え方も犬は理解できません。それどころか従属的に相手を見るようになります。吠え癖も噛み付きも、何の教えでもシンプルに体現で教えます。体現+音とジェスチャーの関連付けです。

吠えたら「ダメ!」と厳しい視線を送り犬の口を手で閉じます。悪い型が止まり良い型になったので褒めます。褒める時も毅然と「○○良い子!」とハッキリ伝え、肩をポンポンして褒めます。猫なで声でナデナデはいけません。

そして褒める時に「シ~!」という音を関連付けしておくと良いです。関係作りが出来てきて、音の関連付けが浸透してくると、離れていても吠えたら「シ~!」の指示で止めるようになります。

そして何を教えても、叱っても褒めても関係次第でその効果がまったく変わってきます。犬のしつけは手法を上塗りするのではなく、関係作りという基盤の上に成り立ちます。

いつでもどこでも「主導」することです。エサやりでも遊びでもチョットした挨拶でも、何か指示を出し→犬が従う→褒める・・というパターンを徹底することです。

例えば挨拶なら、意味の無い声掛けナデナデ・・ではなく、オテでもスワレでも何でも良いので指示を出し、出来たら褒めて、出来なかったら型で教えて褒める。

ボール遊びでも投げる前にスワレ・マテ・・・。というふうにいつでもどこでも主導です。

ですので、ゴハンを取り上げる練習はとっても大事です。ただし、急に難易度を上げてはいけません。犬も人間の子供も独占欲は強いです。というよりも、「相手に渡してもまた戻ってくる」ということまで思考が回らないのです。つまり知能が低いだけなんですね。

ですので、最初の数日間はスワレ・マテの指示を出しながら一瞬取り上げてすぐ返して「ヨシ」で食べさせる。また途中でスワレ・マテの指示を出しながら一瞬取り上げてすぐ返して「ヨシ」で食べさせる・・というふうに「犬がなんとかできそうかな?」という優しいレベルから少しずつ少しずつ難易度を上げていけば良いです。

急に理想形まで完成させないで、毎日少しずつ・・です。

主従関係を作る手法はいくつかありますが、今回は噛み付きが強いので距離が保てるリーダーウォークが良いです。これは散歩の練習のための手法ではなく、主導性やリーダーとしての態度を示して関係作りをするための儀式なんです。

散歩に出ずとも、敷地内で頻繁にやってください。特にゴハン前に入念にやります。それだけでも変わってくるでしょう(^-^)

怖がると、緊張が脳波や体臭や鼓動で伝播してしまうので、リラックスできるように作業用の皮手袋をしましょう。ちょうど真夏なので、日中は無理しないで朝か夕方以降にしましょう。他にも主従関係の作り方は本書でいくつかご紹介しています。

> 夜は何も見えなくて怖いんだと思います。

↑これは違います。視力は人間の4倍以上で、犬の眼は明暗の調整力が優れているので人間には真っ暗闇でも犬には普通に見えています。

退屈吠え+臆病さから、周囲の人間や動物に自分の存在を示すために吠えています。環境の改善・関係作り・口閉じの教えをしましょう。散歩中に他の犬に吠える時も同じです。

それと散歩中は、前方に人や犬が見えたらすぐにしゃがんで、犬の首輪をガッチリつかんでスワレ・マテの型を作り指示を出し続けます。そのまま静かにすれ違えたら肩をポンポンして褒めます。もし吠えたら口閉じで叱り、シ~の音の関連付けで褒めて教えます。

以上、メールで全てお話するのも限界がありますから、本書をご覧になって学ばれると良いでしょう。

保健所に出せば、7歳ですから里親も見つからずに殺処分になるでしょう。そうなれば一生後悔されます。犬は犬の本能で、シンプルに環境に順応して必死に生きているだけです。犬に問題があるということは、飼い主さん家族や環境の何かに問題があるということです。生まれ持った素性も多少は影響ありますが、ご自分達の間違いに気付き素直に認め、修正できるかになります。

悲観されることは全然ありません。犬は環境に順応しているだけですから、環境が良くなれば犬も良くなります。そして気を抜いて悪い環境になれば、また問題行動を起こします。ただそれだけなんです。

大丈夫ですから、自信を持って結果を求め過ぎずやり続けることです。
頑張ってください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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