犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで破壊癖・ケージでの留守番・トイレの掛け声

質問内容堀川様。○○です。先日はお返事ありがとうございました。(トイプードル7か月半オス)

堀川様のアドバイスを読んで驚きました。ものすごく色々なことをよく理解していただけている感じがしています。改善方法も、すごく愛があると思いました。ありがとうございました。今は、堀川さんにお願いしてよかったと思っています。

本当に良い子に出会えたと思うんです。親バカかもしれませんが、本当にものすごく私達の言っている言葉を理解しています。そして、感情も感じ取っているようです。

今日は、3件ご報告とご指導をお願いしたく連絡しました。

(1)
先日、私がパソコンをしている足元で、冬専用のクッションを噛んで、中綿を口に入れているのを発覚しました。膨張性の強い化学繊維なので、ものすごくショックでした。

取り上げようと思いましたが、前回のことがあるので、無理に口に触れず、はみ出した綿を取りながら、口頭で、「いけない!」と何度も強く言いました。

その後、少し離れたところで見ている犬に、さらに「これをしたら怒っるよ!」と話しかけました。犬は、クッションを見ていました。そして、どのくらい食べたのか、近づいてお腹を見ようと抱こうとしたら、「ウーっ」と言いながら手を噛もうとしました。犬の身体はカチカチでした。全身に力を入れていました。

叩いたことはないのですが、前回、無理やり口に入れたものを取り上げたときの私とのアイコンタクトがトラウマになっているのかもしれません。どのように信頼関係を修復したら良いでしょうか。

また、異物を口に入れることを未然に防げなかった場合、取り上げるのにはどのようにすれば良いでしょうか。新しい物への執着が強い子で、口に入れたものを出されるのを嫌います。

また、いけないことをしたことを伝えている間、犬はものすごく理解しているように思います。だからこそ怒られるのが怖くて噛もうとするのだと思うのです。

本当に気立てが良くて、犬も人も大好きで、まっすぐな良い性格の子なのに、私がうまく育ててあげられないことで、この子の資質を台無しにしてしまい、辛いです。

落ち込んでいても仕方が無いのですが、うまくいかないと、何にも自信をなくしてしまいます。そして、謝りながらナデナデしています。毅然とするために、犬の幸せが人とは違うことの認識が足らないのでしょうが、感情が優先してなかなか入ってきません。でも、それがわかっているので努めたいと思います。

ちなみに、「前回のこと」とは、落とした画鋲を走って加えて逃げたので、追いかけて出させようとしたときに、大声を出しながら無理に口に力を入れて出そうとしたのですが、犬も食いしばって口を開けなかったので、すごく焦って、怒りながら力づくで取り上げたときに腕を噛まれました。

追伸:今は、堀川さんのQ&Aシリーズはすべて読めていないので、似たような事例があったのであれば、予習できておらずすいません。

(2)
出かけるときの寂しがり方が強烈になりました。今までもクーンクーンとは言っていましたが、最近は声はかすれるまで甘え鳴きをし、サークルに前足を乗せて2本足になって押し、鳴きながら震えます。

あの震えるのが見ていて怖いです。一人になるのがものすごく脅威のように感じているようです。

今は、短い時間で出かける回数を増やして慣れさせようと試みていますが、どうしても長時間(7時間)くらい留守をする日もあります。一人だと、サークルの中のコングも、ガムも、エサも、一切触れた様子がありません。7時間もトイレもせずにふて寝をしていたのかと思うと、もっと快適に留守番させてあげたいです。何かできることがあればご指導お願いいたします。

(3)
トイレをしているときに、「シー、シー、シー」と言う様にしていましたが、今は、トイレをしているときに声を出すと、トイレをやめてしまいます。また、目が合っただけでもやめてしまいます。

今は、目を合わせないようにしていますが、掛け声はトイレを中断しても言っていいですか?「チチチ」に変えたほうが良いでしょうか?

以上です。よろしくお願いいたします。

 

返答内容

>口頭で「いけない!」と何度も強く言いました・・・
>少し離れたところで見ている犬に、さらに「これをしたら怒っるよ!」と話し・・・

↑いろんな所でお話していますが、これはいけません。

犬はその瞬間でないと理解できません。数秒後に叱っても褒めても意味が無く、反対に悪い誤解をしてしまいます。

また、犬はただ単に言葉で否定されても、何の意味なのかさっぱり理解ができません。

「悪い型を止めて・良い型を作ってあげて・そこに指示音ジェスチャーで褒める」を反復で繰り返して、体現で教えないと理解できないのです。

それをセットで教えないと理解できないのです。

>いけないことをしたことを伝えている間、犬はものすごく理解しているように・・

↑もちろん、犬は相手が怒っている事自体は感じ取ります。しかし、それは「自分がやった行為が悪いから」と結びつけて反省する知能は無いのです。単なる威嚇ととらえて防衛本能が強くなるだけですので、犬の目を見ながらクドクド言葉で話すのは絶対に止めてください。

