犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけでは先生以外の情報は遮断し教えは全て守ること

質問内容
【愛犬の犬種、年齢・月齢、性別、(飼い始めてからの年月日数や犬を飼うことになった動機なども)】

ゴールデンレトリバー、月齢2ヶ月1週間、オス、飼い始めて3日経過、夫婦ともに犬が好きで犬と暮らすのが夢だったため(二人とも子供の頃実家で犬を飼っていた経験あり)

【ご家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間】

夫婦2人のみ両者とも30代、男1女1、平日は夫14h妻16h、土日祝日は24h(犬を引き取って初日から5日間は妻は1日中同居でしたが、それ以降は仕事にでるため上記のとおりになります)

【問題】

犬はゴールデンレトリバーの仔犬です。ブリーダーから購入しました。

生後2ヶ月間は親犬や兄弟、年上の親戚犬たちと接触して暮らしていました。ブリーダーさんが餌やり体調管理の他しつけ・遊びによる接触にも気を遣ってくれたため、ノー!と叱ったらものを齧るなどの悪い行為はやめますし、トイレの場所も良く覚えてくれています。性格は人懐こく、仰向け状態で体のあらゆる部位をさわらせてくれます。

困っている事は、遊び等で気がたかぶったり見慣れないもの・行動をみるとワンワンワン!と興奮して吠える癖を止めさせたいです。

特に、人間が手を離せないときに吠える場合どう教えたら良いのかご意見をうかがいたく、メールしました。

1.トイレが成功したら「グー!」という声かけとともに犬の体をポンポン撫でてシーツを交換したりフンを回収したり床をふき掃除するのですが、このとき犬が興奮してシーツをくわえようとしたり手元に飛びついてきたりします。(過剰にほめたりベタベタ触ってはいないと思います)

特に床にシュッシュと洗浄剤や水を霧吹きしてペーパーでゴシゴシ拭き取る動作に興奮するようで、邪魔だからノー!と言って口元を繰り返し押さえ叱っても何度も頭をつっこんできてヒートアップし、そのへんを跳ね回りながらワンワン!と吠えます。

掃除をなんとか終えてノー!と言った後無視していたらしばらくして落ち着き鳴き止みます。この状態が続くと掃除がままならず困るなあと思ったのですが、何度も掃除するところを見せて邪魔したら叱る、を繰り返せば慣れていずれは邪魔しなくなるでしょうか?

2.いつもではないのですが、人間が柵をはさんだ向こう側の食卓・台所で作業しているとワンワン!と吠えます。

たぶんかまって!という意味かなと思います。

離れているので即座に口を押さえて叱れないし、近付いていって柵ごしに口を押さえようとしても後ずさって身をかわしたり、吠えるのを止めてしまうので、丁度いいタイミングで口を押さえてたしなめる事が難しいです。(柵の構造上、柵のこちらがわと向こう側はスムーズに行き来できないです。ヨイショと苦労すればまたげますが)

離れたところから声だけでシー!とかノー!とか注意してますが、効き目があるのか疑問です。

吠えてる間は無視して吠えやんだら褒める方法もやろうとしましたが、止んだかな?と思って近付いたらまた吠えたりで、こちらもうまくタイミングがつかめません。やり方が悪いのでしょうか。

アドバイス頂けると助かります。よろしくお願いいたします。

【ポイント】

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?

→朝・昼・晩の餌をあげた後20分~40分程度、疲れて眠そうにするまで遊びます。内容は、紐付きコングや綿素材のロープを齧らせたり、マテ・モッテコイやキャッチ・出せの真似事です。

あとは、撫でたいときはコイやスワレをやってから触ります。耳掃除や歯磨きを嫌がらない子にしたいので、撫でる延長で口の中を触ったり耳の中を触ったりします。あまり抵抗はしません。

②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

→人が手を出したら甘噛みしてきたり、齧って欲しくないものをかじるなどしたら「ノー!」と短く低い声で言ってマズルを掴みます。

トイレは場所をはずしても叱らず、成功したら「グー!」と言って体をポンポンして褒めます。吠える事に対する対応がまだ定まってなくて...

手が離せず犬のそばに行けないときは唇に手を当ててシー!と言ったりノー!と言ったりします。犬のそばにいるときはマズルを掴んでノー!というのですが、犬が人の手を避けてうまくマズルを掴めなかったり近寄ったら吠えるのをやめてしまったりで、タイミングが難しいです。


③過去はオヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?

→おやつ、猫なで声でなでなではしていません。私は抱っこはしませんが、夫はたまに仰向けポーズや耳・目などのチェックの延長で抱っこをすることがあります。

④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?

