犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬の多頭飼いで仲が悪くケンカする場合のしつけ

質問内容
堀川さんのホームページを拝見し、もう一度基本に戻り、我が家の犬との気楽な生活がしたいと、犬と家族の絆を先日購入させていただきました。

読ませていただき、なるほどなと、我が家はワンコを優位にしている場合が多いと感じています。

我が家の家族構成:

私と妻ともに50代

・コーギー2匹→メス13歳、オス5歳
・チワワ1匹→オス8か月⇒2週間前に家族となりました。

この構成のなかで、以前から問題があるのが、メスのコーギーとオスのコーギーの関係です。

常にお互い優先順位を争い、噛みつきの喧嘩に発展してしまいます。また、メスのコーギーがせき込み等の症状で弱いと思うと、オスのコーギーはメスのコーギーに攻撃をしかけ、我慢するときはしばらくするとあきらめ、普通に戻りますが、我慢しきれず反撃に出るともう大変な噛み合いの喧嘩になり、血が出るほど真剣にやり、双方とも興奮状態が収まらない状況となります。

更に、メスのコーギーが自分の陣地にゆっくりしていると、何かのタイミングでオスのコーギーが突然攻撃をしかけに行き、上記同様の喧嘩に発展していくこと日常多くなっています。

これは、犬の上下関係も再構築する必要があるのでしょうか?また人間が上位に立っていないため、犬同士の奪いやいが発生して興奮してしまうのでしょうか?

実は、私が一人で2匹と居るときは殆どそのような状況にはならないですが、妻が居るときにこのような状態になることが大半です。

この犬の生活状況については、2匹ともリビングで自由に生活できるようにしています。これらも問題があるのでしょうね?

妻は、オスのコーギーの性格が問題だと言っていますが、貴殿の教えでは、妻はいいように必要以上に構いすぎるため二頭ともに甘くみて、自分が優先ではなければと妻を取りあいになり、喧嘩が始まるものと理解していますが、どのように対処すればいいのでしょうか?

今後の対処としては、部屋の中を自由にできるのではなく、各犬毎に大きめのケージとクレーとを活用した居住場所を確保し、散歩又は遊ぶ時だけ自由にできるように出すようにすべきかなとも思っていますが、如何でしょうか?

よろしくお願い申し上げます。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

今回は、下記の要素が全てあります。

>犬の上下関係も再構築する必要があるのでしょうか?・・
>人間が上位に立っていないため犬同士の争いが発生?・・
>2匹ともリビングで自由に生活・・これらも問題があるのでしょうね?・・

まず一番の要素は、後住コーギー君になりますが、そうさせてしまったのは飼い主さんのしつけであり、環境作りでもあります。


まず環境ですが、犬の放し飼いは自由なように見えて、実はストレスになっている場合もあります。

守るべきテリトリーが広くなりますので、その分神経も使い、縄張り意識や権勢本能を刺激してストレスになります。

遊びや運動や団らんは、飼い主さんが時間を決めてメリハリを持って、主導の下でたっぷりすれば良いだけのことです。普段の居場所に運動場は要りません。

特に今回は、後住コーギー君の攻撃性が落ち着くまでは仕切ったほうが良いです。

ただし、後住コーギー君が学んで変化が出てきたら、みんなと一緒にしてあげてください。それが多頭飼いのメリットです。

あまり高級なケージまでは要りませんが、安めのサークルや単品柵を数枚買って、針金やヒモで結んでお部屋を区切っても良いです。

でも出来れば、頭数分のクレートハウスがあるのが理想です。


さて、後住コーギー君を制御して他の犬をケガさせないように、また飼い主さんとの主従関係の再構築の両方に良いことなのですが、後住コーギー君をケージ(サークル)から出すときは、必ずリードを着けて誰かがそれを持っておく癖にしましょう。

最初はしばらくご主人にしていただいて、変化が出てきたら奥様がされるのが良いでしょう。

先住コーギーちゃんは自由で良いです。

団らん、遊び、運動でケージから出す時は、リードで後住コーギー君を制御するようにします。(この時は他の犬と一緒に過ごします)

そして、先住コーギーちゃんを攻撃するような素振りが見えたら、「シ!」の注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意します。

他にも、お部屋でリーダーウォークをしていただきたいですし、仰向けもしてください。

そして仰向けをした時に、先住コーギーちゃんを呼んでください。

後住コーギー君を仰向けで固めて、その上に先住コーギーちゃんが乗るような態勢にして、先住コーギーちゃんの優位性をしっかり示してください。(先住犬を優先)

また、もちろん、奥様にも同じようにしていただき、後住コーギー君に奥様との主従関係をしっかり認識させていただきたいのです。

しばらくは後住コーギー君の反発もありますので、ご主人が主体になられて行ってください。

また、噛まれてもいいように、お二人とも厚手の古着を着たり腕輪をしたり、作業用の革手袋をされると良いです。ホームセンターで500円くらいで売っています。


さて、チワワ君が来たばかりですが、後住コーギー君のしつけを行いながら余裕が出てきたら、チワワ君にも同じようにしてください。

リードを着けて飼い主さんが持った状態で過ごすようにして、慣れてきたらお散歩の練習もかねて軽いリーダーウォークを始めてください。そして、慣れを見ながら、さらに強化していきます。

8カ月ということで、成犬の本能が強く出てきますし、知能が急激に上がるタイミングですので、ルールや関係性をしっかり認識させるべき大事な時期です。


さらには、先住コーギーちゃんと奥様の関係も崩れてはいけませんので、奥様にも本書とQ&Aをご熟読いただきまして、知識と意識を深めていただきたいと思います。

ただし、先住コーギーちゃんの場合は、もう老化もかなり進んで心身ともに緩慢で穏やかになってきていると思います。

あまりストレスがかかるような激変をするといけませんので、「奥様の意識が変わってチヤホヤの甘やかしだけ止める。主導型で遊んだり散歩する」という程度で良いです。

ただし、後住コーギー君とチワワ君に関しては、奥様がしっかり主従関係を作っておかないと、これから関係が崩れて手に負えなくなることも考えられますので、そこはご努力いただきたいと思います。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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