犬のしつけがQ&Aで分かる!

8か月の秋田犬のしつけの現状が不安で、育犬ノイローゼみたいで悩んでいます

質問内容
初めてご相談いたします。宜しくお願い申し上げます。

飼い主:40代女性 犬:秋田犬8か月オス

生後50日に●●県のブリーダーさんから購入。以前から犬が飼いたかった。(飼育歴は子供のころから室外で四頭飼ったことがあるがしつけは全て親任せだった。)

どうせ飼うなら憧れの大型犬、秋田犬を飼いたく秋田犬博物館(秋田県大館市)に行って博物館の方にブリーダーさんを紹介していただいた。

家族:母(70代)

私は月曜日から金曜日まで仕事のため、7時過ぎから18時過ぎまで不在。その間母が犬の面倒を見ている。

①膝の上でオモチャで遊ばせていた。オモチャの引っ張りっこもしていた。

②甘噛みをしてきたら最終的には手を口に突っ込んだりもした。一貫して叱ることがなかった。どこかでかわいそうと思ってあまやかしていた。

③サークルになかなか入らないので煮干しでつっていた。ブラッシングの時にはコングにフードを塗ってあげていた。なでなでやずっと見つめたりもしていた。

④散歩は30分引っ張られ放題でした。

⑤朝起きて犬をサークルから出してサークルの掃除、トイレをきれいにしたりする。そのあとブラッシングをしてサークルに戻して朝ごはんをあげる。その後出勤。

昼間は母に任せる。庭で30分から1時間程度遊ばせて昼ごはんなどをあげていた。6時過ぎに私が帰宅して夕ご飯をあげる。その1時間後サークルから出してボール遊びをしてまたサークルに入れる。

⑥パピー用のサークルを現在も使用。その中にトイレが設置されている。クレートハウスがない状態。

2か月前に堀川さんの情報を見て、わらをもすがるような思いで「犬と家族の絆」を購入しました。

その後今までのことを改めて1からしつけをやり直しています。仰向け固めは問題なく行えているのですが、そのあと興奮して走りまわります。悪いときには手を噛もうとしてきます。尻尾を振りながら。

リーダーウォークに関しては全く先に進まず行ったり来たり。そのうちリードを噛みだしてお散歩バックや私の洋服を噛んできます。

怒っても基本反省している様子もなくかまってもらってうれしいぐらいの感覚です。

しかし、以前に比べてだいぶいうことを聞くようにはなってきました。

でも興奮すると手が付けられません。でも一度もうなったり本気で立ち向かうこともないので、私もつい甘くしているかと思っています。人間が大好きで困ったことに飛びついていこうとします。

トイレのしつけは全くできていない状態です。基本的には犬も私も一緒に楽しい生活が送れたらどんなに幸せかと思っています。

しかし、今の状態では育犬ノイローゼみたいで四六時中しつけのことで悩んでいます。

リーダーウォークに関しては今は殆ど行っていません。このままではいけないと思いながらも日々が過ぎているような状態です。

何を優先順位において今何をしなければいけないのかご教授いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

まず、秋田犬のオス8カ月で現状でしたら、全く問題ありませんので、あまりご心配され過ぎないでもう少し強化しながら、成長を待ってあげてください。

むしろ、お話を伺う限りでは、この月齢の犬の平均値よりも良いほうです。

そして、素性がとても良い子です。良い出会いに感謝しましょう。

今は反抗期のピークですので、犬自身にも訳が分からずイライラしたり、元気があり余る時期ですので、どうしてもこうなります。

犬は生後5か月くらいから歯が生え変わり、同時に成犬の本能も出てきて、大人への移行をしていきますが、その中でも、生後7・8カ月あたりは急激に知能が上がり、成犬の本能が強く出る時期です。

