犬のしつけがQ&Aで分かる!

散歩中に急にダッシュや飛びかかるようになった犬のしつけ

質問内容
堀川様こんにちは。1週間ほど前に堀川さんの犬のしつけサイトを見つけて、今現在困っていることに的確な答えがあり、いてもたってもいられずメールさせていただきました。

反抗期だと思いますが、この頃になって犬の散歩中の猛ダッシュ、引っ張りも強くなってきました。堀川さんのWEBを見て、匂い嗅ぎもさせないようにし始め、リーダーウォークも改めて毅然とした態度でやり始めたところですが、きっと急な変化で犬も相当イライラしているのだと思います。

リーダーウォークをしていると、しばらくはいいのですが途中から急にダッシュし、無視していると後ろから飛びかかって噛んでくるようになりました。

また、通りを歩く人、散歩中の犬にも過敏に反応し始め、無駄吠えが増えたように感じます。遠くを歩く人にも耳をピンと立てて集中し、名前を呼んでもなかなか反応しません。リーダーウォーク、匂い嗅ぎの制止、噛んできたときの対応...いろいろと悩みが増えてきました(^'^)。

今までのやり方は間違っていたんだなぁ、勘違いさせていたんだなぁ、毎日犬を見るのがしんどいなぁ...どうすれば...そんな気持ちが渦巻いています。

推定9カ月になる雌の雑種です。子供たちの要望もあり、今年の○月に保健所を通して譲渡していただいた子です。猟犬の血が混ざっているようで、みるみる大きくなり約20キロにまで成長しました。元気がありすぎて大きくなってきたこともあり、6月後半頃からウッドデッキに犬小屋を作り、屋外で飼っています。

家族構成は夫婦40代、小学生の長女と幼稚園の長男の4人家族です。私と子供たちは仕事、学校、幼稚園のため日中はおりません。妻は週2,3日のパートをしており、その間は一匹で留守番させています。

①これまでは、よくある愛犬雑誌を参考に散歩の後に体をマッサージするように、鼻、口、背中、足、尻尾、腹など全身に触れながらスキンシップしていました。

お腹は自分から見せるようになりましたが、何かを噛んでいないと落ち着かないようでしたので、骨ガムや牛の蹄などを噛ませながらさすっています。時には口の中に指を入れて、牙や奥歯を触ったりすることもしています。

遊びは家の隣に空き地があり、そこで「紐に結んだ骨型ロープを投げる→走って取りに行く→持ってきたら引っ張りっこ→口から外れた瞬間に取り上げる→また投げる...」を何度か繰り返し、飽きる前にこちら主導で終わらせていました。

②犬のしつけは、これも雑誌やWEBなどに載ってる「おやつを使った方法」や不適切な行動(甘噛み、とびかかり)は「ノー!」と言って無視をして、落ち着いたら褒めながら構ってあげる、を中心にしていました。

またリーダーウォークや引っ張ったらピタッと止まる、も実践していました。ただ、「におい嗅ぎは本能で自然な行動...」と書いてることを鵜呑みにして自由にさせていました。また、他の犬とすれ違う時に遊びたくて飛びかかろうとし、興奮が抑えられない状態の時、思わずリードを踏みつけてねじ伏せる形をとってしまったことが何度かありました。その後、10秒ほどして落ち着いたところで少しずつ緩めて散歩を再開しています。

自分が横にいて、他の人に対して「うなる、吠える」があった時、口をギュッと握って閉じさせ、少しずつ緩めることもしていました。

③オヤツは上述の通り、しつけの部分で利用していましたが、抱っこやなでなではしていません。声掛けも極力しないように気を付けていました。骨ガムや牛の蹄は留守番中や散歩の後などに与えています。

④散歩は朝と夕方、30分以上は歩くように毎日違うコースをその日の思い付きで進んでいます。

⑤朝の散歩は早い時間か妻の仕事がないときは午前中少しゆっくり目。帰ってきてしばらくしてから餌を与える。日中はデッキの下に鎖でつなぎ留め、夕方か夜に散歩。余裕があれば長いリードを付けて空き地で走らせて、デッキ上の小屋へ誘導。しばらくしてから餌を与える。

⑥トイレは散歩の途中で済ませる形でやってきました。小さいうちはトイレトレイを使っていましたが、メッシュのないタイプだったので、いつもズタズタにされてしまい、体の大きさにサイズが合わなくなり、散歩の途中でする流れでいつのまにか落ち着いてしまいました。犬小屋は入口を家の方に向け、鎖でつなぎ止めています。

すみません。いろいろ書きましたが、ご助言よろしくお願いします。


返答内容
今回はあまり深刻にならないでください。今の犬の月齢ですと、そういう症状が出やすい時期です。

ミックスちゃんの素性は良い子です。少し難しい子ですと、もう生後5か月くらいで手におえなくなっています。

犬は生後7・8か月くらいから急に知能が高くなり、成犬としての権勢本能・自我・独立心・相手を見抜く視点が鋭くなっていきます。

ですが、まだ経験が乏しく、主従関係も完成する時期ではありませんので、悪いところばかりが目立ってしまう時期なのです。

知能が高くなってきましたので、これから経験を積みながら教えられ、主従関係が深まっていくにつれて問題行動も解決していきます。もう少し時間がかかりますが、正しくやれば大丈夫ですので、あせらないで淡々と続けていくことです。


さてまず環境のお話からです。

犬の外飼いで、さらに鎖で直接つなぐという環境は、犬にとっては一番難しいです。吠え・トイレのしつけが現行犯で教えられず難しいのと、心身ともにストレスが強くなりますので寿命も圧倒的に短くなります。

