犬のしつけがQ&Aで分かる!

動物病院のトリミング帰りから凶暴・過敏・怖がりになった犬のしつけ

質問内容
大変お世話になっております。

しつけの相談内容:

先日、動物病院でシャンプーと美容をお願いしましたが、家に帰ってきてから犬が動くのを嫌がり、「オスワリ」の状態から一歩も動こうとしません。

体のどこかが具合が悪いのかと調べたところ(調べる時に尻尾の周辺をさわられるのを嫌がった)、肛門周辺、特に肛門付近の尻尾の先端と裏側の毛が完全にそり落とされていてそこが「痛い」のか、「かゆい」のかはわかりませんがそれが原因らしく、さかんになめまくります。

・あまりひどくなめるので、とりあえず家に有った犬用の皮膚用塗り薬を塗って(このときもかなり嫌がった)なめないように首にカラーをつけました。

その後、様子をみていると今度は後ろ足を噛んだり、なめたりしています。

その日の夜は、ずっとそばで付き添っていましたが、相変わらず動こうとせず、たまに足を噛んでいました。

・翌日、娘達が来た時は、玄関まで迎えに出ましたが、その後部屋に入るとはやはり動くのを拒否し、命令は無視します。

本日はスナックを使って、少しずつ移動させ、呼び寄せる所までは出来ましたが、再度薬を塗る時激しく怒り、うなり、吠えてその後はまた全ての動きを拒否しています。

・食事の時はカラーを外しますが、朝、晩ともに通常と同じように食べました。

しかし、相変わらず動くことを拒否し、リードを付けてウオーキングしようとしても出来ません。動きません。

ゴング遊びも出来ません。全く関心を示しません。

好きなスナックも一部口元に持っていったときだけ食べます。離れたところで与えても取りに来ません。

・大小便は、朝晩それぞれ1回、いつものトイレに呼び寄せて辛抱強く声掛けしてやっとすませます。

この時もくるくる回って尻尾をなめ、その後にやっと小便をし、さらに声かけで便をします。

便の状態は、少し黒みを帯びていますが硬さや匂いは平常とおりで、尿は量が多いですが色やにおいは平常とおりでした。

・このような状態で2日たちましたが、状態があまり改善しません。

これからどのようにしたらよいのかほとほと困り果ててしまいました。

特に健康状態(運動不足など)、精神状態(特に信頼関係)をどのように維持してやればよいのかわかりません。

・動物病院へ連れて行って見てもらう必要がありますか?

いつもの躾とは異なる内容ですが、どうぞご指導のほど宜しくお願いいたします。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

今回は、無理にアレコレせず、安静にそっとしてあげてください。

とても強い興奮ストレスと防衛本能が刺激され、それがしばらく残りますので、1週間から10日間くらいは過敏な状態が続くはずです。

その状態で無理しても、あおってひどくなってしまいます。

犬が寄ってきた時だけ遊んであげて、あとは何もさせなくて良いです。

少し変化が見れたら、お散歩に誘ってみて、まだそこではリードを強く引いたりせず、ゆっくり歩いてください。歩くのを拒否したら中止します。

まずは、あせらないで無理しないで、犬が過敏な状態から抜けるのを待ってあげてください。


さて、過敏になった原因ですが、トリミングや医療行為は、犬にとってはやっぱりストレスです。

犬にとっては、自分の毛繕いや医療行為の必要性・意味などまったく理解できません。

「なんでこんな所に連れてこられて、飼い主さんと別れて不安で、信頼できない人にベタベタ触られたり、変な機械(バリカンやハサミや注射やメス)で痛い思いをさせられなければいけないのか」

が理解できないのです。

ですので、動物病院帰りやトリミング帰りから凶暴・過敏・怖がりになってしまう犬は多いです。

特に、犬のそういった反応を考慮して接してくれない人もいます。

理解のある獣医さんなどは、診察・施術前にオヤツを食べさせたり軽く遊んでくれる人もいます。

ですが、雇われで忙しいトリマーさんなどは、犬の扱いが雑でトリミングの腕も悪く、犬がジッとしていないと体罰を加える人までいます。

そういう人に関わってしまうと、どんなに良い犬でも防衛本能にスイッチが入ってしまったり、興奮があおられてしまいます。


もちろん、お忙しい等々あるかと思いますが、そのような背景もあることから、私はトリミングなどで人にあずけたりすることはありません。医療行為以外は、全部自分で行います。歯石取りも自分でします。


>動物病院へ連れて行って見てもらう必要がありますか? ・・

↑今回はよけいにあおってしまいますので、行かないほうが良いです。


>健康状態(運動不足など)、精神状態(特に信頼関係)をどのように維持・・

↑おさらいになりますが、まずそっとしてあげて、室内やお庭で自由運動させ、犬が寄って来たら相手をしてあげるくらいにします。

落ち着いてきたら、軽く触ってみてください。

嫌がらなくなってきたら、リードを着けて一緒にゆっくり歩いてみます。

歩けるようになったら、お散歩を再開します。

リーダーウォークも、強い切り返しなどではなく、止まる→歩く→止まる・・・くらいの軽い主導から始めて、慣れを見ながら徐々にレベルを上げていきましょう。

ということで、今まで行っていたトリミング店はもう止めて、動物病院に行く機会がある時は診察前に事情を話して、獣医さんにも対応していただきましょう。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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