犬のしつけがQ&Aで分かる!

人を噛んでしまったリーダーウォークができない犬のしつけ

質問内容生後6か月半のミニシュナ系のミックス犬です。家族は夫婦二人と子供二人です。

生後3ケ月から3ケ月間、子犬の保育園週3日、しつけ教室12回のセットで契約し保育園は卒園しました。そこではハウストレーニング、飼い主が主導権を取る事などを教えて頂きました。

先週去勢手術をしてエリカラが気になるのか、普段コマンドで家での排泄ができるのに、できなくなってしまいました。あまりにしないので心配になり外へ連れ出して、ようやく尿が出た時に犬連れの女の方が近寄ってきて、家の犬に興味深々でした。

しゃがんで手の匂いを嗅がせる動作をし、家の犬もしっぽを振って寄って行きました。
その方が犬を撫でようとした時、すごい勢いで吠えて口が出ました。

私もすごくびっくりして、チェーンカラーを思いっきり引っ張ってしまい。ダメじゃないの!と、でも相手の方の方が気になってまずは犬を抱きかかえ、大丈夫かお伺いしました。もちろん何度も謝りました。

相手の方は大丈夫ですよと言ってくれましたが、後日知人を介してメール連絡が取れた時に状況を伺ったら傷になってしまったと・・・でも大丈夫だから気にしないでと言ってくれましたし、また会いたいとも言ってくれました。

そこから私はどうしたら良いのか、人を噛んでしまった事がショックでショックで、ネットでいろいろ調べこちらに行き着きました。

最初保育園の先生に電話して対処法を聞こうと思いました。しかしどうも気が進まなかったのは、チェーンカラーでの主導権の取り方にどうしても疑問があったからです。

うまくできないんです。そしていつも怒られる・・・

私たちの為に言ってくれているのはわかるのですが、素人には難しかったし、なんだか犬が可哀想な気持ちがいつもあるからだと思います。

このマニュアルを読ませていただいて、このやり方でいこうと決めました。とても納得がいきました。

仰向け固め、口固めですごくいい子になりました。ただリーダウォークが出来ないんです。1歩進むと体1つ出てしまうので、反対向きに歩くとまた出てしまう・・・ですので玄関から道路まで車2台分の距離ですが、道路に出られません。

このリーダーウォークができるようにならない限り先には進んではダメですよね?

その事を伺いたくてメールしました。

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
お腹を出すのを極端に嫌ったので、保育園の先生から膝の上にひっくり返してお腹をナデナデして練習するようにいわれてました。後はマズルコントロールでナデナデです。

②過去はどういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
遊びは禁止されていました。引っ張りっこやボール遊びは犬の本能がでちゃうから、主導権が取れるようになってからと言われていましたので、やったことありません。

③過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
子供に飛びつき、あしかけ、甘噛みしたらチェーンカラーを引いて止めさせる。家の中でもリードは常に誰かが持っていて、持てないときはキャリーハウスに入れる。言葉は「ノー」です。
 
④過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
普通にやってました。犬の事がみんな大好きなので、よく声もかけてました。抱っこもナデナデもいっぱいしてました。オヤツは留守番させる時にサークルにいれてあげてから出かけるとか、散歩で他の犬をやり過ごせたときや人とすれ違えた時などにあげてました。何でもない時でもあげていました。

⑤過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
1時間を目安に左脚側につけて、出てしまったらチェーンカラーを引く、リードがピンと張ることはないものの、いつも体半分か1つ出てしまう状態でした。子供達が一緒の時は興奮して一切言うことを聞けなかったので、なるべく私一人で行ってました。散歩の合間にお座りやマテなども入れてしてました。

⑥過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
ご飯にしても散歩にしても時間を決めてはいけないと言われてましたので、人間の気分に合わせて毎日違うスケジュールでした。トイレも粗相をしたことはありません。

今一番困っている、困るであろうことは家族以外に吠えて、噛んでしまうのでは?ということです。あとリーダーウォークが出来ないと進んではダメなのかということです。
 
どうぞよろしくお願いたします。

 

返答内容

まずは、あせって結果を急いではいけません。

ちょうど今の月齢は不安定で、変化が激しく結果が出にくい時期です。反抗期のど真ん中ですが、ちょうど7か月くらいから知能が高くなり始め、本来の犬の権勢本能・自我・独立心が出てきて、感覚も鋭くなってくる時期です。

知能が高くなるのですが、まだ経験が乏しいのでズル賢さや気難しさだけが目立ってしまう時期です。

それと、もう一つの要因が去勢手術です。手術そのものが悪いという意味ではなく、手術の時に経験した嫌なことがキッカケで反応が鋭くなってしまうことがあります。

麻酔針を刺すためにバリカンで毛を刈ったり、針をチクチク刺すわけですが、敏感な犬は嫌がります。

でも、抑えつけてやらないと手術できないので、ある意味、病院のスタッフや獣医さんとバトルになってしまうわけです。

そんな経験による嫌な印象が残ってしまって、なおかつ感覚が鋭くなる月齢なので、こういうことが起こるのです。

もともと動物は皆そうですが、上から近づいてくる物に一定の怖さを感じます。上から来る相手というのは、大抵は自分より大きくて強い天敵であり、空から急襲してくるワシやタカなどの猛禽類です。

