犬のしつけがQ&Aで分かる!

病気の看病でかまい過ぎてから噛むようになった犬のしつけ

質問内容
【本気噛みについて】
我が家の犬は、2年前にヘルニアを患い手術をしました。現在は少し足を引きずりながらあるいたり、よく躓いたりしますが、尻尾も触れるようになり、排泄も自力でできるようになり、日常生活に支障はなくなりました。

ヘルニアの前は申し訳ないほど仕事で家を空けることが多く一緒にいてあげたり、散歩にいく時間がほとんど取れませんでした。しかしながら、ちゃんという事を聞く子でした。マテもでき、おしっこうんちもシートの上でしていました。人が来たら吠えていたり、構って欲しい時、ごはんが欲しい時はクンクンないてはいましたが...。

それが、ヘルニアになってからの介護を至れり尽くせりでしてあげていたせいか、気に食わない事があると、唸る、威嚇する、本気で噛む事が出てきまし た。主人も母も噛まれ、私も昨日初めてガブっと行かれました。それが本気で噛んでくるので完治するのにみな1カ月はかかりそうなくらいの傷になるほどです。

普段はかなり甘えん坊ではありますが、服従のポーズも自らしてきます。いつもいつもこの行動をするのではなく、怒るポイントは決まっているように思います。

①眠たい時などにトイレをさせようとサークルから出すために抱っこしようとした際に噛む。
②じゃれているときに嫌なところを何度も触られると噛む。
③食べ物を目の前にして取られると認識した時に噛む(人間側は取る気は一切なく、たとえば、エサ入れが何かに引っかかっているのを直そうと触ろうとするのです)
④おもちゃなど自分の物だと思ったらそれを取られると感じた時に噛む。
⑤おしっこを決まった場所でしなかった時(自分が寝るスペースでした時)にそのシートを片付けようとすると噛む(これは失敗した時に怒ったことがあるのでそれがトラウマだと思います )

威嚇して牙をだし唸られた時は、いったんその行為を辞めしばらく無視するのですが、前期のケースはいきなり怒ってすごい勢いで噛んでくるためこちら側もびくびくしながらになってしまいます。通常は服従のポーズを見せたりするのにこんな時は怒るというのは、やはり自分を上だと感じているからでしょうか。

それから、噛まれた場合はどのように対処すればいいでしょうか。どうしてもビックリしてしまうため、「痛い、痛い」と大きな声で言ってしまいます。主人はイラッときて、叩こうとします。するとさらに威嚇して攻撃してこようとします。それを抑えて仰向けにするにはかなりの傷を負うことになるかと思うのです・・・。

それでも噛むことは「いけない」と教えたいのですが、それもリーダ ーウォークをすることで解決しますでしょうか。
 
・愛犬の犬種:Mダックス・年齢:6歳6か月・性別:♂(飼い始めてからの年月日数:6年4か月)

・ご家族全員の年齢層:夫婦2人(主人:30代・私:20代)
・また、昨年末までは私と私の母と暮らしておりました。
一日の愛犬との同居時間:専業主婦ですので1日中。(昨年末までは私も仕事をしておりました。その時は帰りも大変遅かったため、休みの日以外は3時間程度(睡眠時間除く)しか一緒におりませんでした)

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
→特にタイミングはなく、私の時間のある時にブラッシングをしたり、たくさん触ったり(仰向けになるので20分程度撫でたりしてました)してました。専業主婦になってからは、堀川様の書いてある悪い例のすべてをしてしまってました。(膝の上で撫でる、何もないのに声をかけるなど)

②過去はどういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
→散歩で広い公園に行った際(月に1回あるかないか)に一緒にたくさん走り、木陰に隠れたりしてかくれんぼのようなものをしておりました。物を与えて遊ぶと(ボールやこんぐなど)一度加えるとそれを離さなくなり、「頂戴」とか「離して」などというと唸って威嚇してきます。いったん飽きて話しても自分のそばにおいており、それを片付けようとすると噛んできますのでおもちゃなどの遊びは断念してしまいました。
 
