犬のしつけがQ&Aで分かる!

今までの甘やかしが反抗期に表面化してきた犬のしつけ

m1.pngホームページを読ませていただきました。とてもわかりやすく、そして愛情に満ちた考えに感動しました。人と愛犬のあるべき関係を考えさせられました。ありがとうございます。
 
現在リーダーウォークに挑戦しています。挑戦し始めてまだ数日ですが、少し疑問がありましたので質問させていただきたくメールいたしました。いくつかありますので箇条書きいたします。
 
・リーダーウォークは首輪でなくては効果はないのか?
・引っ張るよりも立ち止まることが多い(においをかぐ、草を食べる、座り込むなど)が、そのとき、どういった態度をとるべきか?
・リードを噛んで離さない時の対処法は?
・家にいるときはどのように接するべきか?(意味なくかまわないとのことですが、基本的には放っておくということでしょうか)
 
この4点です。
回答をよろしくお願いします。
 
 
以下、現在と以前の状況を書いておきます。
 
・犬種:ミニチュアダックス
・性別:オス
・年齢:7ヶ月
・屋外飼いの10歳のメス犬(雑種)がいます。
・同居時間:5~6時間ほど(平日。睡眠時間を除く)
*現在私の寝室にケージがあり、そこにいるので他の家族とはほとんど会いません。
 
・過去の接し方、一日の流れ
☆朝
母が起床するとケージから出す。朝はときどき私が散歩へ。
7時ごろエサ。
出かける時にケージにいれる。日中は無人。
☆夕方~夜
母帰宅。ケージから出す。
屋外飼いの犬と一緒に散歩へ。母一人で、もしくは私と二人で。(とまる、引っ張るなど好きにさせていました)
7時ごろエサ。そのあと人が夕食。
ひとの食事中には犬が鳴くので、あまりひどいときは野菜やジャーキーなどをあげていた。
家族が帰宅するととびかかってくるのでなでる。
 
*ケージはずっとリビングにありました。
 あまりに鳴くのがうるさいということで、父がリビングにケージをおくのを反対し、現在はわたしの寝室にいます。
 
・問題
①咬み癖(人の手を咬む、ベットなどケージの中のものを壊す)
②吼える(ひとが食べている時、ケージに入っている時など)
③興奮しやすい(叱ったとき、咬んでいる物をとりあげたとき、エサなどがもらえないとき)
④散歩がうまくできない(歩かない、拾い食い、ひとなどに吼える)
など
 
以前のリッキーくんの様子と似ているので、きっとうまくいく、頑張ろうと思って取り組んでいます。
室内で犬を飼うのが初めてなので、戸惑いもあり、問題行動が多くなっていくにつれ、家族と言い合いになることもありました。
父が、「問題行動が多いのは選んだのがそういう犬だったからだ。家じゃ変えないから外へ出せ」と言ったことにとても傷つきました。(本心からの言葉ではなかったのかもしれませんが)。その言葉を撤回させたい、犬が悪いのではなく私たちがわるかったのだとわからせたい・・・なにより、家族みんなで犬と遊びたい。そう思っています。


m2.pngお写真と過去の接し方も詳細にお話いただき、良く把握できました。
 
まず今回私からのご返信内容は、改善していただきたいお話がたくさんあり、厳しい内容になりますのでご覚悟ください(^-^) ただそれは、犬とご家族の将来のために必要な事ですので、ハッキリ申し上げさせていただきます。
 
問題行動の要因は下記のようにいくつかありますが、まず「悪い犬・ダメ犬」はいない・・というのが正しいです。犬は犬の本能に従い純粋に生き行動しているだけです。シンプルに環境に反応しているだけです。だから悪い環境下では問題行動を起こしますし、環境が良くなればまたそれに順応します。ただそれだけなんです・・
 
 
1、ハウスがあったほうが良いです。大きな要素ではありませんが、ストレスには影響します。
動物は警戒心がとても強いです。ベッドだけですと四方が囲まれていないので安心できないのです。
無理に犬用の高い物は要りません。ちょっとした木の箱でも良いのです。最初は怖がるかもしれませんが、今まで使っていたベッドを入れてあげれば、すぐに慣れ安心できることを理解します。
 
外で飼うのが良い・・家の中で飼うのが良い・・ではなく、肉体的にも精神的にも「適度な距離を保つ事」が重要なのです。
外で飼うと自然に距離が保てるので犬が勘違いしにくい・・それだけのお話なんです。だから外で飼っても甘やかしやかまい過ぎをすれば犬は主従関係を誤認します。だから室内で飼っても甘やかしをせず、空気のような関係を保てば良いのです。(主従関係についてはまた最後にお話します)。
 
2、生後6ヶ月から1歳までは反抗期の真っ盛り。
今までの甘やかしの積み重ねにより、いよいよ犬の中で自分が優位だという主従関係が確立されてきました。そして成長にともない、成犬としての権勢本能もプラスされて、より問題行動が強く出てきたのです。2歳くらいまでは相手を試す行動をよく見せるので気が抜けません。(もちろん犬の生涯を通してしつけは必要です)。
 
3、最大の原因は、甘やかしやかまい過ぎなどが、多いことです。主従関係が逆転し始めています。
 
 
甘やかしNGと主従関係のお話の前に、リーダーウォークについて触れておきます。
 
HPにも書きましたとおり、「犬をどうコントロールするか」が重要ではないのです。
あお向けもそうですが、リーダーとしての毅然とした態度を見せる・・これが目的なのです。犬は相手の態度や精神性をとても敏感に感じ取ります。
 
>・リーダーウォークは首輪でなくては効果はないのか?
 
