犬のしつけがQ&Aで分かる!

人の足音が聞こえたり食事の準備で鳴く子犬のしつけと環境作り

質問内容
子犬のしつけの問題:
・人の足音が聞こえると5~10分鳴く。
・食事の用意の音が聞こえるとふやかす時間20~30分鳴く。

朝は誰かが起きるまでは鳴かなかったのに、昨日、おとつい5:30頃起きたら、今日は誰も起きなくても5:30頃鳴きだしてしまいました。

犬はポメラニアンとトイプードルのミックス犬で、二ヶ月半の女の子。ペットショップから購入して二週間。高校生の娘が以前から犬を欲しがり、私も可愛いと思い、一軒家になったのを機に子犬を購入。

主人・私50代。長女・長男大学生。次女高校生。母80代。

母と私が一日中家にいます。

①子犬は三階のゲージに入っていますが、一日三回くらい一時間ずつ、だっこで二階まで下ろし、おもちゃをいくつか置いて遊ばせたり、また抱っこで一階まで下ろしリビングで遊ばせていました。子供はゲージの外からよくながめてました。

②しつけ方は、甘噛みのときイタッと大きな声をだしてました。

③おやつはなし。だっこ、なでなで、声かけは家に来た2~3日は主人以外全員でかなりやりました。

④もうすぐ予防接種二回目なので、散歩は行っていません。

⑤一日の流れ
6:40頃私が起きると鳴き始め、ドッグフードがふやける20~30分鳴き続ける。食後一時間くらい外に出して二階や一階で遊ばせる。12時頃食事(一日二回だった食事を4~5日前から三回に変更)一時間くらい外に出して遊ばせる。夕方一時間くらい外に出して遊ばせる。6時頃食事。8時頃ゲージに布をかぶせる。母が日中ちょこちょこ見に行ってます。

⑥環境:三階に娘たちの部屋が2部屋あり、部屋の間の廊下の窓の下にゲージを置いてます。ゲージの半分にトイレをおき、あと半分の場所で寝ています。

三階は昼間はほとんど誰も通りませんが、一階が吹き抜けなのでテレビの音は聞こえてます。一階はほぼ朝から夜12時頃までテレビがついているので、寝れないかなと思い三階にしました。でも暑くなると一階はずっと冷房が入りますが、三階は誰もいなくても子供部屋の冷房を付けっ放しにしないといけないので、一階と三階どちらが良いのか迷ってます。人の気配があるほうがいいなら一階かなあともおもったり。

あと、外に出している時、クンクンかぎだしてトイレかなあと思いゲージにいれてもせず、出すとそのへんにしてしまうので、ゲージの外に同じトイレをもう一つ置いたら、そこへだいたいしてます。


返答内容
今回の原因は↓この二つです。

>一日三回くらい一時間づつ遊ばせ・・ゲージの外からよくながめて・・
>だっこ、なでなで、声かけは家に来た2~3日はかなりやりました・・

犬は最初の接触を基準値にします。

チヤホヤの癖がついて、それが当たり前の基準になってしまったので、それが実行されない時は当然イライラしたり不安になります。

そして、孤独な時間とチヤホヤされる時間のギャップが激しすぎるのです。これは強いストレスになってしまいます。

それと、犬は新しい環境に来て、とても強い興奮と緊張を持っています。そこに人間がチヤホヤするので、さらにあおられてストレスが強くなってしまいます。本来は、1週間は最低限の世話と健康管理だけして、それ以外は接触したりケージから出してはいけませんでした。


ということで、今回は子犬の環境と接し方の両方を変えていただきたいです。


①環境

出来ましたら、1階の家族が長く居る場所に犬も居させた方が良いです。ただし、ベタベタしないことです。

「家族の姿がいつもあって安心。でもベタベタしない」という、「ギャップが小さい環境」が大切です。一緒に居るのが当たり前・・でもベタベタしない・・・という、良い距離感で居てください。そして、温度管理も一定になりやすいのもメリットです。

