犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬の甘噛みはどの時点で止めるようにしつけたらいいか

質問内容
はじめてご連絡させていただきます。今回犬のしつけに関する基本的な知識がないため、書籍を購入させていただき大変勉強になりました。

自分の行動が間違っていた点や、正解だった点など、とても興味深く拝読させていただきました。心から感謝いたします。

早速ですが、ご相談させていただきたく下記に記入いたします。

問題内容:遊んでいる時に甘噛みから、本気噛み?に変わることがあるのですが、どの時点で止めるようにしつけたらいいかで悩んでおります。甘噛み時点で止めるよう指示するのが正しいのでしょうか。

犬種:フレンチブルドック、3ケ月、家に来て約2週間。

家族構成:私・妻30代、小学生の子ども二人。

同居時間:日中のAM7:30~PM6:00は不在となり、それ以外は寝る時間も含めて一緒の部屋で過ごしています。一緒には寝ていませんが。

過去の接し方と、一日の流れ:

①ゴールデンウィークに家に連れてきたため、その期間はほぼ一日一緒に過ごしていて、ボール遊びをしたり、抱っこしたり、体を拭いたり、トイレの場所をおしえたり、噛んだら抱き上げて「ダメ」と叱ったり。していました。

②お座りやマテをおしたら、おやつを上げてしつけていました。褒めるときは頭や、体をゴシゴシなでて名前を呼びながらおりこうと伝えていました。叱り方は、名前を読んでからダメと叱ることもありました。噛んだときは抱き上げてダメといってからケージにいれたりしてました。

③おやつ・抱っこ・ナデナデはしていました。

④まだ散歩はしていません。家の庭で5分ほど歩かせる程度です。

⑤5時~6時起床、6:30~7:30食事、7:30~18:00留守番、18:30~19:30食事、21~22 就寝

⑥画像を添付いたします。

以上、長くなってしまいましたが、アドバイスいただければ幸いです。


返答内容
まず今回は、あせって結果を出そうとされないことです。

この月齢の子犬というのは、知能も経験も何もない小さな猛獣状態です。

どんなに丁寧に教えても、理解力がないので結果は出ませんし、厳しくやりすぎると防衛本能が刺激されるだけになってしまいます。

かといって、チヤホヤ甘やかしの接し方ですと、犬の本能で主従関係を誤認してしまいます。

今は、甘やかしとチヤホヤ・従属的な接し方だけ気をつけて、遊びを通して主従関係を自然な形で示してあげることです。そしてその遊びの中で、スワレ・マテ・コイなどの基本を教えていきましょう。また、排泄時に音の関連付けをしておきましょう。

今はそんな程度で十分です。


さて、甘噛みですが、結果は一切期待はしてはいけないのですが、やっぱり一貫して教え続けなければいけません。

甘噛みを受け入れたり、叱らない時があるなどの矛盾は作らないことです。犬が噛もうとして歯を当てた瞬間、もうそれは教えるべき対象になります。甘噛みで痛くないからと言って、例外は作ってはいけません。

教える方法はたくさんありますので、併用してやってみて、効果が一番良さそうなものを続けてください。一番分かりやすいのは、犬が噛んだその瞬間にその行為をさせながら叱れる方法です。

これは、犬に噛まれた手をそのまま犬の口の中にグッと押し込みながら、注意音を出して叱ることです。

わざと手を見せて、何度も何度も反復練習で教えることです。

噛まれて痛かったり、ビクビクしてしまうようでしたら、ホームセンターで作業用の革手袋を買ってください。500円くらいですし、冬場のお散歩時にも重宝して良いです。


次ですが、もう3か月になりましたので(数日かけて慣れさせたら)、もう首輪は着けっぱなしで良いですし、リードも付けても大丈夫です。

犬をケージから出して団らんしたり遊んだりするときは、犬にリードを付けて持っておくようにすると良いです。(呼び戻しや関係作りができるまでで結構です。)

そうやって過ごすことで、犬の行動全体を自然と主導する形になりますので、関係作りにも良いですし、暴走やトイレの失敗・誤飲事故も防げます。お散歩デビューの練習にもなります。

そして、噛んだ時にリードをチョンと引き上げながら「シ!」で注意することができます。4か月すぎたら、噛まれた時すぐにリーダーウォークに移行することもできます。

仰向けも有効です。


>噛んだら抱き上げて「ダメ」と・・

↑ですので、これは犬に分かりにくいので止めた方が良いです。そして「抱き上げられる=叱られる=ケージに入れられる」が結びついてしまうので良くありません。


【その他】

オヤツは止めましょう。栄養バランスも崩れますし、好き嫌いを覚えてドッグフードを食べなくなる犬もいますし、表面的に釣って行動させていると、犬との関係が見えなくなってしまいます。これが一番怖いことなのです。

良い型を作ってあげて、そこに指示音ジェスチャーでポンポンして褒めてあげれば、犬はちゃんと覚えます。

覚えないのは、まだ幼すぎるか、興奮が激しすぎる場面か、主従関係が逆転しているか、教える数が足りないか・・・になります。


>褒めるときは頭や、体をゴシゴシなでて名前を呼びながらおりこう・・

↑大げさ・猫なで声でナデナデは、犬の本能には従属的に映ることが多いです。興奮をあおってしまう弊害もあります。

褒める時もリーダーらしく、静かに堂々と褒めてください。指示音ジェスチャーの関連付けもセットです。


>叱り方は、名前を読んでからダメと叱ることも・・

↑褒める時は名前も言って良いのですが、犬を叱る時は絶対に名前を呼んではいけません。また、根本的に犬は「叱られる」ということ自体がよく理解できません。人間の幼子もそうですね。

ですので、噛みつきや吠えなど直接的に教えられることはまだ良いのですが、特にトイレなどは叱ってもまったく理解できず逆効果になりますので、「叱る」という概念はあまり持たない方が良いです。あくまで「主従関係を示す」「毅然さと主導性を示す」という意識のほうが大切です。


では今日は以上ですが、内容はQ&Aサイトのおさらいになっています。同じような事例は山ほど載せてありますので、必ず全体的に熟読されてください。

これからどんどん難しくなっていく時期が続きますので、さらに理解と意識を深めていってください・・・


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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