犬のしつけがQ&Aで分かる!

噛み癖がなかなか治らない7カ月メスの柴犬のしつけ

質問内容
初めまして。先日わらをもつかむ思いで堀川さんの本を購入しました。

初めて犬を飼い、こんなにも大変なんだと気づきました。

周りで同じ柴犬を飼っている人が沢山いて、散歩のたびに、みんなおりこうさんに見え、それなら自分でも大丈夫と思い、安易な気持ちで飼ってしましました。

本当に飼うのをやめようか、ブリーダーさんに返そうか、もう限界と思っていました。

ネットでMさんのビデオを購入し、さっそく試しましたが、神の手にならず、自分の腕が青あざでいっぱいになりました。

それなら、専門の方にお願いしようかと、近くの訓練士の方を見つけ、「ドッグスクール」に入れようと思っていました。

丁度 、訓練士の方が我が家に来てくれ、相談したところ。「このままだと手遅れになる」「大きくなったら手が付けられなくなるから、今訓練しないと後悔する」と話されました。

我が家はみんな働きに行っていて、朝晩しか触れ合えません。なかなか思うように躾ける時間がないので、4月から訓練士の方に預けるしかないと思って準備をしていました。月75,000円。4カ月はかかるという事でした。

我が家に来た時に大きなワゴン車に沢山の犬を送り迎えしていて、毎日たくさんの犬を2人で訓練している様子。もっと手の付けられない犬もいるとのことで、預けても十分なケアができないのではとも思いました。

そんな時に堀川さんのことを知りました。人に頼るより、まずは自分がやってみないといけないのでは、本当の飼い主になれないのでは、犬を飼った意味がないのではと自問しました。

さっそく、本を読んで「リーダーウォーク」と「あお向け固め」をしました。リーダーウォークをした初日から、「あれ、いつもと違うかな」と感じました。まだまだ、上手くいきませんが、根気よく続けていきたいと思います。

現在の問題は、

噛み癖がなかなか治らないこと。特に人にすぐ噛んできます。

イタズラがひどく、なんでもくわえてボロボロにするので、届かないところにしまいました。庭の草花は無残です。

昼間サークルから脱走します。高い柵を登り乗り越えることを覚えました。驚きです。そこで、網を張りましたが、噛んで破ってしまうので3重にしました。そしたら、穴を掘ってそこから出るつもりです。

主従関係ができないのが一番の問題ですので、少しずつやっていこうと思っています。大きくなると落ち着くと言いますが・・

柴犬のメス、7カ月になるところです。

家族:夫は単身赴任中。母と娘、基本働いているので昼間はいません。

今はとにかく、噛まないことを教えたいと切に思っています。アドバイスがありましたら、お願いいたします。

堀川さんの考え方に共感していますので、今までの事を反省して、しっかりやっていきたいと思っています。

よろしくお願い致します。また、変化がありましたらいいお知らせができること励みにやっていきます。

追:脱走しようとしている写真を添付します。

①ブリーダーから買った方がしっかりした犬が飼えると聞き、地元の有名なところから3か月になったばかりの子犬を飼いました。

ブリーダーさんのアドバイスを聞いて、「泣いても無視」「噛んだら、マズルコントロールで鼻をたたく。」と教えてもらい実践しましたが、ますます狂暴になっていって、これは良くないのではと思い始めました。

お座り、おて、マテ、目を見ることをしっかりやっていました。そのことはある程度できました。しかし、6カ月になり、歯が生え変わると?みつきが激しくなり、手が付けられなくなりました。

ボール遊びをしていると、持ってくるのですが、すぐに手や足に噛みついてきます。体や足にも激しく噛みついてきます。

②その都度蹴っ飛ばしていました。朝起きたときは、機嫌がいいので、体をなでなでしたり、腹をさすっていました。

散歩は、どんなに言っても先を歩き、あちこち嗅ぎまわっていました。拾い食いをして、お腹を壊したり、たばこの吸い殻を食べてしまったり、心配しました 。

子どもは、興味関心が強く、新しいものや知らないことを学ぶために必要なのかと思っていたので、好きにさせていました。こちらの思うようにしようとすると、座り込んで、ひもをくわえて嫌がりました。そんな時は力づくで引っ張っていきました。

