犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで噛む・吠える・散歩中の拾い食い

質問内容
愛犬に正しいしつけをし、互いに幸せに暮らしていきたいと本気で思い、今回、犬のしつけ本(ダウンロード版)を購入いたしました。

吠える、噛む、拾い食いなど、しつけが必要と思ってしつけ教室にも通っていますが、教室に通っていても、最終的に家庭での日々のしつけ(対応)が一番大事だと改めて感じています。お伝えしたい思いはたくさんありますが、堀川さんのHPを拝見してその方法を試してみたくなりました。

下記に、私の基本情報を記載いたしましたが、不足していることがありましたらおっしゃってください。今、一番困っていることは問題点に記したことです。

しつけマニュアルを読み、あせらず、ひとつずつ実践していきます。先住犬もいるので、そのことで悪い環境を作ってしまっていることもあるかもしれませんが、また改めて、相談させていただきたいと思います。メールでのサポートは大変心強いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

■問題点
・吠える(家族以外の人、外の物音や人の声・人の気配、外に出た時はすれ違う人や犬に唸る・吠える)
・噛む(甘噛み、自分に注意を引き付けたい時)
・散歩中の拾い食い(いつも下ばかり見て、食べられる物を探している)

■犬種: チワワ1歳、♂
生後4か月の終わり頃にペットショップより購入しました。飼い始めて7ヶ月が過ぎたところです。

■家族構成:私(40代)、娘(20代)、先住犬(雑種、♀、13歳)
私と娘は仕事を持っていますので、1日の同居時間は15時間~17時間くらいでした。5月末に娘が退職し、現在は求職中なので、6月に入ってから娘は家にいることが多いです。

■過去の接し方、一日の流れ

1.スキンシップ、遊びのタイミング
自分たちの手が空いた時はいつでも。可愛くてたまらず、テレビを観ている時も膝の上に乗せていました。おもちゃで遊んであげたりもしてましたが、犬の要求に答えることがありました。「遊び」は、犬用のおもちゃやぬいぐるみ、タオルなどでひっぱりっこ。ボールを投げると追いかけて行き、くわえて戻ってくるのでその繰り返し。

一人遊びもしていて、音のなるおもちゃを噛んでならしたりしています。噛むのと舐めるのが好き?なのか何でも噛んで舐めています。自分の前足は、家に来た時から良く舐めていました。

■しつけ・褒め方・叱り方
しつけは、4月(生後10ヶ月目)から、近くのしつけ教室でレッスンを受けています。あと1回で、終了です。(合計9回のレッスン)
レッスンの内容 : おすわり、ふせ、待て、アイコンタクト、リーダーウォーク、アイキャッチで呼び戻しや色々な物、刺激にどう対応したら良いかなど、おやつを使用してのレッスンです。

トレーナーの方は、犬がリーダーだと認めてくれれば、おやつがなくても出来るはずと言われていました。習ったことは家で実践しています。

タイミングは、集中して10分から15分くらいと、ご飯の前におすわり、待てなど生活の中で必要なところでは可能なかぎりやっています。おやつは少しずつ減らし、コマンドだけで出来ることを目指しています。
 
褒め方は、出来たら「いい子」と声をかけるよう教わりました。叱らなくてもいいとのことで、叱り方はレッスンには入っていません。

■オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなど
しつけ教室に通い始めてからは、おやつは指示を出して出来たらあげる。抱っこ、ナデナデ、声かけは家事などの合間や自分がくつろいでいる時。

■散歩
散歩に行く日や時間は特に決めてないです。今は、散歩というより、部屋でリーダーウォークの練習です。気分転換もかねて時には外で練習しています。(...未だ完璧とは言えません)

■一日のタイムスケジュール
午前7時半 : ハウス(クレート)から出してトイレ。  ※基本トイレは家のペットシーツで
午前8時半 : 朝ごはんをあげる。
午前9時 : ハウス(クレート) ※私と娘は仕事に出かける。
午後1時半~午後2時くらい : トイレ、水飲み。 ※娘が昼食をとりに家に戻る。
午後2時 : ハウス(クレート)
午後6時~ : ハウスから出てしつけの集中レッスン、一人遊び。 ※遊んであげることもある。
午後7時半~8時くらい : 夜ご飯をあげる。
午前12時まで : 家事や入浴中はハウス(クレート)で過ごしそれ以外は部屋で自由に。 ※遊んであげることもある。
午前12時 : ハウス(クレート)で就寝
 
■ハウス周りの構成、環境
・リビングにハウスを置いている。
・トイレはハウスから離れた場所に置いている。
最初はケージにベッドとトイレを置いていましたが、しつけ教室で無駄吠え防止にクレートをすすめられてからはケージを取り払い、クレートをハウスとして置いています。

マンションの2階に住んでおり、近くに小、中学校、大学などがあり人通りが多いためハウスに入れている時、時間帯によって場所を移動させています。また、最近は気温が高い日もあるので、風通しの良い場所に置いておく時もあります。

以上です。よろしくお願いいたします。


返答内容まず、お二人の意識改革から始めましょう。手法や対処法そのものは、本当は重要ではないのです。

ジロジロ見つめ、意味の無い声掛けナデナデ抱っこにオヤツ・・。もうこの時点で、精神的に犬に負けてしまっているのです。

その状況で、手法のみを上塗りしても犬のしつけは絶対に成功しません。犬は感覚で見ぬいています。表面的にリーダーウォークをしても、オヤツで釣っても何も犬に伝わらないのです。

