犬のしつけがQ&Aで分かる!

本気噛みなどで大変だったオスの捨て犬(柴犬)がしつけで良い子になってきた

質問内容
ごぶさたしております。(柴犬系オスの雑種の捨て犬で本気噛みなどで大変だった犬)

最近は、散歩でずっと引っ張るようなことはなく、リードがたるんだ状態が多くなってきました。

朝は、散歩のあと餌(7時前後)夕方も散歩のあとに餌(午後7時前後)あげています。

二日に一度くらい、散歩の時間になると吠えます。たまに、朝の5時くらいとかに、散歩の時間よりずいぶん早い時間帯に吠えています。

この時は一切相手にせず無視するようにしています。

それから、夕方3時ころ、吠える時もあります。かまって欲しい様子で吠え続けることがあります。

ほかにも庭に出て10分ほど犬の相手(時間はまちまち)して、また部屋に戻るとき吠え続けます。

このときは、塀の外に回って、リードに繋いでいるので、塀の外からリードを引っ張って吠えるのを辞めさせます。(わたしの姿は見えません)

もっとも、いずれの場合も5分から10分ほど吠え続けますが、いつのまにか止まっています。

最近は、このぐらいならいいのかなと思っている次第です。

動画撮影した分をおくります。なかなか、撮影者と散歩者とそろうことがなく、うまく映せていませんがよろしくお願いします。

(↓飼い主さんの許可を得て公開しております。プライバシー保護のためカット編集しております。)


また、体をさわることはできますが、まだまだ嫌がったそぶりを見せます。頭を撫でようとすると、嫌がるときもありますが、なでさせてくれる時もあります。

子供に対しても、しっぽを振って喜んで近づいていくわりにそばまで行くとぷいっとするというような感じです。

名前を呼んでもまったく反応しませんので、オスワリと唐突に言ってもできません。リードをパンっとひっぱてこちらに注目させてから指示するとやります。

餌のとき、マテの指示はよくできるようになってきました。(よしと言うまで食べようとしない。)

ただ、一度食べ始めてから中断させるのは難しいです。唸ったり、さらにエサ皿に手をだすと手に吠えついてきます。噛まずに、吠えながら歯を当ててくるような感じです。

カラのペットボトルをおもちゃにするのが好きで、遊んであげるのですが、これを私が取りあげようとすると怒ります。(VTRあり)

これは、僕が取りあげようとするとこうなりますが、嫁さんが取りあげようとしても吠えません。

嫁さんに遊んでもらいたいのか、ペットボトルを放ってもらいたいのか、嫁さんの足元にペットボトルを置き、嫁さんがそれを拾って放り投げるのをまって、放り投げたらまた拾って嫁さんお足元にポロっと落として、、、、まっ、いいんですが。。。

ご相談当初は、噛みつかれた事を相談させてもらいましたが、あれ以来噛みつかれことはありません。自分が注意しているからなのか、うなったり吠えたりしても本気で噛みついてくることはなくなってきたのかなと思っています。

もっとも、うなったりということ自体がほとんどなくなってきています。ちょっとは、成長したのかなと思っている次第です。

オスワリ、フセ、マテがそつなくこなせる様に、誰が触っても大丈夫なようにがんばります。また、よろしくお願いします。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

動画を拝見いたしまして、私が予想していたよりも、ものすごく良い状況で、柴犬君もとても素性が良い子でした。

表情も歩き方も、とてもリラックスしていて、目も優しく頭の良い子だと分かりました。

動画を拝見する限りでは、保護犬だったことを考えれば、かなり100点に近づいてきたんじゃないかと思います。

あまり高望みするのも、お互いにストレスになりますが、改善点もありますので、アドバイスいたします。


まずお散歩ですが、散歩はもう100点満点と言っても良いです。

まだ若いですので元気があって、家から出て直ぐは興奮も強いですので、犬が軽く引っぱったり少し前に出るのは全然問題ありません。

もっと完璧を求めるのであれば、家のお庭や玄関先でもっとリーダーウォークを行ってから出かければ、もっと落ち着けるでしょう。

家から出て少し歩いたら、もうその後は完璧になっています。

まだ若くて好奇心がある犬なので、少し前のめりになることもありますが、それは全然問題ありませんし、全体的には飼い主さんの位置を把握しながら歩くペースをちゃんと合わせているのが分かります。

