犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のハウス・トイレのしつけとボール遊びの方法

m1.png堀川さんの、オヤツやグッズに逃げず、ごはんもドライフードだけ、犬との関係作りに最も重きを置いた犬のしつけ方法に感銘を受け、我が家の愛犬も飼い始めて間もないのですが、大事な時期ですので、しっかりおりこう犬に育ってくれたらいいなと思い、マニュアルを購入しました。

あお向けがためやリーダーウォークなどまだ「これでいいのかな...?」という感じですが、少しずつ根気よくやっていきたいと思っています。

さっそく、現在困っている問題についてアドバイスをいただけたら、と思いメールをさせていただきます。よろしくお願いいたします。


・問題の内容:

1.ハウスのしつけ(サークルの中に入れる)のし方がうまくいきません。
基本的にサークル内に入っているのが嫌いなのか、いったん出してもらうと中に入りたがらないのです。

でも、放し飼いにしていると、トイレ以外のところでオシッコをしてしまうなどの問題もあり、放し飼いは基本的にしつけにとってデメリットが多いとHPで読みましたので、目を離さなければならないときにはサークルに入れるようにしているのですが、その場合指示で自発的に入ってくれません。

それで今現在は、サークルにはこちらが抱きかかえて入らせ、入ったらその場でほめる、というやり方で入れていますが、これを繰り返していれば自発的に入ってくれるのでしょうか?

一般の犬のしつけ本などを見るとおやつで誘導し、入って隠したおやつを探しているうちに扉を閉め、中でおやつを食べているところをほめる、という方法が書いてあるのですが、あまりおやつでつるやり方に逃げずにやりたいと思っているので、いい方法があれば知りたいです。

2.サークルの外に出しているとき、サークルの中に入ってトイレをして欲しいのだが、してくれません。

(サークル内にいて外に出られないときはまだ80%くらいの成功率ですがトイレでしてくれます)サークル外にいるときでもきちんとサークル内のトイレに行ってオシッコをしてほしいのですが、どうすればよいのでしょうか。

犬は外に出たとき興奮してオシッコをしやすくなる、と聞きました。その際リードで誘導しトイレに連れて行きオシッコをさせると良い、とHPで読みましたので試みてみましたが全然だめです。

トイレに連れて行かれて、「は?何をしたらいいの?ここで?」という反応です。外に出したとき、犬が戻りやすい場所にトイレを移動してあげたほうがいいのでしょうか?

3.ひもつきボール遊びがうまくいきません。ひもつきのちょうどうちの犬がくわえやすい大きさのブタの形のおもちゃにひもをつけてやってみていたら、気分が乗っているときには、「モッテコイ!」と言って投げたブタを追いかけてくわえに行く→自分の拠点(サークル外に出しているときにその上で休むお気に入りのクッションの上)に戻り、ガジガジ噛んで遊ぶ、というところまではいくのですが私のところにくわえて戻ってきてくれません。

我が家では、「コイ」ではなく「オイデ」で呼んでこちらに来させているのですが、ガジガジしている間に「オイデ」と声をかけるとかじっていたブタを離してこちらに来てしまうのです。(それでも来たのでほめるようにはしていますが)この先の進め方がわかりません。アドバイスよろしくお願いします。

・愛犬の犬種:トイプードル
年齢:5ヶ月 性別:オス 他にも愛犬の有無:無

・家族全員の年齢・性別・一日の愛犬との同居時間:
私(41歳・女)一日数時間留守にするが、それ以外は在宅
夫(42歳・男)朝8時半~夕方7時ごろまで仕事で不在
娘(9歳小3・女)朝7時45分~16時頃or6時半頃まで不在

・過去の接し方と、一日の流れ

【ポイント】(※本書を読む前の、以前の状況を正直にお知らせください)

①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
・一日1回のブラッシング(ひざに乗せ、長いときは30分くらい)
・時々抱っこをする(堀川さんの方式では「抱っこ」はだめ、とありますがこれについてはいまだにどうしても、なぜだめなのか、理解しきれません。また、家族にはこの点についてなかなか理解が得られず、抱っこはやめていません)

・特にサークルから出してやったときなど、興奮して足元にまとわりついてきますので、そのときに
私:ときどき、首のまわりをさわってやって、私の手などもなめてくるのでちょっとそれに応じてやる。
夫:私とほぼ同じ。
娘:(犬は娘がかなり好きなようで、とにかくやたらからみついてきて、娘の顔や手などいろいろなところを放っておくといつまでもぺろぺろとなめてくるので)それに応じている(そのときの姿勢は床にぺたんと座って、または抱っこ(抱っこしているとその興奮がおさまるので)

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
・主に私が、時間が取れるとき、「オイデ」「オスワリ」「フセ」のしつけ
(※「オイデ」「オスワリ」「フセ」については、堀川さんのHPに出会う前、他のしつけ本にある方法にしたがってやっていたので、フードやオヤツ(ボーロ)を使ってやっていました。でも今はオヤツなしでこの3つはほぼできます。

