犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで愛犬が本気噛みする悩み

m1.png愛犬の噛む、唸るなどの行動で悩んでいます。

犬種:ポメラニアン×トイプードルのミックス犬
年齢:6歳 メス、避妊手術済み
家族構成:大人3人 犬1頭

悩み

子犬の頃から相当の怖がりで、散歩が出来るようになるまで本当に苦労しました。
家族以外の人は苦手です。犬も大の苦手です。
外では本当にビビリです。
尻尾を下げて散歩をします。

しかし、自宅の3メートル範囲内になると一転。
近所の子供さんにほえ、バイクにほえ・・・。

家の中では、非常に無駄吠えが多いです。

一番の悩みは本気噛みをすることです。
ブラッシングや涙拭きなど嫌なことをするのを拒否する際噛む。

までは、百歩譲ってわかるのですが、夜に自分が眠い時、体に触れたりすると唸って飛び掛って噛みます。
日中の9割は従順なのですが夜は悪魔顔になってしまいます・・・。

今まで様々なシツケ方法を試してきたつもりです。褒めてみたり、天罰だったり、無視だったり・・・ただ、上手くいかず悪化しているように思うのです。

甘やかしてこうなってしまったと思っており、本気で直したいと思っています。

こんな状態です。


m2.png今回は、そうとう根気が要りそうですね(^-^)

生まれ持った素性、幼少期の社会化、今までの接し方、全て複合的に影響しています。6歳まで好きにやってきましたから当然簡単には変わりませんが、犬も哺乳類ですから、生涯学び続け、成長し環境に適応していきます。必ず変化はあります。

ただし、大前提は皆さんの意識改革にあります。悪化してきているということは、何かが間違っていたということです。手法を変えても変わらないのであれば、根本的な接し方や態度そのものを見直さなければいけません。

私の本書にもいくつか手法がありますが、根本的な態度や接し方を変えないで、犬のしつけ手法だけ断片的に上塗りしても、犬のしつけは絶対に成功しません。

今回は他人や犬に慣れる社会化を段階的にやっていく必要がありますが、まずその前に、ご家族との関係作りをやり直さなければいけません。

何を教えるにしても叱るにしても褒めるにしても、犬から認められるような関係ができていないと、犬は聞く耳すら持ちません。反対に関係作りができていれば、犬は嬉しくてドンドン覚えて言う事を聞こうとします。

今までどんな接し方をされてきたでしょうか。意味なくジロジロ見つめ、声掛けナデナデ、オヤツに抱っこ・・これらは犬の本能の視点からは従属的に映ります。あるいは感情的に怒って体罰や威嚇・・そういうこともなかったでしょうか。

今回は噛み癖が強いので、あお向けやスチールホールドなどの、接触系の手法はしばらく使わないほうが良いです。

しばらくは目も合わせないリーダーウォークを淡々とやることと、主導型のヒモ付ボール遊びから入ると良いでしょう。毎日毎日淡々と続け、犬の態度が軟化してきたら、遊びの流れの中で一瞬ひっくり返してみる・・という所から始めると良いです。(今は本書を読まれていないので何のことか分からないかもしれません)。

特にゴハンの準備をしてから、食べさせる前にしっかりリーダーウォークをすることです。食べ物で釣るのではなく、食事をしっかり管理することで主従関係が明確に伝わりやすいです。

かまい過ぎはいけないのですが、無視だけでは関係作りはできません。大いに接して良いのですが、とにかくいつでもどこでも主導することです。ちょっとした挨拶でも、ただ単に声掛けナデナデは止めて、オテでもスワレでも何でも良いので「指示→従う→褒める」という要素を意識してください。

ボール遊びなら、投げる前に必ずスワレ・マテをさせる。できなかったら型を作って教えてあげる。そして褒めてボールを投げる。

ゴハンでもスワレ・マテをさせる。出来たら食べさせる。途中で中断させ、またスワレ・マテができたら食べさせる・・

という感じで、いつでもどこでも必ず何か指示を出してさせることです。出来たら褒めてください。できなければ型を作ってあげて褒めれば良いです。

まずは普段の何気ない接し方から注意し、リーダーウォークを徹底します。家の中でちょっとでも時間を見つけたら5分でも10分でもします。また時間が開いたら5分・10分・・・

それを毎日続けていき、変化が出てきたらあお向けにもチャレンジしましょう。ボール遊びもしてください。

それから社会化です。簡単に言えば慣れです。慣れることができる環境作りをたくさんしてあげることです。そこで教え込みます。

今回は急に犬や他人に会わせても興奮がひどくなるだけですので、徐々に慣れさせます。まず家の中です。外を歩く人や犬が見える家の中の場所を確保します。そこでスワレ・マテをさせ、ご自分も一緒にしゃがんであげて首輪をガッチリつかみます。

人が通る間、「シ~!」と伝え、静かにスワレをしてマテたら肩をポンポンして褒めます。ナデナデ猫なで声は従属的になるのでいけません。毅然と「〇〇良い子!」と伝えポンポンする。それ以上おおげさに褒めてはいけません。

もし吠えたら「ダメ!」としっかり伝え、犬の口を手で閉じます。これで悪い型は止まって良い型ができたので、褒めて解放します。解放してまた吠えたら再度同じことをします。

そうやってまずは、家の中から始めます。家の中で外の人や犬に穏やかになったら、今度は玄関先(外)で同じことをしていきます。毎日毎日慣れさせます。慣れれば怖くないことを覚えていきます。吠えてはいけないことを教えていきます。静かに出来たら褒められることを覚えさせていきます。

玄関先でも静かに出来るようになったら、最後は敷地を出た散歩で同じことをします。

そうやって何日も何日もかけて徐々に慣れさせていき、同時にその場で教え込みます。結果はそれをやった数に比例しますし、冒頭でお話した関係作りの結果によっても吸収力が全然違ってきます。

噛み付きが怖いようなら、手袋をしてリラックスしてください。恐怖心があると体臭の変化や鼓動や脳波で伝わって、犬の緊張興奮が増長されてしまうのです。

またケージから出す際は、リードを付ける癖にしましょう。噛み付きや暴れも制御できますし、すぐに現行犯でリーダーウォークに移行できるからです。

もう犬のしつけ手法を探すのは終わりにされたほうが良いです。犬のしつけ教室も意味はありません。(社会化のメリットはあります)。

手法そのものはあまり意味がないことです。犬は手法を見ているわけではなく、みなさんの接し方や態度や、しぐさを敏感に感じ取っています。

だからリーダーとしての威厳を示してください。「自分が犬を主導するんだ」、という強いご意志を持ち続ければ、必ず犬に伝わっていきます。自然と表現に出るので犬はちゃんと感じ取っていきます。

ただし、犬も6年好きにやってきましたから、すぐ結果は出ませんし、犬は自分の優位性が無くなっていくので面白くなく反発することもあります。しかし、結果が出るまで淡々とやり続けることです。今回はもうそうしましょう。

犬のしつけは根競べです。犬が「この人の前ではワガママは通用しない」と理解し、根負けするかどうかです。人間社会の「平等」という概念は、犬の知能では理解できないのです。

自分が従うべきか、相手が従うべきか・・犬はそれしか判断できないのです。

その他、クレート型ハウスとケージなど犬が安心できる環境もあるでしょうか。

では、頑張ってください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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