犬のしつけがQ&Aで分かる!

ブラッシングを嫌がる犬のしつけ・体罰・オヤツ

Q.ご質問:
犬をブラッシングする時、とくに首周りを嫌がります。噛みつこうとします。一回たたいたらブラッシングに警戒感が出てきた?感じがしますが。

(柴犬、オス、11か月)

1日の流れ
・朝5時半からだをなでて、仰向けしてからブラッシング。(短時間しか出来ない)
・6時散歩、途中保護犬だったラブラドールを中心に芝生でボーダコリーとおい駆けっこ、ボール取りを5分くらいする。まだみんなとのおい駆けっこに慣れてないので、早めに犬は止めます。はじめ吠えていましたが、毎日顔をあわせてやっとおい駆けっこできるようになりました。

・6時半自宅で水飲む。
・7時半朝食(ドッグフードとゆでた野菜)
・玄関横の小屋や暑いと裏で休む。
・12時ほんの3分位おしっこと歩き。おやつのささみ一本くらい。
・母仕事なのでおばあちゃんちの土間で18時まで。
・父帰りおしっこと5分くらい歩く。
・18時半夕食。
・自宅に帰り、抱っこして風呂場で足洗。
・リビングでボール取りやおもちゃで遊ぶ。遊びのあとに煮干しなどおやつ。
・20時30分くらい散歩。
・21時寝る。


A.お答え:
今回は過去の接し方や叱り方・褒め方など具体的なお話はいただけませんでしたが、いただいたメールの内容から雰囲気はつかみ取れましたので、その範囲でお話申し上げます。

まず、犬のしつけの根本は全て関係作りにあります。普段犬をチヤホヤしたり従属的な態度を見せてしまっている中で、特定の手法だけ上塗りしても犬のしつけは絶対に成功しません。今回ならば、どんなに優れたブラッシングのテクニックがあったとしても、関係が崩れていれば犬は嫌がりますし怒ります。

特に、ブラッシングそのものを最近始めた・・・のであれば、やり方やブラシの構造に問題があるかもしれませんが、もう11か月ですからブラッシングはだいぶ前からされてきたのではないでしょうか。ここ最近噛もうとするようになった・・ということであれば、明らかに犬との関係の問題になってきます。

生後11か月というと、成長期の最終段階になります。成犬としての本来の権勢本能が強く出てきますし、知能も高くなっていきます。今までの接し方全体に甘さがあれば、犬は自分の優位性を段々強く感じるようになっていき、関係が段々崩れていきます。

もしブラッシングを最近始めたばかり・・ブラシを変えたばかり・・ということであれば、ただ単に慣れの問題です。無理にやらずにボール遊びの流れの中で、肩にちょっとブラシを触れてみる・・褒める・・それを何度も繰り返しながら少しずつブラシで触れている時間を長くしていく・・褒める・・首に近づけていく・・褒める・・という段階を時間をかけて作ってあげれば良いだけです。

そのうち、犬はブラッシングの気持ち良さを理解しますので、ブラシを見ただけで自分から寄って来るようにもなります。

そして、同じ教え方・・褒め方・叱り方をしても、関係次第でその効果が全く変わってきます。だから犬のしつけの全ての根本は関係作りになります。主従関係・信頼関係です。

メールの内容を拝見した限りでは、少し甘やかしと従属的な面がありました。でも、かんた君の素性がとっても良い子なので、今まで特に大きな問題なくここまで来ました。普通はもう6か月前には、問題に悩むものです。

ただし、これからドンドン成犬としての本能が出てきますので、今までと同じ接し方をしていては、いつかは本気で噛んでくるようになる恐れもありますので、この機会に見直してみましょう。

>からだをなでて・・

↑「毅然とあお向けにして体中を触られることに慣れる」・・ということは重要なのですが、意味なくナデナデ・・声掛けしながらなだめるような行為は、極めて従属的に犬の本能には映ります。飼い主さんの意識も伝わりますので気を付けましょう。

犬同士では、下位の犬が上位やリーダーにすり寄ってなめて挨拶します。人間からナデナデされると、犬はそれと錯覚してしまうのです。犬をなだめるような意識があると、それも態度やしぐさで伝わってしまうのです。無意識に犬のご機嫌を取ろうとしてしまっていないか、ご注意です。

> 一回たたいたら・・

↑犬に体罰は絶対にいけません。犬の知能では、自分がした行為と受けた体罰を結び付けて反省することができないのです。シンプルに防衛本能で反応することしかできないのです。

強い体罰をする人の前ではなんとなく大人しくなりますが、自分を反省したり良い関係になったわけではなく、ただ単に嫌悪刺激を回避して、攻撃するチャンスを待っているだけです。他人を攻撃する傾向も出ます。

> ラブラドールを中心に芝生でボーダコリーとおい駆けっこボール取り・・

↑大変素晴らしいです。犬の飼い主さん家族(いろんなタイプの人間)にも会うことになりますから、幼少期から続けたのは本当に良かったです。最初は吠えたり上手く遊べないのは当たり前です。失敗も経験しながら学べば良いです。続けてください。

> おやつのささみ一本くらい・・ドッグフードとゆでた野菜・・煮干しなどおやつ・・

↑オヤツやフードへのトッピングは一切止めましょう。まずオヤツをあげる態度も従属的になりますし、犬が摂取する栄養バランス全体も崩れます。

老舗メーカーのドライフードは、長年の研究の末にたどり着いた最高の栄養バランスです。それ以外に何か食べるということは、バランスが崩れているということです。日本犬だから野菜を多めに・・というお考えをもしお持ちでしたら忘れてください。

オヤツやフードへのトッピングをしていると、いつかワガママが出てフードを残すようにもなります。気に入った特定のオヤツしか食べなくなったりもします。関係も崩れます。たかがオヤツ・・ではなく、犬のしつけ全体にも影響しています。

まずは、意味の無い声掛けナデナデ・・など従属的な態度や接し方がなかったか見直しましょう。接することが悪いのではなく、たくさん「主導」して接してほしいのです。

なんとなく声掛けしたい触りたいと思われたら、オテでもスワレでも何でも良いので必ず何か「指示を出し→犬が行動する→褒める」というパターンにしてください。指示で犬ができなければ型を作って教えて褒めます。

ボール遊びでも、投げる前にスワレ・マテ、投げたらヒモを引いて回収しながらコイの練習、ゴハン前や途中でも中断させてスワレ・マテ・・・

というふうに、犬との接し方は24時間365日いつでもどこでも常に「主導」してください。犬に合せたり、ご機嫌を伺うような感覚は一切いけません。

成長し成犬に近づいてきましたから、ますますそういう本能の目で、犬は相手を見ます。

時々、ホームページと本書とメールを読み返して、接し方や意識を見直されると良いです。
では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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