犬のしつけがQ&Aで分かる!

リードを噛んで始終自分がリーダーだと主張する子犬のしつけ

質問内容初めまして。どうぞよろしくお願いします。

・問題の内容
噛み付く。 散歩でのリードウォークが出来ない。リードを噛んで始終自分がリーダーだと主張する。

・愛犬は柴犬・月齢 4ヶ月・性別は雌。飼い始めて丁度2ヶ月。

・犬を飼うことになった動機
夫が強く欲しがった。義母をグループホームに入れたばかりやっと犬を飼えるようになった。

・ご家族全員の年代

夫50代:朝撫でて出社、帰ると撫でて食事。食事が終わると犬を床に放し遊ぶ。休日はべったり。午前散歩午後も長時間散歩。自室に連れ込み遊び一緒に昼寝。

私40代:朝ご飯を与える。家事一段落ついたら午前散歩、昼はショップから指定された離乳食を与える。午後散歩、夜ご飯を与える。入浴させて以来尻尾を振らなくなる。普段もなつかなく散歩に連れて行く時も早く連れていけとばかりに噛まれる。

娘10代後半:朝撫でて出社。夜帰ると犬に歓迎されるので撫でる。

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?

夫が構いすぎるので、私はなるべく構いすぎないようにした。夫は食事中でも犬に合図をするのが気になっていた。夫が可愛くて仕方ないらしく犬を食事終わっていないのに抱っこして可愛がっていた。食後は夫と犬が仲良く遊んでいた。おもちゃで釣ったりして走り回らせていた。

②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

噛むとダメと叱る。色んなアドバイスに振り回された。マズルコントロールも、ひっくり返して叱ることもしましたが、色んな方に話をきくと大人になると落ち着くそうなので少し安心してしまった。

③過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?

抱っこも撫で撫でも声かけもしていた。

④過去は散歩 散歩デビューしてまだ2週間、夫は気が向くまま犬が疲れるまで散歩していました。夫が散歩するのは休日に限るが、正月休みの9連休中はずっと夫が散歩してました。

休みが終わり事の重大さに気付き、私の散歩からリードウォークに取り組み始めたが。。
平日は私が散歩、午前20分午後30分程度。
リードウォークが出来ない。 自分がリーダーだと主張する。散歩後リードできなかった不満でゲージ内で荒れることも。

⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな 流れでしたか?

上記同様ですが、この家に来る前はペットショップに居ました。ペットショップ育ちだからか、注目を集めようとわざといたずらをしたり、散歩中に可愛いとよってくる人に大喜びで尻尾振り飛び付きます。誰もが自分を可愛がってくれるものだと、思っているようです。

⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、環境など写真添付

 

返答内容

まだ子犬が4か月ですので、はっきりとした「リーダー」という認識はまだありません。

ただし、今までの接し方が犬の中で基準値になり、悪い癖になってしまったのは事実です。これを続けてしまうと、完全に定着し、成犬になる過程で主従関係が逆転してしまいます。

そうなってからでは、修正するのがとても困難になります。それが怖いのです。

犬が何か気に入らないことがある時は、激しく威嚇し噛みつき、要求吠えするようになってしまいます。今は子犬ですが、成長にともなってそういう面が強くなっていきます。最後には手におえなくなって、近づくことすらできない状況になるケースも多々あります。

そういう知識や経験が無い方は、本当に深刻になってはじめて、やっと気づくのです。

人間は失敗しないと分からない生き物なので、しかた無い部分はあるのですが、少なくとも私のサイトに訪れて本書を手にしていただいた方には、そうさせるわけにはいきません(笑)


今回の柴犬ちゃんは、とても素性が良い子です。人間好きで他人にも臆病ではありませんし、お写真を拝見して頭の良い目をしています。

問題は、ご主人の接し方(意識設定)です。もうこれが全てです。もちろん、お嬢様もそういう部分があるでしょうし、奥様にももっと深めていただきたいです。

今回は、ご主人にどれだけ気付いていただけるかです。

「奥様だけが犬のしつけを担当し、完成して終了・・」ということは、絶対にありえません。

訓練士に依頼することもそうですが、誰かが犬をしつけて終わり・・ということはないのです。一貫される環境がないと、犬は理解できません。ギャップに苦しむだけなんです。

あるいは、厳しくする人を避けたり攻撃的になったりします。かといって甘やかしてくれる人の言うことを聞くわけでもありません。仮に今は良くても、必ず崩れていきます。


かといって、犬との接触が悪いのではありません。そして、○○手法を強引にでもやれば良い・・ということでもありません。

特に今の子犬の月齢では、知能が低すぎてアレコレ教えても理解できないんです。無理に難しいことを強くやりすぎてしまうと、防衛本能だけが刺激されてしまいます。

でも従属的な接し方をすればそれも誤解されてしまう・・・そういう難しい時期なのです。

また今回は、今までの習慣もありますので、激変してはいけません。少しずつ変えていきましょう。飼い主さんの意識が変わるだけでも、自然と接し方は変わっていきます。今はそんなレベルで十分です。


では具体的な接し方のお話です。

無視だけは関係作りもできませんし、物事を覚えることもできません。スキンシップも大切です。「接し方」の問題なのです。

接し方の中に常に「主導性と毅然さ」を意識してほしいのです。

それを意識するための方法ですが、まず犬をケージから出して遊んだり団らんする時は、リードを付けて持っておく癖にしましょう。

そうすることで、犬の行動全体を自然に主導する形になりますので、無理なく関係作りが出来ます。また、リードを付けることや飼い主さんにコントロールされることに慣れますので、散歩の練習にもなります。

急に本格的なリーダーウォークはまだされないで、そういう遊びから入ってください。

その中で、時々一緒に歩いてみる・・また遊び・・また歩く・・徐々にリーダーウォークに近づける・・・

今の月齢なら、そんなところから始めてください。

あるいは、リードや人を噛んだ時は、すぐに厳しい態度でリーダーウォークに移行するようにしてください。


何気ない犬との接触も、「意味なく猫なで声でナデナデ抱っこ」ではいけません。それらは、犬の本能には従属的に映ってしまうからです。

スワレでもマテでもオテでも何でも良いですので、何か指示を出して行動させて褒める・・・そういう主導型のスキンシップにしてください。

指示で出来なければ(まだ何も覚えていなければ)、こちらから型を作ってあげて、そこに指示音・ジェスチャーを関連付けながら褒めれば良いのです。

褒め方も、「猫なで声でナデナデ」ではなく、リーダーらしく堂々と静かに落ち着いて褒めてください。指示音・ジェスチャーを関連付けながら、犬の肩付近をポンポンポンして褒めてください。

褒める時は犬の名前を混ぜるのも良いです。叱る時は絶対に名前を言ってはいけません。

 

今回、まずはご家族皆さんの意識改革です。これが無いと絶対に犬のしつけは成功しません。

このメール・本書・Q&Aサイトを皆さんで熟読です。そして家族会議でルールを決めます。そして一貫できているか皆さんで注意し合って、修正していきましょう。

まだ子犬で知能が低いですので、急に良くなることはありませんし、これから反抗期に入って難しい時期が続きます。もっとズル賢くなっていきます。

1歳くらいまでは、本当に犬との根競べが続きますので、それは理解してあげておいてください・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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