食事のときは、座ることが出来ましたが、最近は無視します。根負けして最後はあげていました。

ちゃんとできたときは、ほめてなでようとしますが、その手を噛むので、なかなかできませんでした。体を触られるのが嫌で噛んできます。

名前を呼んでも全く来ません。犬は、喜んでくるのが当たり前と思っていたので、何で来ないのか不思議でした。

煮干しを見せたり食べ物だと来ましたが、今思えば食べ物がもらえるからで本当の主従関係が出来ていない、それが分かるとどうしたらいいのか悩みました。

③おやつは、煮干し、チーズなど。抱っこ、なでなでははいやがるのでしません。させてくれません。

声かけは、寝るときに静かにと言って「しー」というと寝ました。でも夜中におしっこで吠えるので外に出します。そのうち決まった時間夜中に一回おしっこに行きます。だんだんと朝までもつようになり、「しー」の声でおしっこや大便をするようになりました。

④散歩は朝6時と夕方2回。30分ぐらい。

⑤朝5時過ぎに起き、(人間も)なでなでして、外に出し、自由にしてます。
6時ごろ散歩に行き、ご飯を食べ、しばらくすると用を足し、サークルに入れます。
庭で一日過ごし、仕事から帰って きて散歩。ごはん。庭でボール遊びをした後は、自由にしてます。
近所の犬が沢山通り、車やバイクなどまた道行く人に興味をもって追いかけていきます。庭を猛ダッシュで走り回り、それはすさまじいくらいのスピードです。
5時過ぎには玄関のケージに入ります。なかなか進んで入りませんが。エサで釣って入れます。

⑥昼間は庭にあるサークルで過ごします。雨や雪の日は小屋を入れたり、ビニールシートで被ています。小屋には入りたがりませんが雨のときは入っているのではと思います。

トイレは、基本庭の決まったところにしています。4カ月過ぎると、ケージの中ではしなくなりました。大便は、片づけています。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

まず最初に、今回の柴ちゃんを悪く感じて嫌ったり、現状と将来を悲観されないようにしてください。

柴ちゃんの行動・反応自体は、この月齢の犬の平均的な状況です。

また、犬をこうしてしまったのは、環境と飼い主さんの接し方による影響もあります。

犬は人間と違って手が使えません。

人間の幼子も、初めての物を手で触ったり噛んだり舐めたり、投げてみたりします。

犬は手が使えませんので、物を確認したり、遊んだり、相手の反応を見るためには、噛んでみるしかないのです。

ですが、相手かまわず強く噛んでいたら、とても群れで暮らすことはできません。

最初は親犬がそれをしつけるわけですが、人間家族の所に来る月齢では、まだまだ知能が低く理解が出来ていません。

そこからも、人間家族が根気よく躾したり、人間家族との関係を教えてあげないといけないのですが、教え方が間違った方向に行ってしまうと、さらにひどくなってしまいます。

その多いパターンとして、「甘やかし→手に負えなくなり感情で怒ったり体罰→さらに関係が悪化」という悪循環が多いです。

もともと成犬の知能でも、体罰自体が理解できませんし、子犬はなおさら知能が低く、興奮や防衛本能をあおってしまうだけになります。

かといって、注意しないと物事の良し悪しは分からないし、チヤホヤだけの接し方では、見下されてますます犬が横暴になっていきます。

そこで、体罰は使わず、でも悪い形を止めて良い型を作って教えることと、主導性と毅然さを一貫した接し方を家族全員で続けて主従関係を構築する必要があります。


さて接し方、しつけ方ですが、リーダーウォークで良い反応がちょっとあったようですが、今はそれを中心にしましょう。

噛み癖が強い段階では、接触系のしつけだと余計に興奮する場合がありますので、距離が保てるリード系のしつけ方にすることと、褒める時もナデナデはされないで、肩付近(前足の付け根付近)をポンポンするくらいにしましょう。

手を噛まれることをビクビクしていると、犬が見下したり興奮をあおってしまいますので、リラックスしてのぞめるように、作業用の革手袋を装着しましょう。

ホームセンターで500円くらいで買えます。犬と接する時は、噛み癖が直るまでは革手袋を着ける癖にされてください。

そして、腕輪もしたり、厚手の古着の長袖長ズボンを着ましょう。


さて、散歩時はまだ興奮すると思いますので、あまり無理はせずに、まずはお互いに落ち着いてできるお庭で、たくさんリーダーウォークをすることです。

月齢的に、急に知能が上がってズル賢くなる時期ですので、犬が飼い主さんの手や足を噛んで動きを止めようとする時もあります。

先ほどお話した防備はキチンとしておきましょう。感情的にならずに、毅然と淡々とリーダーウォークで切り返してください。柴犬でこの月齢ですと、もう体は丈夫ですので、厳しめにしっかり切り返してください。


