犬のしつけがQ&Aで分かる!

抱っこと散歩が嫌い・トイレの失敗・チャイムに吠える犬のしつけ

質問内容私の家には、2歳8ヶ月になるトイプードル(オス・体重3.8キロ)がおります。
生後3ヶ月で購入し、今に至ります。去勢はしておりません。

家族構成は、私44歳と、妻46歳、娘11歳、息子9歳の4人家族です。マンションのリビングの一角にケージを置き、夜寝る時と、出かけ る時はその中に入れあとは、ほぼ放し飼い状態です。

ソファなどに私や妻がいると、横にきて体の一部(おしりなど)をくっつけて座るのが好きなようです。ナデナデしていると、そのうち腹を上にしてお腹を上にむけるので撫でてやります。

問題点は多々あるのですが、書き出してみると大きな問題は以下の4点です。

1、抱っこが嫌いで、抱こうとすると唸って怒る。

2、我が家のマンションは巨大なため(700戸)共有スペースは抱きかかえて歩かねばならないが、それがままならない。やっと抱えてエレベーターに乗るが、降りたとたんに腕から逃げようとして暴れる。

3、散歩が嫌いで「散歩に行こう」というと唸って怒る。(一度、散歩に出てしまえば歩くのは好きで楽しんでいるが、出るまでが大変)。

4、リビングの至るところでオシッコをしてしまう。毎日、5回ほど様々な場所にしてしまう。ウンチも様々な場所でする。

5、チャイムが鳴ったり、玄関の方で少しでも音がすると激しく吠える。客が来た時も同じく、玄関の方へ向け激しく吠える。


果たしてこれらの問題を解決する方法があるのか悩んでいます。

今日、テキストを読ませていただき、さっそく仰向け固めを試して見ましたが、激しく抵抗され諦めました...(泣)

ま、抵抗を予想し、腕をバスタオルでグルグル巻きにしていたので怪我はなかったのですが、それでもかなり噛みつかれました...(笑)

ちなみに、これまでのスキンシップの方法は...

●近くにいるとなでてやる。
●名前を呼び、やってくると撫でてやる(頭や耳、背中など)。
●腹を上にすると、お腹をなでてやる。

遊び方

●部屋の中で、小さなぬいぐるみを放ってやり、とりに行かせる。
(ただ、とりに行ったあと、こちらには持ってこないでソファの上などで大事そうに抱えこんでいる。しかたがないので、それを奪ってまた 投げるの繰り返し)。

しつけ方、叱り方

●怒りっぽく、しょっちゅう「ウ~ッ」と唸っているので、「ダメ!」と言い、手の指をラッパのようにして犬の口に近づけ、マズルを掴む・・でも、離すとまた唸っている。

●部屋でオシッコを見つけると「ダメ!」と睨み付ける(しかし、現行犯でないので全く効果ナシ)。

●時々、ケージの中のトイレでオシッコをするので、その時はいっぱい褒めてやる。

●人がご飯やおやつを食べていると、とても欲しがるので、つい小さくちぎってあげてしまう。パンやクッキー、ハムなどが大好き。

●散歩はなかなか連れていけないので、週に1回程度。酷いと2週間に1度、などの時もある。その為、一度行くとなるべく1時間以上歩かせたり、走らせたりする。もちろん、おとなしく散歩に行ければ、もっと連れていってやりたいのだが...

一日のタイムスケジュール

朝7時頃
起床。ケージを開けてやり、外で朝ご飯(ドライフード)

朝8時過ぎ~夕方まで
ソファでテレビを見ている妻の横で、一緒に寝たり座ったりしている。

夕方
子供達が学校から帰ると、犬にちょっかいを出して遊ぶ。犬は唸りながら、じゃれているような、遊んでいるような感じで唸ってはいるが、嬉しそうにも見える。


人間が夕食の間は、犬もご飯。
ケージの中にドライフードなどを入れてやる。

夕食が終わると、再びケージから出す。ソファで寝そべったり、その辺をうろうろしたりしている。

22時頃
「ハウス」と言ってケージに誘導すると、自分で入る。
暗幕をかけてやって、お休み。

と、こんな感じです。私も妻も犬を飼うのは初めてなので、犬のしつけの「し」の時もわからぬままホームページを見たり、本を買ったりと独学でやってきましたが、やはり限界があるようです。

こんな私たちでも、なんとかなるでしょうか...?

