犬のしつけがQ&Aで分かる!

今まで問題なくできていたことが出来なくなってしまった犬のしつけ

質問内容
犬のしつけについての資料を勉強させていただいたものです。パグの♂生後7ヶ月です。

飼い主の都合なのですが、散歩は週に3回程度でしか出来ていません。

リーダーウォークはまだ不十分で、仰向け固めもやっていますが、やりはじめたころは子犬なりに飼い主の指示にしたがっており、ケアなども嫌がらずやっていましたが、ここ一ヶ月は耳掃除をしようとしたり、服を着せようとすると逃げ、飼い主の手にかみついてきます。あまがみも克服できていたのにです。

それに、食事の前になると叫びまくるようになってしまいました。

飼い主が時間に不規則な仕事のためご飯も散歩も遊びも時間は決まっていません。

今まで問題なくできていたことが、出来なくなってしまってこまってます。何かアドバイスが頂けると嬉しいです。


返答内容
犬は生後5か月くらいから反抗期に入り、成犬としての権勢本能や自我・独立心などが出てきます。

さらに7・8か月あたりから知能が急激に高くなり、さらに相手を鋭く見抜いたり、ズル賢くなったりします。

今が一番難しく、一番重要な時期です。

私達人間も含め、哺乳類の成長過程では必要なことなのですが、接し方が悪いと、ここで決定的に関係が崩れて修復するのがとても難しくなってしまいます。

まずは過去の接し方を見直して改善することですが、何をどうすべきだったのか具体的にアドバイスするために、過去の接し方を詳しく把握しなければいけません。

サポート要領でご案内しております項目を、お知らせいただきたいと思います。

-----------------------------------------------------------------------

・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別、(飼い始めてからの年月日数や犬を飼うことになった動機なども)
・ご家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間
・過去の接し方と、一日の流れ ※①~⑥は必ずお知らせください
【ポイント】(※本書を読む前の、以前の状況を正直にお知らせください)
①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?
②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
③過去はオヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?
④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、放し飼い・つなぎ飼い環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします)

以上に加えて

⑦↓この時に歯をむき出してウ~と唸りますか?
>耳掃除をしようとしたり、服を着せようとすると逃げ、飼い主の手にかみついて・・

⑧遊びやスキンシップの時にも体を触ると噛みますか?そしてウ~と唸りますか?

---------------------------------------------------------

それでは以上、お時間ある時にお知らせくださいませ。

お手数かけますが、よろしくお願い申し上げます。

飼い主さんからのお返事.png
返信ありがとうございました。早速ですが、よろしくお願いいたします。
パグ生後7ヶ月オス。家に来て5ヶ月。多頭飼いはしていません。

飼い主:
30代女 睡眠時間以外の仕事の日はだいたい5時間程度。
40代男 睡眠時間以外の仕事の日はだいたい5時間程度。
休みの日は買い物行く以外はほとんど一緒にいます。

①人のタイミングで遊んだり、だっこしたり、おもちゃを犬が持って来たときに遊んだり、膝の上にあごを乗せてきたときにだっこしたりしていました。

②犬がやってはいけないことをやると、コラ!と声をかけ、聞かないときは捕まえて目を見ながら言い聞かせています。誉めるときはオヤツなども使い頭や体をなでて大げさに誉めています。

③オヤツもだっこもナデナデもいっぱいしています。

④散歩は広い公園に行って30分から1時間くらいロングリードで走り回ったりしながら行っています。

⑤タイムスケジュールはほとんど決まっていません。
不規則な仕事なので。

⑥留守番以外は放し飼いです。2週間後に引っ越しする予定なので、今現在については写真を添付します。

⑦唸りはしません。口を開けて首を振り乱したりします。

⑧遊びでひっぱりっこするときに興奮し出すと唸ります。


返答内容
今回は、やはり反抗期の症状が出ているのと、それが強く出た原因として飼い主さんの接し方の問題になります。

生後5か月くらいから10か月くらいまでが、犬が急激に成長する時期ですが、知能も思考能力も本能の表面化も、変化が大きくてとても不安定な時期なのです。

急に知能が上がったり本能が芽生えてくるわけですが、それがあまりにも急激で経験が追いつかないですし、主従関係もすぐには完成しませんので、犬も何をどうしていいのか分からずイライラしたりパニックになるのです。

「独立したい・でも甘えたい」「かまわれるとウザイ・でもやりたいことは要求する」という矛盾の中でイライラしているんですね。

そういう難しい時期の上に、今までの甘やかしで自分の立場や主従関係を犬が誤解し始めたことで、問題行動になっています。

今までは、哺乳類の幼子が見せる生きるための従順な本能を使って、育ててもらおうとするのです。でもその後は、身体も心も成長してくると、親から独立してリーダーの指示に従うようになります。