例えば私のリーダーウォークは、歩かないこともリーダーウォークです。数歩進んで止まって無視・・また数歩進んで止まって無視・・・・というのも立派なリーダーウォークです。

毅然さと主導性をいかに犬に見せられるか・・犬が認めるか・・なんです。それを意識して毎日続けてみましょう。

ただし、激変はいけません。少しずつ優しいレベルから展開していけば良いです。

環境ですが、犬の居場所は固定してください。陽が当たらない涼しい場所で固定して下さい。1階の玄関先で飼っているわけではないので、どうしても聞こえてくる外の音はもうキリがないので気にしないで良いです。(吠えは最後に教え方をお話いたします)

せっかくケージをお持ちですので使いましょう。

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↑これは我が家の例ですが、クレートに入れっぱなしはいけません。今はたまたまお嬢さんが休職中で家にいるので良いですが、いずれお仕事が見つかれば日中犬に留守番させることになります。

そこでクレートから出られずトイレ出来ないのは酷です。ケージが大きめなら、クレート・トイレを入れて水ボトルも設置してください。

クレートが入らないようでしたら、我が家の例のように、ケージの柵の1面を外してそこにクレートの出入り口をヒモや針金で結んで合体させれば良いです。

ケージ内に遊び場は要りませんが、トイレにはいつでも行けて水も飲める環境は作ってあげてください。そして、場所は移動しないことです。

叱らない・・ということは基本的には良いのですが、注意を促し良い事・悪い事をハッキリ教えることは必要です。そうしないと犬は何も分かりません。

叱って終わり・・や、怒ることで解決しようとするのが間違っているのです。

例えば噛み付きであれば、「ダメ」で注意を促すと同時に口を手で閉じで、「シ!」の指示音でポンポン褒めて関連付けをします。

また、噛まれた手を更に犬の口に押し込んで、犬が嫌がってのけ反ったところを褒めるのも良いです。

他には、リードを付けておき、噛んだら「シ!」の指示音でリードをチョンと引き注意を促し、手を見せても噛まなくなったら褒める・・ということでも良いです。

何が良くて何が悪いのか・・シンプルに体現してあげて、何度も何度も再現してあげないと、犬の知能ではなかなか理解できないのです。

犬にわざと手を見せて練習し、何度も何度も教えてあげてください。噛まれるのを怖がってビクビクしていると、犬が面白がったり見下したりすることもありますし、余計に興奮をあおりますので、リラックスしてできるように作業用の革手袋をすると良いです。ホームセンターで500円くらいで買えます。

そして、結局は吠え癖も同じ教え方で良いんです。ですので、噛み癖の教えでも口閉じで「シ!」の指示音にしました。

何気なく犬にリードを付けて持って知らんぷりしておき、二人で協力して、どちらかが物音をたてたりチャイムを鳴らしたり、外から声をかけてみたり・・と、犬が吠えたくなる状況を作ってそこで教えてあげるのです。

吠えたら「シ!」でリードをチョンと引く・・これを繰り返しても良いですし、口閉じで教えても良いです。

叱って直す・・のではなく、「悪い型を止めて・良い型を作り・指示音ジェスチャーの関連付けで褒める」というセットでの教え方が必要です。

叱らない・・だけでは何も学べませんし、怒るだけでも意味が分からず興奮するだけになってしまいます。

そして、叱っても褒めても教えても、関係次第でその効果がまったく違ってくる・・ということになります。その関係は、普段の何気ない接し方しぐさ態度が全て関わっていることを意識しないといけません。

無視や接しないことが良いのではなく、主導性と毅然さを保って接していただきたいのです。

意味なく声掛けナデナデ抱っこ・・ではなく、スワレでもフセでもマテでもゴロンでも何でも良いので、何か犬に指示を出し行動させ褒める・・指示で出来なければ型で褒めて教える・・。

そういう接し方ならスキンシップもできますし、物事も覚えますし、主従関係も保てるわけです。

主導性と毅然さを常に意識すること・・物事はシンプルに体現で教える・・。それだけでも良いのです。オヤツもしつけグッズも使ってはいけません。使うことで表面上コントロールできてしまうために、本当の関係作りがどれだけ出来ているのかが見えなくなってしまうのです。それが一番怖いことです。

散歩中の拾い食いも、室内のリーダーウォークで教えられます。今まだオヤツがあるのでそれを使いましょう。(ご褒美であげるわけではない)

床に点々とオヤツを置いておきます。そこへリードを付けて歩いて近づきます。犬が食べようとするところで「マテ」でリードをチョン引きしたり、リーダーウォークで切り返します。あるいは止まってそのままバックしても良いです。食べない型が出来たのでポンポン褒めてください。

そしてまたオヤツの地点に近づき・・・ひたすらこれを繰り返します。

とにかく、急に結果を出そうと無理して激変しない事です。まずは少しずつ・・弱いレベルから・・で、徐々に徐々に展開していって、続けることが大切です。

お二人で一貫して統一して、続けないと犬は混乱します。特にお嬢様は、休職中で終日家にいますので、ベタベタしないようにご注意です・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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