→仔犬でさいごの予防接種がまだなので散歩はまだやっていません。

⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

→6~7時半: 人間が朝食を済ませた後犬のエサやり。30分程度コングやロープで遊ぶ。夫は仕事へ。

11~14時:  犬は排泄を済ませた後寝ているので、妻は自分の用事をして過ごす。同じ部屋にいたり別室にいたり。犬を残して数時間出かける場合もある。

14~19時: 妻が食事後犬に昼の分のエサをやる、犬は排泄を済ませる。犬は寝たり起きたりなので、様子をみつつ細切れに遊び(コング遊びやコイ、スワレ、ゴロンの指示だし)

20~21時: 夫帰宅後、夫婦で夕飯。その後犬にエサやり。

21~24時: 夫が犬と遊ぶ。コング、ロープ、ぬいぐるみを使った遊び。疲れて休止→遊ぶの合間に人間は入浴などの用事を済ませ、犬は排便。犬が眠そうになったら就寝。就寝時は人と犬は近接した別室で寝ます。(犬は一人で寝るとキュンキュン鳴いてさびしがるので、なるべく遊んで疲れるのを待って寝ます。)

⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、放し飼い・つなぎ飼い環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします) 

→添付の写真の通り、現在14.4畳の居間を柵で区切って一部を犬用スペースとしています。食卓と台所があるエリアには犬が立ち入らないようにしています。

犬エリアにはソフクレートとケージを連結させたものをハウスとして設置し、ケージ内とその外にトイレを設置しています。
クレート:奥行き90cm、幅60cm
ケージ:奥行き90cm、幅130cm、高さはいずれも70cmです。

最初はクレート+ケージの中にいさせようかと思いましたが、狭そうに見えたのと、クレートとトイレの位置が近くなってしまうのが気になって寛げないんじゃないかと思い、ケージの扉は開きっぱなしです。クレートやケージは全く入らないわけじゃないですが、どちらかというと普通の床に寝そべることが多いようです。

トイレですが、ブリーダーさんのところでやっていたのを真似てペットシーツを並べて目印に人工芝を乗っけています(ただし成犬用のトイレでした、しつけが浸透したブリーダーさんの成犬と違い仔犬だとペットシーツを齧ってしまうのがわかり、メッシュトレイの導入を考えています)。


返答内容
今回せっかく犬を飼われる前に本サービスを手にしていただいたわけですが、内容を熟読されておられないか、意図的にお守りいただいていないようで、とても残念です。

>飼い始めて3日経過・・
>犬を引き取って初日から5日間は・・

↑これは矛盾しておりますので、どれが真実かは分かりかねますが、おそらく家に来て最初の一週間の中で、犬をケージから出したり接触されておられたと思います。

そして、ケージの扉を閉めずに任意の放し飼い状態だったようです。

私の教材では、それらは禁止しております。

また、クレートもハードではなくソフトタイプですね。もちろん無いよりは良いのですが、せっかくお金を出して有効性の低い物をお買いになられたのは残念です。


Q&Aサイトで、たくさんの記事に書いておりますが、子犬が来た最初の1週間から10日間は、子犬をケージから出したり触ってはいけないのです。

子犬は新しい環境に来て、とても強い緊張興奮ストレスを抱えています。接触はそれをあおってストレスを倍増させてしまいます。

そして、ケージから出てウロウロや接触が癖になるのと、犬は最初の接触を基準値にしてしまうので、それが実行できない時にストレスになるのです。

まずは安静にさせることと、自分の居場所をしっかり定着理解させることが必要なのです。

それと、これはもう少し先のお話ですが、半放し飼いでテリトリーが広くなりますので、それを守るための神経も使い、過敏になり、吠え癖も出ますしストレスも増します。権勢本能が強くなり、主従関係にも影響が出ます。

犬の普段の居場所には運動場は要りません。

遊び・運動・団らん・お散歩は、飼い主さんが時間を作ってメリハリを持って、『主導の元で』たっぷりすれば良いだけのことです。


さて、吠えの対策ですが、手が離せない時は犬をクレートに入れて、毛布などの厚手の布を掛けて暗く目隠ししましょう。(夏場はエアコンで温度管理すること)

巣穴感覚で落ち着ける犬が多いです。

夜に電気を消すだけでは、あまり意味はありません。犬は暗視力が高いので、人間には暗闇でも犬には普通に見えています。厚手の布で遮らないといけません。

それと、時間がある場合でも、まだ幼すぎて知能が低いですので、接触系の教え方よりも布掛けして去る方法をメインにしましょう。甘くしてしまうと「吠えればかまってもらえる」と誤解しやすいです。

もちろん、甘噛みや要求吠えでは、厳しく仰向けすることも必要です。

リーダーウォークはまだ出来ません。骨格がしっかりしてくる4か月以降に、徐々に強化していきましょう。3か月になったら首輪とリードは付けれますので、吠えた現行犯の瞬間に、シ!の注意音と同時に首輪やリードをチョン!と引き上げて注意する方法もあります。


さて、以上のお話も、Q&Aサイトでたくさん解説されていることです。

このメールでは、わざと全てお話しておりません。詳しくはQ&Aサイトを熟読されてください。そうしないと、今回のように情報のつまみ食いになってしまい、とても危険だからです。

私の犬のしつけ法は、全てがつながってします。

好きな部分だけ実践されるような矛盾があれば、犬は理解できないのは当然のことです。ギャップでイライラもします。これを絶対に忘れてはいけません。

先生を決めたら、その人以外からの情報は遮断し、その人の教えを『全て守ること』が重要です。

それをお約束できないようでしたら、もう今後はアドバイスはできません。

これは世の中のこと全て同じです。

伝統芸能や武術や、子供の成長でも何でも同じですが、「守破離」という言葉があります。

最初はしっかり先生や親の教えを守って、出来るようになって初めて型を破ってみて自分流を試し、少しずつ離れて巣立っていくのです。

いきなり「破離」では必ず失敗します。

Q&Aサイト(特に子犬関係の記事)・本書をご家族全員で熟読いただいて、家族会議でルールを決めて実践、指摘し合いながら修正していかなければいけません。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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