知能は上がるのですが、急に上がって変わったばかりですので、その状況での経験が足りず、犬自身もイライラしたり、ずる賢さだけが目立ってしまう時期なのです。

この状況はもう少し続きまして、10カ月から1歳くらいまではまだ落ち着けないです。

さらに、まだ成犬としては、1歳半から2歳くらいまでは待ってあげないといけません。

これから少しずつ強化しながら、コツコツ淡々と教え続けて、結果は期待しないでもう少し成長と経験の積み上げを待ってあげてください。

秋田君の素性も良い子でしたし、今までのお間違いにも気づかれましたので、これからやっていけば良いのです。

ちゃんと良くなりますので、今はその月齢の限界を見極めてあげて、期待値を上げすぎないことです。

人間で言うと、中学生から高校生くらいで、ズル賢く体も強くなり、調子に乗るころなのです。

かと言って、人間の学生なみの知能があるわけではありません。

成犬になっても、せいぜい人間の4歳くらいと言われます。知能というよりは、感覚で判断するのです。

例えば↓これです。

>怒っても基本反省している様子もなくかまってもらってうれしいぐらいの感覚・・

↑犬というのは、怒られたことと自分がした行為を、結び付けて反省する知能はありません。

「●●やっても良いこと無いぞ、直ぐ止められる、でも●●したら褒められるから嬉しい・・またやってみよう・・・」

というくらいの感覚しかないのです。

しかも、相手との関係しだいでコロコロ反応を変えます。

大人の人間の場合は、人が見ていようといまいと、相手が誰だろうと、「悪い事はしない」という知性や正義感で判断しますが、犬は相手によっては全く言うことを聞きません。

ですので、まずは

■普段から常に毅然さと主導性を一貫し続けて、犬に認められる存在になること

そして、

■物事は、「悪い形を止めて、良い型を作ってあげて、指示音ジェスチャーで褒めて教える」

ということを根気よく続けてあげてください。(感情や人間の言葉で怒っても、犬には全く理解できません)

知能が低くても、体現による教えを繰り返して習慣になっていくことで、知能が低いなりにも理解はしてくれるようになります。


上記の二つに専念されて、もう少し成長を待ってあげてください。

感情的に怒ったり悲観されず、「今はこれがこの子の限界なんだ、そういう時期なんだ」と理解できれば、落ち着いて教え続けることができます。

そういうマインドチェンジだけでも急に変わることもありますし、そうでなくても10カ月くらいには変わってきます。

犬は群れで感情を共有しやすい動物です。体臭・声・しぐさなどで、緊張・興奮や嫌悪感がとても伝播しやすいです。

飼い主さんがイライラ・緊張・興奮していると、犬のそれをあおってしまう傾向が強いです。


さて、まずは興奮の要素が少ない家の中から練習していきましょう。

ボール遊びする時に、犬にリードを着けて飼い主さんが持っておいてください。遊びをリードしてください。

そうして遊んだり団らんすることで、自然と主導性を示していけます。

そして、遊びの中でちょっと歩いてみる→また遊び→また歩いてみる→遊び→リーダーウォークに近付けていく・・・

こういうふうに、徐々に難易度を上げながら練習してあげると良いです。

そして、家の中で落ち着いて歩けるようになったら、そのままの流れで外に出てみてください。

もちろん多少興奮しますが、いきなりケージから出て外に行くよりは、発散をある程度済ませているのと、主従関係の意識が残っているので、スムーズにいきやすいのです。

それと、まだ成犬の本能が出たての状態なので、警戒心や好奇心や拾い食いの感覚が敏感で、興奮パニックになりやすいです。

ですので、まだあまり外では求めすぎなくて良いです。リーダーウォークも厳しすぎないように、まずは室内から練習していくことです。


さて、子犬用のケージを使われているということですが、秋田のオスで8カ月ですと、小さすぎます。

そのケージの柵の一面を外して、そこにクレートハウスの出入り口を合体させてください。トイレも大きい物にしましょう。

そうすれば、ケージ側がトイレとちょっとしたフリースペースになり、クレート側が寝床になり、区別しやすいので、トイレの成功率も高まります。


では、今日は以上としたします。

それでは、Q&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)

飼い主さんからのお返事.png
細かく丁寧なご指導をいただき大変感謝しております。

 早速まずは環境整備からということでクレートとトイレの大きいものを設置しました。

「素性がいい」という言葉に大変慰められました。

しかしながら、外に出ると全く制御が聞かず、リードを噛んでさらには私の手を噛んできます。

30kgの大きさなので身長163cm、体重40kgの私にはどうしていいのか、今は何とか引っ張られてもぎりぎり何とかなっていますが興奮した状態では手が付けられません。