まず、何から手をつけてよいやら...
アドバイス頂けたら幸いです...


返答内容まず、問題の1.2.3です。

犬はもともと、高くて不安定な場所が嫌いなので、抱っこは基本的には嫌がりますし、本当はそれで良いのです。

犬同士で体を合せる時は、上位の犬が下位の体の上に自分のアゴや前足を乗せようとします。マウンティングもそうですが、体位が関係を表しているのです。

ですので、自分の優位性を感じている犬は、人の体に乗る抱っこを好む犬もいます。また、そこまで感じていなくても、幼少期からの癖で慣れていて、飼い主さんから褒められるのが気持ち良くて大人しく抱っこされる犬もいます。

ただ、前述したように自分の優位性を誤解したり、抱っこされるのが癖で自分で外を歩けない犬になる場合が多いので、抱っこはおすすめできません。家での膝上抱っこも同じです。

では、どうすれば良いか・・ですが、バッグ等の犬が入れて飼い主さんが担げる物を用意しましょう。もし家に使わなくなったカバンやリュックサックなどあればそれで良いですし、最近はエコバックなど安く売っていますから、そういうもので良いです。犬がすっぽり入れて、人間が肩に担げる物が良いでしょう。

マンションから外に出るまでの移動はそれを使ってください。ただし、急に犬をバッグに入れようとしても嫌がりますし、無理に入れると次回から猛烈に嫌がります。

ですので、時間をかけて段階的に慣らしていきます。それも遊びの中で自然に慣れさせましょう。まずボール遊びしてください。その流れの中で、ボールをカバンの中に入れて犬に取りに行かせてください。カバンを横に倒して、犬が入りやすいようにしておきます。

犬が怖がるようなら、自分の手を入れてあげ安全性をアピールしてください。犬が入っても、数日はカバンを持ち上げないで、ひたすら安全性を確認させてください。楽しいボール遊びの一部だと認識させます。

それを数日繰り返したら、今度はいったん犬が入ったカバンを立ててみます。持ち上げないで、入り口を上に向けるだけです。犬が怖がらないように、飼い主さんの手を入れて褒めてあげれば安心できます。

それに慣れてきたら、ちょっとだけ持ち上げてみましょう。マテの指示を出しながら褒めます。そして室内をゆっくり歩いてください。

慣れてきたら玄関から出てみましょう。その間、暴れなどなければもう大丈夫です。そのままマンションの外に出たら、犬をカバンから出して、外の散歩をしましょう。

犬が途中でジタバタして怖がるようなら、いったん一つ前の段階に戻って数日同じレベルで練習します。犬のしつけは何でもそうですが、急にゼロから100には到達できませんので、少しずつ難しくする段階を作ってあげると良いです。

犬は「散歩=抱っこもある」ということを覚えていますので、抱っこ嫌いが1.2.3に影響しています。そして、犬の散歩が1・2週間に一度、というのはあまりにも少なすぎます。

運動不足もありますし、それ以上に社会化できません。あらゆるストレスに弱くなります。経験不足が散歩嫌いもまねきます。

とにかく色んなタイプの他人・犬・猫・鳥・車や自転車など、色んなものを犬に見せることです。経験を積むと落ち着きも違ってきますし、社会性の強い犬にとっては、心地よい外の刺激がストレス解消にもなります。