③過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
→トイレをしつけていた時は成功した際に褒めていましたが覚えて以降、撫でることはあってもほめる事はしていなかったです。躾に関してもどちらかというと失敗すると怒って覚えさせていました。吠えたり、ごはんの際にかなり暴れたりなどする際は叩くふりをして叱ってました。

④過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
→してました。

⑤過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
→15分~30分。ルートは私が決めてましたが、基本的に私の先を犬が歩いたり、犬が好きなところで止まって匂いを嗅ぎ始めたら私も止まって待ってました。

⑥過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
→特に決まったタイムスケジュールはありません。朝起きて、ごはんを食べさせ、家にいる時は数時間おきにベランダや庭に出してました(そこでおしっこしたり)

・愛犬のハウス周りの構成、環境など
現在は再度トイレを覚えさせたくて、サークルの中にワイドサイズのおしっこトレイを置いてます。サークル入口から少しスペースを伸ばし、そこに寝ています。ヘルニア以降排泄をどこでもしてしまうこともあり、散歩のとき以外はずっとサークルの中にいます。これまでは1部屋彼の部屋があり(それでもサークルの中ですが、1部屋に彼のサークルだけある状態)ましたが、4月にまた転勤で引っ越してきてからは6畳の居間にサークルをおいてます。
 
生後2か月でペットショップで買ったのですが、2年くらいは私の仕事も8時に家をでて、19時には帰宅、休みも週休2日でしたので散歩など定期的にできておりました。しかし、その後職を変えてから、休みも返上して働いたり、朝から出て帰ってくるのは22時頃という生活が数年続いていたこともあり、庭を少し走らせるくらいで散歩という散歩もスキンシップも図ってあげなかった事が多かったのです。

そうしているうちに2年前にヘルニアになり、しばらくかなり不自由な生活でした。思うように動けない事などもあり、犬もかなりいらついていたのがわかった事、これまでちゃんとかまってあげなかった思いもあり、ヘルニア以降、彼のわがままをかなり聞いてあげてしまっていたように思います 。

ヘルニア以降、気に食わないときに本気で噛むという行為がひどくなりましたので...。とても身勝手な話ではあるのですが、実家で一緒に暮らしていた母も急に動物アレルギーになり、犬・猫と一緒に過ごすとぜんそくが出始め、結婚後、私が連れていかなくてはいけなくなりました。

もともと私が9割世話をしていたのですが)結婚後しばらく別居をしていたのですがいつまでも別というわけにはいかず、引っ越ししてきたのですが、主人の会社は基本マイホームや実家でない限り社宅に入ることが義務付けられているとのことで、今回のみ特別に自分たちで物件を用意しました。

が、来年4月からはそうもいかなくなったため、父に見てもらうことになっているのです。でも、このままでは大変危険(噛むことは 少ないですが、嫌いな事などを理解していないと危険だと思うのです。

こうなったのは完全に私に責任(甘やかしも叩いていたことも)があると思ってますので、今度こそしっかりと向き合おうと思っています。

長々と申し訳ありません。私ではよくわからない部分があり不安でしたので何かアドバイスがありましたら教えていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。


返答内容これから1年のことも大事ですが、その後のお父様との関係も心配です。犬のしつけは「完成して終わり・・」ということは絶対にありません。同じ飼い主さんでも接し方が変わると、今回のように問題が出てきますが、飼い主さんや暮らす環境が変わることはもっと大変です。

犬は新しい環境で自分の立場を確立しようとしますし、慣れない状況でストレスも大きいですので、特にお父様と暮らすことについて十分な準備が必要です。

○○様がある程度しつけに成果が出てきたら、今度は定期的にお父様も参加して一緒に学ばないといけません。特にお父様に対しての最初の印象が大事です。最初にチヤホヤすると、それがもう犬の中で基準値になってしまいますので、毅然と淡々と接するようにしましょう。