テレビなどの騒音は気にしなくて良いです。

もともと1階が吹き抜けということもありますが、犬は人間の何倍も聴力が高いですので、1階だろうと3階だろうと普通に聞こえています。

むしろ、音は良く聞こえるのに家族の姿が見えなくてイライラします。

そして人間もそうですが、常に聞こえる音というのは、自然に聞き分けて単なる雑音として処理されますので、まったく気にならなくなります。特別大音量で出しているわけでもありませんし、もし気にされるのであれば、テレビの音量を小さ目にしてあげれば良いです。

窓を閉め切っていても、外を歩く人の足音が普通に聞こえるくらいですので、犬にとっては人間の「静かに」という感覚はあまり意味がありません。臭いも同じです。


②接し方しつけ方

クンクン鳴き程度でしたら、完全に無視してください。犬をジロジロ見たりもしないで、横目でチラチラ見たり鏡に映して観察して、健康管理は見てあげてください。

ワンワン吠えになったら注意が必要ですが、まだ幼すぎて、出来る叱り方が限られます。「シ!」の注意音と関連付けながら、仰向けや口閉じで教えますが、甘くやってしまうと「吠えればかまってもらえる」と勘違いますし、厳しくやりすぎて恐怖を与えてしまうと、防衛本能が刺激されるだけになってしまいます。(やりながら感覚をつかんで、成長に合わせて調整していきましょう)

手が離せない時間帯や、自信がない時は、無理に叱ったりしないで、ハウスに毛布などの厚手の布を掛けて目隠ししてください。落ち着く犬が多いです。

首輪とリードが付けられるようになったら、吠えた瞬間「シ!」で首輪やリードをチョンと引き上げて注意しても良いです。4か月過ぎたら、リーダーウォークも取り入れてください。

子犬をケージから出す時間ですが、現在の1時間×3回はちょっと多いです。

今の時期でしたら、10分×4・5回くらいで良いです。環境に慣れてきて、ハウスを嫌がらず鳴きがなくなってきたら、少しずつ増やしていきましょう。

(1階に移動したら、最初の1週間は最低限の接触にしてください)

そして犬をケージから出す時は、3か月近くなってきたら首輪とリードを付けて、それを飼い主さんが持って過ごすようにしてください。

暴走によるケガ・トイレの失敗・誤飲事故が防ぎやすいですし、お散歩デビューの練習にもなります。そして、飼い主さんが犬の行動全体を自然と主導する形になりますので、主従関係作りに良いのです。

団らんや遊びの時は、そうやって過ごしてください。(主従関係作りや呼び戻しができるようになるまでで良いです)

そして、何気ない接し方も見直しです。

人間からの猫なで声でナデナデというのは、犬の本能には従属的な挨拶そのものに映ります。また、抱っこなど、人間の体の上に乗せることも、優位性を確認する体位になります。

団らんの時は、となりにピッタリ寄り添わせれば良いです。遊びも主導型のコング遊びにしてください。その中で、スワレ・マテの型を作ってあげて指示音ジェスチャーで褒めて、少しずつ覚えさせていきましょう。

褒め方も、リーダーらしく静かに堂々と褒めてください。名前も呼びながら、指示音ジェスチャーを関連付けながら、肩付近をポンポンポンで褒めてください。

甲高い声や大げさも、犬の興奮をあおるだけだったり、従属的に映ってしまいます。


しばらくは何も期待しない方が良いです(笑)

今はとにかく、知能も経験も何もない小さな猛獣状態です。求め過ぎるとお互いにイライラしてストレスだけになります。やるべき事を淡々と続けながら、子犬の成長を待ってあげないといけない時期です。

絶対に、ご家族皆さんで、本書とQ&Aサイトとサポートメールを熟読されてください。そして家族会議でルールを決めてください。皆さんで指摘し合いながら修正も続けていきましょう・・・


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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