これを絶対に忘れてはいけません。

例えば、飼い主さん自体を噛んだり唸ったり、飼い主さんにワンワン吠えるような、明らかな主従関係の誤解の場合は、仰向けしてジッとにらむような態度(毅然さ)を示すことは必要です。(もしくはリーダーウォーク)

注意音はあくまで、その行為を一瞬止めて、良い型を作り褒めるための過程でしかないのです。

ですので、叱り方も「ダメ」や「いけない」などの否定型よりも、できるだけスワレ・マテなどのポジティブな指示型にしてほしいのです。

スワレ・マテをさせて、指示を出しながら手で犬が噛んだものを取り出します。

出したら褒めて、またすぐあえてそれをマテの指示で見せてください。噛まないでマテたら褒める→噛んだらそれを犬の口に少し押し込んで「シ!」の注意音を言うと良いです。

噛んだものを引っ張り出そうとすると、犬は「抵抗反射」で余計に踏ん張ります。(お散歩時のリードの引っ張りなども同じです。)

そうやって、その場で何度も何度も反復して、それを毎日繰り返して、少しずつ理解して定着していくのです。急いではいけません。


そして、大事な物・危険な物を噛ませないように予防するために、犬をケージから出す時はリードを付けて、それを飼い主さんが持っていてください。主従関係の構築にも良いです。

それと、人間と同じ部屋に居るのであれば、冬でも特別な暖房器具はいりません。要らなくなった毛布でも一枚入れておけばそれで十分です。


もう一つですが、もともと犬は捕食動物ですので、動くものを捕まえて解体する本能を持っています。ですので、破壊欲求の発散も上手くしてあげないといけません。

主導型のコング遊びをする時は、最初に興奮している間は好きなだけ噛ませて発散させて、心地よい疲れが出てきた頃に主導型で遊んであげると良いです。

そして、お話したスワレ・マテを定着させておくと便利ですので、コング遊びの中で型で何度も何度も教えてあげてください。

まだ経験値も知能も低い月齢ですので、期待も悲観も何もしないことです。今はひたすら教える時期であって、求める時期ではありません。

結果は一切期待せず、成長と経験の積み上げを待ってあげないといけない時期なのです。そして、教え方が正しくないと、過ごした時期も全部無駄になってしまいます。

犬を過信したり偶像化してはいけません。思っておられるような知能は犬には無いのです。シンプルにシンプルに、良い型で体現させて何度も何度も根気良く、反復で教えてあげないと理解できないのです。

やっと知能が高くなり始めた時期です。まだまだそんなレベルなのです。


2:先日もお話いたしましたが、まだ始められて2・3日です。犬は変化に戸惑いますし、すぐには理解できませんので、期待してはいけません。激変もいけません。

毎日毎日少しずつ少しずつケージに居させる時間を増やして、適応させていくことです。それと、コング遊びをケージ内にも延長してあげると良いです。

遊びの流れでケージにコングを入れる・・犬も入ったら「ハウス」の指示音ジェスチャーで褒める・・またコイでケージの外に持って来させる・・また入れる・・

こんな繰り返しで、段々慣れていきますし、楽しい場所だという刷り込みと経験が積み上がっていきます。


そして、それだけでなく、接し方全体も変えないと意味がありません。何度も申し上げていますが、犬のしつけは全てがつながっています。

いつもベタベタ・チヤホヤ・ナデナデしておいて、急に「ケージで留守番」と言われたって、犬は理解できないのです。ギャップに苦しむだけなのです。

だから、個別の手法に頼ってはいけないのです。手法の上塗りは、かえって害になる場合があります。

これを絶対に忘れてはいけません。

生後間もないわけではありませんので、少しずつ変えてあげれば、犬もちゃんと適応していけます。


>目が合っただけでもやめてしまいます・・・
>掛け声はトイレを中断しても言っていいですか?
>「チチチ」に変えたほうが良いでしょうか?・・・

↑定着するまでは、効果音として関連付けてください。知らんぷりして横目で見たり鏡に映して観察しながら、排泄が始まったら小さい音から始めてください。排泄を途中で止めたらもう言わないでください。(定着した後に指示として言うのは別です。)

音の種類は、短い単音なら何でも良いです。ピピピ・・でも、言いやすい音にしてください。

敏感な子なら、驚かせないように、知らんぷりして静かに言い続ければ良いです。音に慣れてきたらジェスチャーも交えたり、終わった後のポンポン褒めもしましょう・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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