うちの犬は、食べ物にあまりくいつきがいいタイプではなく、構ってほしがりの甘えん坊という性格のようで、そのため、フードやオヤツでしつけてもフード(オヤツ)なしに移行しやすかったのかもしれません。)

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
しつけ:上に書いたように、サークルから出して「オイデ」「オスワリ」「フセ」を教えたり、(これは堀川さんのHPを読んでから実行するようにしたのですが)構ってやるとき、サークルから出してやるときには必ずオスワリにくわえ、「マテ」をさせ、待てずばたばたしていたり、飛び上がったりしているときには絶対にだしてやらず、指示を守れたら出す、というようにしています。

褒め方:トイレで排泄ができたとき、指示の通りにできたとき、などに堀川さんHPに出会う前→かなり大げさに高い声でなでなでしながらほめていた
出会った後→「ヨシ」「OK」「イイコ」このどれかをいいながら笑顔でポンポンと軽くたたく程度(このポンポン...でおさえようとすると、その手をなめてこようとして困るのですが...)

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
上述したとおりです。声かけは、サークル内、サークル外、お散歩時にも名前をときどき呼んで、こちらを見たら、「ヨシ」と笑顔を返しています(アイコンタクト)の練習。それ以外の意味のない声かけはしていません。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
3回目のワクチン接種が1月ほど前に済んで、そのあと抱っこ散歩からデビューして徐々に外を歩かせてください、とブリーダーさんに言われていたので、まずはスリングで抱っこ散歩から始め、1週間後くらいに歩かせはじめ、歩かせる時間を一日に10分→15分→30分と伸ばしていき、今ではだいたい一日に2回、合計で1時間くらい連れ出しています。雨の日などはしていません。

散歩の時間は、朝は娘が登校前に、ということに決めているので、寝坊をしなかった日はほぼ必ず連れていきますが、2回目の散歩は昼間だったり、夜だったり、私の都合に合わせていろいろです。やり方ですが、ボディハーネス(首輪のほうがいい、と堀川さんは書かれていますが、これも既に買ってしまっていました。

うちの犬はトイプードルでもさらに体がちっちゃいほうで、細いので、首輪だとぬけちゃうことがあるんですよ、と犬洋品店で言われたので...)にリードをつけて歩かせるのですが、散歩開始時からつい最近までは、特定の場所はびびって歩こうとせずべたーっと地面に寝そべってしまうので、「引っ張られる」というより逆にこちらが「引っ張る」感じでした。

最近ではようやく自分からほとんど全部歩いてくれるようになってきたので、こんどは引っ張られる瞬間があったり、先に行こうとして二本足歩行状態で何十歩も歩いたりするというのがみられるようになってきました。

これについては、犬が行きたい方向に行こうとしたら目線を合わせず逆を向いて止まる、(2本足歩行をしようとしたときもリードをぴっと張って立ち止まる)ようにしています。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
5時~6時半の間に夫・私・娘の順で起きる(少し構ってやる)
7時から15分くらい 娘が散歩
朝食 7時半~10時までの間に
午後または夕方 私が散歩30分~45分
夕食 7時半~8時半の間に
家族就寝 10時ごろ (私がその後ひとりおきることもあるがそのときは犬はハウス内で寝ています)

・愛犬のハウス周りの構成、環境など
添付した写真の通りです。

長文になってしまいすみません。

以上、アドバイスよろしくお願いいたします。


m2.png本書を参考に色々改善していただいて、素晴らしいです。しっかり修正しながらやっていただいているので、基本はそのまま続けていただければちゃんと結果は出ますので、焦らず続けてください。まだ犬のしつけも、始められたばかりですからね。

では、その中で気になった点とご質問への回答、補足などお答えしていきます。

まず、犬のしつけは全てつながっているということです。クレートトレーニングだけ、トイレのしつけだけ、という断片的な手法のみにとらわれずに、まずは基盤となる関係作りを重視されるのが良いです。

例えば、普段の接し方が毅然とできていない中で、どんなに優れた手法を使っても犬は聞く耳すら持ちません。今回のケージのしつけと抱っこについての解説も重複しますが、それが良い例です。

犬はハウスやケージ内そのものが嫌なわけではありません。

抱っこなどかまってもらっている事と、ケージ内で過ごす事とのギャップが大きいから嫌がるのです。犬は暗く狭い場所が落ち着きます。そこで寝たり、ケージ内でゴハンを食べさせてそれを数日間経験すれば、そこが安全で居心地が良いことはちゃんと理解しています。

でも、ケージから出てかまってもらっている時とのギャップが大きいから、それを嫌がります。

クレートトレーニングそのものは単純です。奥様とお嬢様が大好きなわけですから、ケージ内に入って呼べば良いのです。まずケージに入って扉を閉めます。(犬は入れない。)犬は入りたくてしょうがないですから、しばらく待たせた後、ケージの扉を開け、名前を呼びながら「ハウス」の音も連呼します。(ハウス内を指差すジェスチャーも)。