↑ですので首輪でなくても良いのですが、首輪の方が利点が多いのです。ボディハーネスですと、力の作用がどうしても犬に有利に働きますので、犬が踏ん張れる構造になっているので引っぱりグセが直りにくいです。
 
首輪と迷子札を365日24時間着けておくべきです。例えばどんな場面でも、首輪をつかんでマテやスワレ・・あるいは噛みグセのしつけなどがやりやすいですし、異物を食べようとしたり、危険な場所がある場合など静止させられます。
 
迷子札が常時着いていれば安心できます。
 
常時着ければ犬にとって当たり前になり、脱着のストレスがなくなります。
 
・・・以上、良い事ばかりですので、首輪と迷子札は常時つけましょう。
 
 
>・引っ張るよりも立ち止まることが多い
 
↑態度を見せることが主な目的ですので、犬の反対を向いてジッと止まり無視・・それでも良いのです。動き出すまで根競べです。声をかけたり撫でたり従属的な態度を見せてはいけません。
 
犬にとってみれば自分が優位だと思っているのに、好き勝手できないから面白くなくて座り込むわけです。まずは室内で、「ツケ」を覚えさせてください。
 
 
>・リードを噛んで離さない時の対処法は?
 
↑物事の良し悪しは「型」と「音」で教えてください。
手に噛み付いたり、「吠え」のしつけも同じですが、まず左で首輪をがっちりつかみます。右手やリードを見せます。噛もうとしてきますので、「ダメ」と伝えると同時に、首輪を更にがっちりつかむか、軽く引きます。あるいは右手で口を閉じてあげます。
 
当然噛めません(吠えられません)ので、すかさず褒めます。
 
また手を放したり、リードを見せれば吠えたり噛んだりしますので、また「ダメ」・・この繰り返しなんです。そうやって犬に何度も何度も体現させないと、何が良い事で何が悪い事なのか犬の低い知能では分からないのです。
 
物事は「型」と「音」で根気良く教えてあげてください。
 
そして、ご存知の通りどんなに良い教え方があったとしても、主従関係が無いと犬は言う事を聞こうとしません。これが全ての基盤であることを忘れないでください。
 
>・家にいるときはどのように接するべきか?
 
↑では最後に主従関係や接し方のお話です。
 
まず家に誰か居ても、見ていられない時間はケージに居させてください。放し飼いにするとテリトリーの広がりでストレスや権勢本能が強くなるだけです。
 
「出たい」というワガママで要求吠えなどをする時は、無視か先ほどの「型」と「音」で教えてください。
 家族団らん、しつけや遊び、散歩の時間だけ出してください。それ以外はケージ内です。
 
出しても犬の要求には応えないでください。抱っこ、ナデナデ・・明らかに犬にとって従属的に映ってしまうのです。声をかけたい・・触りたい・・と思われたら、意味無くそうするのではなく、必ず何か指示を出してください。
 
スワレ、マテ、フセ、コイ・・なんでも良いです。出来たら褒めてください。そうすればスキンシップも取れますし、主従関係も積み上がっていきます。
 
※褒めすぎはNGです。名前を呼んで「良い子」と伝え体でも頭でも軽くポンポンとたたいてください。それ以上に褒めてしまうと犬にとっては従属的な態度に映ってしまいます。
 
>現在私の寝室にケージがあり、そこにいるので他の家族とはほとんど会いません
 
↑これをしばらく続けて、しつけが浸透してきてリビングでも落ち着けるようになってきたら、ケージをリビングに戻しても良いと思います。(社会化のために)
 
寝室ではかまいすぎないでください。夏場の留守番時は熱中症にならないように空調に気をつけてください。ただし空調を整えすぎると換毛のバランスが崩れたり、夏と冬の散歩を嫌がるようになります。
 
>(とまる、引っ張るなど好きにさせていました)
 
↑従属的に映るので止めましょう
 
>7時ごろエサ。そのあと人が夕食。
 
↑人間の夕食が終わった後にしましょう。それができない時点で、すでに精神的に負けてしまうのです。
 
>ひとの食事中には犬が鳴くので、あまりひどいときは野菜やジャーキーなどをあげていた。
 
↑完全な従属です。絶対に止めましょう。別室に居させ無視するか、型と音で教えてください。
 
>家族が帰宅するととびかかってくるのでなでる。
 
↑これも完全な従属です。絶対に止めましょう。空気のような関係・・をお忘れなく。朝の出発時の挨拶もいけません。従属になるだけでなく、人間の出入りに敏感になりストレスにもなります。吠えグセが直りません。
 
 
その他・・
 
他人に吠える場合ですが、人を避けるのではなく、むしろ人や他の犬の集まりに積極的に近づき慣れさせてください。(少しずつ)。そこで「型」と「音」で吠えのしつけをしてください。
 
本来であれば、外で飼っているミックスちゃんが先住犬ですので、物事はミックスちゃんを優先すべきです。ダックス君にしてみれば先住のミックスちゃんより自分がかまってもらえるので、余計に自分の優位性を感じるわけです。しかしダックス君を外で飼う事はできませんので、ミックスちゃんへの接し方と同じ感覚でダックス君とも接する・・そんな意識を持つべきです。
 
 
では今回は以上です。
 
HPを読み返し、主従関係の大切さを十分ご理解ください。そしてそれは簡単に築けるものではありません。今までワガママにされていたならなおさらです。
 
あせらず無理せず、毎日毎日少しずつ積み上げること・・続けることが重要です。
 
では頑張ってください(^-^)

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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