さて、では今回のお話ですが、あまり心配はされなくて良いです。過去には上手く関係が保てていたわけですので、その時の接し方に戻せば良いのです。

ただし、犬はチヤホヤしてもらったり自分の優位性を認識してその感覚を学習してしまったので、なかなかその状況を簡単には捨てません。反発も当然あります。

でもそれもまた自然なことですので、感情的にならずに理解してあげて、少しずつ少しずつ変えていけば良いのです。激変しない事です。

手法そのものを、「アレもしよう・・コレもしよう・・」とお考えにならず、接し方の間違いに気付かれたわけですので、それで良いんです。意識が変わると態度しぐさ接し方全体が自然と変わっていきますので、それで良いんです。

特に今回は、ヘルニア手術明けということなので余計に無理してはいけません。手法の展開よりも何気ない接し方から少しずつ変えていきましょう。そこからで良いです。

噛み癖については、まずリラックスできる準備をしましょう。噛まれることにビクビクしていると、犬は相手を余計に見下したり、興奮があおられたり、面白がったりしてエスカレートする場合があります。

犬と接触したり世話をする時は、しばらくは作業用の革手袋をしましょう。ホームセンターに行くと500円くらいで買えます。厚手の腕カバーも一緒に買うと良いです。(夏でなければ厚手の古着でも良いです)。

そして、その装備をしたら、わざと犬に手を見せて練習しましょう。

まずは、ケージ内など犬が一番落ち着ける場所で始めましょう。噛み癖のある犬は、手が上から近づいてくるのを嫌がりますので、犬の目線よりも低い位置から近づけ、犬の口の前に指を見せます。

もし噛まなければ、肩の付近を軽くポンポンしながら褒めてください。慣れてきたら、ケージから出したり遊びやゴハン時など色んな場面で練習しましょう。

今は噛むと思いますので、噛んだ瞬間「シ!」と強い音を出しながら噛まれた指を更に犬の口に押し込んでください。犬は嫌がってのけ反り噛んだ指を放しますので、そこで「シ~、良い子」で褒めてください。ココではポンポンしないで声だけで良いです。

そうしたらまたすぐ指を見せてください。また噛んだら再度「シ!」と強い音を・・・ひたすらこれを繰り返します。繰り返していくと、指を見せても噛まなくなる瞬間がきますので、そこでポンポンしながら「シ~、良い子」で褒めてください。

何度も何度も毎日毎日反復練習してください。

リーダーウォークや仰向けはしばらく止めましょう。獣医さんが散歩の許可を出しているのなら、少しずつ展開しても良いですが、絶対に無理しないでください。

例えばリーダーウォークも、物理的な強い切り返しが効果があるのではなく、毅然さと主導性をどれだけ示せて犬がそれを感じるか・・が重要なのです。ですので、態度がシッカリしていれば、歩いて止まる・・また歩いて止まる・・止まったら反対をジッと見て無視・・それだけでも良いんです。

物理的な動きや形のキレイさよりも主導性と毅然さをしっかり示しましょう。また、許可が出ているならば主導型のコング遊びも取り入れてください。

そして体罰は絶対に止めてください。叩くことも、素振りで威嚇することもいけません。犬は自分のやったことを罰と結びつけて反省する知能はないのです。シンプルに防衛本能で反応するだけです。

強い体罰を加えると、防衛のためにその場は何となく大人しくなりますが、反省したわけではなく、相手の攻撃を回避することと反撃のチャンスを待っているだけなのです。

まずは何気ない接し方しぐさ態度の見直しからで十分です。次は噛まれても平気な準備をして集中的に練習すること、獣医さんの許可が出たら、軽いリーダーウォーク、あお向け、主導型のコング遊びも少しずつ展開していきましょう・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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