急に散歩を増やさないで、徐々に増やしていき、最終的には毎日明るい時間帯で30分以上外で過ごす・・という形にしてください。

そして、散歩中もし吠えたり、5のチャイム吠えもそうですが、まずは人に合うことに散歩を通して慣れさせることと、直接の教えも必要です。

吠えたら「ダメ!」で犬の口を閉じるのですが、それで終わりにしないで、そこに「シ~!」の音を関連付けながら褒めることをセットにしてください。

それを覚えると、離れていてもシ~の音で止めさせることができますし、その繰り返しで最初から吠えないことも覚えていきます。

チャイムについては、休日でも利用して家族で役割分担して練習して下さい。チャイムを鳴らす人、犬に教える人・・そして役割もローテンションしてみんなで出来るようにしましょう。

そして、犬のしつけ全てに共通することですが、教えても叱っても褒めても、犬との関係次第でその効果が全然違ってきます。関係作りを最優先で意識して日常を過ごしてください。

まずは普段の何気ない態度の見直し、あお向け、リーダーウォーク、主導型のヒモ付ボール遊び・・たくさんやりましょう。

スキンシップや褒め方もそうですが、ナデナデは止めましょう。下位の犬は上位やリーダーに挨拶する時、すり寄ってナメナメします。人間がなでる行為を犬同士の舐める行為と類似して誤解する犬がいますので、気を付けましょう。

褒める時も毅然と「○○良い子!」や音の関連付けをしながら犬の肩をポンポンポンして褒めると良いです。

そしてもちろん、それらの事は犬のトイレのしつけも同じことです。

まず、犬のトイレのしつけは唯一叱ってはいけないのです。褒め過ぎも従属的です。犬は場所の失敗そのものも理解できませんし、さらに叱られたことと結びつける知能もありません。犬がした行為はオシッコ・ウンチしただけだからです。

叱られても犬には意味が分かりませんし、オシッコ・ウンチそのものが叱られたと勘違いして、人の見ていない隙に隠れてアチコチするようになってしまいます。

犬のトイレのしつけの基本は、失敗する機会を作らないことと、成功体験を多くさせ音の関連付けをしながら褒めることです。

まず失敗の機会を減らす方法ですが、犬をケージから出すときはリードを付けて持っていましょう。2年半一緒に暮らしていますから、犬が排せつする前兆のクンクン嗅ぎやクルクル回りはもう察知できるはずです。

犬をジロジロ見つめないで、横目でチラチラ見ながら監視します。排せつする前兆が見えたらすぐにリードでトイレに誘導できます。

またリードを付けておくと、唸ったり噛んだりした時に現行犯でそのままリーダーウォークに移行できます。

そして犬を監視できない時はケージに居させることです。

ケージのトイレでオシッコ出来ている時は、トイレを指差しそれを見せながら「チチチチ」の音を関連付けながらポンポンして褒めてください。

音の関連付けが出来て、主従関係も出来てくると、音出しの指示でオシッコしてくれるようにもいずれ出来ます。

・・とお話してきましたが、今回は簡単ではありません。現状は、犬が王子様で飼い主さんが召使状態です。その関係を変えるのは容易ではありませんし、犬も抵抗してきます。

仰向けを急にされたようですが、本書やメールでも書いている通り、急にゼロから100にして結果を急がないでください。例えば仰向けならボール遊びの流れでなんとなく一瞬ひっくり返してみる・・そういうところから始めてください。

それと、オヤツや人間の食べ物を与えることは一切止めてください。犬には、人間が摂取するレベルの塩分糖分は健康上非常に危険です。そして行為自体がとても従属的で、すでに精神的に犬に負けてしまっています。

そういう接し方の中で手法の上塗りをしても意味はなく、かえって悪循環になってしまいます。

犬が食べる物は、ドライフード一本に絞ってください。

まずは普段の何気ない接し方や態度から見直す意識改革から始めてください。そして関係作りと直接の教え・・無理せず、あせらず少しずつ続けてください。今回はすぐに結果は出ないでしょう。でも意識を強く持って続ければ必ず結果は出ますので、ご家族でよく共有しながら一貫して続けることです。

では頑張ってください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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