その後に、主導型のボール遊びです。

呼び戻しがまだできないということですので、ロングリードを着けて飼い主さんが持っておきます。

まずはスワレ・マテの指示です。出来たらポンポン褒めて、ボールを投げてあげます。

指示できない場合は、型を作って教えます。

リードでチョンチョン合図を送りながらチョコチョコ引きながら呼び寄せます。

名前を呼びながら、「コイ・・コイ・・」の指示音と指差しジェスチャーも混ぜます。

来た時も指示音・ジェスチャーでポンポン褒めてください。

それでも来ない場合は、ボールを取り上げてしまって、定位置に戻り、そこで呼び戻しをやり直してください。

ボール目当てで犬が来るという要素もありますが、型を作ってあげないと理解できないのと、来たことは事実ですので、指示音ジェスチャーで褒めましょう。

そうしたら、またスワレ・マテをさせて褒めて、ボールを投げてあげて・・・の繰り返しになります。


そして最後に外のお散歩に出かけます。

リーダーウォーク→主導型コング遊び→外の散歩

を、間を置かずに連続ですると良いです。

そうすることによって、犬の発散がある程度済まされていることと、主従関係の意識が残っていますので、外に出た時に興奮やワガママを少なくすることができるからです。


噛み癖ですが、以上のような接し方・遊びの中で、犬が噛んでくることがあるはずですが、その時は「シ!」の注意音と同時に、リードをチョンと引き上げて教えてください。マテの指示も良いです。

噛んだ瞬間の現行犯で教えるためにも、リードを着けて持っておくわけです。

コツコツ淡々と教え続けますが、繰り返していくと、わざと手を見せても噛まなくなる瞬間がきますので、その時はポンポンして褒めてあげてください。

その褒めでまた興奮したり、動きに反応してまた噛むと思いますが、そうしたらまた注意音と同時にリードを・・・・の繰り返しです。

あるいは、注意してそのままリーダーウォークに移行しても良いです。

もうこの月齢になると少し落ち着いてきますが、子犬の場合は注意すると余計に興奮パニックになり、さらにジタバタ・グダグダになることがあります。

そうなったら、もうムキに教え続けないで、ゲージに戻して少しそっとしておきます。

興奮が落ち着いたら、また出して遊びの続きをすれば良いです。

もしゲージ内で吠える時は、『布掛け目隠し』も良いです。(詳しくはQ&Aで検索を)


ということで、まずはそんな接し方を中心に、遊びとしつけを展開していきましょう。

最後に環境のお話です。

現在は、昼間と夜で居場所が違ったり、自由に放している時間帯がありますが、それらは止めましょう。

犬としても自分の居場所が固定せず、精神的に不安定になりますし、外は心身ともにストレスが大きいです。

できれば、玄関も刺激が多いですので、お部屋のほうが望ましいですが、各家庭のご事情もありますので、せめて外ではなく玄関にされてください。

現在は、朝晩の2回のお散歩とボール遊びの時間がありますので、1時間半から2時間は運動・遊びが出来ているはずです。

それだけで十分ですので、自由に放す時間帯は要りません。

犬を見ていられる時間帯は主導型で接し(たまには自由な全力疾走も良いです)、かまう時間がない時は玄関のケージで落ち着けてあげてください。

アチコチ居場所が変わると犬が落ち着けないのと、放し飼いが癖になると、ダセダセの要求吠えも出ますし、関係も全体的に崩れてワガママになります。興奮癖や破壊癖も付きます。

玄関のケージも、天井から脱走するようでしたら、いま外に置いているサークルを分解して、その柵を玄関のケージの天井に、針金やヒモでくくり付けてください。

留守番のストレスで破壊癖が出るようでしたら、皮ガムやコットン製の歯磨きロープをケージに入れてあげてください。


では今日は以上にいたしますが、月齢的には今が反抗期のピークで、一番しつけが大変な時期です。まだしばらく続きます。

10か月くらいまでは期待しないで、淡々と教え続けてください。

今からキチンと続けると、1歳くらいで「だいぶ良くなったかな~」という感じになります。

あるいは、知能が急激に上がる時期ですので、ズル賢くもありますが、ある日を境に急に良い子に変わったりする場合もあります。

ちょっと変化が激しい時期が続きますが、一喜一憂されないで、コツコツ続けながら子犬の成長を待ってあげてほしい時期です。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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