ハウスに入ったらさらに「ハウス」を連呼して褒めます。(褒め方は覚えていただいた通りです)。

ひたすらそれの繰り返しの関連付け(型と音とジェスチャー)をやり続けるのみです。またはケージ内に手だけ入れて誘っても良いです。

普段甘やかしをせず主導し良い関係が出来ていれば、簡単に行動してくれますし、ベタベタの甘やかしをしていなければ、ケージ内に居る時とのギャップが少なるので、犬はストレスなくケージやハウス内で落ち着けます。

そして抱っこの解説になります。

犬の群れを観察すると分かるのですが、触れ合う時に犬は、優位な犬が下位の犬の体の上に、自分の体の一部を乗せようと自然にするのです。それを下位も自然に受け入れます。

相手の背中の上に自分の顔を乗せる、前足を乗せる・・とにかく相手の体の上に自分の体を乗せようとします。ですので、飼い主さんが膝の上に犬をのせてナデナデ・・という姿は、犬に誤解を与える構図そのものになります。

もちろん犬の中にもいろんな素性の子がいますので、そういう接し方をしても主従関係が全く崩れない犬もいますが、それはまれですので、誤解してはいけません。

ピッタリわきに寄り添うような自然な形を心掛けてください。また、意味なく接するのではなく必ずオテでもスワレでも良いので、何か指示を出し褒める・・というルールを心掛けると良いです。それなら楽しくスキンシップできますし、主従関係も深まっていきます。


次にトイレですが、まずオシッコしている場面をできる限り多く見つけ「チチチ」などの音の関連付けを根気よく十分行っておかなければいけません。それがまずできていないと、ケージに誘導されても犬は・・?・・となります。

> 外に出たとき興奮してオシッコをしやすくなる・・
> リードで誘導し・・

↑これはその通りです。しかし先ほど申し上げた通り、音の関連付けをしておかないと犬は意味が分かりませんし、そこで成功したとしても、関係作りが上手くいってないと褒められても嬉しくないのです。それでは一向に進歩しません。

ですので関係作りと並行して音の関連付けを根気よく準備してください。それと、ケージから離れたところで遊んでいると、誘導しても間に合わないので、ケージの前でボール遊びでもさせて少し興奮する状況を作ると良いです。

また、ケージが少し大きいのも失敗する要因になります。犬は汚れていないキレイな場所でオシッコしたいので、スペースがたくさんあれば、そちらでしたくなるのは自然です。

できれば仕切りを入れて、今のケージの3分の2くらいにしても良いです。(あまったスペースは用品置き場にするなど)。

ケージの中は運動場ではありませんので、広くしようと考えないことです。広ければテリトリーを守るためのエネルギーやストレスも大きいです。

それからボール遊びの回収ですが、これもひたすら型と音の関連付けです。今の時点では、指示がどういう意味なのか犬はまったく分かっていないのです。

だからひたすら体現させます。例えば、犬の口に「キャッチ」と言いながらボールを手で入れます。その次に「ダセ、ダセ、ダセ」と言いながら、犬の口から手で取り出し自分の手の平に乗せる一連の流れを見せます。そして褒めます。

犬は特に何もしていないわけですが、ボールが飼い主さんの手に渡った時点で褒められる・・という事実を段々理解していきます。

それを根気よく続けていくと、犬がボールを加えているときに、口の前に手の平を見せ、「ダセ、ダセ」の指示を出すと口を開け落とすようになります。(オテと間違えないように手の高さを変えましょう)。

そして結局は、これも褒められて嬉しいかどうか・・という関係作りが根本になるわけです。

犬も人間も物事を覚えるのに動機付け(オペラント)が必要です。これをやったら良い事が起こる(正の強化)。これをやったら嫌なことが起こる(負の強化)。を通じて、物事を覚え行動する基準にします。

その動機付けを、「オヤツや嫌悪刺激など物の効果」にするのか、あるいは「褒められて嬉しい・・叱られて嫌だ・・」という関係作りにするのか。私は後者でやっているということです。

時間と根気が要ります。でも素晴らしいです。楽しいです。


その他、余談ですが、もうしばらく犬のしつけが浸透するまでは、お嬢様単独での犬の散歩はひかえてください。まだお互い未熟なので、主導できないと主従関係が崩れていく可能性がありますし、思わぬ事故につながります。

お嬢様に十分リーダーウォークの練習と普段の接し方を教えてあげてください。今は良くても、犬を好きに歩かせていると引っ張りや他の犬への吠えなどドンドン悪化していくことも多いです。

もうすぐ6か月ですね。成犬への最後の移行期です。反抗期の症状も出てきますし、成犬としての権勢本能なども色濃く出てきます。他人や物、犬に慣れる社会化も一番順応できる大事な時期がもうすぐ終わります。ぜひ頑張ってください。

では、焦らず徐々に強化して続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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