途中での「スワレ・マテ」にもキチンと反応して従っていて、とても良いです。

歩き方を見ても、犬がリラックスしていて足取りが軽く、柔らかいのも良いところです。かなり散歩を楽しんでいる様子です。

一つ欲を言えば、もっと途中でたくさん止まっても良いです。止まる→歩く→止まる・・・というアクセントをもっと付けると、なお良いです。


ご飯前のスワレ・マテも、子供さんの言うことにちゃんと従えていますので、だいぶ良い状況です。

アドバイスとしては、ジェスチャーをもっとハッキリ関連付けましょう。

今も耳が若干遠いかもしれませんし、年をとるとほとんど聞こえなくなる犬もいますので、指示音とジェスチャーは必ずセットにしたほうが良いです。

>一度食べ始めてから中断させるのは難しい・・
>唸ったり、さらにエサ皿に手をだすと手に吠えついてきます・・

↑これはまだ難易度が高いです。

これからもっと信頼関係・主従関係が深まっていきますし、指示音・ジェスチャーの関連付けが定着していけば進展します。あせらないでコツコツ続けていけば大丈夫です。


>体をさわることはできますが、まだまだ嫌がったそぶりを見せます・・
>頭を撫でようとすると、嫌がるときもありますが、なでさせてくれる時もあります・・

↑これもどんどん良くなっていきます。あせらなくても大丈夫です。


>子供に対しても、しっぽを振って喜んで近づいていくわりにそばまで行くとぷいっとする・・

↑犬がシッポを振るのは、嬉しいからとは限りません。

犬は怒っていてもシッポを振ります。つまり要素は、興奮なのです。

犬が本当にリラックスして嬉しい時は、シッポはブンブン振らずに、ゆったり寄り添ってきます。

ですので、子供さんを見て「食べ物やオモチャや何か面白そうなことがあるかもしれない」と一瞬興奮したけど、「やっぱり何も無さそうだ」と、冷めたり切り換えたわけです。

まだまだ関係は深くありませんが、シッポを振ることは目安にしないことです。

犬がシッポをブンブン振ってくるということは、『まだ興奮する相手』 『リラックスできない相手』でもあるのです。

だから、「犬が嬉しそうにシッポを振っていたので触ろうとしたら噛まれた」ということがよくあるのです。

もっともっと、(正しいやり方での)遊び・散歩・世話を通じて、主従関係と信頼関係を深めていきましょう。


>名前を呼んでもまったく反応しませんので、オスワリと唐突に言ってもできません・・
>リードをパンっとひっぱってこちらに注目させてから指示するとやります・・
>カラのペットボトルをおもちゃに・・とりあげようとすると怒ります・・

↑まず、興奮の要素があると指示も聞こえなくなる場合が多いですし、この子の場合は耳が遠い可能性もあるので、先ほどもお話ししたように、ジェスチャーを指示音と一緒に関連付けることと、指示だけで結果を得ようとされないことです。

まだ指示行動が定着していない段階では、少しの興奮でも聞こえなくなってしまいます。

そういう時に、ムキに指示だけで結果を得ようとされないで、クドクド言うのは止めて直ぐにもうこちらから型を作ってあげて、指示音ジェスチャーで褒めて教えてあげていただきたいのです。

その方が、お互いにイライラしなくて済みます。

また、ジェスチャーを大事にすると、犬が飼い主さんを注目する癖もつきます。

それと動画を拝見してですが、今のような吠えならば全然ご心配はありません。

「やだ!オレのだよ!」と、興奮と半分遊びの要素でちょっと吠えているだけです。

これがもし、歯をむき出してウ~!と唸って噛むようでしたら問題ですが、そうではないので、あまり気にされないでください。

ただし、やり方をもう少し工夫されると良いです。

先ほども触れたように、声の指示だけでクドクドしないで、指示音ジェスチャーを出しながら、リードをチョンと引き上げて、スワレ・マテの型を取らせてほしいのです。

そこで再びはっきりとマテをさせて、そこでペットボトルをダセの指示音ジェスチャーを出しながら手で取り出せば良いのです。(Q&Aのコング遊びの記事参照)

それともう一つは、出させて満足して終わりにしないで、すぐに褒めてすぐにまた投げてあげてほしいのです。数回繰り返します。

そうすれば、「渡してもまた投げて遊んでもらえる」と犬が理解し、信頼感が生まれます。

もしかしたら、奥様はそういうふうに気長に遊びに付き合ってあげていたのかもしれません。

もしそこに嫉妬してムキになると、悪循環になりますのでご注意です。


続いて吠えのしつけになります。

夏場は朝の日の出の時間が早いので、明るさの刺激もありますし、人や動物の生活音が出る時間帯が早くなります。

興奮刺激が多いので、夏場は早朝に吠える犬が多くなります。

また、全体的に蒸し暑いので、イライラして吠えやすくなる傾向もあります。

散歩も遊びも、もちろん催促吠えは良くありませんが、保護犬だったことを考えれば、家族にはだいぶ慣れて信頼関係も少しずつ増えて、要求するまでの関係に進展したという見方もできます。

保護犬の場合は、そういう過程があるのも必要なことでもあります。

例えば、捨てられていたり虐待を受けていたのならば、まずは群れや家族としての信頼感や安心感が最重要です。それが出てきたからこそ、要求して甘えも見せれるようになった・・・と考えると、悪い事ではありません。

ただし、要求される主従関係は問題ですので、これからの課題になります。

さて、今回の吠えのしつけの方法ですが、現在は姿を隠して天罰式に注意されていますが、指示音を関連付けながら厳しくリーダーウォークすることもやってみてください。

例えば、室内犬ですとケージに犬を入れて『布掛け目隠し』という方法もあるのですが、今回は環境的に難しいですので、リーダーウォークをやってみましょう。

厳しい態度で目も合わせず声掛けもされないで、すぐにリーダーウォークに入ります。

その時に「シ!・・シ!・・シ!」の指示音を関連付けながら、かなり厳しい態度で、少し強めに切り返しをしてください。

2・3分したら、また無言でつないで去ります。

遊んだり妥協はしないで、淡々と繰り返してください。

注意音が関連付いて、犬が意味を理解していけば、家の中から注意音で止めさせることができるようになっていきますし、吠えること自体が無駄だと理解もして、最初から吠えないようになっていきます。

そして、今もされているように、もしご近所迷惑でなければ、かまわずそっとしておくのも良いです。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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