今はちょうどその転換点なんですね。

ですので、これからは母親としての役割を終えて、今度は強く頼れるリーダーとして犬と接してあげないといけないのです。犬が本能的にそれを求める時期なんです。


ということで、まずは意識設定をしっかり変えていきましょう。

本書とQ&Aサイトを読み込んでいただくことで、徐々に意識が変わっていきます。そうすると、自然と飼い主さんの態度が変わり一貫できるようになっていきます。

それを、毎日毎回犬が感じ続けることで認めるようになっていきます。

そうなるまでは根競べです。犬は生存競争の中を生き抜くための本能で、シンプルに生きているだけなんです。


さて、飼い主さんの意識改革だけでも自然と接し方が変わるので、犬の反応も変わりますが、今回は噛み癖の直接の教えも並行してやっていきましょう。

まず普段の生活ですが、「留守番以外は放し飼い」ということですが、犬と遊んだり団らんする時以外は、放し飼いはしないでください。

このままですと、いずれダセダセの要求吠えが激しくなったり、留守番がストレスになってきます。

しかし、いきなり閉じ込めっぱなしも適応できませんので、少しずつケージ内で過ごす時間を増やしていくことです。

もちろん、遊びも団らんも時間を作ってたっぷりしていただいてかまいません。メリハリと主導のもとでしてほしいということです。

そして、犬を出して団らんしたり遊んだりするときは、犬にリードを付けて持っておく癖にしましょう。(主従関係作りが出来るまでで良いです)

そうやって過ごすだけでも、自然と犬の行動全体を主導することになりますので、主従関係作りに良いのです。

そして、その遊びの中で体中を触ってみてください。

例えば、耳や口や足先を触ると噛むと思います。犬が噛んだ瞬間に「シ!」などの注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意します。

あるいは、作業用の革手袋をしておいて、犬に噛まれたら注意音を出しながらその手を犬の口の中にゆっくり押し込んでいきます。犬は嫌がってのけ反りながら放します。(革手袋はホームセンターで500円くらいで売ってます)

そしてまた、手を見せたり耳や口や足先を触ってみます。また犬が噛んだら「シ!」で・・・

これを反復で繰り返して練習しましょう。(リーダーウォークも織り交ぜる)

繰り返すと噛まなくなる瞬間がきますので、そこでしっかり褒めてください。


>食事の前になると叫びまくるように・・

↑これも同じように注意しましょう。

例えば、ご自分の腰にリードをしばって、そこに犬を付けておきます。両手が使えますので、そのまま食事の準備をします。そこで犬が吠えたら、先ほどの噛みのしつけと同じように「シ!」などの注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意します。(リーダーウォークも織り交ぜる)

繰り返していくと、吠えなくなる瞬間がきますので、そこでしっかり褒めてください。

というように、「何が良くて何が悪いのか」を体現で反復で分かりやすく教えていただきたいのです。

そうしないで「コラ!」で怒っても、犬には意味がまったく理解できないどころか、それを従属的に感じたり威嚇と見なしたりします。


そして、褒める時もリーダーらしく静かに堂々と褒めてください。良い型を作らせながら、指示音ジェスチャーを関連付けながら、犬の肩付近をポンポンポンで褒めます。

大げさや、猫なで声でナデナデという褒め方は、犬の本能には従属的に映るのです。

抱っこについても同じで、犬の世界では体位が関係性を示します。相手の体の上に乗って優位性を示しますので、犬を人間の体の上には乗せないことです。スキンシップや団らんの時は、となりにピッタリ寄り添わせるか、あぐらの股の中に入れてください。(飼い主さんと同じ床面に居させる。ソファーには上げない。)

【その他】

・ハウス嫌いにならないように、また安心して食べれるように、食事はケージ内で食べさせてください。

・「遊びでひっぱりっこ」は止めましょう。対面しての力比べになるので、対抗心が強くなったり人間の動きに過敏に反応するようになって、噛み癖・引っ張り癖・興奮癖がつきやすくなります。

・引っ越しのご予定がありますが、要注意です。犬は環境の変化にとても敏感で、お部屋の模様替えをするだけでも興奮するくらいです。

それと、犬は新しい環境下で自分の立場を確立しようとしますので、ワガママが強くなる傾向があります。

引っ越ししてから犬が噛んだり吠えたりするようになった・・・というケースは、結構多いです。


それでは今日は以上です。犬のしつけで一番大事な時期ですので、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針