小動物は上からの動きに反応が鋭いです。

家で家族が接触する時も、しばらくはなるべく頭や背中は避けてあげましょう。犬の目線よりも低い位置から手を近づけて、犬の肩付近をポンポンして褒めてください。

猫なで声でナデナデや、大げさはいけません。犬には従属的に映ります。下位の犬は上位にすり寄ってナメナメ挨拶するからです。

また、犬の世界では体位が関係を示しますので、抱っこやヒザの上に乗せるなども止めましょう。

股の間に入れたり、隣に寄り添わせる形にして、人間の体の上には乗せないことです。

オヤツは止めましょう。栄養のバランスも崩れていますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなる犬が多いです。

そして、オヤツで釣ってコントロールできてしまうので、あたかも犬との関係が出来ているかのように錯覚してしまうのです。これが一番怖いことなのです。

遊びはやってあげてください。捕食動物の本能は発散してあげないといけません。散歩も狩猟の疑似行動になっていますが、動く物を追いかけるのは楽しいものです。

主導型のコング遊びをしましょう。主導するので関係作りができて良い事なのです。

ただし、引っ張りっこは止めましょう。対面しての力比べなので対抗心が強くなるのと、対象がボールなどではなく人間なので、人の動きに過敏に反応するようになり、噛み癖・引っ張り癖・興奮癖が強くなります。

主導型のコング遊びは大丈夫です。本能のはけ口は作ってあげないといけません。リードを付けて持っておけば、行動も主導できますし、犬が噛んだり吠えたり何かあれば、リーダーウォークですぐに現行犯で主従関係を示すことができます。

>子供に飛びつき、あしかけ、甘噛みしたらチェーンカラーを引いて止めさせる・・
>家の中でもリードは常に誰かが持っていて、持てないときはキャリーハウスに入れる・・

↑これそのものは正しいことです。ただし、チョークによる締め付けや音による嫌悪刺激を利用するのではなく、「悪い型を止めて良い型をとらせるためにリードを使う」というだけのことです。

悪い型は止めて良い型を作り・指示音ジェスチャーを関連付けながら褒める・・ということはしてあげないと、犬も何も理解できません。

シンプルに体現させて、反復で教えることです。

他人への接し方のしつけですが、まず人が来たら、犬の首輪をガッチリつかんでスワレ・マテの指示で型を作ってキープしてあげてください。

そこで指示音ジェスチャーで褒めたら、相手の方にも褒めてもらってください。犬の首輪はガッチリつかんでおいて、犬の頭ではなく肩付近をポンポンしてもらうことです。

すぐに結果は期待しないで、何度も練習して教えと経験・慣れを続けることです。

最初は急に会わせないで、遠くから見せる・・を繰り返してから、少しずつ近づけてたまに軽く接触してもらえば良いです。

優しいレベルから段階を作ってあげることです。


>いつも体半分か1つ出てしまう状態でした・・

↑今はまだ完成する月齢ではありませんので、それで良いのです。外の世界は興奮する要素が多いですので、そのくらいで良いのです。

怖がって歩けない犬よりは全然良いのです。

まずは、興奮の要素が少ない家の中でしっかりできる・・ということを目標にしましょう。

犬にリードを付けて持って、主導型コング遊び・・その中で時々リーダーウォークをやってみる・・また遊び・・

そんなことから始めても良いです。

興奮の要素と主従関係の認識、二つの要素があります。あせらないで毎日積み上げていってください。もちろん外の散歩時も毎日意識してリーダーウォークです。

ただし、今の月齢ですと犬が反発する可能性があります。

自我が出てくるのと、知能が高くなってくるので、コントロールされるのを嫌がり、リード・ズボン・靴を噛んで動きを阻止して、犬が自分が主導権を持とうとします。

でも、これも犬の自然な反応ですので、感情的にならず相手にしないで、主導性と毅然さを示し続けてください。

今はその根競べなんです。一貫すれば「この人にはワガママは通じない」と犬は根負けして、人間を認めるようになっていくのです。

それまでは淡々と根競べです。

犬の本能への理解と、大きな気持ちを持てるかどうかになります。しかし、「犬がかわいそう・・」というお気持ちは隅に置かないといけません。やるべき事はやらないと、関係が一気に崩れてしまう時期です。

「犬がかわいそう・・」という人間の概念は、犬には理解できません。それどころか、本能で主従関係を誤解するだけになってしまいます。

犬のしつけ教室は、もう止められたほうが良いです。無料だったら社会化のために行っても良いですが、有料でそんな手法で、嫌な思いをしてまで行く必要はありません。

では今日は以上ですが、今は犬のしつけの中で一番難しい時期です。それは理解してあげて、あせらず淡々と続けることです・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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