出来れば室内で飼っていただきたいですが、ご事情があってどうしても無理な場合は、出来れば金属柵で囲って鎖で直接繋ぐのを止めましょう。今の状況は、犬にとっては「外敵は侵入できる・でも自分は逃げられない」という状況ですので、ストレスがとても強くなります。


続いて犬との接し方ですが、基本的には正しい部分が多かったです。甘やかし・チヤホヤは気をつけてこられましたので、ミックスちゃんの良い素性もあって、自分からお腹を見せるくらいの関係にもなって、まずまず合格点です。

そして、本教材をお読みになられて修正点にもお気付きになられましたので、これからそれを続けることで改善していきます。あとは犬の経験も重ねながら、直接の教えも交えていきましょう。

まだ始められたばかりですので、すぐに2・3日で完璧にはなりませんが、比例して良くなっていきますので、あせらずコツコツ続けることです。

さて、まずやっていただきたい事、修正点としては、遊びから入っていきましょう。

まだ急に外でアレコレやっても、ギャップが大きすぎて犬がパニックになってしまいます。簡単なレベルから段階を作ってあげると良いです。

まずはお庭や家の敷地内で、主導型コング遊びから始めてください。ロープの持って来い遊びも良かったですが、引っ張りっこが良くないので、それは止めてロープは留守番時の退屈しのぎに与えてください。

遊びは主導型のコング遊びです。

そして、その時に犬にリードを付けて持っておく癖にしましょう。その体勢でコング遊びします。

常に犬と至近距離で、なおかつ犬の行動全体を飼い主さんが制御することになりますので、主従関係の構築に良いです。それで遊びながら発散し、信頼関係も深め、その中で時々一緒に歩いてみて徐々にリーダーウォークに近づけるようにしましょう。

いきなり外で練習すると、興奮の要素が強すぎてなかなか教えが入っていきません。

もちろん主従関係がまだまだな事もありますが、それよりも今はまだ外の経験が少なくて興奮の方が勝ってしまって、こちらからの指示が入っていかないのです。

感性が鋭い時期になったので、今までのような幼少の頃の反応とまた少し違うのです。その条件での経験が乏しいということなのです。

ということで、まずは少しでも興奮刺激が少ない家の敷地内で練習し、そこでしっかり教え込んでから外でも練習していきましょう。


さて、外で犬や他人と会った時の対処法ですが、まずは距離を置きましょう。急いで無理に対面して慣れさせようとしないで、あえて離れて距離を保ちます。

犬が吠えずになんとかガマンできる距離感を見つけてください。そして、そこで練習します。相手が離れていくようでしたら、良い距離を保ちながら追いかけていきます。

そこではまず、犬の首輪を両手でガッチリつかんで、犬におんぶするように覆いかぶさり、スワレ・マテの指示でその型をキープします。その型になったら、片腕を犬の首の前に回し、犬の身体を固定します。そしてもう片手で犬の口を手で閉じて「シ!」の注意音で教えてください。

呼吸が荒くなっているはずですので、つかみっぱなしではなく、注意音でグッと抑えたらすぐ放して、また注意音でつかんで・・・を繰り返してみてください。

そうやっていくうちに、犬もその状況に少しずつ慣れて教えも入っていって吠えなくなる瞬間がきます。そこで「シ!○○良い子」でポンポンして褒めてください。

それを続けていくと、その距離間では吠えずにガマンできるようになっていきますので、そうなったら今までよりももう少し距離を詰めて、そこでまた同じ教え方で慣れさせてください。興奮が激しすぎたら距離を離します。

また、もう体もしっかりしてきた月齢ですので、歩いている途中で犬がとっさに吠えた場合は、「シ!」の注意音でリードをガツンと引き上げて注意しても良いです。

それから、この月齢の症状として、飼い主さんにコントロールされることを嫌がるので、一緒に歩こうとするとリードに噛みついたり、ズボンや靴を噛んだりしてきます。

その時も、「シ!」の注意音でリードをガツンと引き上げたり、無視して急にUターンしてみたり、急に止まる→小走り・・・などを繰り返して、ご自分の毅然さと主導性を犬にアピールしてください。


ということを、ご夫婦で実践されてください。例えば、ご主人だけがそれをやって奥様は犬の好きに歩かせる・・・というようなことはしてはいけません。

犬は理解できませんし、矛盾やギャップを感じてパニックになり、どちらかを攻撃するようになってしまいます。

それから、その体重の大きさの犬ですと、まだ小学生の子供には無理ですので、絶対に単独で散歩に行かせないことです。親御さんと一緒に練習して学び、中学に入ったら親御さん監督のもとで歩かせてみて、合格ならば単独の散歩も許可しましょう。

あとは、かなり犬の体力もついてきて発散も必要な時期ですので、ドッグランや砂浜などで思いっきり走らせるのも良いですし、お庭があれば、主導型コング遊びをする前に少し走らせて発散させてから主導型コング遊びに入ると良いです。

ちょっと発散が足りなくて、今回のような症状が出ることも多いです。


それから犬との何気ない接触ですが、無視だけが良いわけでもありませんので、スキンシップはとってください。問題は「接し方」ですので、毅然さと主導性を失わなければ良いのです。

オテでもスワレでも何でも良いので何か犬に指示を出し、出来たら堂々と褒めて、出来なかったら型をこちらから作ってあげて、教えて褒めれば良いのです。


それでは、まずはしばらく上記のようにやってみてください。あせらずコツコツ続けることです。月齢的にはもう少し難しい時期が続きます。1歳くらいまでは変化が激しいですので、それは理解してあげてください。

ご夫婦で、本書だけでなく必ずQ&Aサイトも熟読していただき、やるべき事・接し方のルールを話し合ってください。環境も整えてあげてください。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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