犬のしつけがQ&Aで分かる!

噛みつきが激しい凶暴な犬のしつけ

質問内容
はじめまして。購入前に伺いたくてメールしました。
どんなにひどい噛みつき犬でも更生できますか?ちなみに犬種は柴犬の雄で、すでに3歳の成犬です。

(以下、長文ですが・・・)

堀川さんのサイトは以前も見たことがあり、興味を持った事を覚えています。ただ、私自身は犬を飼っておらず、田舎の両親2人が飼いはじめた柴犬の噛み癖があることと、父親の溺愛ぶりが気になりネットで調べていたら・・・という経緯だったので、結局購入にはいたりませんでした。が・・!

久しぶりに帰国した折に姪(6歳)の手に傷跡を発見したのを機に母、兄、甥、近所のおじさんと次々に牙を剥いていたことを知りがっかりしました。

そしてそんな私もとうとう・・去年の6月に「もう少しで牙が(2本)貫通するところだったね」とDr.に言われる程の怪我を負いました。

(実はその頃から父が急病で入院をしていたのですが、闘病の甲斐なく今年、父は亡くなり私は長期滞在しています。父には噛みついたことがないので恐らくリーダーは父なのでしょうが、3カ月の入院後一時退院をした後からは柴犬は父に対してよそよそしくなり、母がリーダーのようなそぶりが多々みられました。)

その母が10日くらい前にまた噛まれました。その場に居合わせなかったのですが、散歩に行こうとリードを繋ごうとしていきなり噛みつかれたようです。かなり深く出血もひどかったのに、母もこの時は自分の傷も後回しで棒でこっぴどく体罰をしてしまったとのことでした。

そして今日、今度はまた私が噛みつかれてしまい、結果4針を縫う大けがになってしまいました(涙)。おすわりと待ては出来るので、いつものようにおやつのジャーキーをあげていたときでした。でも今日のは新しい味のジャーキーでした。

今度も母が棒で体罰を・・・意味がないのは分かっているのですが、こんなにかわいがっているのにとショックと怒りが収まらないのでしょう、私もそれを止めようとはしませんでした。でもその後母は散歩に連れて行きましたが。

幸いほとんどが身内の人間で、近所のおじさんも指を噛まれた程度で済み穏便にしていただいたようですが、これが他人様で惨事にでもなったらと思うとさすがに今日は本気で手放す事を考える程です。

でも私を含め家族はみんな動物が大好きで、飼ったからには最期までと思っているのです、出来れば更生したいと。だけど限界か・・最悪保健所かとも考えましたが、処分という名のどんな悲惨なことをするのかはTVでみて知っていますから・・そして母は父の遺言でもある「犬を頼む」があって・・・。

すみません、購入者でもないのに長々と。

性格・・・かなりの臆病者、寂しがり屋、強気、甘えん坊、短気など・・・
行動・・・障子・玄関のアルミ製のドア棒・玄関マット・自分の犬小屋などなどを破壊・・・

留守番をして家人が帰ってくると異常なまでの泣き声と歓迎(?)ぶり。人間や車はもとより猫といわずカラスといわず、家人以外の動くものには狂気なまでに吠えまくる。
そんな犬ですが、助かりますか?

PS.注意喚起の写真入りポスターは門と玄関に貼っています。


返答内容どこまで理想の状態に直せるか、の確証はありませんが、今回メールを拝見しただけで、お間違いがいくつかありましたので、それを直すだけでもかなり変わってくるはずです。

まず体罰を止めましょう。おそらく最初は甘噛みだったと思いますが、オヤツや接し方の甘やかしがあり犬が関係を誤解し甘噛みを止めない→その中でたまに痛く噛まれ感情的に叩いた→犬が体罰を理解できないので反撃した→さらに体罰→犬がさらに凶暴化→手におえなくなり棒でたたく・・こういう悪循環になったはずです。

>棒で体罰を・・意味がないのは分かっている・・

↑意味がないのではなく、犬をさらに凶暴化させ人間との関係を壊しているのです。絶対に体罰や威嚇を止めてください。

犬の知能では、体罰と自分のした悪い行為を結び付けて反省することができないのです。強い体罰を加えると、犬はそれを受けるのが嫌なので、その時は何となく大人しくして様子を見ますが、反撃の機会を狙っているだけなのです。あるいは、他の人を攻撃することになります。

それと、オヤツは止めましょう。栄養のバランスが崩れていますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなってしまいます。

そして、オヤツで釣って表面上行動させたり、ご機嫌を取ってしまうと、犬との本当の関係がどこまで作れているのかが見えなくなってしまうのです。これが一番怖いことなのです。

それから、柴犬君は鎖の繋ぎ飼いでしょうか。犬は、「敵は侵入してくる・でも自分は逃げられない」という状況を分かっていますので、ストレスが強く攻撃的になります。

金属柵でサークルを作っていただき、鎖などで直接繋がないようにしていただきたいです。

それから、犬に近づく時・世話をする時は作業用の革手袋をしてリラックスできる準備をしてください。噛まれることを恐れながらビクビクしていると、犬は余計に見下したり、人間の緊張・興奮が犬に伝播して犬がさらに興奮します。

しばらくは、リーダーウォークと主導型のコング遊びをされると良いでしょう。散歩も毎日30分以上、リーダーウォークでしっかりやりましょう。

>こんなにかわいがっているのに・・

↑犬にはこれは理解できません。犬は犬の本能の視点でクールに相手を観察し、それに反応してくるだけです。犬にとって従属的に映る接し方をされてきたのでしょう。オヤツをあげている時点で分かります。

今回は間違っていた部分がハッキリしていますので、変えれば、犬も反応して変わります。ただし、犬も3年間好き勝手やってきた習慣がありますし、家族との関係の認識もありますので、一時的な反発はあります。ですがそれを気にしないで淡々とやり続けましょう。

いきなり激変しないで期待し過ぎないで、少しずつ接し方を変えていけば良いです。それにはご家族全員の意識改革が必要です。犬の特性を知り、正しい接し方を知ることから始めてください。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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