家の中では何とか仰向け固めもきちんとできてはいるのですが。やはりリーダーとして認められてはいない状態です。

今日は、リードをつけて外に出てリーダーウォークをし始めた途端リードを噛み私の手を何度も噛んで興奮状態がひどくこれでは動物病院へも連れていけないかと心配です。

ここ1週間ぐらい食欲がなく1日の食事量が今までの四分の一ぐらいです。元気はあります。

いろいろ悩みすぎてきちんとお伝えしたいことが文章になっているか不安ですが、どうしていいのかわかりません。またご指導していただけたら幸いです。

申し訳ございませんが再度宜しくお願いいたします。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

>1週間ぐらい食欲がなく1日の食事量が今までの四分の一ぐらい・・

↑まずこれが気になりました。

週明けすぐに動物病院で診てもらってください。

この月齢になると、ホルモンバランス(体の成長度)の変化の激しさから食欲が落ちたり、知能が急激に上がるのでオヤツほしさにわざとフードを残したりもするのですが、手遅れになってからでは遅いので、万が一のことを考えて念のため診てもらってください。

異常が無ければ、安心して躾に専念できます。

さて、健康に異常が無かったことを前提に、これからのことをお話しいたします。

まず、小柄な飼い主さんが大型犬を扱うコツですが、リードをご自分の腰に一周しばってから、そこに犬を付けるようにしましょう。

リードの持ち手の部分は輪になっていますね。そこに、反対の留め具のほうを通します。

そうすると、投げ縄のようになりますので、それをご自分の腰にキュッと縛るのです。

そうすれば、とっさにリードを持つ手が外れても、腰にさらに強く締まり安全です。

また、リードを持つ手は、犬が引っ張った時に摩擦でヤケドしやすいので、必ず作業用の革手袋をしておいてください。(ホームセンターで500円くらいで買えます)

外に出かける時は、そんな態勢でのぞんでください。

あくまで手は補助的に使って、腰(体全体)を使って犬を制御するようにします。

それから、外に出る前に必ずすることとして、前回もお話ししたことを行ってから出かけてください。

↓前回のおさらい・転記↓----------------

ボール遊びする時に、犬にリードを着けて飼い主さんが持っておいてください。遊びをリードしてください。

そうして遊んだり団らんすることで、自然と主導性を示していけます。

そして、遊びの中でちょっと歩いてみる→また遊び→また歩いてみる→遊び→リーダーウォークに近付けていく・・・

こういうふうに、徐々に難易度を上げながら練習してあげると良いです。

そして、家の中で落ち着いて歩けるようになったら、そのままの流れで外に出てみてください。

もちろん多少興奮しますが、いきなりケージから出て外に行くよりは、発散をある程度済ませているのと、主従関係の意識が残っているので、スムーズにいきやすいのです。

↑以上がおさらいでした↑------------------


まずは以上を頑張って続けてください。

10か月、1歳、でまた変化が出てきます。

段々と落ち着いてきますので、今がピークです。踏ん張りどころです。

時には、「相手にしないよ」というくらいの毅然さも示してください。さっさと止めて帰って、ケージ犬を戻して去ります。

そんなふうに、距離を置いたほうが良い時もあります。

反抗期・独立期ですので、好き勝手したくなるし制御されることを嫌がるのです。

知能が急激に上がるので、ズル賢くなり、リードやリードを持つ手や靴を噛んで、自分の動きをジャマするものを止めようとするんですね。


ということで、もう少し頑張って続けることですが、それでも変わらなければ、次回は動画を拝見したいと思います。

最近は携帯でもデジカメでも普通に動画を撮れるようになっていますので、それをユーチューブに「限定公開」の設定でアップしていただいて、そのURLをお知らせいただければ、投稿者と私だけが見れる設定になりますので、プライバシーは大丈夫です。

あるいは、端末内の動画ファイルをそのままメール添付で送ってみてください(ファイル容量が大きすぎるとエラーで送れませんので、バラバラに分けて送ってもOKです)

・どのように遊んだりスキンシップしているのか
・どのような教え方をしているのか
・どのような叱り方(問題行動の場面)・褒め方をしているのか
・その他、散歩風景など

が動画を撮っていただくポイントになります。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針