犬のしつけがQ&Aで分かる!

生後間もない子犬にしつけの結果を求めてはいけません

質問内容
生後2カ月半の子犬の甘噛みと要求吠えのことで質問をさせていただいていました。ありがとうございます。

「甘噛みをしたら「ダメ!」とリードを引く」、「要求吠えは無視」でやっていますが、まだ変化は見えません。むしろ、要求吠えが多くなり、エサをあげる際、すぐにあげないと「ワンワン!」と鳴くようになりました。

実は、平日は30分程度しかケージから出してあげられません。リードをつけてケージから出すと、狂ったように走り回ります。ブリーダーさんのもとでは囲いのある戸外に離して走り回らせていたため、ストレスがたまっているのではないかと、時間がとれる週末に、家の前でリーダーウォークの練習をし、また、リードをつけて並走して何度か走りました。

ひょっとして、その走らせたことが悪影響だったのでしょうか。子犬はうれしそうだったので、週末にはまたやってあげたいところなのですが。

そもそも、子犬をケージに入れっぱなしにして構わず、時間がとれる30分だけしか出してやらないのは「子犬がかわいそうな状況」なのでしょうか。いつもケージからじーっと私を見て(時には要求吠えも)いるので何だかかわいそうに思えてきます。ケージの一部に布をかけて見えないようにすると少しは違うでしょうか。

また、室内のケージは写真のような環境で部屋の隅に設置していますが、クレートの中があまり好きではないようで、せいぜい噛みついたりひっくり返したりしておもちゃにするくらいで中で寝ることがあまりありません。

それどころか、中にオシッコをすることも時々あります。普段は大体、トイレシートの上でできるのですが、おもらしのようなものなんでしょうか。

長くなりますが、室内で遊ばせる際、ケージの中のトイレに戻るようにしつけるにはどうすればよいでしょうか。いつもカーペットの上などでオシッコをしてしまうので、遊ぶ前にはトイレに閉じ込めて「ワンツー」とオシッコを促しますが、そもそもブリーダーさんのところでトイレを覚えてきたため、「ワンツー」の指示語が通じておらず、ケージから出してほしい一心で暴れるので、トイレどころではなさそうです。ちなみに、ケージからトイレを出して置いてみましたが、そこでもオシッコをしませんでした。

長々と申し訳ありません。お忙しいところ申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。


返答内容まず、しっかり受け止めていただきたいのですが、子犬のこの月齢で結果をアレコレ求めるのは、あまりにも酷です。無理な月齢なんです。それをしっかり受け止めておかないと、必ず無理をしたりお互いイライラ・ストレスになります。

人間で言う20歳は、犬では2歳くらい・・という背景を絶対に忘れてはいけません。つまり、少なくとも1歳までは、ドンドン問題が出てきます。これは当たり前の事なんです。

今はまだ幼すぎますが、これから離別行動が始まり、自立心・自我・権勢本能が出てきたらもっと吠えも噛みつきも出てきます。ですが、それが普通なんです。それを親犬は淡々としつけをしていきます。

チヤホヤかまう事は、もうこの月齢ではしないのです。見習わないといけません。

>子犬はうれしそうだったので、週末にはまたやってあげたいところなのですが・・

↑やって良いのですが、必ず主導の意識を持つことです。子犬の感情に合せて「ただ喜ぶから」「子犬が嬉しそうだから」という意識では、間違った関係が出来てしまいます。

それと、もうすぐお散歩デビューもされますので、しっかり散歩の時間が確保できれば、また変わってきます。主導型のコング遊びも取り入れてください。

1時間散歩・30分遊びでちょうど良いです。本来は、走ることも噛むことも吠えることも、犬が犬として生きていくための大切な本能です。発散してあげつつ、吠えや噛みつきなどの群れにとって都合の悪い行動は、毅然とリーダーとして教え続けないといけません。

これからまだまだ数か月は、教え続けないといけないと思ってください。

>「要求吠えは無視」・・

↑無視だけしても犬は何が悪いのか理解できず直りません。現行犯で「シ!」の指示音で口閉じをしたり、「シ!・・シ!・・シ!」でリーダーウォークをしてください。(クンクン鳴きは毅然と無視してください)。

>ケージの一部に布をかけて見えないようにする・・

↑これは良いですので、必要に応じてやってください。ただし、真夏でエアコンなしの時は熱中症が懸念されますので止めましょう。

クレートから出たがるのも、季節の影響があります。今の真夏は入りたがらないことがあります。

>普段は大体、トイレシートの上でできるのですが、おもらしのようなものなんでしょうか・・

↑まだ知能が低すぎます。寝床という認識もないですし、興奮のチビリもあります。

トイレに限りませんが、人間だってやっとチョロチョロ歩き始めた幼子が、自分でゴハンもトイレもキレイに済ませる・・遊びもお出かけも完璧・・なんてことは不可能なわけです。それなのに何倍も知能が低い犬に、さらに知能が低い数か月の子犬に何かを求める方が、あまりにも酷なわけです。

それを絶対に忘れてはいけません。

http://osiete-wanwan.com/koinu.html

↑子犬解説をもう一度、そして今後も何度も何度も、本書と一緒に熟読してください。

>ケージの中のトイレに戻るようにしつけるには・・
>遊ぶ前にはトイレに閉じ込めて・・

↑まず子犬に必ずリードを付けて出し、少し遊んでから入れましょう。遊ぶ前ではなく、少しだけ遊んで興奮の要素を与えてあげることです。それと、オシッコの出口を軽く触って促すこともやってみてください。

親犬は子犬がまだ自分で排泄できない生まれたてのころは、舐めてオシッコ・ウンチを促します。まだ幼い子犬はそれを体が覚えている場合もあります。

促してもしない場合は、またいったん出して少し遊んでまた入れて促し・・を繰り返してください。指示音がまだまだ定着しませんので、結果を求めてはいけません。今はひたすら排泄の行為と指示音を関連付けさせることだけ考えてください。

それと本書でもお話した通り、「ワンツー」などよりは「チチチチ」などの効果音的な、シンプルな「短音」の方が良いです・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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